トラベル
タイムアウト東京による国内外の旅行情報
東京近郊を旅する

小川町でしかできない10のこと
「小川町」と言っても神田小川町ではない。今回フィーチャーするのは東武東上線の終点、埼玉県の比企郡の小川町だ。もともと和紙の里として、また酒造りの町として知られている。近年は、有機野菜の街としても注目されており、2020年は中止となったが、2014年からは『小川オーガニックフェス』を開催。東京からの移住者も増えている。 野菜だけではなく、無農薬、無化学肥料でワインを醸造するワイナリーや、原材料自給率100%を目指す気鋭のブルワリーもある。街は地元の素材を使った、おいしいものがあふれているのだ。老舗旅館やウナギの名店、連日にぎわいを見せるホルモン屋など、気になるスポットには事欠かない。 駅から少し離れればのどかな田園風景が広がっており、自然を満喫できるハイキングコースが整備されている。特急なら池袋から1時間強。東京メトロ副都心線とも直結しており、思い立ったら足を延ばせる気楽さもいい。 体が喜ぶものを食べに、小川町へ出かけてみてはどうだろうか。
大自然を感じる
旅関連のキャンペーン
東京で旅気分

東京、プチ沖縄旅行ガイド
美しいビーチに、冬も温暖な気候、そして独特の食文化を持つ沖縄は、日本屈指の観光地。すっかりその魅力にとりつかれ、定期的に足を運ぶフリークも少なくない。とはいえ、東京から沖縄は物理的に遠く、思い立ったら気軽に足を運べる場所ではなかったりする。さらに、Go To トラベル キャンペーンに東京発着が追加され、旅モードは高まってきたが、まだ遠出を控えている人もいるだろう。 ここでは、飛行機に乗らずとも行ける、都内で沖縄を感じられるスポットを紹介。沖縄が足りていない人も、恋しい人、ほんの少し沖縄気分が味わいたい人に、濃密に沖縄が体験できる場所を紹介する。
海外情報

夢の旅プラン#1 ユキミ・ナガノ(リトル・ドラゴン)
もし時間やスペースの制約なしに、一日の旅行プランを作れるとしたらどこへ行くだろうか。これはタイムアウトワールドワイドが、シンセポップバンド、リトル・ドラゴン(Little Dragon)のボーカルを務めるユキミ・ナガノに聞いたことだ。 日系スウェーデン人のナガノ率いるリトル・ドラゴンは、1996年にスウェーデンのヨーテボリで結成。世界中を飛び回りながら活躍し、2020年3月に6作目のアルバム『New Me, Same Us』をリリースした。2018年にはNinjaTunesと契約を果たすなど、ポップやR&B、エレクトロニクスの要素などを取り入れながら常に進化し続けているバンドだ。 スウェーデンからメキシコシティ経由で日本へ。そんな夢の旅プランの詳細を紹介しよう。 原文はこちら

テルアビブでしかできない10のこと
In association with イスラエル大使館 地中海に面したリゾート地にして、イスラエルの経済や文化を牽引する、中東でも有数の国際都市、テルアビブ(Tel Aviv)。先進的な文化都市の例に漏れず、ゲイフレンドリーな街としても有名な同地は、イスラエル内の他都市と比べて宗教色も薄く、様々な観光客が訪れる観光地になっている。 2月の終わりごろにもなれば雨季も終わりを告げ、10月ごろまではほとんど雨も降らず、過ごしやすい晴天が続く。夏場は気温や湿度の高さが気になることもあるが、歩けばすぐに海へ出られるテルアビブの環境ならば、大きな不満にはならないだろう。 ここではそんなテルアビブの魅力を、食文化やファッション、建築に音楽など、文化的な側面から紹介する。あわせてイスラエルならではのダンスや寿司にまつわる情報も掲載しているので、ぜひテルアビブ探索に役立ててほしい。
東北アップデート

東北アップデート:希望とともに走る
2011年の東日本大震災後、ニューヨークにいた竹川隆司は、同僚やタクシー運転手から寄せられる、あり余る共感に心を動かされた。これに影響を受け、行動を起こすことを思い立ったこのベテランランナーは、宮城県の津波被災地域で『東北風土マラソン&フェスティバル』を立ち上げた。「マラソンは、東北地方以外や世界全土から人を集めるツールに過ぎません。レースだけでなく、食べ物やお酒なども楽しむのも目的です」と、竹川は語る。 しかし同フェスティバルは、政府が6兆5,000億円の拠出を約束した自立支援計画の一部として開催される数多くのイベントのひとつでしかない。マラソンから自転車ツアーまで、ボランティア団体はそれぞれの役割を担い、地元産業を活性化するために、持久力に優れたアスリートや観客を数多く東北に呼び集めている。ここで、観光客のお金が復興につながるイベントをいくつか紹介しよう。 特集『東北アップデート』のアーカイブはこちら

東北アップデート:アートが進める変化
宮島達男にとって、その日は人生で最も長い4日間だった。東北芸術工科大学の副学長だった宮島は、地震と津波が東日本を襲った2011年3月11日の震災当日は関東にいた。山形キャンパスへと戻り、学生たちの無事を確認するのに、4日を要した。 日本でもっとも著名な現代芸術家のひとりである宮島は、東北へ着くとすぐに行動を起こした。近くの石巻市で津波の被害に遭った家々から、泥土をかき出す作業に取りかかったのだ。緊急を要する仕事が一段落したところで、60歳の宮島は、東北の復興のために自らの能力をどのようにいかせるだろうかと考え始めた。 「私は常々、芸術家として東北地方に何らかの貢献をしたいと考えてきました」と宮島は言う。「人々を勇気づけ、また癒やせるようなアートワークを製作しようと思うようになりました」。そう考えていたのは宮島だけではなかった。かくして復興を支援する芸術祭『リボーンアートフェスティバル』が生まれた。 2017年7月22日(土)から2017年9月10日(日)までの51日間にわたって開催される同フェスティバルには、約20万人の参加が予想されている。開催地の牡鹿半島は、震源地に最も近い景勝地だ。フェスティバルでは、宮島を含む世界トップクラスのアーティストの作品が、国内トップクラスのシェフや地元の職人らの作品とともに展示され、すべてに日本を代表するバンドが演奏するサウンドトラックが付く。

東北アップデート:風力発電から考える
秋田県の海岸に設置された3基の風力タービンは、今日も日本海から吹きつける風を利用して電力を生み出している。2016年10月に稼働を開始したコープ東北羽川風力発電所は、約4500世帯分に相当する電力を年間でうみ出し、火力発電と比べて約9000tもの二酸化炭素を削減することができる。 発電した電力は東北電力に売電され、風力発電所に出資した宮城県、岩手県、秋田県の生活協同組合に年間で計約3億3千万円の売上をもたらすことが見込まれている。みやぎ生活協同組合の宮本弘理事長は、「福島第一原発事故を受け、再生可能エネルギーの普及を目指し、東北地方でこの動きを推進していきたい」と語った。 2011年に起きた大地震と津波によって、東北は家庭や経済に大きなダメージを受け、原子力発電所は制御不能に陥った。しかし、震災からの復興を促進するためには、再生可能エネルギーは重要な成長産業になりうると組合は考えている。みやぎ生活協同組合の環境管理室長である大原英範は、「我々は原子力発電に頼らない社会を目指しており、約30億円かけて風力発電所を建設することで着実な第1歩を踏み出した」と話す。 上記の3つの組合が出資するコープ東北グリーンエネルギーは、将来的には太陽光やバイオマスによる発電も導入する予定だという。「再生可能エネルギーの導入拡大は、東北だけでなく日本にとって重要だ」と信じているからだ。

東北アップデート:希望のブランコ
マイケル・アノップが、宮城県気仙沼市のとある公園で遊具を修理していると、近くのガソリンスタンドで給油をしていた男性がポンプを止めて彼に歩み寄り、握手を求めてきた。「彼は、この辺りには子どもたちが遊べる場所が全然ないんだと言っていた」と語るアノップはマサチューセッツ生まれのアメリカ人。NPOのプレイグラウンド オブ ホープを主宰し、2011年の東日本大震災で被災した町に子どもたちが遊べる公園を作る活動を続けている。「本当に何もないところへあなたが来てくれ、こうして遊具を直してくれる。感謝の気持ちでいっぱいです」と彼は語ったそうだ。 1989年から東京で暮らすアノップは、3.11の大震災の直後にSAVE南相馬プロジェクトに参加。その翌年には、事故を起こした福島原発周辺の放射線避難指示区域と隣接する町々へ、定期的に新鮮な食材や飲料水を届けた。 アノップはそこで、仮設住宅で暮らす人々が近所付き合いをする機会が、食料を積んだトラックが到着する日しかないようだと気が付いた。男たちは並んでたばこをふかし、女たちがおしゃべりをしている。その間、子どもたちはコンクリートで固めただけの駐車場を走り回っていた。 母親が「危ないから駐車場で遊ぶのは止めなさい」と叫ぶ声を何度も聞いたという。「そこで、ここに仮設ブランコを作ってあげられないだろうかと考えたんだ」。そしてすぐにアメリカのレインボープレイシステムズという会社に木製の遊具セットを納めている知り合いに連絡をとったところ、破格の条件でアノップに日本での販売権を与えることを承諾してくれたそうだ。