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あらゆる音楽が集まる東京のライブ、コンサートガイド

手話が「響く」ライブ体験を
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手話が「響く」ライブ体験を

2018年に日本フィルハーモニー交響楽団と落合陽一が手がける『耳で聴かない音楽会』が開催され、話題になったことを覚えている人は少なくないだろう。同イベントは、テクノロジーを駆使して光と振動によって聴覚障害者に音楽体験を届ける試みだった。一方で、東京にはよりシンプルに、そしてダイレクトにミュージシャンと聴覚障害者をつなぐ「手話パフォーマー」が存在する。20年以上のキャリアを持つ俳優、三浦剛は、テレビや映画、舞台などで活躍するかたわら、手話パフォーマーとしてステージに立つ手話ソングライブ『Music Sign』の主催者でもある。2019年12月で通算15回目を迎える同イベントのほかにも、三浦は全国からのオファーに応える形で、手話パフォーマンスを行ってきた。 音楽ライブを手話で伝えるためのノウハウはどうやって培われていったのか。そこで生まれた新しい表現の可能性とは。三浦に話を聞いた。 インタビュアー:髙木智哉写真:中村悠希

記号化できない東京を切り取る
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記号化できない東京を切り取る

「現実世界と伝承世界を二重写しにすることで、奥多摩の世界が立体的に立ち上がり、何気ない山間の景色は突如フルカラーに変貌する」(『奥東京人に会いに行く』60ページ) 日本全国、世界各地の祭りや伝統音楽を追いかけてきたライター大石始が10月に上梓した『奥東京人に会いに行く』は、西端は奥多摩の集落、東端は江戸川区の東葛西、さらに絶海の孤島である青ヶ島など、まさに東京の奥地に焦点を当て、そこに住む人々との会話を通して、その地域固有の文化・習慣をルポ形式でつづったものだ。上記に引用したのは、本文からの一節である。 日々の暮らしのなかにエキゾチックを見出す常に東京の外にあるものを追いかけてきた大石が、ここにきて「東京の奥」に目を向けたのは、一種の回帰だったという。 「僕は数年前から各地の盆踊りや祭りの取材を続けていて、徐々にマニアックなものが対象になってきて。取材に出かける場所が東京から離れていったんです。それがある時から東京に戻ってくるようになった。 それは感覚的にはアフリカや南米の音楽を探していたのが、ある時期から突然街中で流れているポップスや東京音頭に回帰しちゃった感じと似てるんです。自分の生活とは明らかに違うものを異国に求めるんじゃなくて、日々の暮らしのなかに『自分とは違うもの』、ある種のエキゾチックなものを求めるようになっていったんです」(大石) 大石始 大石にとって、その感覚にシンクロする音楽があった。トラックメイカー兼映像作家のVIDEOTAPEMUSICが2017年に発表した『ON THE AIR』がそれだ。 VIDEOTAPEMUSICの音楽を表すキーワードの一つに、エキゾチシズムという言葉が使われる。音楽ジャンルとしての「エキゾチカ」は、1950年代にアメリカで誕生したもので、南国の楽園をモデルにしたムード音楽として端を発した。それは、現地に赴いて音楽を体得するのではなく、ここにいながら「ここではないどこか」を夢想する音楽だ。 大石とVIDEOTAPEMUSICは、その「ここではないどこか」を距離の問題としてではなく、視点の問題として捉えることに可能性を見出した点で共通していた。 「2000年代に入ってから郊外やロードサイドについてさまざまな視点から語られるようになってきましたけど、文化的にはなにも見るべきものがなくて、語るべき物語がほとんどない不毛な土地だといわれることもあるじゃないですか。でも、そこに住んでいる人間がいて、そこに暮らしがある限り、『語るべき物語がない場所』なんてどこにもないと思うんですよ。 『ON THE AIR』のなかに『ポンティアナ』という曲がありますけど、埼玉県草加市・松原団地の熱帯魚店ポンティアナがモチーフになっていて、曲には近くの国道を走る車のエンジン音が入っている。『モータープール』ではパチンコ店の駐車場で録った暴走族のエンジン音も入っていますよね。団地やパチンコ店が並ぶロードサイドって、決して絵になる場所ではないじゃないですか。普通の映像作家だったら決してロケ地として選ばないですよね」(大石始) VIDEOTAPEMUSIC 「自分がカメラを向けたい場所というのは『記号としての東京』を表した、例えば渋谷みたいなところじゃなかったんですよ。みんながカメラを向けない場所にも東京はあるし、そういう場所にこそ今の時代ならではの景色があるような気がしていて。 いろいろな土地に出向いた先で得るものをあるけど、自分の根底には人ってそんなに簡単にいろんな場所にいけるわけじゃないという気持

坂本慎太郎、アメリカ再訪記
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坂本慎太郎、アメリカ再訪記

2019年10月、坂本慎太郎のアメリカツアーが行われた。ゆらゆら帝国を率いていた2000年代にも4度のアメリカ公演は行われていたが、当時はニューヨークやボストンなど東海岸の一部のみ。今回はロサンゼルス郊外の絶景を舞台に開催されるフェスティバル『Desert Daze』を皮切りに、サンフランシスコ、サンラファエル、シカゴ、ニューヨークと、北米大陸を横断するスケジュールが組まれた。 渡米すること自体、坂本自身にとってはゆらゆら帝国以来10年ぶり、ソロとしてはもちろん初めてとなる。バンドメンバーは、ソロでのライブ開始後から演奏を共にするベースのAYA(OOIOO)、ドラムスの菅沼雄太、そしてサックスの西内徹。PAは、ゆらゆら帝国からの坂本のライブを支えてきたサウンドエンジニア佐々木幸生が全会場を担当した。 左から、西内徹、AYA、坂本慎太郎、菅沼雄太 2017年10月、ドイツ東部のケルンで行われた『WEEKEND FEST』出演から始まった坂本のライブ活動。それまでかたくなにライブを拒んでいた坂本だが、このときのドイツ2公演(ケルン、ベルリン)以降、日本国内に限らず、中国、オランダ、イギリス、メキシコと、興味深いシチュエーションでのライブに臨んできた。 観客にとって、ある種のエキゾチックで見知らぬ存在としてステージに立っていた面もあるそうした土地に比べ、ゆらゆら帝国時代の坂本を少なからず知るアメリカのオーディエンスは、現在の坂本をどう聴き、どう見るのだろうか。また、坂本自身には今の自分と今のアメリカの関係性はどう映ったのだろうか。それを坂本自身の言葉で聞くべく、インタビューを行った。 「(アメリカの観客は)演奏にダイレクトに反応する感じはありましたね。例えば、(西内徹の)サックスソロでも、いいサックスを吹いた後は曲の途中でも拍手が来る。間奏部分で熱くなって、さらにもうひと回しあるぞというときにも『ウォー』と声が上がるとか。 今まで外国でやるときは、わりと僕を知らない人の前でやってて、演奏しながらつかんでいって最後にウケる、みたいなパターンが多かったんですけど、アメリカは最初から向こうがこちらの曲とかも知ってる感じがすごくしましたね。それは、ソロアルバムをOther MusicやMesh-keyといったレーベルで出してきたことの効果なのかな。あと、Spotifyみたいに昔とは違うメディアもできて、(自分の曲が)聴かれる機会も増えているんだなと思いました」 たしかに、10年前と現在の音楽聴取の状況を最も大きく変えたのは、SpotifyやApple Musicといったサブスクリプションサービスの台頭だ。 「10年前は実際に行ってライブをやるか、向こうのレーベルからリリースするか、でないと知られる方法がなかった。それに昔は、海外で人気がある日本人ってすごく変わってたり、極端な表現してる印象があったんです。 そういう中では、ゆらゆら帝国は歌詞があってメロディーがあってわりとオーソドックスなスタイルだったし、ソロになってからはさらに普通の日本語の曲になったと思ってたから、あんまり外国では受けないんじゃないかと感じてたんです。でも、最近のブームでもあるのかもしれないけど、普通に日本語で歌ってる歌が普通に聴かれるようになってきてるというのは実感して

インタビュー:ジャイルス・ピーターソン
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インタビュー:ジャイルス・ピーターソン

DJ、レーベルオーナーとして世界中の優れた音楽をキュレーションし、全世界に向けて発信を続けるジャイルス・ピーターソン。キャリアのスタートとなった、ブラン・ニュー・ヘヴィーズやジャミロクワイといったアーティストをフックアップしアシッドジャズのムーブメントを広めた1980年代から30年以上の時が経ったが、その影響力は衰えることなく、むしろ拡大している。彼の現在の活動は、自身が主宰するレーベルBrownswood Recordingsの運営、そしてオンラインラジオ局のWORLDWIDE FMのディレクションが中心となっている。2016年に立ち上がったこのラジオ局のもとになっているのは、イギリスのBBC RADIO 1での番組として1998年にスタートした『WORLDWIDE』である。同番組は過去に日本のFMラジオ局でも再編集版が放送されてたので、聴いたことがある人も多いだろう。WORLDWIDE FMは、立ち上げの1年後にイギリスの権威のあるラジオアワード『ARIAS2017』で「ベスト・オンライン・ラジオ賞」を受賞している。 同局は、ロンドンを拠点にしながらも、世界各国を回って現地のDJやミュージシャンを招いた特別番組や公開生放送を実施するなど、オンラインならではの活動を行っており、音楽プラットフォームとしてのラジオの新しい可能性を切り開いている。そんな「音楽の伝道師」として傑出した存在である彼に、インターネット以降の時代における活動の仕方について、そして日本の音楽シーンについて話を聞いた。 テキスト:三木邦洋写真:中村悠希通訳:Emi Aoki

行くべき音楽イベント

Tokyo Music Evening Yūbe with philharmonia
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Tokyo Music Evening Yūbe with philharmonia

サラウンドスピーカーと映像を活用したデジタルクラシックコンサートが池袋西口公園野外劇場、グローバルリングシアター(GLOBAL RING THEATRE)で開催。 本コンサートは、東京芸術劇場での来日公演を予定しているエサ=ペッカ・サロネンが、グローバルリングシアターの大型ビジョンとサラウンドシステムを見て、それらを使用した映像コンサートを提案したことで実現したという。 音源はサロネンが率いるロンドンの名門フィルハーモニア管弦楽団、作品はサロネンが最も美しいエンディングと語るマーラー作 『交響曲第3番終楽章』。期間中は出入りは自由なので、公園併設のグローバルリング カフェ(GLOBAL RING CAFÉ)で提供するホットドリンクを飲みながら名曲を堪能しよう。    

ローマの休日全編上映ライブコンサート~ローマ・イタリア管弦楽団~
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ローマの休日全編上映ライブコンサート~ローマ・イタリア管弦楽団~

映画史に残る名作『ローマの休日』の、全編上映付きフル・オーケストラ・コンサートが、板橋文化会館で開催される。演奏を務めるのは、作品の舞台ローマにゆかりのあるローマ・イタリア管弦楽団。アカデミー賞受賞作品『ライフ・イズ・ビューティフル』や『イル・ポスティーノ』のサウンドトラックを手がけた、実力のある楽団だ。 通常の映画鑑賞だけでは味わえない没入感の中、オードリー・ヘプバーンの愛らしい笑顔とともに、ぜいたくで懐かしい時間を過ごしてほしい。

CHON
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CHON

アメリカ、カリフォルニア州サンディエゴのバンド、チョン(CHON)が来日公演を行う。今年の『フジロック』ではレッドマーキーに登場し、磨き上げられた演奏でオーディエンスを魅了した。 2000年代のポストロックを復興させるかのような巧みで緻密なアンサンブルが特徴で、今年は『コーチェラ』をはじめ世界中の音楽フェスティバルへ出演するなど、グローバルな人気を誇っている。テクニカルながら、どこか風通しのいいレイドバックした雰囲気もあるサウンドは、生で聴くのが吉だろう。

Paint Groove Live at Berry
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Paint Groove Live at Berry

2020年の始まりにサイケデリックな新しいパーティーが開催される。 企画は、自主イベントや映像制作を手がけるアートチームPaint Groove。定期的にダンスパーティーの開催やプレイリストの公開をし、グルーヴィーなサウンドを届けている彼らが、豪華なラインナップを集めた。 出演するのは、HAPPY、Seira Mirror、クラウトロックバンド、南ドイツ(Minami Deutsch)のギタリストTaku IdemotoとアシッドフォークシンガーソングライターSHOKOによるドゥームサイケデュオのTOLCHOCKら。昨年ニューアルバム『Threshold 発端』をリリースした、Dhidalahの貴重な日本でのライブも見逃せない。 参加した人にしか味わえない空気感が漂う、唯一無二のパーティーにぜひ足を運んでほしい。入場料は無料で、ミュージックチップ制だ。  

ニュー・オーダー 来日公演
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ニュー・オーダー 来日公演

最もドラマチックな歴史を持つバンドであり、ニューウェーブの伝説的存在であるニュー・オーダーの来日公演が開催される。 メンバーチェンジを経ながらも精力的に活動を続けている彼らは、今年7月には地元マンチェスターでの5夜に渡って行われたライブを収録した『∑(No,12k,Lg,17Mif)』をリリース。30年以上ライブで演奏されることがなかった、前身バンド ジョイ・ディヴィジョンの楽曲など、貴重な音源が多く収録されている。今回の来日公演ではどんなセットリストが組まれるのか、今から期待したい。

HINA-MATSURI
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HINA-MATSURI

ストレイテナー、Nothing's Carved In Stoneなどで活躍するベーシスト、ひなっちこと日向秀和が主催する音楽フェスの第3回が決定。 日向を中心に、ドラムに松下マサナオ(Yasei Collective、GENTLE FOREST JAZZ BAND)、ギターに柳下“DAYO”武史(SPECIAL OTHERS)、キーボードにちゃんMARI(ゲスの極み乙女。)を迎えたスペシャルバンドを結成。ゲストボーカルに、ホリエアツシ(ストレイテナー)、アイナ・ジ・エンド(BiSH)、はっとり(マカロニえんぴつ)が参加する。また、ドラマーの柏倉隆史(toe、the HIATUS)も出演。 音楽ファン必見のプレミアムな一夜となりそうだ。

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インタビュー・アーカイブス

細野晴臣の轍
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細野晴臣の轍

昨年、アメリカの音楽レーベルLight In The Atticから、1973年の細野晴臣のソロデビュー作『HOSONO HOUSE』をはじめとする全5タイトルがリイシュー(再発売)された。 かねて、細野の音楽へ関心を持つ海外の音楽ファンは多かったが、今回のリイシューを機に一気に再評価が進み、2019年5月から6月にかけて、ニューヨークとロサンゼルスを回るアメリカツアーも決まっている。 細野は、ロックを題材にアメリカの音楽を遡(さかのぼ)ったかと思えば、1980年代にはYMOと歌謡曲にも関わり、さらにアンビエントミュージック/環境音楽にもいち早くアプローチをした。そして、先頃には『HOSONO HOUSE』を再構築した新作『HOCHONO HOUSE』をリリースしたばかりだ。 60年代末から現在までの日本のポピュラー音楽の歴史を振り返ると、さまざまな局面に登場するのが細野晴臣である。 そのことに気がついた海外のリスナーたちも、細野の音楽を熱心に追い始めている。背景には、近年、欧米の音楽ファンの間で高まっている、ジャパニーズミュージックそのものへの関心もあるだろう。かつてアメリカの音楽に魅了され、それを追い求めるようにスタートした細野晴臣の音楽が、逆に今、求められている状況だ。そこにはどんな理由があるのだろうか。YMOやアンビエントで世界とつながっていた時代と現在では、何が異なるのだろうか。 そんな問いをきっかけにした、細野晴臣へのインタビューを届けよう。 

インタビュー:MIDI Provocateur
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インタビュー:MIDI Provocateur

ダイアナチアキと小林うてなによるユニット、MIDI Provocateurが6月14日にEP『Episode 1』をリリースした。 DJや電子音楽家としてアンダーグラウンドなイベントからLouis Vuitton、GUCCIなどのハイブランドのイベントへの出演、FEMMやYOSHIROTTENのエキシビジョンに楽曲提供などを行うかたわら、モデルとしても活躍するダイアナチアキ。一方、小林うてなはソロ名義での活動だけでなくD.A.N.やKID FRESINOらのサポートに加えて、Julia Shortreed、ermhoiらと結成したBlack Boboi、そしてレーベルBINDIVIDUALの立ち上げなど、バイタリティあふれる活躍ぶりをみせるアーティストだ。 そんな2人が発表した本作『Episode 1』は、ダークな世界観のテクノを軸に、時にはジャングルやトラップ、トライバル的要素まで取り入れた異色の作品に仕上がっている。資料によると、「ダーク・ファンタジーなステルスゲームを2Pでプレイしている」というコンセプトの元に作り上げられたという本作は、確かにどこかSF的で、映像喚起力に長けた作品でもある。 今回は、本作の制作背景をひもとくべく両者にインタビューを敢行。プロジェクトの成り立ちから、本人たちの意外な人間性にも触れることができた。

インタビュー:清水靖晃
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インタビュー:清水靖晃

清水靖晃を中心に1979年に結成されたバンド、マライアのアルバム『うたかたの日々』(1983年)が海外のレーベルでリイシューされ、欧米に紹介されたのが2015年だった。そして、清水のソロ作品『案山子』(1982年)や『ミュージック・フォー・コマーシャルズ』(1987年)も2017年にリイシューされた。それらは、単にレコードマーケットを活性化させただけではなく、日本の音楽への関心を高めた。特に、清水の音楽は、現行の音楽シーンの中でも対等に評価されるべきものとして広がった。 現在の清水には、ヨーロッパを中心にツアーやフェスティバルのオファーが絶えない。今年の夏にはデンマークの『ロスキレ・フェスティバル ※』 や、ロンドンでの単独公演など、計4ステージを実現させたばかりだ。かつてのマライアや、ライフワークのように続けているサキソフォネッツのようなグループ/バンドでの演奏ではなく、若いエレクトロニックミュージックのアーティスト、國本怜をともなっただけの、シンプルでミニマルな新しいプロジェクトでの演奏を行った。その評判は上々で、海外のメディアでも大きく取り上げられた。また一方で、直近ではNHKのドラマ『透明なゆりかご』の音楽を手がけるなど、作曲家としての仕事もこなしている。 その海外公演から戻って落ち着いた時期に、東京から少し離れた所で制作を続ける清水を訪ねた。サックスでも何でも録音するという、こぢんまりとして居心地のよい作業部屋を見せてもらいつつ、リラックスした雰囲気の中で話を聞いた。清水の音楽の成り立ちようは特殊であるが、それがいま普遍的なものとして響いているのが何よりも興味深く、創造性を刺激することなのだ。 ※ロスキレ・フェスティバル:1971年から続く北欧最大の野外音楽フェスティバル。

202×年、タイコクラブは何を目指す?
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202×年、タイコクラブは何を目指す?

宣言通り、音楽フェスティバルとしては今年が最後の開催となったタイコクラブ。2006年にスタートし、先鋭的なアーティストブッキングと独自の運営方法で「春フェス」の筆頭となり、際立った存在感を放った。今年のイベント終了直後には、来年からはタイコクラブの運営チームのうち数名が主催するフェスティバル『FFKT』が開催されることがアナウンスされた。だが「タイコクラブ」の名が消滅するわけではない。運営チームのリーダー的存在でありながら『FFKT』メンバーとは袂をわかち、2018年でタイコクラブを終わらせることを決めた張本人である安澤太郎が、その屋号を背負っていく。「フェスティバルに飽きてしまった」と語る彼は、タイコクラブで何を達成し、今後何を目指していくのか。『タイコクラブ'18』を終えたばかりの彼に、話を聞いた。

対談:クボタタケシ×MOODMAN
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対談:クボタタケシ×MOODMAN

『タイコクラブ'18』が終了し、13年の歴史に幕が降りた。2006年にスタートし、その斬新なディレクションで次世代の音楽フェスティバルの雛形となったタイコクラブ。毎年、国内外の音楽シーンの動向を素早くキャッチしたジャンルレスなラインナップを展開してきたが、繰り返される新陳代謝のなかで唯一不動の存在だったのが「ミスターアフターアワーズ」ことNick the Recordと、トップバッターを任された2人の重鎮DJ クボタタケシとMOODMANだ。 MOODMANは初回から、クボタタケシは第2回から皆勤賞。日本を代表するDJである両者のロングセットを、最高のサウンドシステムで味わえる贅沢な時間は、ほかでは味わえないものだった。最終回のタイミングで実現した対談では、タイコクラブの13年間を振り返りながら、もともとは「フェス嫌い」だという2人がなぜタイコクラブには信頼を寄せたのか、その理由が語られた。

インタビュー:石野卓球
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インタビュー:石野卓球

例えば数ヶ月間、東京のクラブシーンを渡り歩いたならば、きっと石野卓球に出くわすチャンスがあるはずだ。DJ、またプロデューサーとしての顔を持ち合わせる、44歳の国内で最も有名なテクノミュージシャンは、現在もほぼ毎週どこかの都市でプレイし、これまでに数えきれないほどフェスへの出演を果たしてきた。自身がオーガナイザーを務める、毎年8月に開催されている国内最大級の屋内レイヴ『WIRE』、そしてプロデューサー、ボーカリストとして長年活動を続ける電気グルーヴなど、その活躍は多岐にわたる。ひょっとすると、海外ではケン・イシイの方が名前を知られているのかもしれないが、石野はここ日本で、その人気と実力を培ってきた。 海の日の前日、2012年7月15日(日)には、ファッションと音楽を融合したイベント『TOKYO FASHION FUSE 6』への出演が決定している。当日、会場となるWOMBのステージには、イタリアのバイクメーカー『ドゥカティ』社のニュー・モデルが登場。さらにはファッションモデルが花を添えるなど、いつもとはいささか違った状況の中でのプレイとなりそうだ(ちなみに、昨年はケン・イシイがゲストとして出演している)。またその後も『フジロックフェスティバル』、『ライジング・サン・ロックフェスティバル』、『WIRE12』への電気グルーヴとしての出演など、例年通りの多忙な夏を駆け抜ける予定。そんな今夏のイベント出演や電気グルーヴの活動についての質問に、フレンドリーに受け答えする石野だったが、話が彼のDJセットやプロダクションワークに及ぶと、テーブルに置かれたレッドブルを一気に飲み干し、熱く語ってくれた。今回のインタビューは、10分を少し超えたところでお開きとなった。 ― 今夏のフェスティバルには、KRAFTWERK、THE STONE ROSES、NEW ORDERなど、石野さんが影響を受けたと公言されているアーティストの来日が予定されていますが、そのような初期の影響について少し聞かせてもらえますか。 石野: 今名前が出たKRAFTWERK、NEW ORDER、DEPECHE MODEとか80年代のニュー・ウェーブとかエレクトロポップが大好きで、最初DJを始める前に自分でバンドをやってたんです。OMDとかDEPECHE MODEのコピーバンドを友達と2人でやっていて、それが音楽を始めたきっかけですね。 ― その頃はレコードなどもリリースされていたんですか? 石野: いや、出していないです。僕がまだ高校生の頃、16歳とかそれぐらいの時でした。その頃はシンセサイザーもまだすごく高くてなかなか買えなかったので、手持ちの安いキーボードなんかを代用してやっていました。 ― その時代のバンドがもう一度復活するとしたら、どんな気分でしょう? 石野: 懐かしいなぁと思うんだけど、実際見ると結構ガッカリすることが多いです。やっぱりね、時間が経ってるなぁと言うか、今聞くと古いなぁとかありますね。見なければ良かったとかね(笑)。 ― 石野さんが毎月『WOMB』で行っているパーティー『STERNE』が先日10周年を迎えましたが、始めた当初と比べて何が変わったと思いますか。 石野: 一番変わったのはやっぱりお客さん。もちろんパーティーはあったけど、10年前は今ほどいっぱいはなくて。今は毎週末どこかしらで、テクノだけでも何十っていうパーティーがあるじゃないですか。そこが一番変わってきたところですよね。やっぱり10年も経つとお客さんも変

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レコードショップガイド

東京で行くべきレコードショップ
音楽

東京で行くべきレコードショップ

店頭で音楽を探す醍醐味(だいごみ)。それは、不意の導きや出会いがあふれていることだ。たまたま手に取ったジャケット、その時かかっていた新譜、店員との雑談から出てきた一枚、などなど……。スマホアプリのアルゴリズムが導く出会いとは異なる、不意の感動がそこにはある。 東京は、世界でも有数の巨大なレコードコレクションを抱えた街であり、渋谷や下北沢といったレコードショップ密集地帯だけでなく、各所に優れた店が点在している。本記事では、ビギナーでも楽しめる店からプロ御用達の店まで、さまざまなスタイルのレコードショップを紹介する。   関連記事:『平日も楽しめる、渋谷のDJバー』『東京、2019年にオープンしたミュージックバー』

下北沢、レコードショップリスト
ショッピング

下北沢、レコードショップリスト

演劇、グルメ、ファッション、そして音楽。雑多なカルチャーが寄り添うように共存する街、下北沢では、レコードショップの名店も多い。ここでは、海外からも客がやってくる老舗の名店や、ここ数年でオープンした魅力的な新店、ノイズ・アンビエントや辺境音楽などをそろえるマニアックな一軒、クラブDJ御用達の一軒まで、個性豊かなレコードショップの数々を紹介する。 

渋谷、レコードショップリスト
ショッピング

渋谷、レコードショップリスト

全盛期に比べて店の数こそ半減してしまったが、現在も渋谷はレコードファンにとって重要な街だ。生き残っている名店はもちろん、ライトハウスレコーズ(Lighthouse Records)やHMVレコードショップ 渋谷など、新たな定番店の登場も活気をもたらしている。ここでは、部屋聴きからDJユースまで、音楽魂を揺さぶる渋谷のレコードショップの名店を紹介する。クラブミュージックやロック、ジャズ、ワールドミュージックなど、あらゆる音楽が揃う聖地で、心ゆくまでレコードハンティングを楽しんでほしい。

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Photo of the Day - 鉄工島フェス 2019
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Photo of the Day - 鉄工島フェス 2019

2019年11月3日、第3回目の『鉄工島フェス』が無事に開催を終えた。鉄工所などの工場が並ぶ京浜島を会場に、あちこちで音楽ライブやアート展示が催され、人けのない休日の工業地域に活気と彩りをもたらす1日となった。天候は途中で雨がぱらつく場面も見られたが盛り上がりは止まず。会場作りにおいてはアートと音楽、双方のファンが楽しみながら新たな文化に触れるきっかけをつないだことも期待される。 ここでは、当日の様子を写真とともに振り返る。『鉄工島フェス』特有の緩やかな熱気を感じてもらいたい。   ∈Y∋『レコーン』 まずはアート作品やパフォーマンスについて紹介しよう。 ボアダムスの中心メンバーとして実験的なパフォーマンスを展開する∈Y∋は、ワンフロアを使ったサウンドインスタレーションを発表。あらゆる角度から聞こえる音や、ドローイングなどの集大成に熱心なファンも足を運んでいた。   西野達『鉄工島の夜の主たち』  会場で最大の規模となった西野達のモニュメントは、京浜島の環境を生かし、工場の技術者たちの協力をアートへと昇華した作品。人が住めない京浜島の「夜の主役たち」をテーマに、トラックや街灯、事務所の椅子やソファなどが積み上げられている。    鯰(なまず)『Chill House』  会場内の展示やパフォーマンスは、ユーモアなセンスと独特の「ゆるさ」を持つ作品が多く、アート初心者にも入りやすい間口が広がっていたように思う。 なかでも3人組のアートユニット鯰の作品は、リサイクルショップで収集した物やゴミを利用し、会場に作った「部屋」でメンバー達が飲み会を行うというインスタレーション。部屋の激しい揺れや、屋根から流れ落ちる水から地震などの災害体験を想起させるものの、中で行われる飲み会は日常の延長そのもの。日常と非日常的体験の差異をユニークな切り口から提示していた。   ケケノコ族  1980年代に社会現象となった「竹の子族」の文化を引用し、ファッションやパフォーマンスで活動に注目を集めるケケノコ族。会場では神出鬼没に現れ、『ジンギスカン』や『ライディーン/YMO』『YOUNG MAN(Y.M.C.A)/西城秀樹』『Shangri-la/電気グルーヴ』『Flamingo/米津玄師』『夜の踊り子/サカナクション』などのレパートリーを惜しみなく披露してくれた。   チョロちゃん(推定:三毛鯖♀)  鉄工所の一角をアートスペースとして運営するバックルコーボー(BUCKLE KÔBÔ)の看板猫、チョロちゃんもお出迎え。人懐っこく愛らしいチョロちゃんに、来場客もメロメロな様子。     SIDE CORE『LEGAL SHUTTER TOKYO』  ストリートアートと工場の相性の良さを目撃できるSIDE COREの作品。ペイントされたシャッターは、フェス終了後も引き続き残される。   フェスフード  EL CAMION フェスの楽しみの一つといえばフード。今年は入場無料のフードエリアの出店が12店舗に増え、クラフトビールや本格コーヒー、ケバブやピザ、カレーなどのエスニック料理の屋台が並んだ。EL CAMIONの4種飲み比べセットは、カボチャとスパイスの風味がきいた期間限定ビールがいいあんばいだ。  キッチントラッカー/ANADOLU☆KEBABU     さわひらき『Platter/Memoria』  2階から全体を見下ろせる北嶋絞製作所を会場に、映像

Photos of the Day - RAINBOW DISCO CLUB 2018
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Photos of the Day - RAINBOW DISCO CLUB 2018

写真:谷川慶典   野外フェスティバル『Rainbow Disco Club』が、東伊豆クロスカントリーコースにて2018年4月28日〜30日の3日間にわたり開催された。2010年の晴海客船ターミナルでの初開催から8年、ダンスミュージックフリークにとっての春の風物詩として定着した感がある。2011年、2012年と2年連続での開催中止(震災と悪天候によるもの)という憂き目を経て、2015年に伊豆稲取へ移りキャンプインの野外イベントへと形態を変えた。安息の地を見つけ、イベントは順調に成長している。 動員数は年々伸びており、2015年と翌2016年が計約6000人、2017年は7500人、今年は9000人となった。今年も全日快晴に恵まれ、鮮やかに芽吹く緑のなかで計19組のDJ、ミュージシャンがパフォーマンスを披露した。                        今年は例年にも増してB2B(2人のDJが交互に曲を繋いでいくプレイスタイル)での出演が多く、Four Tet × Floating PointsやDJ Nobu × Joey Anderson、Peanut Butter Wolf × MURO、DJ Masda × Eli Verveine、Sapphire Slows × Miiiaなど、ロングセットが中心である同イベントならではの贅沢な組み合わせが実現した。派手な仕掛けは一切ないが、常連であるRush Hourの面々やDJ NobuをはじめとするDJ、アーティストサイドと、イベントサイドとの深い信頼関係がコンテンツの進化・成熟として現れている。 夏の『THE LABYRINTH』と並んで日本独自のハイクオリティなイベントとして海外からの参加者も多く、ハウスミュージックのフェスティバルとしてはヨーロッパの名だたるイベントとも肩を並べる存在となった。規模の拡大を迫られる日も遠くなさそうだ。その辺りもふまえ、来年以降の展開が楽しみである。                                                                                    

Photo of the Day - Body & Soul Live in Japan
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Photo of the Day - Body & Soul Live in Japan

撮影:谷川慶典 1996年にニューヨークで始まったハウスパーティー『Body & Soul』。フランソワ K(François K.)、ダニー・クリビット(Danny Krivit)、ホアキン・ジョー・クラウゼル(Joaquin “joe” Claussell)という大物DJ3人がバックトゥバックでロングセットを披露する、年に一度のビッグパーティーだ。 今年は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの影響で晴海客船ターミナルが使用できなくなったため、会場をお台場の特設会場へ移し、海を望む清々しい環境で開催された。天候に恵まれ、六月初旬の春めいた青空の下、イベントはスタートした。   『Body & Soul』が初めて日本で開催されたのが2002年。満員の六本木ヴェルファーレ(velfarre)で幕を開けたイベントは、DJ3人のパーティーへの美学と、日本版『Body & Soul』の立役者であるT.ISHIHARAをはじめとするスタッフチームの尽力によって、15年という年月を生き抜いた。この間、日本では数えきれなほどの野外音楽フェスティバルが生まれ、そして消えていったわけであるが、『Body & Soul』は顔色ひとつ変えず、ハウスミュージックの真髄を日本の音楽ファンに植え付け続けた。少なくとも、今となってはそのように見える。 出演者は、常に先述の3人のみであり、それ以外にサブステージもなければ、派手な催しがあるわけでもない。流行のパーティーソングがプレイされることもない。それでも、このイベントには毎年、コンスタントに3500〜4000人の客が集まる。         今年は、例年に増して、幅広い客層が集まっているように見えた。輪になりバトルに興じる筋金入りダンサーたちや、クラブ馴れした雰囲気の30〜40代。彼らの中にはこの15年間で家庭を持つようになった人々も、当然多い。会場のそこかしこではしゃぐ子どもたちの光景があり、キッズエリアも盛況だった。今でこそ、野外音楽イベントにキッズエリアが設置されることは珍しくなくなったが、ハウスパーティーにこんなにもたくさんのキッズがいるこの状況を、親となった彼ら自身も想像していなかったことだろう。 そして、20代前半の客が昨年より増えていたことも特筆したい。1990〜2000年代のクラブカルチャーや『Body & Soul』を知らない、または後追いであろう彼ら若い世代の参加も、このイベントを世代やコミュニティ間の断絶と最も縁遠い存在にする大切な要因だ。この音楽は我々のものであり、あなたのものでもある。イベントの持つそうしたメッセージが、空気で伝わってくる。                                              

Photo of the Day - Hostess Club Weekender
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Photo of the Day - Hostess Club Weekender

Photo by morookamanabu & Keisuke Tanigawa   2017年2月25日(土)、26日(日)の2日間にわたって開催された『Hostess Club Weekender』。フェスティバル形式の「Weekender」としては2015年11月以来となった今回。熱心な洋楽ファンたちが厚い信頼を寄せるこのイベントの見事な復活を祝い、会場のスタジオコーストは両日とも盛況だった。ヘッドライナーを務めたピクシーズとザ・キルズはワンマンライブ並みである90分のロングセット、そのほかの出演陣も45分〜70分と、フェスティバルのセットとしては長尺の演奏を披露してくれた。青田買いに余念のないインディーファンを歓喜させたコミュニオンズ、ピューマローザ、ガール・バンド。鉄壁のスリーピースでソリッドなガレージロックを聴かせてくれたリトル・バーリーに、唯一の日本人バンドとして出演したMONO。そして今回ある意味ヘッドライナー以上の期待を集め、蓋を開けてみれば予想以上のホームランをかましてくれたザ・レモン・ツイッグス。見どころが満載だった2日間を写真とともに振り返ってみよう。       初日のトリを飾ったピクシーズは、登場から『Gouge Away』、そして『Wave of Mutilation』と名作『Doolittle』からの曲を立て続けに披露。全体としては『Doolittle』や『Come on Pilgrim』といった過去作からのピクシーズクラシックスに、近作『Head Carrier』や『Indie Cindy』からのアグレッシブな曲たちを織り交ぜたセット。アンコール前のラストは『Where Is My Mind?』の大合唱で締めくくった。      新ベーシストのパズ・レンチャンティンもお披露目。キム・ディールの後釜という大役を見事にこなしていた。       佇まいだけで痺れたザ・キルズは、2日目の大トリで登場。新作『Ash & Ice』を引っさげてのライブは、むせかえるほどのエネルギーと色気で90分間をあっという間に駆け抜けた。                       19歳の兄ブライアン、17歳の弟マイケルのダダリオ兄弟を中心とした話題のバンド、ザ・レモン・ツイッグス。デビュー作の『Do Hollywood』を、今や時の人となりつつあるフォクシジェンのジョナサン・ラドーとともに制作し、世界中にインパクトを与えた彼らだが、そのライブパフォーマンスは荒々しくも大きなカリスマ性を放つものだった。                                                 リトル・バーリー                    ガール・バンド        コミュニオンズ            MONO    CDやLPの輸入版および国内版が約500タイトル放出されたガレージセール。Hostessが扱ってきたタイトルの幅広さを実感させる内容だった。                

Photo of the Day - FUJI ROCK FESTIVAL '16
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Photo of the Day - FUJI ROCK FESTIVAL '16

撮影:Keisuke Tanigawa  テキスト:三木邦洋  RED HOT CHILI PEPPERS   『FUJI ROCK FESTIVAL '16』の開催終了から1週間がたった。フラッシュバックするのは、体を突き抜けていった歌声、奇跡のような演奏、大自然に音が溶けていく瞬間、仲間と過ごした時間、などなど……。『ポケモンGO』に興じる友人に多数出くわしたことや、dCprGの壮絶な演奏で踊りまくるBABYMETALファンの姿も、忘れられない一幕。今年は20周年であったことも手伝ってか、来場者数は近年で最高の動員を記録したという。天候も全日程が快晴に恵まれ、文句なしの3日間となった。改めて実感し、胸を打たれたのは、アーティストも観客も、すべてにおいてあらゆるジャンル、世代、人種、価値観がごった煮になっていることが『フジロック』の自由な空気の源でありメッセージなのだということだった。ハイライトと言うには部分的すぎるチョイスだが、このフォトレポートで日本が誇るミュージックフェスティバルの雰囲気が伝われば幸いだ。      1997年の第1回『フジロック』から定期的にヘッドライナーとして出演しているRed Hot Chili Peppers。メンバーチェンジを経つつ、20周年の今年も堂々の大トリを務めた        Sigur Rós      Sigur Rós        BECK            動員数は昨年に続いて増加し、延べ125000人が苗場の地に集まった            2011年にホワイトステージのトリを務めたWILCOは、今年はメインのグリーンステージに登場。素朴なメロディーを、鉄壁のバンドアンサンブルが時にソリッドに、時にアヴァンギャルドに奏でた     ネルス・クライン(WILCO)        奥地の旧オレンジコートエリアには屋根付きの大型フードコート、オレンジカフェが登場。過酷な環境の『フジロック』での休息に一役買った  最奥地のCafé de Parisにて復活した深夜イベント『オールナイトフジ』。場内外にファンクション・ワンのスピーカーを配備し、文句なしのダンスフロアが出現した    KEN ISHII @ 『オールナイトフジ Supported by Heineken』  DJ NOBU @ 『オールナイトフジ Supported by Heineken』           満員のホワイトステージを沸かせたEGO-WRAPPIN’。彼らもまた、『フジロック』と同じく今年で20周年を迎える                  今年は保護者同伴に限り中学生以下が入場無料になったことから、例年以上に家族連れが目立った。KIDS LANDのアミューズメントや川遊びなど、子どもたちもワイルドに遊ぶ                      深夜のお楽しみCRYSTAL PALACE TENT。同エリアをプロデュースするギャズ・メイオールが今年は連日DJで登場  ギャズ・メイオール                     FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra  2日目のヘッドライナーであるBECK

定番音楽ヴェニュー

バー・ミュージック
バー

バー・ミュージック

マークシティ裏の飲食店街の雑居ビル5階にある、バー・ミュージック(Bar Music)。選曲家、DJ、音楽ライターとして著名な中村智昭が、カフェ・アプレミディ(café apres-midi)の店長を長年務めた後に自身の店として開いた一軒だ。クラブのように踊る店では一切ないのだが、その場にいる客の心を虜にする中村の選曲術は感服のひと言。「新しい音楽も古い音楽も、その瞬間に新鮮に響くこと」を基準に紡がれる音楽の数々は、時間を忘れて聴き入る魔性のひとときを提供してくれる。 音楽のボリュームは、曲の魅力が十分に発揮される程度には大きいが、向かい合っての会話に難儀することはない。 店内には中村が厳選したジャズやブラックミュージック、フォークミュージック、ワールドミュージックなど様々なジャンルのCDとレコードが並んでおり、店内でプレイされた音源のなかには、その場で購入できるものもある。名物カクテルは中村の実家広島県の自家製焙煎屋 中村屋のコーヒー豆を使った『エスプレッソクーラー』。甘みと苦みが心地良い酔いを誘う。DJブースに出入りするゲストの面々も腕利きで、橋本徹や長谷川賢司、CalmなどがDJを務める日や、店内のローズピアノでライブが行われる日もある。 関連記事『平日も楽しめる、渋谷のDJバー』

KGR(n)
クラブ

KGR(n)

※2017年5月20日プレオープン、5月31日オープン 神楽坂にDJやライブパフォーマンスが楽しめるヴェニューがオープン。メインフロアのキャパシティは80人、ラウンジは20人の小箱だ。週末はクラブミュージックやエクスペリメンタルアーティストを中心としたイベントを行うKGR(n)、平日はバンドなどライブアクトを中心に神楽音という、2つのイベントスタイルで営業する。

MUSIC BAR berkana
バー

MUSIC BAR berkana

恵比寿ガーデンプレイス内、個性的なバーやレストランが立ち並ぶ「ブリックエンド」と名付けられた一角に、MUSIC BAR berkanaはある。内装がはがされた壁をうまく利用した店内は、レトロで高級感のある酒棚やテーブル、照明などが設えられている。ビアサーバーの取っ手がスパナになっているなど、ウェアハウス感を意識した遊び心も随所に見られる。酒棚の背面はこれまたダクトを思わせる大きな半円形の窓となっており、向こうにはJRの線路が望める。店の作りこそ重厚だが、窓からの見晴らしのおかげで雰囲気は開放的だ。 同店の醍醐味は、ジャズを中心にしたアナログレコードのBGMとともに味わう、国産銘柄のクラフトビールや、腕利きのバーテンダーが作るミクソロジーカクテル(フルーツや野菜、ハーブやスパイスをスピリッツと組み合わせたカクテル)。ビアサーバーの内容は時期によって変動があるが、8種類前後の国産クラフトビールを常時用意している。ウィスキーは国産を含め約200種類を揃えており、珍しい銘柄も置いてある。また、ジンの種類もかなり豊富だ。シガーも常時10種類ほど用意されている。 毎週土曜日には、同店のDJブースに箭内健一(Soul Source Production / Slow Motion Replay)らゲストDJが週替わりで立ち、縦横無尽な選曲で雰囲気を盛り上げてくれる。選盤のプロたちのBGMと、丁寧に作られた一杯の組み合わせがもたらす、贅沢な時間を堪能したい。

8bit cafe
バー

8bit cafe

新宿三丁目にある、80年代をテーマにしたサブカルチャーカフェバー。雑居ビルの5階にある店内にはゲームのテーブル筐体(きょうたい)や懐かしい家庭用ゲーム機、漫画やフィギュアが飾られており、ゲームは大量のソフトから好きなものを選んでプレイすることが可能。オリジナルカクテルには『ピーチ姫の誘惑』や、『ドクターマリオ』など、ゲーム好き心をくすぐる名前が付けられ、フードメニューも数は少ないが、『紅茶煮のチャーシュー』、『トマトときのこの2色ソースパスタ』、大きなチーズの塊がゴロゴロと入った『手作り!ケーキチーズ』などこだわりを感じさせるメニューが楽しめる。 関連記事『新宿でしかできない101のこと』 特集記事『TOKYO MUSIC BOX #23 8bit cafe』

Little Soul Cafe
ナイトライフ

Little Soul Cafe

下北沢を代表する音楽バーのひとつが、リトルソウルカフェだ。ソウル、ジャズ、ファンク、ディスコなどを揃え、枚数は1万5千枚を超えるというレコードコレクションが壁中に収納されている様は圧巻だ。気取らない店主の音楽愛と、丁寧に作られたカクテルを味わってほしい。

JET SET
ショッピング

JET SET

都内でも有数のオールジャンルのアナログ新譜を扱うレコードショップ。HipHop、House、Techno、Jazz、Soul、Indie Popなどジャンルを横断して注目作品をチェックできる。国内のインディアーティストの作品も自主制作盤を中心に取り揃えており、下北沢の情報交換のサロン的な役割も果たしている。 関連記事『東京、ベストショップ100』『下北沢のJET SETでアナログレコードの反りを無料で直してきた』 『下北沢、レコードショップリスト』