インタビュー:MIDI Provocateur

目指すはULTRA出演、2人の才媛による新ユニット

作成者: Kunihiro Miki |
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テキスト:保坂隆純
写真:中村悠希

ダイアナチアキと小林うてなによるユニット、MIDI Provocateurが6月14日にEP『Episode 1』をリリースした。

DJや電子音楽家としてアンダーグラウンドなイベントからLouis Vuitton、GUCCIなどのハイブランドのイベントへの出演、FEMMやYOSHIROTTENのエキシビジョンに楽曲提供などを行うかたわら、モデルとしても活躍するダイアナチアキ。一方、小林うてなはソロ名義での活動だけでなくD.A.N.やKID FRESINOらのサポートに加えて、Julia Shortreed、ermhoiらと結成したBlack Boboi、そしてレーベルBINDIVIDUALの立ち上げなど、バイタリティあふれる活躍ぶりをみせるアーティストだ。

そんな2人が発表した本作『Episode 1』は、ダークな世界観のテクノを軸に、時にはジャングルやトラップ、トライバル的要素まで取り入れた異色の作品に仕上がっている。資料によると、「ダーク・ファンタジーなステルスゲームを2Pでプレイしている」というコンセプトの元に作り上げられたという本作は、確かにどこかSF的で、映像喚起力に長けた作品でもある。

今回は、本作の制作背景をひもとくべく両者にインタビューを敢行。プロジェクトの成り立ちから、本人たちの意外な人間性にも触れることができた。

ダイアナチアキ(左)、小林うてな(右)
ダイアナチアキ(左)、小林うてな(右)

―MIDI Provocateur結成までの経緯を教えてください。

小林うてな(以下小林):ダイアナちゃんはD.A.N.のMV(『SSWB』)に出演していたので、最初はその役のイメージが強くて。

ダイアナチアキ(以下ダイアナ):男の人をクラブの楽屋に連れ込む役ですね(笑)。

小林:確か、『アイズ ワイド シャット』(1999年公開の映画。スタンリー・キューブリック監督の遺作)の話とか、エイフェックス・ツインだったら『Alberto Balsalm』が一番好きっていう話をしたね。


ダイアナ:そうそう。お互いDTMやってるし、クラブミュージックが大好きで趣味も合うから、何か一緒にやってみようかということで始まったのがこのMIDI Provocateurです。

踊りながら音を削ったよね

―今回のEPの「ステルスゲームをプレイしている」というコンセプトはどこから生まれたのでしょうか。

小林:私自身は、普段から曲を作ってからストーリーが思い浮かぶということが多くて。今回も、作っていくうちにストーリーが見えてきて、次第に曲もそのストーリーに寄っていく、みたいな作り方です。

ダイアナ:「Provocateur」にはエージェントとか工作員みたいな意味があるんですけど、レザーで身を包んだ女の人のイメージとどんどん景色が進んでいくゲーム画面を想像しつつ作りました。

―実際の制作はどのような形で進行していったのでしょうか。

小林:二人でそれぞれ作って、データを何往復も交換しあっていく感じですね。

ダイアナ:何度もデータを書き出したね。二人の交換日記みたいなものです。近況報告の様に「最近の私はこんな感じ」っていうのを出し合う。

小林:で、たまに集まって、どちらかのPCで一緒に作業するっていう形です。

―そうなんですね。個人的な印象では、かなり削ぎ落された音に聴こえました。

ダイアナ:削っていく作業は2人で踊りながらやったよね。

小林:そうそう。踊りながら「ここ短くない?」とか、「ここはいらないね」って。そういうジャッジはダイアナちゃんの方が敏感でしたね。

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BLACKPINKとSkrillexしか聴いてない

―「最近の私はこんな感じ!」は実際どんな感じだったのでしょうか。

ダイアナ:元々インダストリアルな音楽が大好きなのですが、直近でいえば4つ打ちが気になってます。今まではあまり規則的にキックを4つ打ってる音楽ってそんなに興味なかったけど、キックが4つ鳴っている中での面白さに興味が出てきました。

小林:私はダイアナちゃんと一緒にライブをすることを考えながら作ってましたね。とにかくステージで楽しく踊りたい。ソロって、当たり前ですけど孤独なんですよね。隣に相方がいて、一緒に音楽で「いぇーい!」ってアガりたいんです。

音楽の趣味でいうと、私はあまり新しい音楽を掘るタイプじゃないので、基本的にはずっとBLACKPINKとSkrillexを聴いていて。

ダイアナ:その2つが好きということは、めちゃめちゃ明るくて楽しい音楽が好きってことだよね。

―今作は決してアゲアゲというほど明るい作品ではないですよね。

小林:最初の頃は明るくて、アホみたいにアゲアゲな曲だったんです。それがどんどん削ぎ落とされていって。それは、たぶんゲームが好きだったり、『アイズ ワイド シャット』が好きだったりっていう私たちのルーツが表れてしまうからだと思うんです。

ULTRA JAPANに出たい

ダイアナ:でも、うてなちゃんは根はギャルだと思う。

小林:そう? めっちゃ嬉しいんだけど(笑)。昔は音楽活動において「楽しくやろう」とか「楽しかったね」っていう言葉が理解できなかったんです。

でも、自分たちの音楽を聴いてもらって、楽しんでもらうためには、作っている側、演奏している側も楽しまなくちゃダメじゃないですか。陰鬱(いんうつ)としたストイックなサウンドだけをぶつけても、堅苦しいだけですよね。

そういう考えはEDMが教えてくれたことかもしれないです。ダンスミュージックを誰かと一緒に作るということが初めてだったので、そこに希望のようなものを見い出せたんだと思います。

―MIDI Provocateurとしての今後の展望は?

小林:『ULTRA JAPAN』に出たいよね。MIDI Provocateurとしての目標はそれです。

ダイアナ:行くまではちょっと怖かったんですけど行ってみたら最高で、服脱いで振り回してました。ステージによって雰囲気も違うし。

―では、幅広く活躍されるおふたりの、MIDI Provocateur以外での活動についても、何か展望や目標をお聞きしたいです。

ダイアナ:いつかゲームの音楽が作れたら最高です。効果音を作る事にも興味があります。

小林:そしたら、私はアニメかな。アニメの音楽を手がけてみたいですね。でも、とにかく音楽を作り続けていきたいです。それが一番大きな目標です。

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