鎌倉、ご近所ガイド

鎌倉歴25年のローカルエキスパートが選んだ、鎌倉で行くべき10の店
作成者: Shiori Kotaki |
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都内から1時間程度で行ける人気の観光地、鎌倉。四季を感じられる街としても知られており、6月上旬から中旬頃に見頃を迎えるアジサイと、11月末から12月中旬頃にかけての紅葉の時期は、特に多くの人で賑わう。しかし、人気の観光地であるがゆえに、多すぎる情報に混乱しているという人もいるのではないだろうか。ここでは、鎌倉生まれ、鎌倉育ち、そして現在も鎌倉で暮らすタイムアウト東京スタッフが厳選した「鎌倉の間違いない」ヴェニューを10軒紹介。リーズナブルな懐石や手紙が出せる文房具店、オリジナルの仏像を作れる陶工房、24時まで飲めるワインバーなど、ビギナーも、何度か足を運んだことがある人も楽しめる内容となっているので、このリストを参考に、ローカルも足繁く通うヴェニューを訪ねてみよう。

腹を満たすなら...

レストラン

8つの料理に感動する。

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鎌倉 鯛めし 料理屋 大三

街の喧騒(けんそう)を逃れ、落ち着いた空間で食事を楽しみたければ、大三がおすすめだ。同店は、駐スペイン日本大使公邸料理人を務めたこともある店主の橋田大三と、妻で、利き酒師の資格も持つ橋田和江の2人が営む日本料理店。店主の故郷が愛媛県今治市であることから、瀬戸内の海の食材を中心とした食事を提供している。

味わうべきは、旬の食材を堪能できる『おまかせコース』(ランチ、ディナーともに6,480円)。提供されるメニューは、『茶碗蒸し』『前菜盛り合わせ』『お造り』『焼き物』『揚げ物』『蒸し物椀』『鯛めし』『デザート』の8種類で、内容は月替わりとなる。席は12席で、要予約。ランチタイムは、土日でも比較的予約を取りやすいので、時には、昼間から奮発して、寡黙な店主が丁寧に作った、新鮮で美しい数々の料理と、じっくり向き合ってみるのも良いだろう。

レストラン

スローに食べる。

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ワンダーキッチン

御成通りを1本入った住宅街にひっそりと佇(たたず)む、カフェレストラン。「早くて、安くて、栄養満点。お母さんの料理が一番完成されているのではないか」という店主、黒澤邦彦の想いから、世界の家庭料理を提供している。ここでは、「よく分からないけど、気になって仕方がない料理」を注文してみよう。メニュー表には、タンザニアの『ココナニャマ』や、ブータンの『ジャシャマルー』、ギリシャの『コトプロ レモナト』など、日本ではあまり聞きなれない、呪文のような料理名も多く並んでいる。こんな時は、どんな料理なのかを尋ねながら、好奇心がかき立てられるままにオーダーしてみるのが一番だ。

スローな時間が流れる店内は、抜群の居心地の良さ。つい時間が経つのを忘れてしまわぬように、気をつけたい。ちなみに、店内に置かれている家具は、黒澤がアメリカの西海岸で買い付けたもの。なかには、購入できるものもあるそうだ。

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レストラン

嗅覚にまかせる。

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ウーフ カレー

由比ヶ浜通りにある、シンプルで可愛らしい真っ白な建物。2階の窓の奥にはロッキングチェアも見えるこの建物を、視覚だけでカレー店だと判断するのは難しいかもしれない。しかし、心配は無用だ。店の前を通りがかれば、匂いにつられて、吸い寄せられるように思わずドアノブに手をかけているだろう。

ウーフ カレーで楽しめるのは、『ビーフカレー』や『野菜カレー』『キノコカレー』などの欧風カレー。スパイシー感は控えめで、マイルドな味わいなのが特徴だ。肉か野菜か選べないという欲張りな人は、肉と野菜に加え、ゆで卵も乗った『スペシャルカレー』を選ぼう。肉は、牛、鶏、豚から好みのものを1つ選ぶことができる。2階では時々、音楽好きの引地が今気になるアーティストを招いたライブイベントも行われている。カレーの匂いに包まれながら、音楽に酔いしれる夜も悪くないだろう。

ショッピング

11時に行く。

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ラフォレ・エ・ラターブル

鎌倉には多くのベーカリーがあるが、紅茶好きであれば、ラフォレ・エ・ラターブルがおすすめだ。同店の『ティーブラン』が絶品だからである。『ティーブラン』は、ホワイトチョコと紅茶のペースト、紅茶茶葉を練り込んだ一品。一口かじっただけでも、口の中がふわっと紅茶の風味で満たされる。

いろいろなパンを吟味して選びたいという場合は、一番種類が揃っている11時頃に足を運ぼう。定番人気のバゲットや季節限定のパン、サンドイッチなど、約25種類のパンが並んでいる。皆がこの時間帯を狙ってくるので、少々の混雑は避けられない。目当てのパンがある時は、事前に予約をしておくのがおすすめだ。営業時間は10〜16時だが、観光シーズンは14時頃、通常は15時頃にはパンが売り切れてしまうことも多いそう。いずれにせよ、早めに訪ねておくのが良さそうだ。時々キュートな看板娘も顔を出すようなので、運良く出会えたら挨拶を忘れずに。

特別な体験をするなら...

ショッピング

手紙は鎌倉で書く。

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ツズル

旅先から手紙を書いてみる。そんなロマンチックな体験ができるのが、文房具店のツズルだ。こじんまりとした店内には、16歳から万年筆を使い始めたという店主の柴田亮治がセレクトした、ペンやレターセット、ポストカード、スタンプ、御朱印帳などがずらりと並んでいる。ちなみに、柴田が万年筆を使い始めたのは、ノートの文字が綺麗に見える筆記用具を探していて、万年筆にたどり着いたことがきっかけだそう。もちろん、店内にはとっておきの万年筆も並んでいる。

主に見た目重視で選んでいるという商品は、どれも秀逸なデザインのものばかり。お気に入りのペンとレターセットを見つけたら、隣の部屋に移動して手紙を書いてみよう。同じ部屋に置かれたお手製のポストに投函すれば、店主の手を少し借りて、実際に届くシステムとなっている。

Things to do

自分だけの仏像を作る。

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陶工房 ダン

長谷寺近くにある陶芸体験教室。電動ロクロや手びねりもあるが、ここで体験してほしいのは「仏像つくり」だ。コースの内容は、石膏型で成型した大まかな仏像に、表情やポーズなどの細かい部分を自由に作り足していくというもの。なかには、猫にしたり、知り合いの顔に似せたりする人もいるのだとか。基本的には予約制だが、空いていれば、飛び込みでの体験もできる。所要時間は、1時間〜1時間半ほどなので、観光の合間に、想い想いの仏像を作ってみるのも良いだろう。

一息つくなら...

レストラン

カウンターを狙う。

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自家焙煎珈琲 玄

ふわふわのパンケーキやビーン トゥ バー チョコレートなど、流行りの店も続々と進出してきているが、やはり最後に求めるのは、「ここならいつ行っても間違いない」と思える安定の味と居心地の良さだ。玄は、鶴岡八幡宮近くの若宮大路沿いにある、1987年創業の喫茶店。「観光地ど真ん中」と言っても過言ではない場所にあるにもかかわらず、静かで、落ち着いた空気が流れている。

店に入ると、店主とともに、約180ものティーカップ&ソーサーが出迎えてくれる。有田焼や備前焼など、すべて日本のもので、オープン当初から、窯元に足を運んで集めたのだという。同店の特等席は、間違いなくカウンター席。ここに座った人には、自分で選んだ好みのティーカップ&ソーサーに、コーヒーを淹れてもらえる権利が与えられるのだ。メニューは、自家焙煎コーヒーのほか、紅茶や手練りココア、チーズケーキなどを用意。暑い日には、シャリシャリに凍ったモモが入った『丸ごと搾り ももジュース』でまず喉を潤してから、じっくりコーヒーを嗜(たしな)むのも良いだろう。

レストラン

しろくまにときめく。

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たい焼き なみへい

看板には「たい焼き なみへい」とあるが、店主の濱田紳吾いわく、ここは駄菓子屋らしい。小学生くらいの子どもが嬉しそうにやってくる様子や、濱田と来店客が楽しそうに会話している姿を見ると、妙に納得してしまう。取材中に遭遇した少女は、家から小学校まで歩いて1時間ほどかかるため、なみへいで休憩したり、トイレを借りることもあるという。

オーダーが入ってから「一丁焼き」の型で1つずつ焼き上げる、「天然モノ」のたい焼き(2018年8月末まで販売休止中)も捨てがたいが、写真映えを狙うなら『なみへいのしろくま』がおすすめだ。濱田の故郷である鹿児島県の名物「しろくま」を模して作ったかき氷で、スプーンを入れるのが申し訳ないくらいに愛らしい姿をしている。ヨーグルトやクリームチーズなどをベースに作られたシロップは、さっぱりとした風味。さらに、ミカンのピールが入った練乳を回しかければ、爽やかさ倍増だ。独り占めしたい気持ちもよく分かるが、2人くらいで味わうのがちょうど良い大きさだろう。

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ショッピング

クレープにはシンプルさを求める。

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コクリコ 御成通り店

鎌倉の人気クレープ店。350円〜というリーズナブルさもあってか、老若男女から愛されている。おすすめは『レモンシュガー』。生のレモンを絞ったクレープで、爽やかな味わいを楽しめる。そのほか、『ラム酒シュガー』といった大人のクレープや、『ハムレタス』などの食事系クレープもある。店内にはイートインスペースもあるので、ドリンクと一緒に注文し、一息つくのも良いだろう。

一杯飲むなら…

バー

ワインと待つ。

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トレス

鎌倉観光というと、やはり神社や寺巡りを目的とする人が多い。しかし、その多くが16〜17時頃に閉まってしまうので、18時頃までは、都内へ向かう電車は混雑することが多いのだそう。そんな時は、無理して満員電車に乗り込むのではなく、軽く飲みながら、混雑のピークが去るのを待つのが一番。裏技のように聞こえるが、鎌倉に住む人、もしくは鎌倉通にとっては常識だ。

トレスは、気さくな夫婦2人で営む小さなワインバー。2人ともソムリエの資格を持っており、豊富なワインと知識で、我々を迎えてくれる。ちなみに、「白ワイン」や「赤ワイン」「ロゼ」と並んでメニューボードに書かれている「オレンジ」とは、ワインの色がオレンジがかった色味であることから「オレンジワイン」の呼び名で親しまれるワインのことだ。白ワインに用いる白ブドウを果皮ごと発酵させることで、こういった色味になるのだという。オーダーする際は、ワインと相性の良いフードも忘れずに。千葉県のチーズ工房 イカガワから仕入れている、放牧ジャージー牛のミルクを使ったチーズや、レンコンのシャキシャキとした食感が楽しい自家製の水餃子など、センス抜群な料理が揃っている。

艶がある街を歩くなら...

レストラン

浅草観音裏、ローカルが案内する12軒

浅草駅から浅草寺を抜けた先にある閑静な界隈を、「観音裏」と呼ぶ。かつて花街として栄えたこのエリアには、今は数えるほどになった料亭や、当時の面影を残す建物、当時からの味を代々引き継いできた店などが点在。最近では新たにビストロやカフェがオープンし、下町情緒を感じさせる街に新しい魅力を加えている。今回、飲食店を中心に行くべき12のヴェニューを厳選し案内してくれたのは、観音裏に18年暮らすデザイナーの村手景子だ。「艶がある街」と村手が称する観音裏へと誘おう。

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