Masabumi Kikuchi 10th Memorial Concert
Photo: Abby Kikuchi | 「Masabumi Kikuchi 10th Memorial Concert」
Photo: Abby Kikuchi

東京、7月に行くべきジャズイベント5選

青山・新宿・丸の内でジャズのポテンシャルを知る

テキスト: Naoya Koike
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また東京に夏がやってきた。今月も酷暑を超える熱をもって鳴らされる、この街ならではのライブを5本ピックアップした。

レジェンドへの追悼から若き才能の邂逅、昼のコストパフォーマンス最高のアンビエント、現代ジャズの最前線、パステル画とのコラボレーションまで。ぜひ現場へ足を運んでほしい。

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「プーさん」の愛称で親しまれ、日米を股にかけて活躍したジャズピアニスト・菊地雅章が75歳で亡くなってから10年。今も彼を敬愛するプレイヤーは多く、その功績をしのぶイベント「Masabumi Kikuchi 10th Memorial Concert」が開催される。

名盤とされる作品は数多いが、特に先日音楽ストリーミングサービスで解禁となった1981年リリースのアルバム『ススト』に収録されている8分の7拍子のベースラインが反復する曲「CIRCLE/LINE」は、菊地成孔率いるバンド・DCPRG結成のきっかけともなった。

本公演には、菊地と深い交流を持ち、多大な影響を受けたと公言する須川崇志が出演。さらに椎名林檎らとの共演で知られる林正樹、ジャズ界を牽引(けんいん)する存在となった石若駿、NHKドラマ『あまちゃん』の音楽でも知られる大友良英をはじめ、豪華なメンバーが集まる。

菊地の10周忌を演奏はもちろん、対談やDJなど、さまざまな形でたたえる2日間になるだろう。彼を知る人もそうでない人も、足を運んでほしい。

※5日 18時〜、6日 17時〜/料金は1日券前売り8,800円、当日9,900円/2日通し券1万6,500円(別途1ドリンク)

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  • 新宿二丁目

「ジャズライブはチャージが高い!」と嘆く学生諸君に朗報だ。東京で一番コストパフォーマンスがいいライブは「新宿ピットイン(PITINN)」の平日の昼の部、これ一択である。1,430円(税込み)で1ドリンクが付くとは、この物価高騰の世の中、最も良心的な料金だと思う。

平日の昼だからと多数の来客を期待せず、演奏に注力するミュージシャンもいるようだ。ぜひこれを読んだあなたが来店して、プレイヤーを驚かせてほしい。

この日のライブは立ちながらのドラム演奏とポリリズムで、スガダイローや纐纈之雅代といった先輩を驚かせる秋元修のカルテットが登場。King Gnuの常田大希が率いるMILLENNIUM PARADEにも参加するトランペッター・石川広行も出演する。4人のプレイヤーが奏でるアンビエントなサウンドを楽しもう。

※14時〜/料金は1,430円(1ドリンク込み)

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  • 音楽
  • 恵比寿

マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の名曲「Off The Wall」をベースで弾き語りカバーして、その名を世界中に知らしめた石川紅奈。そして先日ベン・ウィリアムス(Ben Williams)、ネイト・スミス(Nate Smith)と結成した「TBN TRIO」として、さかいゆうと音楽プログラム「NPR Music Tiny Desk Concerts」に出演したピアニストの大林武司が共演する。

石川の歌声とベースラインがリンクしたプレイにうっとりするようなオリジナル曲に、大林がどんな色合いの和声を乗せていくのかが見ものだ。

また、この日会場の「ブルーノート プレイス(BLUE NOTE PLACE)」は「FAMILY FRIENDLY DAY」を実施中。普段ディナータイムには10歳未満は入店できないが、同イベントでは年齢制限がなく、10歳未満の児童は1,100円(税込み、飲食代別途) で入場できる。祝日に、家族で特別なひとときを過ごしてみては。

なお、公演は前半後半それぞれ約45分、合わせて90分ほど。入替はなく、ショーによって内容は異なる。

※前半18時45分〜、後半20時〜/料金は5,000円(別途1オーダー)

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  • 丸の内

22歳でブルーノート・レコードからデビューし、昨年はミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)がプロデュースしたサードアルバム『Blues Blood』も話題になった、注目の若手サックスプレイヤーのイマニュエル・ウィルキンス(Immanuel Wilkins)。現代ジャズの第一線を体感したいなら、彼の来日公演は外せない。

彼のパフォーマンスを支えるプレイヤーとして今回注目したいのが、バハマ出身で日本人の名前を持つ、ベーシストのリョーマ・タケナガ(Ryoma Takenaga)だ。おそらく現在21歳前後の新鋭で、ニューヨークで活動しながら、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)の息子であるサックス奏者のラヴィ・コルトレーン(Ravi Coltrane)やトランペット奏者のチーフ・アジュア(Chief Adjuah)といった大物のバンドにも参加している。

奏者が一人入れ替わるだけで雰囲気や展開が変わるのも、ジャズの面白さ。ミステリアスなサウンドの中に熱さを感じるイマニュエルの楽曲がどう料理されるのか。熱い夏にひりっとしたスリルと芸術を味わいに行こう。

※22〜24日 1st 18時〜、2nd 20時30分〜/料金は8,800円〜

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  • 下北沢

ジャズとパステル画? そんな珍しい企画「木村紘 パステル画展」が、2025年7月21日(月・祝)から27日(日)まで開催される。

ドラマーの木村紘が描いた作品を展示する本展。SNSを見るとカラフルなイメージがずらっと並んでいるが、なんと彼のパステル画歴は約1年半だという。もともとイラストを描いていたにしても驚きだ。

期間折り返しの23日(水)には、木村のバンド・STEAM ENGINEが登場する、1日限りの特別なライブ「木村紘 パステル画展開催記念 Steam Engine」も行われる。メンバーは星野源やハナレグミ、STUTSなどのサポートとしても引っ張りだこのトランぺッター・佐瀬悠輔、映画『BLUE GIANT』のサックスを吹いたことでも名を知られた馬場智章、キーボードの渡辺翔太、ドラムスの古木佳祐と、つわもののメンバーが揃う。

色とりどりなアートに囲まれてライブを観る機会はなかなかないだろう。音と絵の両方で表現される世界観を楽しんでほしい。なお展示作品は販売されるので、お気に入りの1枚を持って帰ろう。

※1st 19〜20時、2nd 21〜22時/料金は4,200円、2セット通し7,200円(別途、セットごとに1オーダー)

音楽に揺れるなら......

  • 音楽

針で引っかいて音を出すというアナログなレコードの手法に、ジャズの音は非常に合う。そして、そこにアルコールが加われば言うまでもない。

本記事では、モダンやニューオリンズジャズを流す老舗はもちろん、フリーやDJカルチャーを通過した新時代のジャズを流すヴェニューも紹介。ジャズという音楽の奥深さにきっと気づかされることだろう。もちろん深いことは考えず、ただ音に身を委ねるのも一興だ。本記事で新たな出合いがあることを願う。

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  • ジャズ

せわしない日々に疲れたら、おいしいコーヒーと心地よい音が心身をくつろがせてくれる、ジャズ喫茶で一息つこう。都内にジャズ喫茶は数あれど、愛される続ける店には店主の音楽への真摯(しんし)な姿勢や、アットホームな雰囲気、素晴らしいオーディオシステムなど、それなりの理由がある。本特集では、初訪問でもゆったりと自分の時間を満喫できる、おすすめの店をピックアップした。

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東京のクラブカルチャーを語る上で絶対に外すことのできない人物といえば、DJでプロデューサーの須永辰緒だ。手がけたジャズコンピレーションアルバム「夜ジャズ」は20枚以上がリリースされているほか、自身の音楽プロジェクト「Sunaga t Experience」での活動、そしてレコードへの深い知見と情熱から「レコード番長」と呼ばれることもある。そんな須永によるレコードバー「モデルノ(moderno)」が2025年6月9日、駒沢大学にオープンした。

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  • 音楽会場

空の下で音楽を浴びる。そんな贅沢を叶えてくれるルーフトップや半屋外のパーティーヴェニューが、東京やその近郊にある。

日没や夜景といった演出がフロアに新たな没入感を与えてくれるだけでなく、踊る以外の時間も受け止めてくれる屋外スペースは、現代のクラブ体験に欠かせない要素だ。

ここでは食事やドリンクとともにリラックスできるラウンジから、大人数を動員する本格的なライブスペースまで、オープンエアで音楽を楽しめるヴェニューを紹介する。

屋外ならではの思いがけない自由や、心地よさを体験してみてほしい。

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