1. 箕面大滝
    Photo: Kisa Toyoshima
  2. 高石工場夜景
    画像提供:高石市
  3. あまみ温泉 南天苑
    画像提供:あまみ温泉 南天苑

大阪、日常をエスケープするスポット8選

日々の喧騒から逃れてパワーチャージ

編集:
Time Out Tokyo Editors
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慌ただしい生活に疲れてしまったら、つかの間、日常を忘れてリフレッシュする癒やしの旅に出よう。

ここでは、絶景の中を歩いて目指す滝やSF世界にワープしたような工場夜景、日々の喧騒(けんそう)から逃れてのんびりできる温泉宿など、非日常空間に身を置けるスポットを紹介する。ほんのちょっと日常をエスケープしてパワーチャージすれば、きっと健やかな毎日を取り戻せるはずだ。「観光」ではなく「リフレッシュ」を軸にした旅を楽しんでみてほしい。

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  • Things to do

「日本の滝百選」や「日本百景」にも選定されている名瀑。織田信長や松尾芭蕉もこの地を訪れたといわれており、パワースポットとしても有名だ。また、紅葉の名所でもあることから、毎年見頃を迎える11月中旬ごろには、真っ赤に色づいた紅葉越しに滝を眺めることもできる。

「箕面大滝」へは、箕面駅から滝道を歩いて40分ほど。40分と聞くと長く感じるかもしれないが、滝道はきれいに舗装されているほか、道中は豊かな自然を感じる非日常的な空間なので、実際に歩いた感想としては、想像よりも早く滝に到着した印象だ。

滝道を車で走ることは不可能だが、できる限り近くまで車で行きたい人は、最寄りの「大日駐車場」から訪れるといい。ここからだと歩いて10分ほどで滝に到着する。

  • Things to do

芸能や財運に御利益がある、日本最古の弁財天を祭る寺院。658年、箕面滝で修業していた役行者(えんのぎょうじゃ)が弁財天の導きを受け、宗教家として大成した。そのことへの感謝として、自ら弁財天の像を製作し、滝の側に祭祀(さいし)して「箕面寺」と称したのが始まりと伝わる。その後、多くの修行者が入山し、山岳の道場として発展してきた。

箕面駅から「箕面大滝」へと続く滝道の途中にあるので、駅から滝を目指す際は必ず立ち寄りたいスポット。また、宝くじの起源とされる「富くじ(箕面富)」発祥の地としても知られており、毎年10月10日には「箕面富」の名で秋祭りも行われている。

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  • Things to do

大阪と和歌山の境を東西に走る和泉山脈、大阪と奈良の境に南北にそびえる金剛山地。総延長112キロメートルにおよぶこの峰々一帯は「葛城」と呼ばれ、多くの神々が住む山として人々に崇められてきた。修験道(しゅげんどう)の開祖といわれている役行者(えんのぎょうじゃ)が、最初に修行を積んだのがこの地だ。

役行者は、この地に法華経の経典を28カ所に埋納したと伝えられており、その法華経が納められた経塚や滝、巨石、寺社、祠(ほこら)など、和歌山県和歌山市加太から大阪府柏原市の大和川・亀の瀬までを巡る修行を総称し「葛城修験」と呼ぶ。最初の経塚である「序品(じょほん)」は、和歌山県の無人島「友ヶ島」にあり、山岳信仰である修験道では非常に珍しく、海から始まるのが特徴的だ。

葛城修験の峰々は低山が多く初心者でも比較的アクセスしやすいが、例えば「犬鳴山七宝瀧寺」が実施する1日修験体験では、「滝行」や岩場から身を乗り出す「覗き」など、厳しい修行の一端も体験できる。また、最終28番経塚の「亀岩」がある「亀の瀬」は、葛城修験のほか、もう1件の日本遺産にも登録されている。

  • Things to do

東京駅や日本銀行本店など、近代日本を代表する西洋建築を手がけた辰野金吾が設計した、希少な和風建築の「あまみ温泉 南天苑」。約9900平方メートルもの日本庭園と瓢(ひさご)型の池など、四季折々の豊かな自然が楽しめる。

料理は地元で育った食材や、地元に伝わる幻の食材を再生するなど、独自のスタイルを確立。木造旅館ならではの落ち着きと木の温もりを感じる部屋で味わいたい。

温泉は天然のラドンを豊富に含み、強い発汗作用と新陳代謝を高めるなど、美容と健康に効果がある。大阪市内からもアクセスがいい癒やしの空間は魅力的だ。

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  • Things to do

臨海部に石油、化学メーカーの工場群が広がり、日本屈指の連続的工場景観と評される「高石工場夜景」。高石市は、川崎市や室蘭市、四日市市をはじめとした12都市とともに、工場夜景の魅力を発信する全国工場夜景都市協議会」に加盟している。

特に、阪神高速湾岸線高石料金所付近から見える光景は圧巻。「市道高砂1号線」「浜寺泊」「浜寺公園」も高石市が勧めるスポットだ。

高石商工会議所が主催する市内の工場夜景を巡るツアーが定期的に開催され、多いときは定員の数十倍の応募があるほど人気がある。安全やマナーに注意して、自分だけのお気に入りの場所を見つけるのも楽しいだろう。

  • 音楽
  • 音楽会場

「日本初のクラシック音楽専用ホールをつくりたい」という、指揮者の朝比奈隆の思いを背景に設立された「ザ・シンフォニーホール(The Symphony Hall)」。音響基準の究極系ともいえる「残響2秒」の空間では、数多くの名演が生まれている。

多目的ホールのようにオーケストラピットや可動式舞台がなく、ステージ奥のパイプオルガンと舞台を客席が囲むアリーナ形式というシンプルなスタイルは、クラシック音楽を追求するという志を表す。巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤンにして「ウィーン楽友協会大ホールに比肩するほどの世界一の音響だ」と言わしめ、舞台に口づけをしたというエピソードが残っている。

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  • Things to do

大東市と四條畷市にまたがる飯盛山の頂上に位置する「国史跡 飯盛城跡」。戦国時代末期の山城で、城を構成する遺構が良好な状態で保存されている。2017年に「続日本100名城」に選定され、2021年に国の史跡に指定された。

1530年に初めて文献に登場。1560年には天下人の三好長慶(みよし・ながよし)が居城とし、京都と五畿内を支配する三好政権の政治・文化の中心地として機能した。城を訪問したイエズス会宣教師によりヨーロッパで刊行された文献や地図でも紹介されている。

国史跡指定を目指して実施した総合調査成果から、北エリアは防御空間、南エリアは居住空間だったと推測される。また、織田信長によって完成される高石垣や瓦ぶきで礎石建ちの高層建築の天守を持つ「織豊系城郭(しょくほうけいじょうかく)」と共通する石垣、礎石建物、瓦という3つの要素を「織豊系城郭」に先行して取り入れたまれな事例だと分かっている。

JR学研都市線野崎駅と四条畷駅からハイキングコースを利用すると、上りでそれぞれ90分、100分で山頂に到着できる。

  • Things to do

整備に聖徳太子も関わっていたとされる、大和川に沿った大阪と奈良をつなぐ山越えの道、「龍田古道」。その中心に位置する、生駒山地と金剛山地に挟まれた谷あいの「亀の瀬」は、天然の関所ともいわれるほど何度も地滑りが起きる難所だ。そして亀の瀬は、龍田古道の発展に伴い「都を離れるノスタルジー」の象徴となり、30首ほどの万葉和歌が詠まれている。

現在も最新技術を駆使して対策工事を行っており、大和川に対して斜めに架けられた鉄道橋からは、地滑りで迂回(うかい)を強いられた線路の様子が分かる。また、地滑りで埋もれていた鉄道跡「亀の瀬トンネル」は一般公開されており、生々しい崩落面からは災害の歴史が学べるだろう。

亀の瀬の歴史的遺構からは、自然の脅威と共存する日本人の心のありようが感じられるかもしれない。1400年以上の歴史をつなぐ道を歩いてみよう。

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