アート&カルチャー

東京で話題の展覧会やダンス公演情報から、定番のギャラリーや美術館の紹介

台湾、アートスポット10選
アート

台湾、アートスポット10選

アジア圏の旅行先として人気の台湾。2002年に台湾政府が掲げた「文化創意産業(文創)」政策以降、文化と創造性を結びつけた教育が進み、近年そのアートシーンには注目が集まっている。無料で解放されている美術館には小さな子ども連れも訪れやすく、幼い頃からアートに親しみやすい環境となっているよう。日本人にとってなじみの薄い現代アートも、身近な文化としての発展が目覚ましく、ファンにはぜひ訪れてみてほしい国だ。 2020年には第12回台北ビエンナーレが開催されることから、今後ますます台湾のアートシーンに期待が高まる。ここでは台中にオープンした建築の美しいオペラハウスや、アーティストが集う市場、台北では若者に人気のカルチャーストリートやアートブックを扱う店などを紹介。市場のグルメやマッサージなど、定番人気の楽しみ方以外にも訪れてみてほしいスポットを挙げる。

情の時代にあって、考え対話し続けること
アート

情の時代にあって、考え対話し続けること

75日間の会期を終え『あいちトリエンナーレ 2019』が、10月14日に閉幕した。106あった企画のうちの『表現の不自由展・その後』を巡っての脅迫行為に端を発する一連の騒動については、もうすでに多くのメディアが報じているのでここでは詳述しない。いわゆる「炎上した」ためもあってか、来場者数は過去最高を記録したという。せっかく数多くの人が観覧した芸術祭、一過性の「バズ」にしてしまうことなく、魅力にあふれた展示作品について心ゆくまで語り合おう、というのが本稿のとりあえずの目的だ。表現の自由や検閲、ミュージアムや文化助成の役割、挙げればキリのないほどにさまざまな地平の問題が絡み合っている本件を考える上で、個々の作品に時間をかけて向き合うことから始めることは決して無駄ではないだろう。   愛知芸術文化センター 今回の芸術監督を務めたのは、ジャーナリストの津田大介。ITを使った報道に一貫して携わってきた津田らしく、社会性の強いジャーナリスティックな作品や、映像などの新しいメディアを駆使した作品が目立つ芸術祭だったといえる。とりわけメイン会場の一つ、愛知芸術文化センターでは、映像作品やメディアアートが数多く展示されていた。 前回までと比較して、5万人近くも上回る67万人が来場したという今回のトリエンナーレだが、特に愛知芸術文化センターに限っては33万人と、前回の14万人弱をはるかに超える人数が訪れている。過去に例を見ない混雑に加えて、同会場の『表現の不自由展・その後』の展示中止を受けて、展示を自ら閉鎖する作家も多かったため、全ての作品を見られなかった人も少なくなかっただろうが、『ドクメンタ』や『ヴェネツィア・ビエンナーレ』への出展経験もあるタニア・ブルゲラや、『ベルリン国際映画祭』で短編部門金熊賞を受賞しているパク・チャンキョンなど、著名アーティストがめじろ押しだった。ミリアム・カーンの作品がまとまって見られたのもアートファンにはうれしい限りだろう。 なかでも印象的な作品の一つが、難民を扱ったキャンディス・ブレイツの『ラヴ・ストーリー』。『第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ』にも出展された同作は、ジャーナリスティックな視点を持った映像作品という点で、津田芸術監督による今回の出展作品の傾向を代表する作品の一つといえよう。世界的な国際美術展への参加経験や受賞歴をことさらに挙げる必要もないのだが、ざっと見回すだけで国際的な評価の固まっているアーティストが多数参加している点からも「作家選択において過度な偏りがある」という芸術監督への非難が妥当なものか、判断できるのではないだろうか。  《Love Story》 2016、Featuring Alec Baldwin and Julianne Moore、第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ、南アフリカ館、ヴェネツィア(イタリア) Commissioned by the National Gallery of Victoria, Outset Germany + Medienboard Berlin-BrandenburgPhoto: Andrea Rossetti Courtesy of Goodman Gallery, Kaufm

Photo of the Day - 鉄工島フェス 2019
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Photo of the Day - 鉄工島フェス 2019

2019年11月3日、第3回目の『鉄工島フェス』が無事に開催を終えた。鉄工所などの工場が並ぶ京浜島を会場に、あちこちで音楽ライブやアート展示が催され、人けのない休日の工業地域に活気と彩りをもたらす1日となった。天候は途中で雨がぱらつく場面も見られたが盛り上がりは止まず。会場作りにおいてはアートと音楽、双方のファンが楽しみながら新たな文化に触れるきっかけをつないだことも期待される。 ここでは、当日の様子を写真とともに振り返る。『鉄工島フェス』特有の緩やかな熱気を感じてもらいたい。   ∈Y∋『レコーン』 まずはアート作品やパフォーマンスについて紹介しよう。 ボアダムスの中心メンバーとして実験的なパフォーマンスを展開する∈Y∋は、ワンフロアを使ったサウンドインスタレーションを発表。あらゆる角度から聞こえる音や、ドローイングなどの集大成に熱心なファンも足を運んでいた。   西野達『鉄工島の夜の主たち』  会場で最大の規模となった西野達のモニュメントは、京浜島の環境を生かし、工場の技術者たちの協力をアートへと昇華した作品。人が住めない京浜島の「夜の主役たち」をテーマに、トラックや街灯、事務所の椅子やソファなどが積み上げられている。    鯰(なまず)『Chill House』  会場内の展示やパフォーマンスは、ユーモアなセンスと独特の「ゆるさ」を持つ作品が多く、アート初心者にも入りやすい間口が広がっていたように思う。 なかでも3人組のアートユニット鯰の作品は、リサイクルショップで収集した物やゴミを利用し、会場に作った「部屋」でメンバー達が飲み会を行うというインスタレーション。部屋の激しい揺れや、屋根から流れ落ちる水から地震などの災害体験を想起させるものの、中で行われる飲み会は日常の延長そのもの。日常と非日常的体験の差異をユニークな切り口から提示していた。   ケケノコ族  1980年代に社会現象となった「竹の子族」の文化を引用し、ファッションやパフォーマンスで活動に注目を集めるケケノコ族。会場では神出鬼没に現れ、『ジンギスカン』や『ライディーン/YMO』『YOUNG MAN(Y.M.C.A)/西城秀樹』『Shangri-la/電気グルーヴ』『Flamingo/米津玄師』『夜の踊り子/サカナクション』などのレパートリーを惜しみなく披露してくれた。   チョロちゃん(推定:三毛鯖♀)  鉄工所の一角をアートスペースとして運営するバックルコーボー(BUCKLE KÔBÔ)の看板猫、チョロちゃんもお出迎え。人懐っこく愛らしいチョロちゃんに、来場客もメロメロな様子。     SIDE CORE『LEGAL SHUTTER TOKYO』  ストリートアートと工場の相性の良さを目撃できるSIDE COREの作品。ペイントされたシャッターは、フェス終了後も引き続き残される。   フェスフード  EL CAMION フェスの楽しみの一つといえばフード。今年は入場無料のフードエリアの出店が12店舗に増え、クラフトビールや本格コーヒー、ケバブやピザ、カレーなどのエスニック料理の屋台が並んだ。EL CAMIONの4種飲み比べセットは、カボチャとスパイスの風味がきいた期間限定ビールがいいあんばいだ。  キッチントラッカー/ANADOLU☆KEBABU     さわひらき『Platter/Memoria』  2階から全体を見下ろせる北嶋絞製作所を会場に、映像

日本初のダイバーシティミュージアム、「対話の森」でできる3つのこと
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日本初のダイバーシティミュージアム、「対話の森」でできる3つのこと

2020年、視覚・聴覚障がい者や、高齢者のアテンドで対話と感覚を楽しむプログラムが体験できるミュージアム「対話の森」が浜松町にオープンする。 運営するのは、視覚障がい者が暗闇の中を案内し、さまざまなシーンを体験するソーシャルエンターテイメント『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』を全国各地で展開するなど、多様性への理解を広めてきた一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティだ。 ミュージアムでは、『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』のほか『ダイアログ・イン・サイレンス』『ダイアログ・ウィズ・タイム』の3つのプログラムが体験でき、後者の2つの常設会場の開設は日本初。 どのプログラムも世界的に展開され、これまで延べ1000万人以上が体験するなど、世界的なムーブメントを生み出している。新会場では、2020年に「ダーク」と「サイレンス」を、2021年に「ダーク」と「タイム」が開催される予定だ。 今回は、7、8月にプレイベントが開かれた「タイム」と「サイレンス」の魅力をレポートしつつ、ミュージアムでできる3つのことを紹介する。    1. 言葉を介さず対話をする ダイアログ・イン・サイレンス 「ダイアログ・イン・サイレンス〜静けさの中の対話〜」は、音のない世界で、言葉によらないコミュニケーションに挑戦するプログラム。アテンドを務めるのは、音声に頼らず対話をする達人である聴覚障がい者だ。 1988年にドイツで始まり、フランス、イスラエル、メキシコ、トルコ、中国などで開催。日本では2017、18年に期間限定で開かれ、1万人以上が体験した。   参加者はヘッドセットを装着し、静寂の中でさまざまな遊びに挑戦する。言葉に頼らずコミュニケーションを取るのはなかなかに難しい。その分、アテンドやほかの参加者の身振りや表情をよく観察し、伝えたいことを表現するにはどうすればいいか頭を使う。 最初はもどかしいかもしれないが、少しずつ「言葉が使えなくても、試行錯誤すれば何とか伝わるものだ」という手応えをつかんでいくだろう。終了後に鏡を覗けば、口角が上がり表情が柔らかくなっている自分が映るはずだ。もしかすると、頭も柔らかくなっているかもしれない。 日本人は感情表現が乏しいとよく言われる。1988年の長野オリンピックで来日した外国人の中には、「自分たちは日本人に嫌われているのではないか」と感じた人も少なくなかったそうだ。 2020年のオリンピック・パラリンピックで再び多くの外国人を迎えた時、言語が異なる相手の言いたいことをどう汲み取り、どう自分の気持ちを伝えるか。「ダイアログ・イン・サイレンス」はそのトレーニングになるに違いない。   2. 歳を重ねることについて考える ダイアログ・ウィズ・タイム 「ダイアログ・ウィズ・タイム〜生き方との対話〜」は、歳を取ることについて考え、世代を超えた対話を楽しむプログラム。アテンドを務めるのは、豊かな経験や知恵を持つ70歳以上の高齢者だ。  2012年からヨーロッパやアジア各国で開かれ、日本でも300人以上が体験した。 参加者は体におもしやメガネなどを装着して高齢者に近い身体条件を体験したのち、高齢者のアテンドとともに遊び、歳を重ねることについて考え語り合う。 人生における喪失を実感するようなハプニングなど、さまざまな体験を通して、人生で大事にしたいことは何か、どんな風に歳を取りたいか、という問いに対する考えが深まっていく。 アテンドスタッフは花街に

東京、美しい建築11選
Things to do

東京、美しい建築11選

関東大震災や第二次世界大戦の東京大空襲で大きな被害を受けるまで、東京には、現在も京都で見られるような木造の家が立ち並んでいた。その後、鉄鋼やコンクリート、独創的な形状に重きを置いた、様々な建築物が建てられ、東京は現代的に生まれ変わった。しかし天然素材の良さも見直されてきており、都は最近350メートルの木造超高層ビルの建設計画を発表している。このビルのオープンは2041年まで待たなくてはならないので、今の時点で鑑賞できる美しい建築物を紹介しよう。

東京のベストミュージアム・ギャラリーショップ
ショッピング

東京のベストミュージアム・ギャラリーショップ

東京には世界最高のショッピングスポットが数多くあることは間違いない。この都市のショッピングシーンのもっともユニークな側面の1つは、美術館やギャラリーなどの中にある素敵なショップだ。ショップ自体がギャラリーの役割を果たしているものさえあり、全国のデザイナーや職人によるユニークな作品が展示され、限定品が売られていることもよくある。都内のミュージアムショップとギャラリーショップを紹介しよう。

Tokyo Insider

Tokyo Insider #12 RYUZO
音楽

Tokyo Insider #12 RYUZO

今回は、京都出身のラッパーでプロデューサーのRYUZO(リュウゾウ)が登場。渋谷の行きつけを案内。

Tokyo Insider #11 青山礼満
Things to do

Tokyo Insider #11 青山礼満

下北沢のディープなミニガイド。

Tokyo Insider #10 SHOKO
Things to do

Tokyo Insider #10 SHOKO

今回は、ノスタルジックかつ、サイケデリックなフォークミュージックを奏でる、シンガーソングライターのSHOKOが登場。 東京のカルチャーを肌で感じられるおすすめの場所を聞いた。  

Tokyo Insider #9 DJ NOTOYA
音楽

Tokyo Insider #9 DJ NOTOYA

和モノミックスのエキスパートが選ぶ、シティポップが掘れるレコード屋

インタビュー・アーカイブス

インタビュー:南條史生
アート

インタビュー:南條史生

六本木の森美術館では、2019年11月19日(火)から『未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか』が開催される。本展会期中に同館の館長を退任する南條史生に、展覧会が描く「未来」について話を聞いた。

インタビュー:津田大介
アート

インタビュー:津田大介

「情の時代」をテーマに、開催された国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』。今年3月の記者会見では、参加アーティストの男女比を半々にする方針を打ち出し、大きな話題を呼んだ。主導したのは、同祭の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介。国内の芸術祭としては初となる「ジェンダー平等」を実現した理由を聞いた。 「アーティストの選定を進めていた昨年夏、選ばれた作家の男女比が男性6割、女性4割になっていることに気が付き、なんとなく違和感を覚えたんですね。そんなとき、耳を疑うような事件が起きた。東京医科大学で女性の受験者を一律減点していた不正入試問題です」 津田は、現代の日本でこのような女性差別が横行していることに衝撃を受けたという。一方、アート界に目を向けると、そこにも同様の構造的差別が存在していた。 「例えば、美術館の常設展示における作家の男女比や主要な国際芸術祭の男女比などを調べると、やはり男性が圧倒的多数なんです。だからこそ今回のトリエンナーレでは、アート界のみならず日本社会全体に変革を促す契機として、ジェンダー平等を強く発信すべきだと考えました」 その結果、同祭の参加アーティストは、全74組のうち男女混合グループなどを除いた63組の半数を超える32組が女性となった。男女比にこだわることには疑問の声もあったが、津田は「まずは数をそろえることが重要」と力を込める。 「決定権や発言権を持つ男女の数が同じになると、あきらかに場の雰囲気が変わります。だからこそ、まずは男性と同じテーブルに付き、男性と同じように意見を言う女性の数を増やす必要があると思うのです。数の上での男女平等を明確な態度として表明する意義はそこにあります。今回の取り組みが前例となり、社会全体にジェンダー平等が広がっていくことを期待しています」

インタビュー:西野達
アート

インタビュー:西野達

ものづくりの島、羽田空港のすぐ隣に位置する人工島を舞台に、多様なジャンルの音楽ライブやアートを楽しめる『鉄工島フェス』が、今年で第3回目を迎える。 会場となる京浜島は本来工業専用の地域。開催に向けて、鉄工所の空きスペースを利用したバックルコーボー(BUCKLE KÔBÔ)を拠点に現地制作を行う作家も多く、アーティストの創造性と工場で働く人々の熟練した技術の融合には期待が寄せられる。 タイムアウト東京では、2019年11月3日(日)の開催に先駆け、会場でも一際目を引くであろうモニュメントを制作中のアーティスト、西野達(にしの・たつ)にインタビューを行った。 昨年の様子。「鉄工島FES 2018・土岐麻子」©行本正志members

インタビュー:石井則仁(山海塾)
アート

インタビュー:石井則仁(山海塾)

日本の美意識から生まれ、世界のコンテンポラリーダンスに多大な影響を与えた「舞踏」。その中心的な役割を担っているグループの1つが、1975年に結成され現在もパリ市立劇場を拠点に活動する山海塾だ。2017年11月には東京でも新国立劇場にて『海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり』の上演が控えている山海塾の、新しい世代のダンサーにタイムアウト東京は注目した。1984年生まれの舞踏家、石井則仁に聞く、山海塾との出会いやアートとビジネスの関係。

インタビュー:アイ・ウェイウェイ
アート

インタビュー:アイ・ウェイウェイ

2011年に拘留が解かれて以来、芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ/Ai Weiwei)は中国を離れることを禁じられている。しかしそれをもってしても、彼が世界で最も有名な芸術家であることは変えられない。ロンドンでの作品展を翌日に控え、タイムアウトは当局の監視、彼の成功、メディアへの頻繁な登場について、彼と対話を行った。 ※2014年に行ったインタビューです(原文)

東京、定番の美術館

アーティゾン美術館
アート

アーティゾン美術館

1952年に開館したブリヂストン美術館が、改称して2020年に開館。故・石橋正二郎が収集した作品をコレクションの母体としている。 ルノワールやコローといったヨーロッパの絵画のほかに、雪舟や青木繁といった日本美術史上重要な作品も収蔵。新築された建物は、横15メートルの継ぎ目のない展示用ガラスケースなどが特徴だ。

東京国立近代美術館
アート

東京国立近代美術館

皇居の横に建つ日本で最初の国立美術館は、20世紀の始まり以降の日本美術を集めたもう1つのMoMA。企画展もさることながら常設展も充実している。横山大観や上村松園など13の重要文化財を含む12000点を超える国内屈指のコレクションから約200点を入れ替え展示している。建物は1969年に谷口吉郎により設計され、2002年に増築、改築が行われた。皇居の堀と石垣の横にあるので、春には花見、秋には紅葉を楽しむのに最高の場所。東京駅からの、皇居を見ながら同館へいたる散策ルートもおすすめだ。

東京都現代美術館
アート

東京都現代美術館

絵画、彫刻、ファッション、建築、デザインなど幅広く現代美術を紹介、展示する美術館。2019年3月末、約3年の大規模改修工事を終えてリニューアルオープン。併設する美術図書室に子ども向けのライブラリーを備えたり、一新された飲食店で季節に応じた離乳食を提供するなど、より親子で楽しめる施設へと生まれ変わった。 国内外から集められた5400点ものコレクションは今でも好評だが、ここに多くの人々を呼び寄せるのは、魅力的な企画展の数々だろう。また、美術関連図書資料27万冊を誇る美術図書室を備えており、充実した映像ライブラリー、雑誌やカタログのコレクションも見逃せない。

三鷹の森ジブリ美術館
アート

三鷹の森ジブリ美術館

『となりのトトロ』、『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』など、日本で最も人気のあるアニメーション作品を生み出してきた、宮崎駿が館主を務める三鷹の森ジブリ美術館。トトロが出迎えてくれる入口や、屋上には佇む巨神兵などジブリの世界を楽しめる。また、ミニシアターが館内にあり短編アニメーションが上映されている。2016年5月から、オープン以来初の長期休館が決定。期間中には、展示物などをほぼすべて撤去し、大規模なリニューアルを行うようだ。 関連記事『東京でしかできない88のこと』

森美術館
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森美術館

森美術館の成功の秘密は、並はずれた人気を博している六本木ヒルズの中に位置し、森タワーの53階にあること。52階の展望台 東京シティビューもあわせて訪れれば、バーやカフェ、パノラマ式のデッキからのすばらしい眺望も楽しめる。夜遅くまで開いているので、ますます足を運びやすい。展覧会は意図的に変化をつけてあり、過去の催しにはビル・ヴィオラのビデオアートや現代芸術におけるユーモアを巡る展覧会もあった。東京シティビューからの眺めは厳密にいうと360度ではないし、東京都庁舎の無料の展望台に比較すると高価ではあるが、とにかく眺望はほぼ間違いなくこちらのの方がすばらしい。 特集記事 東京でしかできない88のこと 六本木でしかできない101のこと

すみだ北斎美術館
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すみだ北斎美術館

※2016年11月22日オープン 生涯のほとんどを墨田区で過ごした江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎に関する美術館。葛飾北斎が残した名作の展示はもちろん、常設展示室では、北斎の生涯に沿って人物像や「すみだ」との繋がりを紹介する。作品だけではなく、門人の露木為一が残した絵をもとに忠実に再現した北斎のアトリエを再現したスペースなども設けらている。 関連記事『幻の肉筆画を公開、すみだ北斎美術館がオープン』 特集記事 『両国、ご近所ガイド』

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連載:東京を創訳する

東京を創訳する 第24回
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東京を創訳する 第24回

旅行のひとつの楽しみは、その土地の人との思い出深い交流である。ちょっとした買い物で店員としたやりとりや、食べ物屋で隣り合った地元の人との会話など、旧跡を訪ねた感動とは違うものがある。しかし、そうした普通の人との交流はできても、パリやニューヨークに行って、そこの「セレブ」やその生活を「観光」するのは難しい。それは無理に近い。でも、ロンドンでバッキンガム宮殿に行ったりするのは、その建物を見るためだけでなく、エリザベス女王が現れないとしても、宮殿の上に王室旗がはためいていれば陛下がそこにいるのだな、といった興味が湧くからだろう。 東京を訪れる外国人旅行者は、東京ではそうした「上流」の人とはどんな人で、どこにいて、何をしてるのだろう、とは考えないだろうか?他方、「普通の日本人」は東京の盛り場で何をしているのかと思ったりしないか?そう考えて、今回からは、観光では会えないような東京の上流や、「下流」というよりは庶民の人たちがどこで何をしているのかを半年ほどシリーズで書いてみる。 実は、この「High Life - Low Life」というのは、イギリスの雑誌コラムからのパクリである。1990年代は、High Lifeは上流階級出身のTakiという人が、Low Lifeの方は、ロンドンで有名な酔っ払いのエッセイスト、ジェフリー・バーナードという人が書いて人気を集めていた。僕自身はもちろん上流階級ではなく、盛り場に詳しかったりしているわけでもまったくないが、多少、今までに見知ったことを書こう。まずは上流から。 欧米に行くと上流の人たちというのが確かにいる。アメリカの古い大金持ちや、大統領の係累(けいるい)。ヨーロッパだったら貴族という階層があって、城に住んでいたりする。では、それにあたる人々とは日本、特に東京では誰なのか。答えは簡単。東京のど真ん中、広大な皇居に住んでらっしゃる天皇とそのご一家だ。ほかにも、皇居からそう遠くない繁華街の赤坂に「御所」という広い敷地があって、天皇の男系親族の数家族が「宮家」(prince)として住んでらっしゃる。そのあたりのことは英国のロンドン、タイのバンコクの王族の事情と変わらない。ただ、日本の社会で「上流階級」、というと何か外国とはニュアンスが違う。天皇や皇族は「階級」ではない、というか、ある意味で、もっと飛び抜けているというか。そのあたりの理屈も追々書くことにする。 天皇、皇族とその生活はこのタイムアウト東京のテーマになるのか。ぶっちゃけていえば、「天皇」は「観光」の対象になるのか?(日本人の読者にはやや無礼な、と気になる人もあろうが、今後このシリーズでは許してほしい)もちろんなる。好奇心と興味の湧く文物はすべて観光の対象だ。まず、天皇と会うことはできなくても拝見するチャンスはある。毎年2回、天皇誕生日(12月23日)と、1月2日には、皇居で一般参賀という機会があって、天皇ご一家がみなの前に姿を現すのだ。正月などは、毎年数十万人が集まるところを見ると、少なくとも日本人にとってこれは、一種の「観光」だろう。 ご一家は見られなくても皇居だったらいつもそこにある。日本一大きな城だから見応えはある。ただその皇居も、元はといえば天皇の「御所」ではなく、将軍であった徳川家の御城だった。天皇代々の御所は京都にある。最近のことだが、いまの皇居に天守閣を建てて観光の目玉にしようという案が出て、国会で議論にすらなった。その

東京を創訳する 第23回『初夏』
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東京を創訳する 第23回『初夏』

東京を訪れるベストシーズンは、5月から6月の初夏である。その理由は3つある。 第1に、気温は高いが盛夏の35度といった暑さではなく、風が吹けば心地良い、夜は時に肌寒くなるくらいの、温帯の夏である。旅行の装いも軽くなるし、身が軽ければ心も軽くなる。 第2に、昼間が長い。何十年もサマータイムの導入が叫ばれているがなかなか実現しない日本で、昼間(daytime)でもなく夜(night)でもない、宵(evening)の美しさと心地良さを味わえるのは、この時期だけである。灯刻となり、さて今から何を食べよう、どこに飲みに行こう、と考えるのは旅の大きな楽しみだが、初夏はそれをゆっくり算段することができる。夜が長いのだ。 第3が、意外に気づかれないのだが、旅行に最適なのに、その割にはすいている。4月は桜の狂想曲で、外からの旅行者よりもまず日本人が浮き足立っていて、どこに行っても混むし、気ぜわしい。桜に興味のある外国人旅行者だったらよいが、日本人の浮かれ具合に巻き込まれ、スケジュールが立てにくいのはやっかいだ。その桜が終わっても、4月末から5月第1週のゴールデンウィークという旅行シーズンが来る。この時期は、外国からの旅行者にとっては、興味深い行事や催しものがある訳ではない。ただ列車やホテルが取りにくくなるだけだから、避けた方がよい。ゴールデンウィークが終わると、気温が高くてもあまり蒸さない、心地よき初夏が来る。この時期に日本を旅する楽しさを逃がす手はない。最近北米の旅先で聞いた話だが、日本に来て2週間くらいサイクリングをする、というツアーがあるようだ。少しハイエンドな感じだが、東京のホテルに集合し、飛行機で出発地点に向かう。自転車とそのガイドさんが待っており、サイクリング旅行が始まる。私の聞いた場所は、能登半島と瀬戸内である。その行程に老舗旅館や、美術館が組み入れられていて、元気で好奇心の旺盛なシニアにうってつけだろう。ゴルフもこの時期にプレーするのが最高だ。日本のゴルフ場は、その数が飽和状態にあることからさまざまな工夫がなされているところも多く、ハワイでのゴルフとは違った味わいのゴルフ旅行ができるだろう。 さて、話の焦点を東京に合わせると、私の初夏の好みは、ショウブと大相撲である。ショウブは堀切菖蒲園など名園が沢山あるようだが、それはタイムアウト東京でチェックするとして、個人的には明治神宮御苑が好きだ。6月の開花の時期をうまく見計らうと、鳥居をくぐって進む参道は木々の深い緑が美しく、小道に入ってからしばらくして、ふと現れる菖蒲園は、見渡す限り濃紺から白までさまざまな色が彩なす、大輪の花が満開となっているだろう。この時ばかりは薄曇りくらいがよく、雨が降っていたらそれはむしろ好都合、興を添える。その点は風と雨が大敵の桜と違って、水と縁あるショウブならではの持ち味かも知れない。 大相撲は行けばすぐに見られるものではない。東京の夏場所は、5月の15日間と限定されて、そもそもチケットが取りにくく、外国から訪れる観光客には難しい見物であろう。しかし、そう諦めたものでもない。両国の国技館に行くと、やってくる力士、「場所入り」をする相撲取りの姿を見ることができる。そのため国技館の周りには、ファンがたくさん群がっている。番付の下の方にいる若いのから、次第にランクが上の力士が現れ、最後は横綱である。そこに何時間もいるわけにもいかないので、小一時間くらいの見物を勧めるが、相撲取りは見ると聞くとでは大違いだ。単なる肥満の人とは大違いである。その若くはち切れた大きな姿を見るだけでも

東京を創訳する 第22回『早春 - 花見』
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東京を創訳する 第22回『早春 - 花見』

「4月は残酷な季節」とは、イギリスの詩の有名な一節だが、文学的解釈は別にして、まずはイギリスの天気の不安定さを言っているに違いない、と思う。4月、うららかな日差しに家庭菜園の手入れを始めると、突如黒雲が湧き、霰(あられ)が降ってくる。あの激変は手が付けられない。東京の3月も似たところがある。3月の初めはまだ、雪が降ったり、厳冬の気温となったりするのに、月末には桜が咲いて、浮かれ気分になる。その一月の変化の大きさは一年の中で最も激しい。 花の薫りは、まずは2月に梅が届けてくれるが、そこから冬が居座る。一体いつ春が、と思うと突然、「春一番」という名の暖かい風が吹いて、冬の縛(いまし)めがほどけだす。そうすると、3月には、地球上で日本列島だけの気候現象、「桜前線」が南から上がってくる。桜が開花した土地を線で結ぶ前線だ。世界にどんな大ニュースがあっても、NHKのトップニュースはどこそこで桜が開花した、という桜便りである。そんなことでいいのか、もっと大事な問題があるだろう、と思う向きもあろうが、3月半ばを過ぎれば、もはや「桜」にかなう話題は無い。 昔からそうか、といえば、4、50年前はそんなでもなかった。全共闘という古風な運動をしているとき、花見をしようと言い出したりする僕は「右翼」と批判された。戦前、桜のぱっと散るところが軍人の潔さの比喩になったりしたからだ。今はそうした政治的反省など気にすることなく、いつでもどこでも、桜を愛でない人は日本人でないと思われる。常にあまのじゃくな僕は、そういう押しつけは全体主義的だと感じて、いまでは桜の話題をいぶかしく思っているのだが、ここでは素直になって、東京の花見はどこがいいか、という定番の話題に進もう。 どこがいい?いや、そんなことは僕が書くまでも無く、テレビや雑誌、新聞で特集が組まれている。そこを参考にした方が良い。それほど、桜フィーバーは、現代の日本に定着している。しかし言っておくが、半世紀昔の若い頃、市ヶ谷の土手伝いで桜吹雪の下を歩いたりしても、同好の鑑賞者とすれ違ったりしなかった。みな先を急いでいた。「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!」も、あまりに有名な文学的一節(梶井基次郎『桜の樹の下には』)だが、屍体でなくても「馬糞」は桜によく効くらしい。生まれた家の近くにある世田谷の馬事公苑に行くのは僕の年中行事で、そこに咲く重たいほどの花の下枝に感激したりしたが、誘う相手はあまりいなかった。 学校というものはどこでも桜の名所になるが、特に何も埋まってなくても、桜はすごい。たとえば、僕の元の職場の東大駒場キャンパスも、グラウンドを囲む土手に見事な桜並木がある。そこで、大学に勤め出した1980年代に、僕がゼミ生を誘って花見をしたのだが、夕暮れは予想より寒く、段ボールで囲いをしながら持ち込みのおでんを震えながら食べるはめになった。そう、実は桜が花開く頃は、まだまだ寒いのだ。花が咲いていて豪奢(ごうしゃ)なもんだから、つい暖かいと誤解をするのだ。地方のお城の花見など、桜の花冠の下で売られている定番はおでんだ。そこで、花見は寒いからやめた方が良いとまで言わないが、寒さには十分注意をするように、とガイドをしておく。酒盛りに参加するときはコートを忘れず、幹事は地面に敷くものの断熱に留意されたい。 などと、桜について書いていると、つい興奮をする。何しろ、最初に生まれた子に「桜

東京を創訳する 第21回 「初春 - 日本が一番日本の日」
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東京を創訳する 第21回 「初春 - 日本が一番日本の日」

1月1日は、1年の内で東京が一番、日本らしくなる日である。 始まりは、前日の大みそかからだ。12月31日は正月の準備に一家は集まり、年越し蕎麦を食べ、みなで延々、4時間半の歌番組、NHK『紅白歌合戦』を見る。この50組近くの歌手が集まる騒がしい番組が23時45分『蛍の光』の大合唱で終わると、突如、テレビからは静寂の中、「ゴーン」とお寺の鐘の音が響いてきて、次の番組『行く年来る年』となる。日本のどこか、暗い中に雪が白く輝く寺社の参道に、人々が無言で集まって来ている。東京の私たちは、「寒そうだね」と心でつぶやきながら、1年の終わり、大晦日の24時を待つ…。 ただし、必ずしもこうとは限らない。人によっては大晦日に恒例の格闘技やカウントダウンコンサートに出かけたり、家にいても部屋で片付けものをしたり、テレビを見るとしてもほかの番組にチャンネルを合わせたり、そもそも団らんには加わらず、借りためてあった連続ドラマのDVDを長時間見続けたりしている。そんな人もたくさんいる。 しかし、そういった人も、「今夜は世間では、定番の紅白と、その後のかったるい番組を見ているんだろうな」と思ったりする。そのくらい12月31日の夜は、典型的な「日本らしい」日なのである。おそらく、2、30パーセントの東京人は、いま書いた通りのことを、そっくりそのまましている。 西洋のクリスマスが家族行事であることと同じである。ただ、日本の正月は、12月28日には仕事を終えて、元旦、1月1日の後、3日まで、同じようなおせち料理の日々が続き、それに飽きた頃にやっと4日の仕事始めとなる。 では、日本人は元旦に何をするのか。朝、みなで集まって「明けましておめでとう」と言い合い、「おせち料理」を食べる。これだけ。この「おせち」は、まさに「The 日本」の食べものである。日本人だって普段は食べない日本料理を食べる。食べるどころか、正月以外は見ることすらない奇妙な「ちょろぎ」という食材も出てくる。みな、作り置きのコールドディッシュであるが、雑煮だけは温かいスープである。なかには青菜とニンジンと、そして餅が入っている。スープがおすましか味噌仕立てか、餅が丸いか角なのかは地域によって異なる。東京はおすましに角もち。異なる地方の人同士が夫婦となると、この相違は、結婚生活を脅かしはしないが、彩を添える論争の種となる。 ただしこのおせち料理、どこかのレストランで食べようとすると、普段のメニューにはない。サンクスギビングの七面鳥料理がレストランのメニューではないように。正月の三が日にホテルに泊まったりすると、ホテルの催し物の中で食べられたりするかもしれないが。 ということで、元旦に東京を訪れた旅行客は、人通りの少ない東京の街を変だなと思ったら、日本人はみな、家の中でそんなことをしているのだ、と納得すればよい。街の店はみな閉まり、レストランで営業をしているところも少ないのだ。 では、そうやって、正月は何もしないのかといえば、1つだけ「日本人の義務」がある。初詣である。『行く年来る年』で、凍てつく深夜、黙々と人々が集まっていたのはその「初詣」に向かう光景なのである。東京でも、正月の三が日、あるいはその1週間くらいは、寺社に、昨年の感謝と今年の幸せを願って、出かけていく。それは半端ではない数である。毎年、東京の明治神宮と浅草寺には、それぞれ300万人が集まる。ほかにも中小の寺や神社は数限りなくあるから、1000万人ほどの東京人は、計算上ほとんど全員、1つあるいは2つくらいの初詣を済ませることになる。 では、正月に日本

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