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東京で話題の展覧会やダンス公演情報から、定番のギャラリーや美術館の紹介

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭が開幕、5の見所を紹介
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KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭が開幕、5の見所を紹介

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020は国際的に著名な写真家の多様な作品を京都市内各所にて展示する一連の展覧会だ。印刷工場であった建物や文化財の寺院など、インスタレーションにとって完璧な舞台となる、京都で最も魅力的な空間を使っているのが特徴だ。 例年であれば春に開催されるのだが、新型コロナウイルス感染症のために今回は数カ月延期され、最終的には2020年9月19日(土)〜10月18日(日)の開催が決定した。一部の展覧会は無料だが、有料の展示もあるので、全ての展覧会とプログラムに入場できるパスポート(3,500円)を購入してもいいだろう。ここでは『KYOTOGRAPHIE 2020』の16の展示の中から、見逃せない五人のアーティストを紹介する。    Photo: Courtesy of Wing Shya 'In the mood for love', 2000   ウィン・シャ ウィン・シャは香港写真界をけん引する存在であり、映画監督ウォン・カーウァイの元専属フォトグラファー兼グラフィックデザイナーとして『花様年華』のような高く評価された映画を通して親しまれている。従来の写真とは一線を画した、親密で彩度の高い写真が特徴だ。  これまでの数十年間にわたってシャは、チャイニーズポップのスターたちのミュージックビデオの製作から『ルイ・ヴィトン』や『メゾン・マルジェラ』といったラグジュアリーブランドの撮影まで映画やアート、ファッションでの仕事に注力してきた。 KYOTOGRAPHIEでは、ウォンとのプロジェクトでのアイコニックなスチールとともに最新作のいくつかを展示する。 誉田屋源兵衛 竹院の間にて展示、時間は10〜18時(入館は閉館の30分前まで/休廊日は9月29日、10月6、13日)、料金は1,000円、学生800円   Photo: ©Atsushi Fukushima   福島あつし 神奈川を拠点に活動する福島あつしは、大阪芸術大学で写真を学び、東京綜合写真専門学校研究科を修了した。高齢者向けの弁当配達の仕事をしていく中で、日本の高齢化社会のめったに出合えない光景を撮影する機会を得たという。「死と老いは向き合うのが難しい問題だと分かったが、見る人が写真を通して老いと死の美しさと醜さの両面 に向き合ってもらえたら」と福島は語る。 伊藤佑 町家にて展示、時間は10〜19時(9月19〜22日、10月2、3、9、19、16〜18日は21時まで/休廊日は9月28日、10月5、12日)、料金は1,200円、学生1,000円   Photo: ©Omar Victor DIOP / Courtesy of KYOTOGRAPHIE   オマー・ヴィクター・ディオプ セネガル出身の写真家オマー・ヴィクター・ディオプは、2011年に開催された『アフリカ写真ビエンナーレ』の『パン・アフリカ展』で自身初のコンセプチュアル・プロジェクトを成功させた後、2012年に企業広報の仕事を辞め、本格的に写真の道を歩み始めた。ディオプはポートレートとファッション写真で高い評価を得ており、2019年には1カ月間京都に滞在し、出町桝形商店街の店主らと交友を深め、彼らを写真に収めている。 KYOTOGRAPHIEでは、2カ所でディオプの展覧会を開催する。一つは京都府庁旧本館旧議場で、もう一つは店主たちのポートレートが展示される出町桝形商店街だ。 京都府庁旧本館 旧議場にて展示、時間は10〜17時(入館は閉館の30分前まで/休廊日は9月28日、10月5、12日、9月19日は10〜12時30分、15時30分〜17時)、料金は無料   Photo: ©Kai Fusayoshi   甲斐扶佐義(かい・ふさよし) 大分生まれの甲斐扶佐義は、50年以上にわたって精力的な写真家として活動してきた。11歳の頃に写真を撮り始め、以来京都の人々のイメージを通して日本の社会問題やカウンターカルチャーを記録し続けてきた。 京都で人気のバー、八文字屋のオーナーとして、甲斐はこの街と人々と親密な関係性を築き上げている。本展では、鴨川近くの3カ所で野外展示を行い、鴨川を訪れる地元民の写真を通して京都人がレンズ越しの自分を見る機会を提供してくれる。 京都駅ビル 空中経路にて展示、時間は10〜17時、料金は無料   Photo: ©︎Mari Katayama   片山真理 マルチメディアアーティストの片山真理は、2014年に最初の個展を恵比寿で開き、以来2019年の第58回ヴェネツィア・ビエンナーレと同年のパリ・フォトなど世界中の芸術祭に招待されている。片山は先天的に両足の成長が阻害される疾患のため、9歳のときに両足を切断した。初期の手縫いの作品は、この出来事に着想を得ている。kyotographieで展示する最新シリーズ『in the water』では、自身の身体をめぐるセルフポートレートの美しい連作を扱う。 嶋臺(しまだい)ギャラリー、10〜18時(入館は閉館の30分前まで/休廊日は9月29日、10月6、13日)、800円、学生600円 KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020 の詳しい情報はこちら 原文はこちら 関連記事 『70年ぶりの覚醒、奈良最古のしょうゆ蔵が古民家ホテルとして開業』 『都内で温泉旅行気分、OMO5東京大塚が銭湯プランを開始』 『緑とフュージョン、奈良の大自然を歩いて回る芸術祭が開催』 『ラグジュアリーホテルの抹茶アフタヌーンティー3選』 『ザ リッツ カールトンがラグジュアリークルーズを開始』 『山を一晩まるごと独り占め? 宮崎県の山荘宿泊プラン』

寺田倉庫の新たなアートコンプレックスが天王洲にオープン
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寺田倉庫の新たなアートコンプレックスが天王洲にオープン

2020年9月18日、天王洲に寺田倉庫の新たなアート複合施設、テラダ アート コンプレックス 2(TERRADA ART COMPLEX Ⅱ)が開業した。2021年春までに約10ギャラリーの入居を予定しており、隣接するテラダ アート コンプレックスの八つのギャラリーを合わせると、日本で最多のギャラリー数を誇る複合施設となる。

スクリーンで楽しむ舞台7選
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スクリーンで楽しむ舞台7選

コロナ禍以来、舞台映像の配信は今まで以上に増え、多種多様な映像が楽しめるようになっている。その一方で「パソコン画面ではなく大画面で見たい!」という声も多く聞く。今回は映画館や劇場のスクリーンで楽しむ舞台映像の企画を七つ紹介しよう。

すみゆめ 2020で注目のアートイベント5選
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すみゆめ 2020で注目のアートイベント5選

近年東京ミズマチのオープンなどでにわかに注目を浴びている墨田区だが、アートイベントも活発に行われている。中でも着目したいのは、『隅田川 森羅万象 墨に夢』(通称:すみゆめ)だ。 このイベントは、葛飾北斎が90年の生涯を過ごした隅田区を中心に、あらゆる表現を行っている人たちのつながりを目指すアートプロジェクトで2016年から続いている。開催期間中はプロジェクト企画や街中や隅田川を舞台とする主催企画を行うほか、すみゆめ参加者らが集う『寄合』(毎月開催)などで交流する場を創出する予定となっている。 本記事では、このイベントの見どころを紹介していく。関心のあるイベントを見つけたら、積極的に飛び込んでみてはどうだろうか。思わぬ縁が生まれるかもしれない。

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葛飾北斎の失われた作品が、大英博物館のオンラインで公開
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葛飾北斎の失われた作品が、大英博物館のオンラインで公開

世界で最も有名な絵の一つ、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』はあらゆる場所へ広まっていて、トートバッグやポスター、スマホケース、ビスケット缶などにも使われている。その遍在性、どこにでもあるということは、北斎が意図したものでもある。 日本の偉大なアーティストである彼は、1829年ごろから1833年ごろまで、作品をできるだけ多くの人に見てもらうことを考えて木版画を制作。それが功を奏し、19世紀から現在まで絶大な人気を誇っている。北斎は、まさにアート界のスーパースターなのだ。     Katsushika Hokusai, 1829. © The Trustees of the British Museum       しかし、北斎のように有名な作品があるアーティストには、ほかの作品があまり知られていないという問題がつきまとう。北斎の「波」以外の作品も見事だからゆえ、とても残念なことだ。 だが、大英博物館は違った。彼らは2020年9月4日、北斎の103枚にもおよぶ「失われた作品」の購入を発表したのだ。その作品群は2019年に再発見されるまで70年以上もの間、所在が不明であった。 作品に描かれているのは、神話の題材、物語の人物、作家、動物、花、風景など、素晴らしいものばかり。大英博物館がオンラインで公開してくれたおかげで、これらは誰でも見ることができる。「ウェーブ」をしたくなるほど、うれしい話題だ。 原文はこちら 関連記事 『すみだ北斎美術館を知る6のこと』 『北斎生誕260年記念事業 北斎ゆかりの地を巡る“リモート”旅』 『ウサギの穴から不思議の国へ、ロンドンでアリス展が開催』 『ロンドンのジャズカフェ、危機を乗り越え営業再開』 『ロンドンにローリング・ストーンズのショップがオープン』

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新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」がオンラインで配信中
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新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」がオンラインで配信中

ファンタジーは、日常の現実逃避の場所として素晴らしい世界を提供してくれる。スタジオジブリは、世界各国の老若男女に大人気のアニメ制作会社だが、その名作アニメーションの数々を観たり最新情報をチェックした後、次はどんな楽しみ方が待っているだろうか。 宮崎駿作『風の谷のナウシカ』は、2019年12月6~25日に新橋演舞場の歌舞伎公演として採用された。チケットは即完売し、数週間しか上映されず観られなかった人も多い公演だが、2020年9月25日(金)まで歌舞伎オンデマンドでのオンラインストリーミング配信が決定した。   Photo: MIRAIL (Screenshot from the production trailer)   上映時間は約4時間あり、雄大な物語の世界に没頭できるだろう。歌舞伎のストーリーは、宮崎駿によって書かれた7巻の原作漫画に基づき、歌舞伎の持つ非常に長い上演時間の中では映画 でカットされた原作漫画のラストシーンも取り入れているようだ。配役は、主役のナウシカを尾上菊之介が、原作ではもう一人の主人公とも言えるクシャナを中村七之助がそれぞれ演じている。   Photo: MIRAIL   公演はストリーミングサービスのMIRAILから9月25日まで視聴可能。前後編セットの特別価格(4,500円)と、前編後編(各2,500円)の2種類のストリーミングオプションがある。レンタルは購入後最長7日間利用できるため、平日の息抜きに、週末にゆっくりと何種類もの楽しみ方が待っているだろう。幕間の弁当の代わりにUber Eatsを注文し、ソファに落ち着いてゆっくりと楽しんでほしい。   関連記事 『MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020』 『フォートナイトがアップル社と全面戦争、パロディー映像も公開』 『二人のニューヨーカーがマリオカートを再現?』 『都内で温泉旅行気分、OMO5東京大塚が銭湯プランを開始』 『ラグジュアリーホテルの抹茶アフタヌーンティー3選』

チームラボボーダレスの迫力を自宅で体験しよう
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チームラボボーダレスの迫力を自宅で体験しよう

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、多くの美術館や観光名所が去る2月に閉鎖を余儀なくされ、観光客は落胆して自宅で過ごしている。しかし、東京でしかできないことリストを自宅にいながらにしてチェックできるのがせめてもの救いだ。ジブリ美術館を訪れ、ひたち海浜公園の花畑を巡って、渋谷スクランブル交差点のライブストリームをオンラインで見てみてはどうだろうか。 没入体験型のデジタルアートを生み出すことで知られる日本のアートコレクティブ、チームラボは国際的アイコンとなり、彼らの作品はシンガポールや上海などのグローバル都市において大々的に取り上げられている。 しかし今でも東京では、彼らの代表作品である、お台場の『森ビル デジタルアート ミュージアム チームラボ ボーダレス』を体験できる。この旗艦美術館(現在、あらためて通知があるまで閉館中)は広大で圧倒的。高層建物内の1万平方メートルの空間に点在する50を超えるデジタルアートインスタレーションを全て見て回るには、少なくとも軽く半日はかかるだろう。 前回の旅行で行きそびれてしまっても問題ない。ならば、ここでチームラボボーダレスで最も人気で息を飲むようなデジタルアートインスタレーションを紹介しよう。ただし、この公式ビデオを見ると、自分だけそこに行けなかったと深く後悔するかもしれないので注意してほしい。 このチームラボボーダレスで最も人気のある展示であり、常に長蛇の列ができる『呼応するランプの森(Forest of Resonating Lamps)』は、まるでディズニーの『塔の上のラプンツェル』からそのまま出てきた場面のようだ。四方が鏡張りとなって無数に見える部屋に設置されたランプは、人の動作に反応するようになっており、人が近づくとランプが明滅する。 ボーダレスの各展示はそれぞれが風変わりな不思議の国となっている。特に雨に着想を得た豪華な『クリスタルワールド(Crystal World)』がそうだ。こちらのビデオでは、来場者がモバイルアプリで照明の効果を操作する様子を見てほしい。 一番の写真撮影スポット『人々のための岩に憑依する滝(Universe of Water Particles on a Rock where People Gather)』は見逃さないようにしよう。入り口近くに位置するこの部屋には、デジタルの滝と流れる花が一面に映し出されている。幻惑させるような無限の世界に溶け込んだような気分になるだろう。 『重力にあらがう呼応する生命の森(Weightless Forest of Resonating Life')』も体験してみよう。光を放つ桁外れの大きさの風船がいっぱいで、人が風船同士をぶつけると色が変わるのだ。 『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、超越する空間(Crows are Chased and the Chasing Crows are Destined to be Chased as well, Transcending Space)』では、そのタイトルが表すように、大画面で体験したくなるだろう。この巨大な3Dの光のショーは、あなたの部屋を銀河系の夢のような風景に変えてくれる。 『The Way of the Sea, Transcending Space - Gold Light, the Nest』では宇宙に浮かんでいるような感覚を感じる。網の上に横になると、魚が空中や巣の下を泳ぎ、無限の黄金の宇宙を作り出す。  美術館を散策した後は、ティーブレイクはどうだろうか。『幻花亭(En Tea House)』では、日本茶の体験にインタラクティブなデジタル要素を取り入れている。ここでは、茶わんからプロジェクションマッピングの花が咲き、あなたを包み込む中で、緑茶やアイスクリームを味わうことができる。 原文はこちら 関連記事 『モネのアトリエや寝室をのぞく? バーチャルで訪れるピンクの邸宅』 『ジブリ美術館がYouTubeチャンネルを開設』

自宅で楽しめるステージビューイング
ステージ

自宅で楽しめるステージビューイング

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、外出を控えている人、見るはずだった公演が中止になってしまった人、さらには海外への観劇旅行をキャンセルした人もいることだろう。しかし、代わりに多くの劇場が無料で映像配信を行っており、自宅で見られる映像がざくざくだ。その中から、お勧めできる映像を独断と偏見で選んでご紹介しよう。この機会にあなたも、ダンスや演劇、伝統芸能の鑑賞デビューを。

ルイ・ヴィトン財団が公開、バスキアの回顧展を振り返るビデオツアー
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ルイ・ヴィトン財団が公開、バスキアの回顧展を振り返るビデオツアー

今の生活の中でも「色」のきらめきを楽しむことができる。その機会を作ってくれるのが、ジャン=ミシェル・バスキアによる万華鏡のようなアートの数々だ。大きいこと、明るいこと、やんちゃであることの巨匠だったバスキアの最も有名な作品100点以上が、13日にルイ・ヴィトン財団美術館が公開した動画で観ることができる。 この動画は、2018年10月から2019年1月まで同館で行われたバスキアの回顧展をまとめたビデオツアー。紹介されているのは、グラフィティの先駆者としてブルックリンの裏通りでタギングをしていた頃から、突如として国際的なアートシーンへ上り詰め、文化的な象徴へと変貌を遂げるまでに生み出された作品。彼は1988年に27歳で他界するまで、文字通り短い人生の中で、これらの作品を描いた。 回顧展は美術館の広大で光に満ちた4つのフロアにわたって行われ、各展示空間はバスキア作品のテーマといえる、ストリートライフ、宗教、死に分けられている。展覧会は個人コレクションを含む、作品の一度限りの貸し出しが前例のない規模で実現したことでも話題になった。そのため、バスキアの魅力を全方位的に感じ、グラフィティスタイルの絵や迫力ある走り書きの文字など、彼独特のナイーブさを留めた作風が間近で見ることができた。 展示室の壁には、ウォーホルと並んだ自画像作品である『ドス・カベサス(Dos Cabezas)』など、バスキアの著名な作品がたくさん並べられている。逆に、この回顧展で初めて一般公開された3つの頭蓋骨をモチーフにした『ヘッズ(Heads)』などのあまり知られていない作品も楽しめる。 ビデオツアーは、ルイ・ヴィトン財団美術館のYouTubeチャンネルで公開されている。 原文はこちら   関連記事   『ニューヨーク最古のレズビアンバーが危機的状況に』 『現在の日常を映す、古書店ギャラリーの無観客展』 『自粛生活の運動不足を解消、海外のユニークなエクササイズ4選』 『自粛明けに重要な接触感染対策、専門家らによる環境消毒マニュアルが公開』 『ディープなバーチャルツアー 7選』

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シアター

今、ソーシャルディスタンス演劇に挑戦するということ
ステージ

今、ソーシャルディスタンス演劇に挑戦するということ

新型コロナウイルスの影響で休止していた演劇公演が再開し始めた。劇場は感染症対策をとりながら新たな興業や表現の可能性を探っている。シアター風姿花伝で新作公演を上演しているDULL-COLORED POP主宰の谷賢一に話を聞いた。 DULL-COLORED POPは東京を拠点に活動する劇団。2020年、『福島三部作』で第23回鶴屋南北戯曲賞と第64回岸田國士戯曲賞をダブル受賞。新作『アンチフィクション』は、作、演出、出演、照明操作、音響操作を谷が担う一人芝居だ。新進気鋭の劇作家が今表現するものとは。

劇場のニューノーマル、ベルリンでは座席を間引いて社会的距離を確保
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劇場のニューノーマル、ベルリンでは座席を間引いて社会的距離を確保

世界各国が慣れないニューノーマルに軸足を移しつつある中、文化施設がどのように復活し、動き出すかということに注目が向けられている。音楽ヴェニューやナイトクラブ、劇場、映画館などはこれまで多くの人々を屋内に迎えることで成立していた。しかし、しばらくは以前のように運営するのは難しい。ではどうすれば安全に再開できるのだろうか。ドイツのある劇場が、一つの答えを示してくれた。 ベルリナー・アンサンブルは、拠点にしている劇場の700席のうち約500席を取り外した。残っている席は、1席、もしくは2席のみブロックで、隣のブロックまでの空間はぽっかり空いてしまっている。この配置は、着席した時に周囲のグループとの十分な距離を保つために考えられた。そしてこれにより、足元のスペースを大幅に増やすことにも成功した。  neue Realität: so wird es ab nächster Spielzeit im Großen Haus aussehen. #BEsonders2021 pic.twitter.com/ZZuLOHRnLa — Berliner Ensemble (@blnensemble) May 26, 2020   Twitterへの投稿によると、劇場では現在、この新しい座席配置が音響にどのような影響を与えるかを検討している。9月に予定されている劇場の再開時には、観客同士の接触を最小限にするため、公演内の休憩時間は設けないという。その代わり、公演中でも観客が気軽にホールを出入りできるようになるそうだ。 『ガーディアン』によると、ベルリナー・アンサンブルはドイツ政府から補助金を受けているので観客数が激減しても、チケット価格は上げる計画はないという。ヨーロッパのほかの劇場はそれほど恵まれていないだろう。ロンドンのシェイクスピアズ・グローブは存続のためにクラウドファンディングを行っている。プロデューサーのソニア・フリードマンは、政府の支援なしでは、イギリスの劇場の70%がクリスマスまでに閉鎖される可能性が高いと警告している。 原文はこちら 関連記事 『サブスク型で毎日配信、生き残りをかけたクラブの挑戦』 『アップリンク再開を祝福しよう、初日は傑作選が一律500円』 『まずはEU域内から、フランスが6月15日から観光客を受け入れへ』 『香港のカラオケやナイトクラブ、制限付きで営業再開へ』 『ポストコロナにおける美術館の新しい日常』

オペラが今後見逃せない8の理由
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オペラが今後見逃せない8の理由

オペラの歴史は400年以上。なじみのない人には古臭いイメージがあるかもしれない。でもオペラは、今こそ観るべき芸術だ。何故なら面白いから!というのが筆者の本音だが少々乱暴なので、以下にその理由を記しつつ、今年から来年の日本で楽しめる公演をご紹介。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で今は外出もままならないが、終息した暁には、オペラを心ゆくまま味わってほしい。 関連記事『自宅で観劇:第3回 オンラインビューイング演劇作品一覧』

バルセロナのオペラ劇場が約2000本の植物を観客にコンサートを開催
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バルセロナのオペラ劇場が約2000本の植物を観客にコンサートを開催

観光客の受け入れ再開に踏み切るなど、規制緩和が進むスペイン。しかし映画館やコンサートホールなど、閉鎖された空間への入場制限は継続している。長期にわたる閉鎖を経て、観光地としても有名なバルセロナのリセウ大劇場も6月23日から営業を再開した。3カ月ぶりのコンサートは残念ながら無観客で行われることになったが、歴史あるオペラ劇場には人間の代わりに「植物」が招致されたという。 この日、赤いベルベットの客席は観客の代わりに、2292本の植物で埋め尽くされた。弦楽四重奏団によるジャコモ・プッチーニの『クリサンテミ(菊花)』が奏でられ、演奏終了後は植物の葉っぱが風になびきながら心地よい音を立てるなど、拍手に変わる演出も。このコンサートは、リセウ劇場とマックス・エストレラ・ギャラリーが企画し、音楽と視覚芸術の対話を深めることを目的に開催された。 キュレーションを担当したのは、芸術評論家、作家として知られるブランカ・デ・ラ・トーレ。自然と芸術との関係性を検証することを問いかけた。 この投稿をInstagramで見る #ConcertPelBiocè #ConciertoPorElBioceno @galeriamaxestrella #EugenioAmpudia @blanca_dela_torre #LiceuOperaBarcelona Gran Teatre del Liceu(@liceu_opera_barcelona)がシェアした投稿 - 2020年 6月月22日午前10時35分PDT コンサートの様子はリセウ大劇場の公式サイトで生配信され、視聴者だけでなく自宅にある植物も音楽を浴びることができたという。また、2292本の「観客たち」は、人々の命を救うため最前線で活躍してきた医療従事者へ贈呈されることになっている。 原文はこちら 関連記事 『フレーミング・リップスが巨大バルーンを使って「隔離ライブ」を披露』 『湖にサメ?「ジョーズ」の恐怖をリアルに体験できる上映会』 『7月上旬までは階段のみ、エッフェル塔が6月23日から一部再開』 『今旅行できる国が簡単に調べられる便利ツール「tripsguard」』 『メトロポリタン美術館の分館、メット・ブロイラーが閉館』

音楽

Photo of the Day - SLICK
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Photo of the Day - SLICK

2020年9月12日から13日にかけて、川崎工業地帯の湾岸エリアではSLICKというオールナイトの野外レイブが開催された。当初の動員は200人を想定していたが即完売。惜しむ声が多数寄せられた結果370枚までチケットを増やし、それでも問い合わせがくるほどの盛況ぶりとなった。

ジブリ愛あふれるビリー・アイリッシュの新作MVが話題
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ジブリ愛あふれるビリー・アイリッシュの新作MVが話題

ビリー・アイリッシュが、宮崎駿作品の大ファンであることはよく知られている。グラミー賞を受賞した10代のアイリッシュが最新シングル『My Future』のミュージックビデオをリリースすると、ファンたちはこの映像がジブリ作品風なことにすぐに気付いた。 Apple Musicのゼイン・ロウとのインタビューで、アイリッシュは1カ月間の自宅での外出自粛生活中に、同じくミュージシャンである兄のフィネアス・オコネルと一緒に曲を書いたと話している。2020年7月30日にリリースされたこの曲は2日間で書かれ、その後オコネルと一緒に地下室で録音された。   曲は、自分一人でいることを楽しみ、自己成長を受け入れることがメッセージとして込められている。それを映像の中でアニメになったアイリッシュを、地面から急速に芽を出した植物が、空に向かって持ち上げられるシーンが象徴していると言えるだろう。 宮崎駿は、労を惜しまずに手描きすることで有名なため(1分の映像を作るのに、1カ月かかる場合すらある)、熱狂的なジブリファンが、この映像とオリジナルのジブリ作品を比較するという考えをあざ笑うのも、理解できないわけではない。 オーストラリアのアニメーション会社であるStudio Chopが制作したこの作品は、たしかにジブリほど精巧ではないかもしれない。しかし、葉や少し不思議な植物の上に垂れる雨滴の描写などは美しく、少なくともアイリッシュがジブリ作品が大好きで、影響を受けていることが明確に分かるものに仕上がっている。 関連記事 『この夏持ちたい、ビートルズやジョーズのコラボレーションうちわ』 『ミヤシタパークで行くべき粋なレストラン5選』 『これはオブジェかトイレか? 安藤忠雄らアーティスト参加の公衆トイレ』 『新宿駅前に7メートルの彫刻が誕生、パブリックアートに親しんで』 『東京、ホテルの都民優遇キャンペーン』  

フジロックが特別ライブ番組を三日間にわたって配信
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フジロックが特別ライブ番組を三日間にわたって配信

2020年の開催を取りやめ、2021年の8月20日(金)〜22日(日)に延期することを発表した『フジロック』。1997年の初開催以来初めての延期決定となったが、開催予定日の三日間に、過去に出演したアーティストたちのパフォーマンスを配信する特別プログラム『FUJI ROCK FESTIVAL'20 LIVE ON YOUTUBE』を行うことが決定した。 配信はフジロックの公式YouTubeチャンネルで、2020年8月21日(金)〜23日 (日)に行われる。配信時間や配信アーティストなどの詳細は後日発表予定。配信中はYouTubeのスーパーチャット機能(投げ銭)を使った寄付を募集し、寄付金は一部手数料を引いた全額が「Music Cross Aid」および「国境なき医師団」へそれぞれ寄付される。 古今東西、さまざまなジャンルや国籍のアーティストたちが数々の名演を披露してきたフジロックの舞台。どの年のどのアーティストのライブが配信されるのか、予想しながら楽しみに待ちたい。 『FUJI ROCK FESTIVAL'20 LIVE ON YOUTUBE』の詳しい情報はこちら 関連記事 『未来から来た330メートルの複合メタル緑地が渋谷にオープン』 『大園の新緑を独り占め、4種のシャンパンを味比べするフリーフロー』 『宇宙にできた最初のバー、酔った気分が味わえる不思議な店が六本木に』 『夏の締めくくりに、花火とドライブインシアターの融合イベント』 『リニューアルオープンしたサントリー美術館に行くべき3のこと』 

次世代を担う10〜20代アーティストが生み出す新しいチャレンジの形
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次世代を担う10〜20代アーティストが生み出す新しいチャレンジの形

代官山ティーンズ・クリエイティブ(以下、DTC)は、次世代を担う子どもたちに寄り添い、さまざまなイベントや施設運営などを行うマザーディクショナリーが手がける渋谷区の児童公共施設。2020年に運営スタートしてから丸5年を迎えた。対象年齢は、小学生から25歳前後の社会に出る前の学生までと幅広く、各分野で活躍する講師を招いた講座を受けることができる。 なかでも年に一度開催される『DTC CREATIVE SESSION』は、子どもたちとクリエーターのコラボレーションによる作品発表をはじめ、毎年豪華な企画やワークショップがめじろ押しのイベントだ。今年は新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止となってしまったが、一部のパフォーマンスを映像作品として公開するオンラインイベントを決行した。 リリース情報だけでは伝わらないDTCの魅力やイベントへの思いを、今回参加するコラボクリエーターのermhoi、兄弟ヒップホップユニットのRossMoody、DTC副館長を務める岡磨理絵にZoomインタビューを行った。 関連記事 『未来を開くティーンズと豪華クリエーターのコラボレーション映像が配信』

坂本慎太郎、アメリカ再訪記
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坂本慎太郎、アメリカ再訪記

2019年10月、坂本慎太郎のアメリカツアーが行われた。ゆらゆら帝国を率いていた2000年代にも4度のアメリカ公演は行われていたが、当時はニューヨークやボストンなど東海岸の一部のみ。今回はロサンゼルス郊外の絶景を舞台に開催されるフェスティバル『Desert Daze』を皮切りに、サンフランシスコ、サンラファエル、シカゴ、ニューヨークと、北米大陸を横断するスケジュールが組まれた。 渡米すること自体、坂本自身にとってはゆらゆら帝国以来10年ぶり、ソロとしてはもちろん初めてとなる。バンドメンバーは、ソロでのライブ開始後から演奏を共にするベースのAYA(OOIOO)、ドラムスの菅沼雄太、そしてサックスの西内徹。PAは、ゆらゆら帝国からの坂本のライブを支えてきたサウンドエンジニア佐々木幸生が全会場を担当した。 左から、西内徹、AYA、坂本慎太郎、菅沼雄太 2017年10月、ドイツ東部のケルンで行われた『WEEKEND FEST』出演から始まった坂本のライブ活動。それまでかたくなにライブを拒んでいた坂本だが、このときのドイツ2公演(ケルン、ベルリン)以降、日本国内に限らず、中国、オランダ、イギリス、メキシコと、興味深いシチュエーションでのライブに臨んできた。 観客にとって、ある種のエキゾチックで見知らぬ存在としてステージに立っていた面もあるそうした土地に比べ、ゆらゆら帝国時代の坂本を少なからず知るアメリカのオーディエンスは、現在の坂本をどう聴き、どう見るのだろうか。また、坂本自身には今の自分と今のアメリカの関係性はどう映ったのだろうか。それを坂本自身の言葉で聞くべく、インタビューを行った。 「(アメリカの観客は)演奏にダイレクトに反応する感じはありましたね。例えば、(西内徹の)サックスソロでも、いいサックスを吹いた後は曲の途中でも拍手が来る。間奏部分で熱くなって、さらにもうひと回しあるぞというときにも『ウォー』と声が上がるとか。 今まで外国でやるときは、わりと僕を知らない人の前でやってて、演奏しながらつかんでいって最後にウケる、みたいなパターンが多かったんですけど、アメリカは最初から向こうがこちらの曲とかも知ってる感じがすごくしましたね。それは、ソロアルバムをOther MusicやMesh-keyといったレーベルで出してきたことの効果なのかな。あと、Spotifyみたいに昔とは違うメディアもできて、(自分の曲が)聴かれる機会も増えているんだなと思いました」 たしかに、10年前と現在の音楽聴取の状況を最も大きく変えたのは、SpotifyやApple Musicといったサブスクリプションサービスの台頭だ。 「10年前は実際に行ってライブをやるか、向こうのレーベルからリリースするか、でないと知られる方法がなかった。それに昔は、海外で人気がある日本人ってすごく変わってたり、極端な表現してる印象があったんです。 そういう中では、ゆらゆら帝国は歌詞があってメロディーがあってわりとオーソドックスなスタイルだったし、ソロになってからはさらに普通の日本語の曲になったと思ってたから、あんまり外国では受けないんじゃないかと感じてたんです。でも、最近のブームでもあるのかもしれないけど、普通に日本語で歌ってる歌が普通に聴かれるようになってきてるというのは実感してますね」 このアメリカツアーは2013年リリースのシングル『まともがわからない』が初めてライブで演奏されたが、初演が実現した背景にも、実はSpotifyのデータの後押しがあった。 「Spotifyの再生回数が、アメリカ含め世界であの曲が断トツで1位なんで、それでやってみたんです。去年中国に行ったときも『あの曲はやらないのか?』ってすごい言われました(注:当時、中国では同曲がエンディングテーマのドラマ『まほろ駅前番外地』が放映され、人気を博していた)。だけど、そのときはぜんぜん練習してなかったし、何回かスタジオでも試してたんですけど、ライブでほかの曲と並べたときにちょっと浮いてる感じもして『まだやんなくてもいいかな』とも思って」 原曲のイントロではピアノとエフェクトをかけたギターのフレーズが印象的だが、ライブでは西内のアイデアで、彼が振るタンバリンが絶妙なライブアレンジに一役買っていた。客席はどの会場でも大きく湧き、サビや「あーうー」の歌パートを合唱する声もあちこちから聴こえていた。 Great American Music Hallでのライブの様子 実はこのツアーの日程は、最初に大きなトラブルに見舞われていた。10月12日にかけて関東地方を直撃した台風19号により羽田、成田の両国際空港がストップし、あえなく『Desert Daze』出演がキャンセルとなったのだ。その後、サンフランシスコ公演から仕切り直しとなったものの、その行程もかなりの綱渡りだったという。そんなハードルを乗り越えて、改めての「初日」となったサンフランシスコ公演。会場となるGreat American Music Hallは築100年を超える伝統のあるホールだった。 「すごく良いハコでしたね。演奏もしやすくて、お客さんもすごく盛り上がってて。サンフランシスコに着くまでが台風でいろいろトラブルあって大変だったんですけど、一発目のライブがすごい良かったんで、あそこで切り替わっていい感じになりました」 ゆらゆら帝国時代には訪れたことがなかったウエストコースト。サンフランシスコは前から一度来てみたかった街だったという。 「過去のサンフランシスコの文化を伝え聞いていて興味があったというのもあるし、知り合いからも10年くらい前ですけど『サンフランシスコはすごくいいよ』って話は聞いたんです。アメリカの中でもすごく狂った感じの人がいっぱいいる、って。今回泊まったホテルと会場まではテンダーロインっていうかなり荒廃した地区を歩いていかないといけなくて、最初は『うわー』と思いましたけど、わりとすぐに慣れました」 Terrapin Crossroadsでのライブの様子 このサンフランシスコと、車で40分ほど北上した街サンラファエルで行われた翌日のライブ(グレートフル・デッドのフィル・レッシュがオーナーのライブハウスTerrapin Crossroads)では、ニューヨークの伝説的なニューウェイヴ/アウトサイダー・アーティストであるゲイリー・ウィルソン(Gary Wilson)がオープニングアクトを務めた。坂本にとって、ゲイリーの参加はたってのリクエストでもあった。 「ゲイリーは近年もずっと作品を出してて、それが昔とぜんぜん変わらなくて全部良いんですよ。だから、ライブも良いだろうなと思ってましたし、実際にすごく良かったですね。あと、ステージを降りたら普通の人だったらちょっと嫌だなって思ってたけど、そこも一貫してずっと不思議な感じの人で、さすがだなと思いました。バンドのリハにもギリギリまで参加しなかったり、ちょっとロックスターっぽい感じを醸し出してました」 ツアーの後半、シカゴ、ニューヨークでのオープニングアクトは、新世代のブラジリアン・フォーク・アーティストとして注目を集めつつあるサンパウロ出身のセッサ(Sessa)が務めた。 「僕はセッサを全然知らなかったんですけど、今回のブッキングをしてくれた人からの推薦だったんです。いくつか候補の映像を送ってもらって、やっぱりセッサが一番かっこ良かった。編成(セッサ、パーカッション、女性コーラス3人)も面白かったですね。(坂本が新作に参加した)オ・テルノ(O Terno)とも友達だって言ってました」ツアーの後半、シカゴ、ニューヨークとバンドの演奏はどんどん良くなっていった印象がある。とりわけシカゴのSubterraneanは今回最も小さいキャパのハコだったが(約350人)、演奏も音の鳴りもツアー中屈指の心地よさがあった。 その一方で、エコー感が少ないデッドな環境が今の坂本慎太郎のライブに合うのではないかといわれていたのが、ブルックリンのブッシュウィック地区に位置するElsewhere。DJセットにも対応し、約750人を収容する先鋭的なスペースだったが、ここでは音響面での思いがけない戸惑いもあったという。 Elsewhereでのライブの様子 「会場がすごいデッドで、なか音(ステージ上の音)がクリアに分離しすぎて不安になる音響だったんですよ。出音は佐々木さんがやってくれてるから大丈夫なんだろうけど、メンバーはなか音で演奏してるので、自然に聞こえた方がいいんですね。 このバンドはモニターにはボーカル以外は基本的に全く返さないでやってるから。(モニターに頼らないようにするために)メンバーの立ち位置をどこでもわりと厳密に統一してるんですよ。長年やってきて、なか音のバランスが結構大事だなと思ったし、基本の演奏は全部自分たちが立っている場所から聴こえてくる音を聞きながらやってるので、どこの国に行ってもそこまで変わらないんです」 それでも、最終日の演奏も充実したものだった。初日のサンフランシスコのアンコールで演奏された『小舟』と、最終日のニューヨークで演奏された『小舟』。同じ曲を同じように演奏したはずなのに、ツアーを通じて醸成された演奏の説得力なのか、あの静かな曲をニューヨークの観客は無言で真摯(しんし)に受け止めていた。坂本自身も、初ライブから現在まででの活動の中で、バンドとしての成長を実感しているようだ。 「去年、京都、大阪、高知でワンマンをやったときも、だんだん良くなっていったし、やっぱりツアーで回って演奏を重ねるとバンドは良くなるんだなとは思いますね。それに、普段もずっとバンドでスタジオに入っているので、前には出せなかった感じがだんだん出せるようになってきている。長くやらないと出せない感じというか。今はわりとその独特なノリがこのバンドで出せていると思うので、そこがなくならないように注意したいなと思ってます」 練習とライブを重ね、知らない土地で変わらないやり方を試す。単なる反復のようでいて、そこからしか生まれ得ないオリジナリティーがある。今の坂本慎太郎は、そういう形での「制作」を続けているのだと思う。だから、僕は彼らのライブを見続けるのがやめられない。 「まずはホッとしました」と、坂本はアメリカツアーを終えた感想を率直に語ったが、アメリカをワンマンで渡り切った手応えは、まんざらなものでもなさそうだ。きっとこれは次もあると期待してしまう。「みんなメンバーも年寄りだからね、あんまり過酷な行程のツアーとかはやりたくないですけどね」そう笑いながら付け加えるのも忘れなかった。 坂本慎太郎の公式サイトはこちら

東京で行くべきレコードショップ
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東京で行くべきレコードショップ

店頭で音楽を探す醍醐味(だいごみ)。それは、不意の導きや出会いがあふれていることだ。たまたま手に取ったジャケット、その時かかっていた新譜、店員との雑談から出てきた一枚、などなど……。スマホアプリのアルゴリズムが導く出会いとは異なる、不意の感動がそこにはある。 東京は、世界でも有数の巨大なレコードコレクションを抱えた街であり、渋谷や下北沢といったレコードショップ密集地帯だけでなく、各所に優れた店が点在している。本記事では、ビギナーでも楽しめる店からプロ御用達の店まで、さまざまなスタイルのレコードショップを紹介する。   関連記事:『平日も楽しめる、渋谷のDJバー』『東京、2019年にオープンしたミュージックバー』

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東京を舞台にした映画10選
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東京を舞台にした映画10選

今観るべき映画といったわけでもなく、全くもって自由に、東京をテーマに10の映画を選ばせてもらった。とは言え、東京の括りでは膨大な数の作品が対象になるので、ここでは「東京で実際に撮影されていること」「比較的近年の作品」そして主に「海外の監督の作品」を中心に紹介する。 さまざまな特徴を持った複数の街の集合体である東京は、その全体を一本の作品の中に包括的に映し出すことは難しいと言えるだろう。だが、ここで挙げる作品は、ある側面から見た東京の魅力や相貌を何がしかの方法で捉えようとしている。そのような共通項目を持つ映画郡をまとめて顧みることで、新たな映画と東京の可能性を探り当てる機会となれば幸いだ。 これはベスト10ではなく、あくまで10選なので、選外となってしまった作品も多い(『ロスト・イン・トランスレーション』もその一つ。西新宿にロケした数ある映画史上最高の一本と言える)。あなたにとって、東京を魅力的に描いた一本は何だろうか。

ニューノーマルの時代を考える、Netflix配信中のドラマ5選
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ニューノーマルの時代を考える、Netflix配信中のドラマ5選

新型コロナウイルスの影響下、どのように過ごしているだろうか。外出自粛が明けたとはいえ家にいる時間が長い日々もまだしばらくは続くだろう。そんな日々を楽しむため、イラストレーター、コミック作家として活動するカナイフユキにおすすめのドラマを聞いてみた。 テーマは「LGBTQ+の歴史に触れる」。2020年6月現在、Netflixで配信しているオリジナルドラマを中心に、U-NEXTやGoogle Playで観られる映画もセレクト。この機会にぜひ鑑賞して、感じたことを教えてほしい。 「LGBTQ+の歴史の上で、史実を基にしたものだけでなく「今はこんな物語も作られるようになったんだな」と時代の流れを感じられるものも選びました。 さまざまな歴史を知るため、僕の紹介する映画やドラマをご覧いただくだけでなく、皆さんのおすすめの映画やドラマも教えていただけたらうれしいです。歴史は一人一人が作っていくものですからね!」 関連記事 『アップリンク クラウドで観るべき映画10選』

アップリンク クラウドで観るべき映画10選
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アップリンク クラウドで観るべき映画10選

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止による緊急事態宣言を受け、渋谷と吉祥寺の都内2カ所と、京都にも映画館オープンさせる映画会社「アップリンク」は、オンライン映画館アップリンク・クラウド(UPLINK Cloud)にて、配給作品60本以上が見放題となるサービス(3カ月2,980円)を開始した。 ここでは、配信作品から10本をセレクトし、前編と後編に分けて紹介する。今もなお外出自粛の状況が続く中、自宅をはじめとした環境での鑑賞の一助となるだけでなく、街の映画館を失わないための一支援として、過去の作品を観ることで生まれる映画の「(再)発見の場」となれば幸いだ。 アップリンク クラウド公式サイトはこちら

ドライブインシアターで体験すべき5の魅力
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ドライブインシアターで体験すべき5の魅力

幕張のイオンモール幕張新都心の駐車場で2020年6月13、14日に無料のドライブインシアターイベント『CINEMATHEQUE -Drive-in Theater』が開催された。 ドライブインシアターのイベントは現在相次いで企画されており、夏のイベントの目玉になりそうだ。そんななかで、今回は筆者がいち早く体験したドライブインシアターならではの楽しみ方を紹介する。映画館の代替と片付けてしまうには惜しい新たな魅力を、ぜひ自分の身で体感してほしい。 CINEMATHEQUE -Drive-in Theater- 同イベントでは『シング/SING』と『バーレスク』の2作品が上映されたほか、DJ HASEBEが華麗なDJプレイを披露した。取材した13日はあいにくの雨となったが、応募総数1万5,000人という中で、幸運にも観賞枠を獲得した100台の車両が会場を埋めた。 本来は倍以上入る駐車場は、カフェやレストランで見られるように2メートル程度車両間隔を空け、万全の対策で駐車。カーラジオを指定のFM周波数に合わせると、上映前にプレイしていたDJによる音楽が流れ始めた。この周波数で、映画の音響も楽しむことができるのだ(この音響方式は、各ドライブインシアターで採用されている)。では、実際にどんな風にドライブインシアターを楽しむことができるのか紹介しよう。 1. ノンマスクで観る CINEMATHEQUE -Drive-in Theater- 外出する際、マスク着用はニューノーマルにおける必須マナーだが、本音を言えば暑いし、息苦しいので脱ぎたい人も多いだろう。ドライブインシアターは外出先でありながら、車中というパーソナルスペースを確保しているため、マスクを付けずに外出する時間を作り出すことができる。その開放感は説明するまでもないだろう。 2. お気に入りのテイクアウトや手作りサンドイッチなど自由に持ち込む Photo: The Quickest Food Service out there!/Unsplash 現在、東京近郊で複数開催されているドライブシアターでは、いずれも飲食持ち込み自由だ。映画鑑賞は好きな食べ物や飲み物とともに楽しみたい人にとって、これほどの朗報はないだろう。 御当地のテイクアウトグルメを楽しむ機会として活用したり、自宅でおにぎりやおかずを用意してピクニックと映画を同時に味わうのもドライブインシアターならではの楽しみ方だ。 映画好きなら、作品に登場する食べ物を片手に観ることで、作品の世界にさらに没入するのもおすすめだ。例えば、『天気の子』を日清カップヌードルやマクドナルドのハンバーガーとともに観るのは、今までにない映画体験になるかもしれない。 3. 拍手代わりにハザードランプやパッシングで応える  上記の動画は同日のDJプレイの際のものだ。ハザードランプで感謝の気持ちを伝える「サンキューハザード」は日本で生まれた美しいドライブマナーだが、その派生がドライブインイベントでは一般化しつつある。他のドライブインフェスでもハザードランプやハイビームでバンドやDJにレスポンスする事例はいくつも上がっている。ニューノーマルにおけるドライブインイベントの新たなカルチャーとなりそうだ(上映中のライティングは推奨していないところも多い)。想像力を駆使して色々なリアクションをしてみよう。 4. リクライニングシートでくつろぐ Photo:Anna Pritchard/Unsplash 車のシートは自由な仕様になっていることが多い。足を伸ばせる十分なスペースと、思い切り後ろにリクライニングさせて鑑賞するぜいたくは、映画館や通常の野外映画イベントにはないリッチな体験だ。 5. 声を上げてはしゃぐ ファミリー客の中には「子どもが騒ぐのも気にせず観ることができて良かった」という声も。映画館は場内の全員でマナーを作り上げる空間なので、子連れは肩身が狭いことが多いが車中で盛り上がったとしても隣の車が騒音を感じることはほとんどない。また、映画館では応援上映のみで許されていた、合間のツッコミや推しへの応援も誰にとがめられることなく楽しむことができるだろう。    新型コロナウイルス感染防止対策については、スタッフのマスク、フェイスシールド着用はもちろん、非接触式の入場、客も場外に出る際は検温するなど徹底した管理を実施していた。 今年の夏は映画だけでなく、音楽なども主体にした同種のイベントを勢力的に行っていくそうだ。新しい生活様式が作る楽しさに飛び込んでみよう。 関連記事 『Do it Theater presents ドライブインシアター2020 東京タワー』 『サザンオールスターズが無観客配信ライブを開催』 『イギリスでもアツい、アメリカンなドライブインシアター』 『「絵とことば」をテーマにした新感覚の美術館がオープン』 『日本博公演「日本の音と声と舞」が6月20日にテレビ放送』  

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