アート&カルチャー

東京で話題の展覧会やダンス公演情報から、定番のギャラリーや美術館の紹介

検証:あいちトリエンナーレ——私たちはそこから何を学ぶことができるのか?

検証:あいちトリエンナーレ——私たちはそこから何を学ぶことができるのか?

2019年に開催を終えたあいちトリエンナーレの『不自由展』を巡る一連の騒動について考える。文化政策研究者であり、あいちトリエンナーレのあり方検討委員会のメンバーの太下義之による考察を、全6回に分けて連載。

時間に触れる15日間「恵比寿映像祭」が開幕
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時間に触れる15日間「恵比寿映像祭」が開幕

映像と芸術領域の国際フェスティバル、恵比寿映像祭が今年も開催を迎えた。会期は2020年2月23日(日・祝)までの約15日間、東京都写真美術館を中心に近隣地域の施設やギャラリーも交えて展示、上映のほか関連イベントを展開する。 今回のテーマは「時間を想像する」。誰にとっても身近な主題ながら、映像の本質であり観客との対話を要する「時間」を巡って3つの視点から構成されている。参加作家はヴェネツィア国際映画祭で受賞歴もあるベン・リヴァース、社会の構造や空間などさまざまな現象を捉え舞踊術の研究に取り組むナム・ファヨン、ハプニング集団プレイにも参加したシュウゾウ・アヅチ・ガリバー、ダムタイプのメンバーであり、個人の映像作品から舞台まで幅広く活躍する高谷史郎など、17国78組による多彩なプログラムが組まれている。 ここではそれぞれの視点と、印象的な作品をピックアップする。例年ながら、本年は一層のこと15日間で終了してしまうのが惜しい内容だ。観覧の際は、映像作品はもとよりインタラクティブ・アート作品や立体作品など、多種多様な展示空間を余すことなく楽しんでほしい。 

「3331 ART FAIR 2020」スプツニ子!×西澤知美のユニットも初参加
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「3331 ART FAIR 2020」スプツニ子!×西澤知美のユニットも初参加

春を待つ現在、都内ではさまざまな美術展やアートイベントが予定されているが、気になるのは同時代のアーティストの動向だ。アーツ千代田3331では2020年3月の5日間、若手作家を中心に「買う楽しみ」「見る楽しみ」「参加する楽しみ」が詰まったアートフェアを今年も開催する。 3331 ART FAIR 会場(参考)  第9回目の開催を迎える今回は、前年度から会場構成を一新。洗練された1階メインギャラリーは、Art Center Ongoing、トーキョーアーツアンドスペースをはじめ国内外の27ギャラリーがブースを展開する 。2階体育館では、キュレーターが推薦する約50人のアーティストがグループ展形式で出展、2018年に心霊現象をモチーフに扱った資生堂ギャラリーでの個展『くりかえしみるゆめ』で話題となった冨安由真などの若手作家をはじめとした作品を中心に展示、販売を行う。 ほかにも東京造形大学、東北芸術工科大学など6校の美術系大学や、3331がセレクトするやなぎみわ、O JUN、初参加となるスプツニ子!×西澤知美のユニットなど多様なアーティストらも参加を発表している。

70年大阪万博の貴重な音資料をDOMMUNE LIVEで公開
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70年大阪万博の貴重な音資料をDOMMUNE LIVEで公開

2020年。何かと取りざたされることの多い年であるがゆえに、「2020」という文字面にすでに食傷気味の向きもあるだろうが、この年は1970年の日本万国博覧会(大阪万博)から50周年のメモリアルイヤーでもあることを思い出してほしい。寺田倉庫が文化事業を展開する天王洲エリアにあるT-ART HALLでは、万博50周年を記念した『大阪万博50周年記念展覧会』を2020年2月15日(土)から24日(月)まで開催する。同展に関連して、地上波のバラエティー番組では知名度が低いらしいDOMMUNEが、例によって興味深い番組を放送するとのことで注目が集まっている。  天王洲の展覧会では、万博当時の様子を記録した貴重な資料のほか、西野達、蓮沼執太、そしてDOMMUNEを主宰する宇川直宏ら、万博から影響を受けたというクリエーターによる作品も展示する。実際の大阪万博にも展示された作品としては、岡本太郎による『マスク』、およびフランソワ・バシェによる音響彫刻『勝原フォーン』(復元)が登場。点数こそ少ないが、これらの作品を起点に万博を振り返ることが同展の醍醐味となりそうだ。   言わでものことながら、大阪万博のテーマである「人類の進歩と調和」を象徴する展示のチーフプロデューサーを担当したのが岡本太郎だ。フランス留学時代に文化人類学者マルセル・モースの講義にも出席していた太郎が、「人類」を表現するべく世界中の民族に伝わるさまざまな「仮面(マスク)」を集めたコレクションは、今も万博記念公園に建つ国立民族学博物館にとって一つのルーツになっている。ちなみに、「雪の科学者」として知られる中谷宇吉郎の実弟、治宇二郎が太郎に先んじてモーセに師事しており、縄文時代についての研究を行っていたことも、昨今の縄文ブームとともに広く知られてきたところである。 一方のフランソワ・バシェの音響彫刻は、「鉄鋼館」という日本鉄鋼連盟によるパビリオンで展示された作品。モダニズム建築の旗手、前川國男の設計による同館は、武満徹が音楽プロデューサーを務めており、大阪万博が前衛音楽の実験の場でもあったことを物語るパビリオンだ。当時の最先端の技術を駆使した音楽ホールとして建てられた同館は、現在では「EXPO’70パビリオン」として公開されているものの、万博以降に音楽ホールとしてはろくに利用されてこなかったことを晩年の武満自身が嘆いてもいる。ともあれ、建築やデザインとの関連で語られることの多い1970年の大阪万博を、音楽の視点からも振り返ろうという意図が、今回の展覧会の一つの提案として読み取れることだろう。     その意味で興味深いのが、冒頭でも触れたDOMMUNEのプログラムだ。アーカイブ作成にも力を注いできた大阪万博ではあるが、現存する約19万点もの資料全てをデジタル化できているわけではないという。今回の展覧会開催に当たり、DOMMUNE代表の宇川と音楽評論家の西耕一が音源リストを精査したところ、未デジタル化の貴重な資料がいくつも見つかったという。武満をはじめ、黛敏郎や秋山邦晴、松下真一、高橋悠治など、錚々(そうそう)たるメンバーが参加していた大阪万博だけに、昭和の現代音楽フリークの西らがどのような資料に注目したのか楽しみにしたい。 DOMMUNEの開催は2月7日と16日の2回開催。7日は、新たに生まれ変わった渋谷パルコにできたSUPER DOMMUNEを会場に、宇川と西のほか、映画監督の樋口真嗣、樋口尚文に加えて、大阪万博の参加アーティストでもある一柳慧が登壇する。フルクサスなど、音楽

台湾、アートスポット10選
アート

台湾、アートスポット10選

アジア圏の旅行先として人気の台湾。2002年に台湾政府が掲げた「文化創意産業(文創)」政策以降、文化と創造性を結びつけた教育が進み、近年そのアートシーンには注目が集まっている。無料で解放されている美術館には小さな子ども連れも訪れやすく、幼い頃からアートに親しみやすい環境となっているよう。日本人にとってなじみの薄い現代アートも、身近な文化としての発展が目覚ましく、ファンにはぜひ訪れてみてほしい国だ。 2020年には第12回台北ビエンナーレが開催されることから、今後ますます台湾のアートシーンに期待が高まる。ここでは台中にオープンした建築の美しいオペラハウスや、アーティストが集う市場、台北では若者に人気のカルチャーストリートやアートブックを扱う店などを紹介。市場のグルメやマッサージなど、定番人気の楽しみ方以外にも訪れてみてほしいスポットを挙げる。

エディターズ・ピック

ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター
アート

ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター

ACT (Artists Contemporary TOKAS) 「停滞フィールド」
アート

ACT (Artists Contemporary TOKAS) 「停滞フィールド」

注目すべき活動を行うアーティストを紹介するACT (Artists Contemporary TOKAS)が、企画展『停滞フィールド』を開催。本展には、目の前の光景をその時に得た感覚で描く田中秀介、日常的に見るものを変化させた作品を制作するドイツ在住の2人組アーティスト広瀬菜々&永谷一馬、風景や身の回りのものを3DCGで再現する渡辺豪の3組のアーティストが参加。それぞれのアーティストが表現する、時間を停止したり、停滞した時に生じるズレや歪みを、見て感じ取ることができるだろう。 せわしない現代社会で生きる中、面白い何かが見えてきそうだ。

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる
アート

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる

アートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得ているアイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンの個展が、東京都現代美術館で開催。植物や木を用いたインスタレーションをはじめ、光と幾何学に対する長年の関心が反映された彫刻、写真のシリーズ、ドローイングと水彩画、公共空間への介入をめぐる作品など、国内初公開となる作品の数々が展示される。 注目は、鑑賞者の目の前に虹を再現する初期の代表作『ビューティー』をはじめとする体験型作品や大規模なインスタレーション。エリアソンが幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を長年にわたり撮り貯めた『溶ける氷河のシリーズ 1999/2019』は、過去20年間の氷河の後退を体感させるものとなっている。地球をも超えて宇宙の脈動が感じられるだろう。

3331 ART FAIR 2020
アート

3331 ART FAIR 2020

コンテンポラリーアートにおける芸術的な価値を市場、経済的価値へと置き換えるオルタナティブなアートフェアがアーツ千代田3331で開催。 今年で9回目となる今回は、会場構成を一新し、洗練された空間の1階(Galleries-1F)には国内外のギャラリーが推薦する作家、オルタナティブな雰囲気の2階セレクション・ジム(Selection-GYM)には心霊現象などを扱って資生堂ギャラリーで話題となった冨安由真らキュレーター推薦の若手アーティストや美術系大学、やなぎみわ、O JUNなどの多様なアーティストが出展・販売する。 大型展示が可能な屋上では、『人間ノリ巻き』の今井さつきらを青木彬がキュレーションする。ZINEの展覧会『Here is ZINE tokyo 3331』の開催やアーティスト支援アプリ『Art Sticker』との提携など、斬新な試みも盛り込まれている。 関連記事『「3331 ART FAIR 2020」スプツニ子!×西澤知美のユニットも初参加』

Tokyo Insider

Tokyo Insider #12 RYUZO
音楽

Tokyo Insider #12 RYUZO

今回は、京都出身のラッパーでプロデューサーのRYUZO(リュウゾウ)が登場。渋谷の行きつけを案内。

Tokyo Insider #11 青山礼満
Things to do

Tokyo Insider #11 青山礼満

下北沢のディープなミニガイド。

Tokyo Insider #10 SHOKO
Things to do

Tokyo Insider #10 SHOKO

今回は、ノスタルジックかつ、サイケデリックなフォークミュージックを奏でる、シンガーソングライターのSHOKOが登場。 東京のカルチャーを肌で感じられるおすすめの場所を聞いた。  

Tokyo Insider #9 DJ NOTOYA
音楽

Tokyo Insider #9 DJ NOTOYA

和モノミックスのエキスパートが選ぶ、シティポップが掘れるレコード屋

インタビュー・アーカイブス

インタビュー:南條史生
アート

インタビュー:南條史生

六本木の森美術館では、2019年11月19日(火)から『未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか』が開催される。本展会期中に同館の館長を退任する南條史生に、展覧会が描く「未来」について話を聞いた。

インタビュー:津田大介
アート

インタビュー:津田大介

「情の時代」をテーマに、開催された国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』。今年3月の記者会見では、参加アーティストの男女比を半々にする方針を打ち出し、大きな話題を呼んだ。主導したのは、同祭の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介。国内の芸術祭としては初となる「ジェンダー平等」を実現した理由を聞いた。 「アーティストの選定を進めていた昨年夏、選ばれた作家の男女比が男性6割、女性4割になっていることに気が付き、なんとなく違和感を覚えたんですね。そんなとき、耳を疑うような事件が起きた。東京医科大学で女性の受験者を一律減点していた不正入試問題です」 津田は、現代の日本でこのような女性差別が横行していることに衝撃を受けたという。一方、アート界に目を向けると、そこにも同様の構造的差別が存在していた。 「例えば、美術館の常設展示における作家の男女比や主要な国際芸術祭の男女比などを調べると、やはり男性が圧倒的多数なんです。だからこそ今回のトリエンナーレでは、アート界のみならず日本社会全体に変革を促す契機として、ジェンダー平等を強く発信すべきだと考えました」 その結果、同祭の参加アーティストは、全74組のうち男女混合グループなどを除いた63組の半数を超える32組が女性となった。男女比にこだわることには疑問の声もあったが、津田は「まずは数をそろえることが重要」と力を込める。 「決定権や発言権を持つ男女の数が同じになると、あきらかに場の雰囲気が変わります。だからこそ、まずは男性と同じテーブルに付き、男性と同じように意見を言う女性の数を増やす必要があると思うのです。数の上での男女平等を明確な態度として表明する意義はそこにあります。今回の取り組みが前例となり、社会全体にジェンダー平等が広がっていくことを期待しています」

インタビュー:西野達
アート

インタビュー:西野達

ものづくりの島、羽田空港のすぐ隣に位置する人工島を舞台に、多様なジャンルの音楽ライブやアートを楽しめる『鉄工島フェス』が、今年で第3回目を迎える。 会場となる京浜島は本来工業専用の地域。開催に向けて、鉄工所の空きスペースを利用したバックルコーボー(BUCKLE KÔBÔ)を拠点に現地制作を行う作家も多く、アーティストの創造性と工場で働く人々の熟練した技術の融合には期待が寄せられる。 タイムアウト東京では、2019年11月3日(日)の開催に先駆け、会場でも一際目を引くであろうモニュメントを制作中のアーティスト、西野達(にしの・たつ)にインタビューを行った。 昨年の様子。「鉄工島FES 2018・土岐麻子」©行本正志members

インタビュー:石井則仁(山海塾)
アート

インタビュー:石井則仁(山海塾)

日本の美意識から生まれ、世界のコンテンポラリーダンスに多大な影響を与えた「舞踏」。その中心的な役割を担っているグループの1つが、1975年に結成され現在もパリ市立劇場を拠点に活動する山海塾だ。2017年11月には東京でも新国立劇場にて『海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり』の上演が控えている山海塾の、新しい世代のダンサーにタイムアウト東京は注目した。1984年生まれの舞踏家、石井則仁に聞く、山海塾との出会いやアートとビジネスの関係。

インタビュー:アイ・ウェイウェイ
アート

インタビュー:アイ・ウェイウェイ

2011年に拘留が解かれて以来、芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ/Ai Weiwei)は中国を離れることを禁じられている。しかしそれをもってしても、彼が世界で最も有名な芸術家であることは変えられない。ロンドンでの作品展を翌日に控え、タイムアウトは当局の監視、彼の成功、メディアへの頻繁な登場について、彼と対話を行った。 ※2014年に行ったインタビューです(原文)

東京、定番の美術館

東京国立近代美術館
アート

東京国立近代美術館

皇居の横に建つ日本で最初の国立美術館は、20世紀の始まり以降の日本美術を集めたもう1つのMoMA。企画展もさることながら常設展も充実している。横山大観や上村松園など13の重要文化財を含む12000点を超える国内屈指のコレクションから約200点を入れ替え展示している。建物は1969年に谷口吉郎により設計され、2002年に増築、改築が行われた。皇居の堀と石垣の横にあるので、春には花見、秋には紅葉を楽しむのに最高の場所。東京駅からの、皇居を見ながら同館へいたる散策ルートもおすすめだ。

東京都現代美術館
アート

東京都現代美術館

絵画、彫刻、ファッション、建築、デザインなど幅広く現代美術を紹介、展示する美術館。2019年3月末、約3年の大規模改修工事を終えてリニューアルオープン。併設する美術図書室に子ども向けのライブラリーを備えたり、一新された飲食店で季節に応じた離乳食を提供するなど、より親子で楽しめる施設へと生まれ変わった。 国内外から集められた5400点ものコレクションは今でも好評だが、ここに多くの人々を呼び寄せるのは、魅力的な企画展の数々だろう。また、美術関連図書資料27万冊を誇る美術図書室を備えており、充実した映像ライブラリー、雑誌やカタログのコレクションも見逃せない。

森美術館
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森美術館

森美術館の成功の秘密は、並はずれた人気を博している六本木ヒルズの中に位置し、森タワーの53階にあること。52階の展望台 東京シティビューもあわせて訪れれば、バーやカフェ、パノラマ式のデッキからのすばらしい眺望も楽しめる。夜遅くまで開いているので、ますます足を運びやすい。展覧会は意図的に変化をつけてあり、過去の催しにはビル・ヴィオラのビデオアートや現代芸術におけるユーモアを巡る展覧会もあった。東京シティビューからの眺めは厳密にいうと360度ではないし、東京都庁舎の無料の展望台に比較すると高価ではあるが、とにかく眺望はほぼ間違いなくこちらのの方がすばらしい。 特集記事 東京でしかできない88のこと 六本木でしかできない101のこと

三鷹の森ジブリ美術館
アート

三鷹の森ジブリ美術館

『となりのトトロ』、『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』など、日本で最も人気のあるアニメーション作品を生み出してきた、宮崎駿が館主を務める三鷹の森ジブリ美術館。トトロが出迎えてくれる入口や、屋上には佇む巨神兵などジブリの世界を楽しめる。また、ミニシアターが館内にあり短編アニメーションが上映されている。2016年5月から、オープン以来初の長期休館が決定。期間中には、展示物などをほぼすべて撤去し、大規模なリニューアルを行うようだ。 関連記事『東京でしかできない88のこと』

アーティゾン美術館
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アーティゾン美術館

1952年に開館したブリヂストン美術館が、改称して2020年に開館。故・石橋正二郎が収集した作品をコレクションの母体としている。 ルノワールやコローといったヨーロッパの絵画のほかに、雪舟や青木繁といった日本美術史上重要な作品も収蔵。新築された建物は、横15メートルの継ぎ目のない展示用ガラスケースなどが特徴だ。

すみだ北斎美術館
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すみだ北斎美術館

※2016年11月22日オープン 生涯のほとんどを墨田区で過ごした江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎に関する美術館。葛飾北斎が残した名作の展示はもちろん、常設展示室では、北斎の生涯に沿って人物像や「すみだ」との繋がりを紹介する。作品だけではなく、門人の露木為一が残した絵をもとに忠実に再現した北斎のアトリエを再現したスペースなども設けらている。 関連記事『幻の肉筆画を公開、すみだ北斎美術館がオープン』 特集記事 『両国、ご近所ガイド』

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連載:東京を創訳する

東京を創訳する 第24回
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東京を創訳する 第24回

旅行のひとつの楽しみは、その土地の人との思い出深い交流である。ちょっとした買い物で店員としたやりとりや、食べ物屋で隣り合った地元の人との会話など、旧跡を訪ねた感動とは違うものがある。しかし、そうした普通の人との交流はできても、パリやニューヨークに行って、そこの「セレブ」やその生活を「観光」するのは難しい。それは無理に近い。でも、ロンドンでバッキンガム宮殿に行ったりするのは、その建物を見るためだけでなく、エリザベス女王が現れないとしても、宮殿の上に王室旗がはためいていれば陛下がそこにいるのだな、といった興味が湧くからだろう。 東京を訪れる外国人旅行者は、東京ではそうした「上流」の人とはどんな人で、どこにいて、何をしてるのだろう、とは考えないだろうか?他方、「普通の日本人」は東京の盛り場で何をしているのかと思ったりしないか?そう考えて、今回からは、観光では会えないような東京の上流や、「下流」というよりは庶民の人たちがどこで何をしているのかを半年ほどシリーズで書いてみる。 実は、この「High Life - Low Life」というのは、イギリスの雑誌コラムからのパクリである。1990年代は、High Lifeは上流階級出身のTakiという人が、Low Lifeの方は、ロンドンで有名な酔っ払いのエッセイスト、ジェフリー・バーナードという人が書いて人気を集めていた。僕自身はもちろん上流階級ではなく、盛り場に詳しかったりしているわけでもまったくないが、多少、今までに見知ったことを書こう。まずは上流から。 欧米に行くと上流の人たちというのが確かにいる。アメリカの古い大金持ちや、大統領の係累(けいるい)。ヨーロッパだったら貴族という階層があって、城に住んでいたりする。では、それにあたる人々とは日本、特に東京では誰なのか。答えは簡単。東京のど真ん中、広大な皇居に住んでらっしゃる天皇とそのご一家だ。ほかにも、皇居からそう遠くない繁華街の赤坂に「御所」という広い敷地があって、天皇の男系親族の数家族が「宮家」(prince)として住んでらっしゃる。そのあたりのことは英国のロンドン、タイのバンコクの王族の事情と変わらない。ただ、日本の社会で「上流階級」、というと何か外国とはニュアンスが違う。天皇や皇族は「階級」ではない、というか、ある意味で、もっと飛び抜けているというか。そのあたりの理屈も追々書くことにする。 天皇、皇族とその生活はこのタイムアウト東京のテーマになるのか。ぶっちゃけていえば、「天皇」は「観光」の対象になるのか?(日本人の読者にはやや無礼な、と気になる人もあろうが、今後このシリーズでは許してほしい)もちろんなる。好奇心と興味の湧く文物はすべて観光の対象だ。まず、天皇と会うことはできなくても拝見するチャンスはある。毎年2回、天皇誕生日(12月23日)と、1月2日には、皇居で一般参賀という機会があって、天皇ご一家がみなの前に姿を現すのだ。正月などは、毎年数十万人が集まるところを見ると、少なくとも日本人にとってこれは、一種の「観光」だろう。 ご一家は見られなくても皇居だったらいつもそこにある。日本一大きな城だから見応えはある。ただその皇居も、元はといえば天皇の「御所」ではなく、将軍であった徳川家の御城だった。天皇代々の御所は京都にある。最近のことだが、いまの皇居に天守閣を建てて観光の目玉にしようという案が出て、国会で議論にすらなった。その

東京を創訳する 第23回『初夏』
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東京を創訳する 第23回『初夏』

東京を訪れるベストシーズンは、5月から6月の初夏である。その理由は3つある。 第1に、気温は高いが盛夏の35度といった暑さではなく、風が吹けば心地良い、夜は時に肌寒くなるくらいの、温帯の夏である。旅行の装いも軽くなるし、身が軽ければ心も軽くなる。 第2に、昼間が長い。何十年もサマータイムの導入が叫ばれているがなかなか実現しない日本で、昼間(daytime)でもなく夜(night)でもない、宵(evening)の美しさと心地良さを味わえるのは、この時期だけである。灯刻となり、さて今から何を食べよう、どこに飲みに行こう、と考えるのは旅の大きな楽しみだが、初夏はそれをゆっくり算段することができる。夜が長いのだ。 第3が、意外に気づかれないのだが、旅行に最適なのに、その割にはすいている。4月は桜の狂想曲で、外からの旅行者よりもまず日本人が浮き足立っていて、どこに行っても混むし、気ぜわしい。桜に興味のある外国人旅行者だったらよいが、日本人の浮かれ具合に巻き込まれ、スケジュールが立てにくいのはやっかいだ。その桜が終わっても、4月末から5月第1週のゴールデンウィークという旅行シーズンが来る。この時期は、外国からの旅行者にとっては、興味深い行事や催しものがある訳ではない。ただ列車やホテルが取りにくくなるだけだから、避けた方がよい。ゴールデンウィークが終わると、気温が高くてもあまり蒸さない、心地よき初夏が来る。この時期に日本を旅する楽しさを逃がす手はない。最近北米の旅先で聞いた話だが、日本に来て2週間くらいサイクリングをする、というツアーがあるようだ。少しハイエンドな感じだが、東京のホテルに集合し、飛行機で出発地点に向かう。自転車とそのガイドさんが待っており、サイクリング旅行が始まる。私の聞いた場所は、能登半島と瀬戸内である。その行程に老舗旅館や、美術館が組み入れられていて、元気で好奇心の旺盛なシニアにうってつけだろう。ゴルフもこの時期にプレーするのが最高だ。日本のゴルフ場は、その数が飽和状態にあることからさまざまな工夫がなされているところも多く、ハワイでのゴルフとは違った味わいのゴルフ旅行ができるだろう。 さて、話の焦点を東京に合わせると、私の初夏の好みは、ショウブと大相撲である。ショウブは堀切菖蒲園など名園が沢山あるようだが、それはタイムアウト東京でチェックするとして、個人的には明治神宮御苑が好きだ。6月の開花の時期をうまく見計らうと、鳥居をくぐって進む参道は木々の深い緑が美しく、小道に入ってからしばらくして、ふと現れる菖蒲園は、見渡す限り濃紺から白までさまざまな色が彩なす、大輪の花が満開となっているだろう。この時ばかりは薄曇りくらいがよく、雨が降っていたらそれはむしろ好都合、興を添える。その点は風と雨が大敵の桜と違って、水と縁あるショウブならではの持ち味かも知れない。 大相撲は行けばすぐに見られるものではない。東京の夏場所は、5月の15日間と限定されて、そもそもチケットが取りにくく、外国から訪れる観光客には難しい見物であろう。しかし、そう諦めたものでもない。両国の国技館に行くと、やってくる力士、「場所入り」をする相撲取りの姿を見ることができる。そのため国技館の周りには、ファンがたくさん群がっている。番付の下の方にいる若いのから、次第にランクが上の力士が現れ、最後は横綱である。そこに何時間もいるわけにもいかないので、小一時間くらいの見物を勧めるが、相撲取りは見ると聞くとでは大違いだ。単なる肥満の人とは大違いである。その若くはち切れた大きな姿を見るだけでも

東京を創訳する 第22回『早春 - 花見』
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東京を創訳する 第22回『早春 - 花見』

「4月は残酷な季節」とは、イギリスの詩の有名な一節だが、文学的解釈は別にして、まずはイギリスの天気の不安定さを言っているに違いない、と思う。4月、うららかな日差しに家庭菜園の手入れを始めると、突如黒雲が湧き、霰(あられ)が降ってくる。あの激変は手が付けられない。東京の3月も似たところがある。3月の初めはまだ、雪が降ったり、厳冬の気温となったりするのに、月末には桜が咲いて、浮かれ気分になる。その一月の変化の大きさは一年の中で最も激しい。 花の薫りは、まずは2月に梅が届けてくれるが、そこから冬が居座る。一体いつ春が、と思うと突然、「春一番」という名の暖かい風が吹いて、冬の縛(いまし)めがほどけだす。そうすると、3月には、地球上で日本列島だけの気候現象、「桜前線」が南から上がってくる。桜が開花した土地を線で結ぶ前線だ。世界にどんな大ニュースがあっても、NHKのトップニュースはどこそこで桜が開花した、という桜便りである。そんなことでいいのか、もっと大事な問題があるだろう、と思う向きもあろうが、3月半ばを過ぎれば、もはや「桜」にかなう話題は無い。 昔からそうか、といえば、4、50年前はそんなでもなかった。全共闘という古風な運動をしているとき、花見をしようと言い出したりする僕は「右翼」と批判された。戦前、桜のぱっと散るところが軍人の潔さの比喩になったりしたからだ。今はそうした政治的反省など気にすることなく、いつでもどこでも、桜を愛でない人は日本人でないと思われる。常にあまのじゃくな僕は、そういう押しつけは全体主義的だと感じて、いまでは桜の話題をいぶかしく思っているのだが、ここでは素直になって、東京の花見はどこがいいか、という定番の話題に進もう。 どこがいい?いや、そんなことは僕が書くまでも無く、テレビや雑誌、新聞で特集が組まれている。そこを参考にした方が良い。それほど、桜フィーバーは、現代の日本に定着している。しかし言っておくが、半世紀昔の若い頃、市ヶ谷の土手伝いで桜吹雪の下を歩いたりしても、同好の鑑賞者とすれ違ったりしなかった。みな先を急いでいた。「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!」も、あまりに有名な文学的一節(梶井基次郎『桜の樹の下には』)だが、屍体でなくても「馬糞」は桜によく効くらしい。生まれた家の近くにある世田谷の馬事公苑に行くのは僕の年中行事で、そこに咲く重たいほどの花の下枝に感激したりしたが、誘う相手はあまりいなかった。 学校というものはどこでも桜の名所になるが、特に何も埋まってなくても、桜はすごい。たとえば、僕の元の職場の東大駒場キャンパスも、グラウンドを囲む土手に見事な桜並木がある。そこで、大学に勤め出した1980年代に、僕がゼミ生を誘って花見をしたのだが、夕暮れは予想より寒く、段ボールで囲いをしながら持ち込みのおでんを震えながら食べるはめになった。そう、実は桜が花開く頃は、まだまだ寒いのだ。花が咲いていて豪奢(ごうしゃ)なもんだから、つい暖かいと誤解をするのだ。地方のお城の花見など、桜の花冠の下で売られている定番はおでんだ。そこで、花見は寒いからやめた方が良いとまで言わないが、寒さには十分注意をするように、とガイドをしておく。酒盛りに参加するときはコートを忘れず、幹事は地面に敷くものの断熱に留意されたい。 などと、桜について書いていると、つい興奮をする。何しろ、最初に生まれた子に「桜

東京を創訳する 第21回 「初春 - 日本が一番日本の日」
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東京を創訳する 第21回 「初春 - 日本が一番日本の日」

1月1日は、1年の内で東京が一番、日本らしくなる日である。 始まりは、前日の大みそかからだ。12月31日は正月の準備に一家は集まり、年越し蕎麦を食べ、みなで延々、4時間半の歌番組、NHK『紅白歌合戦』を見る。この50組近くの歌手が集まる騒がしい番組が23時45分『蛍の光』の大合唱で終わると、突如、テレビからは静寂の中、「ゴーン」とお寺の鐘の音が響いてきて、次の番組『行く年来る年』となる。日本のどこか、暗い中に雪が白く輝く寺社の参道に、人々が無言で集まって来ている。東京の私たちは、「寒そうだね」と心でつぶやきながら、1年の終わり、大晦日の24時を待つ…。 ただし、必ずしもこうとは限らない。人によっては大晦日に恒例の格闘技やカウントダウンコンサートに出かけたり、家にいても部屋で片付けものをしたり、テレビを見るとしてもほかの番組にチャンネルを合わせたり、そもそも団らんには加わらず、借りためてあった連続ドラマのDVDを長時間見続けたりしている。そんな人もたくさんいる。 しかし、そういった人も、「今夜は世間では、定番の紅白と、その後のかったるい番組を見ているんだろうな」と思ったりする。そのくらい12月31日の夜は、典型的な「日本らしい」日なのである。おそらく、2、30パーセントの東京人は、いま書いた通りのことを、そっくりそのまましている。 西洋のクリスマスが家族行事であることと同じである。ただ、日本の正月は、12月28日には仕事を終えて、元旦、1月1日の後、3日まで、同じようなおせち料理の日々が続き、それに飽きた頃にやっと4日の仕事始めとなる。 では、日本人は元旦に何をするのか。朝、みなで集まって「明けましておめでとう」と言い合い、「おせち料理」を食べる。これだけ。この「おせち」は、まさに「The 日本」の食べものである。日本人だって普段は食べない日本料理を食べる。食べるどころか、正月以外は見ることすらない奇妙な「ちょろぎ」という食材も出てくる。みな、作り置きのコールドディッシュであるが、雑煮だけは温かいスープである。なかには青菜とニンジンと、そして餅が入っている。スープがおすましか味噌仕立てか、餅が丸いか角なのかは地域によって異なる。東京はおすましに角もち。異なる地方の人同士が夫婦となると、この相違は、結婚生活を脅かしはしないが、彩を添える論争の種となる。 ただしこのおせち料理、どこかのレストランで食べようとすると、普段のメニューにはない。サンクスギビングの七面鳥料理がレストランのメニューではないように。正月の三が日にホテルに泊まったりすると、ホテルの催し物の中で食べられたりするかもしれないが。 ということで、元旦に東京を訪れた旅行客は、人通りの少ない東京の街を変だなと思ったら、日本人はみな、家の中でそんなことをしているのだ、と納得すればよい。街の店はみな閉まり、レストランで営業をしているところも少ないのだ。 では、そうやって、正月は何もしないのかといえば、1つだけ「日本人の義務」がある。初詣である。『行く年来る年』で、凍てつく深夜、黙々と人々が集まっていたのはその「初詣」に向かう光景なのである。東京でも、正月の三が日、あるいはその1週間くらいは、寺社に、昨年の感謝と今年の幸せを願って、出かけていく。それは半端ではない数である。毎年、東京の明治神宮と浅草寺には、それぞれ300万人が集まる。ほかにも中小の寺や神社は数限りなくあるから、1000万人ほどの東京人は、計算上ほとんど全員、1つあるいは2つくらいの初詣を済ませることになる。 では、正月に日本

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