カルチャー
東京で話題の展覧会やダンス公演情報から、定番のギャラリーや美術館の紹介
オンラインで楽しむ

ニューヨーク近代美術館が無料で学べるオンライン講座を提供
巣ごもり生活をきっかけに何かを学ぶのも悪くない。例えば、近現代アートについてプロフェッショナルの視点から勉強するのはどうだろうか。アート、特に近代からコンテンポラリーまでのアートは多くの情報であふれている。そうした事情もあって、作り手と鑑賞者の間には各自の背景にある教養など知的環境のギャップが生じることもある。知的な営為であるアートを見るにあたって、手持ちの知識は多いに越したことはないのだ。 その意味で、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が4月13日に開講したさまざまなコースはとても有益だ。MoMAは既にオンラインビューイングやポッドキャストでのバーチャルツアーをアップロードしているが、今回は、『デザインとしてのファッション』『写真を通して見る』『モダンアートと諸概念』『コンテンポラリーアートとは何か』など、作品理解のためにより考え抜かれた構成だ。いずれもMoMAのキュレーターやアーティスト、デザイナーらから直接教えを請う貴重な機会となっている。 例えば、『コンテンポラリーアートとは何か』はドクメンタにも関わってきたクリスティアン・ラッテマイアーらが担当し、「今日アーティストがどのように制作しているのかに関してより深く理解でき、アクチュアルな問題や私たちの時代の問題についての多くのアプローチのうちのいくつかをも探求できる」。「テレビからインターネットまでのメディア」「権力」など5つの観点から80年代から現在までのMoMAの70以上の所蔵品を扱い、直接アーティストやデザイナーたちから話を聞くこともできる。 『デザインとしてのファッション』を担当するのは、2019年のミラノトリエンナーレも担当した、パオラ・アントネッリで、ジーンズから3Dプリンター製のドレスまでを扱い、工房見学やインタビューも含まれている。 これらはいずれも、オンラインで学位取得などをサポートするCourseraから詳細の閲覧、登録ができる。受講は無料で、新しいコンテンツは4週間ごとに更新されるので無理のないペースで学べるだろう。 関連記事 『50のギャラリーが集まる、無料のオンラインサイトが始動』 『オンラインビューイングでNYのアートギャラリーへ』

ルイ・ヴィトン財団が公開、バスキアの回顧展を振り返るビデオツアー
今の生活の中でも「色」のきらめきを楽しむことができる。その機会を作ってくれるのが、ジャン=ミシェル・バスキアによる万華鏡のようなアートの数々だ。大きいこと、明るいこと、やんちゃであることの巨匠だったバスキアの最も有名な作品100点以上が、13日にルイ・ヴィトン財団美術館が公開した動画で観ることができる。 この動画は、2018年10月から2019年1月まで同館で行われたバスキアの回顧展をまとめたビデオツアー。紹介されているのは、グラフィティの先駆者としてブルックリンの裏通りでタギングをしていた頃から、突如として国際的なアートシーンへ上り詰め、文化的な象徴へと変貌を遂げるまでに生み出された作品。彼は1988年に27歳で他界するまで、文字通り短い人生の中で、これらの作品を描いた。 回顧展は美術館の広大で光に満ちた4つのフロアにわたって行われ、各展示空間はバスキア作品のテーマといえる、ストリートライフ、宗教、死に分けられている。展覧会は個人コレクションを含む、作品の一度限りの貸し出しが前例のない規模で実現したことでも話題になった。そのため、バスキアの魅力を全方位的に感じ、グラフィティスタイルの絵や迫力ある走り書きの文字など、彼独特のナイーブさを留めた作風が間近で見ることができた。 展示室の壁には、ウォーホルと並んだ自画像作品である『ドス・カベサス(Dos Cabezas)』など、バスキアの著名な作品がたくさん並べられている。逆に、この回顧展で初めて一般公開された3つの頭蓋骨をモチーフにした『ヘッズ(Heads)』などのあまり知られていない作品も楽しめる。 ビデオツアーは、ルイ・ヴィトン財団美術館のYouTubeチャンネルで公開されている。 原文はこちら 関連記事 『ニューヨーク最古のレズビアンバーが危機的状況に』 『現在の日常を映す、古書店ギャラリーの無観客展』 『自粛生活の運動不足を解消、海外のユニークなエクササイズ4選』 『自粛明けに重要な接触感染対策、専門家らによる環境消毒マニュアルが公開』 『ディープなバーチャルツアー 7選』