1. 有機野菜食堂 わらしべ
    有機野菜食堂 わらしべ
  2. 小川ぐらしの茄子おやじ
    小川ぐらしの茄子おやじ
  3. 小川町の風景
    小川町の風景

小川町でしかできない10のこと

東京からの移住者も増えるオーガニックな街をガイド

Mari Hiratsuka
テキスト:
Mari Hiratsuka
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 タイムアウト東京 > トラベル > 小川町でしかできない10のこと

テキスト:長谷川あや
写真:Kisa Toyoshima

「小川町」と言っても神田小川町ではない。今回フィーチャーするのは東武東上線の終点、埼玉県の比企郡の小川町だ。もともと和紙の里として、また酒造りの町として知られている。近年は、有機野菜の街としても注目されており、2020年は中止となったが、2014年からは『小川オーガニックフェス』を開催。東京からの移住者も増えている。

野菜だけではなく、無農薬、無化学肥料でワインを醸造するワイナリーや、原材料自給率100%を目指す気鋭のブルワリーもある。街は地元の素材を使った、おいしいものがあふれているのだ。老舗旅館やウナギの名店、連日にぎわいを見せるホルモン屋など、気になるスポットには事欠かない。

駅から少し離れればのどかな田園風景が広がっており、自然を満喫できるハイキングコースが整備されている。特急なら池袋から1時間強。東京メトロ副都心線とも直結しており、思い立ったら足を延ばせる気楽さもいい。 体が喜ぶものを食べに、小川町へ出かけてみてはどうだろうか。

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小川ぐらしの茄子おやじ

下北沢でカレーの名店、茄子おやじを27年間営んできた創業者が、2019年3月に小川町にオープンしたカレー店。 「おやじ」という言葉の印象とは裏腹に、カフェのようなモダンな店内だが、下北沢で絶大な支持を得た、たっぷりのタマネギと赤ワイン、十数種のスパイスなどで作る、どこか優しく、そして深みのあるカレーは健在だ。

裏口から「まだカレー、食べられる?」と、おじさんが入ってきたり、すっかりこの町に溶け込んでいるのが分かる。 なお、下北沢の店舗は後継者が引き継ぎ、営業を続けている。

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三代目清水屋

大正10年創業の老舗豆腐店が営む、おからドーナツ店。地元の朝市で提供したドーナツが好評で、駅前に店舗を構えるようになった。無農薬栽培された『小川青山在来大豆』のおからを、豆乳でわって作る優しい味わいのドーナツ(120円から)は、日替わりや季節限定商品を含めると40種類以上のバリエーションがある。

ラスク、ショートブレットなど焼き菓子も販売。店舗の片隅では豆腐や厚揚げも販売しており、地元のおばちゃんや女子高生などさまざまな層が訪れる。

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栃本親水公園

小川町の中央部を流れる槻川の河川敷を整備し、「モミジと水車」をテーマに、2013年5月に完成した水辺の公園。秋には大小50本のモミジが彩る紅葉スポットとなる。 園内には健康遊具や、水車小屋、遊歩道、トイレが整備されており、散策中、一息つくのにぴったり。秩父の山々もよく見渡せる。小さな水路での水遊びもでき、地元の人々の格好の憩いの場だ。

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玉成舎

絹織物が盛んだった1888(明治21)年に建てられた養蚕伝習所をリノベーションし、オープンした「人と文化の交遊拠点」。屋根瓦の土を利用した壁、はりが強調される白のしっくい塗りなど、随所に130年を超える歴史が息づいている。

昭和後期以降は一般の住宅として使用されていたが、空き家になったことをきっかけに取り壊しが検討された。しかし、街を挙げての再生プロジェクトが始動。2019年には、埼玉県主催「空き店舗ゼロリノベーションコンペ」で最優秀賞を受賞した。現在は有機野菜食堂わらしべ、インドネシア雑貨屋台ぶんぶん堂、武蔵ワイナリー直売所が入居する。

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有機野菜食堂 わらしべ

和風パスタの老舗、壁の穴で腕を磨いた夫、天然酵母パンの人気店ルヴァンで修行した妻という最強のコンビが玉成舎の1階で、地元の生産者による食材を使った料理を提供する。

日替わり定食やパスタセットのほか、オムライスやドリアなどディナータイム限定メニューも。シフォンケーキなどのデザートや有機栽培紅茶など、ティータイムも充実している。ほっこり、緩やかな時間が流れる空間は、何時間でも滞在していたくなること間違いなし。

レジ横の物販スペースでは、地元の農家が手がけた有機野菜や雑貨が購入できる。

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農家のカフェバー トランジット

営業は金、土、日曜の3日間のみという農家のカフェバートランジット(農家のcafe&bar Transit)。兵庫県出身のマスターは10年ほど前、有機栽培を学ぶため小川町へ。現在も畑を借りてさまざまな有機農作物を育てており、店では彼が丹精込めて育てた農作物を使った料理や、小川町内で製造された日本酒、地ビールなどが楽しめる。地元の人にはリーズナブルな料金でウイスキーが飲めると好評だ。

地元のぶどうジュースを使った『下小川』(750円)など、地域名が付いたオリジナルカクテルもユニーク。全制覇して、小川町通を気取ってみては。料理は収穫状況によって変わるので、事前にFacebookで確認するのがベター。不定期だが、ライブイベントも開催している。

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麦雑穀工房マイクロブルワリー

2004年にに自給自足100%ビールを目指し「畑からのビール造り」を始めたマイクロブルワリー。 現在は創始者の娘夫婦が営んでいる。1階では小川町のきれいな水を仕込み水として使用して醸造。2階がタップルームとなっており自家醸造クラフトビールが楽しめる。

一押しの『雑穀ヴァイツェン』(S500円、L800円)は、自社農園で栽培した小麦、ライ麦、さらにキビやアワを使用したもの。穀物の自然な甘さと、フルーティーな香りが心地よい。山椒やレモンを使ったものなど、オリジナリティーあふれるビールを求め、県外から足を運ぶ人がいるというのも納得の味。

将来的には、ビール原料すべてを自家栽培、小川町産でつくる事が目標だという。

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武蔵ワイナリー 角打ち直売所

2011年に創業した武蔵ワイナリーは、嵐山小川インターチェンジから自動車で約7分。小川町駅から車で10分強の場所に位置。完全無農薬や全量自社栽培のブドウを天然酵母、無添加で醸した安心安全なワインを作っている。

玉成舎2階にも直売所を設置。自社商品をはじめ、選りすぐりの日本ワインが30ミリリットルからの量り売りで試し飲みできるほか、代表の福島有造が杜氏を務める無農薬栽培米イセヒカリで醸した、武蔵鶴酒造の日本酒も楽しめる。1階には有機野菜食堂わらしべの料理とともにワインや日本酒をたしなむのもありだ。

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インドネシア雑貨屋台 ぶんぶん堂

バリ島の木彫り動物、エスニックアクセサリー、バティック(ジャワ更紗)、イカット(絣)、布小物など、インドネシアで買い付けた雑貨を中心に販売。干支シリーズやダイオウイカをデザインしたものなど、オリジナルデザインの木彫りの人形も取り揃えている。カラフルで丈夫なアタバスケットも人気だ。通販での購入も可能。

充実の低山ハイキングコースを歩く。
写真提供:小川町観光協会

10. 充実の低山ハイキングコースを歩く。

自然に恵まれた小川町周辺には複数のウォーキングコース、ハイキングコースがある。特に人気が高いのは、東武東上線の東武竹沢駅から外秩父の官ノ倉山(344.7メートル)、石尊山(344.2メートル)を経由し、小川町駅を目指すコース。重要文化財の吉田家住宅や三光神社、穴八幡古墳などにも立ち寄る全長約9.5キロメートルの行程は、道も景色も変化に富み、歩きがいは十分だ。

もう少し手軽なコースを歩くなら、小川町駅を降りて左手に見える仙元山(298.9メートル)を目指してみよう。203メートルの長さを誇るローラー滑り台が人気の見晴らしの丘公園を経由し、山頂へ。なだらかな登りなので、ハイキング初心者にもおすすめ。

ほかにもいくつかコースがあるので、駅から徒歩2、3分の観光案内所で詳細な地図を入手するといい。

Tip's

小川町オーガニックフェス
小川町オーガニックフェス

小川町オーガニックフェス

「五感でオーガニックを感じる一日」をテーマに、2014年から開催されている、小川町で開催される有機の祭典。有機野菜を使った食を多彩な形で提供する。アーティストたちによるアコースティックライブやゲストを迎えてオーガニックを語るトークプログラム、ワークショップなど街を挙げての一大イベント。

公式サイト

東京近郊を旅するなら……

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都心から1時間30分ほどで気軽に行ける箱根は、週末の小旅行にぴったりの場所だ。温泉に加え、桜の名所や美しい紅葉スポットなど、季節によっての見どころも多い。ここでは、定番スポットと、その近辺にひっそりと店を構えるディープなレストランやスナック、モダンな寄木細工が手に入るショップなど、箱根の隠れた名店もあわせて紹介する。また、ここ数年にオープンした注目の宿泊施設もリストアップしているので、参考にしてほしい。

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ここでは、鎌倉生まれ、鎌倉育ち、そして現在も鎌倉で暮らすタイムアウト東京スタッフが厳選した「鎌倉の間違いない」ヴェニューを10軒紹介。リーズナブルな懐石や手紙が出せる文房具店、オリジナルの仏像を作れる陶工房、24時まで飲めるワインバーなど、ビギナーも、何度か足を運んだことがある人も楽しめる内容となっているので、このリストを参考に、ローカルも足繁く通うヴェニューを訪ねてみよう。

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