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Photo: Keisuke Tanigawa | Tacos and horchata from Mil Tacos
Photo: Keisuke Tanigawa

東京、ベストメキシコ料理&タコス店10選

2026年にオープンした渋谷の店から広尾の老舗まで、多彩なタコスを極める

George Matsuo
翻訳: Masataka Ito
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日本では、メキシコ料理を代表する一品として知られているタコス。その最初の接点は、沖縄の例がよく知られている。アメリカの統治時代に米軍によって持ち込まれたといわれ、1980年代に誕生した「タコスライス」につながっていった。

メキシコは言うまでもなくアメリカと隣接しており、テキサス州はもともとメキシコ領だった。メキシコと陸続きの同州では、「テックス・メックス」といわれるメキシコ風アメリカ料理が生まれ、北米でも親しまれてきた。「ブリトー」や「チリコンカン」「ナチョス」は、代表的な料理である。すなわち、日本でメキシコ料理と思われているものはテックス・メックスであり、日本の「メキシコ」受容は歴史的にアメリカ経由のものも多い。

他方、日本でもメキシコ本国由来の食を提供するレストランも増えてきたが、それだけが「正しい」というものではない。テックス・メックス、テックス・メックスを日本流にアレンジしたもの、メキシコ本国の伝統料理など、それぞれにそれぞれの「おいしさ」がある。当のメキシコでも、一口に「メキシコ料理」とまとめられないほど郷土色が豊かだ。

タコスを提供する店が急増し、独自の進化を遂げている昨今、タイムアウト東京の英語版編集部が東京で花開いた多彩なメキシコ料理店を厳選して紹介する。

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  • メキシコ料理
  • 東中野

2024年、東中野にオープンした「KUMA CANTINA(クマ カンティーナ)」。日本の高品質で新鮮な食材とメキシコ料理の技法・文化を組み合わせることで、新たな境地を切り開いた本格的なメキシコ料理店だ。

メキシコ・ハリスコ州の伝統的な煮込み料理「ビリア」を包み込んだ「ビリア餃子」、カニとエビに「とびっこ」や生クリームソースを乗せた「エンチラーダ・デ・マリスコス」といった目にできないメニューを提供する。しかし、「ソフリット・フリホーレス(豆ディップ)」や手打ちのトルティーヤを一度食べれば、同店が基本をしっかり押さえていることが分かるはずだ。

メキシコの食文化でも珍重される部位である牛タン(レングア)や、ソフトシェルクラブなど個性的な食材を使った定期スペシャルメニューも提供する。

週末のブランチメニューには、タコスとトルティーヤを一口大にカットして揚げて煮込んだ「チラキレス」やトルティーヤの上に目玉焼きを乗せた「ウェボス・ランチェロス」といった定番に加え、メキシコの朝食料理が揃う。また、看板デザートの「トレス・レチェス」は外せない。3種類のミルクをたっぷり染み込ませたスポンジケーキに、ブルーベリーのコンポートとトーストしたココナツをトッピングした逸品もぜひ試してほしい。

  • メキシコ料理
  • 渋谷

2025年、道玄坂に開業したタコス店。入り口には「Conquistar (コンキスタール)」と書かれ、ロゴにはオーナーの名前・加藤健から取られた「KENTACO(ケンタコ)」とあるが、店名は「タコストリート」だ。

同店は、タコスはタコスでも、メキシコの伝統的な豚肉の煮込み料理を具材にした「カルニタス」の専門店である。ロースやバラだけでなく、ガツやモツ、皮、耳など、豚のさまざまな部位を煮込んでミックスしたものを用意する。モツが苦手な人にも入門として最適で、複数の部位を合わせた肉は、食感のグラデーションがあって柔らかい。

タコスはプラスチックの袋に包まれた皿に、ライムのスライスと自家製ピクルスを添えて提供。自家製サルサソースは複数あり、キュウリ・ジンジャー・トマトガーリック・パイナップルのほか、スパイシーな炭焼きミックスがある。ただし最初の一口は、ライムを絞って塩をひとつまみするだけのシンプルな食べ方を、加藤は薦める。

28時まで営業している同店は、終電・始発前や、夜遊びの締めにもぴったりの店だろう。

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  • メキシコ料理
  • 笹塚

2022年、笹塚にオープンした「MIL TACOS(ミル タコス)」。生のブルーコーンを使った手作りのトルティーヤ、スペイン発祥の爽やかなドリンク「オルチャータ」、豊富な種類のメスカルなど、この「タケリア」(タコス食堂)が本物なことは明らかである。なぜなら、キッチンスタッフが、チョルーラ、プエブラ、メキシコシティといったメキシコ出身者だからだ。

甘く焼いたパイナップルを合わせた塩気のあるタコスの「パストール」も、コリアンダー、タマネギ、薄切りのラディッシュをたっぷり乗せた煮込み料理「カルーニタス」のタコスも、特別なことは何もない。ただ、「正しい」タコスを提供している。

メキシコの「本物」のタコスを求めるなら、同店を訪れてほしい。

  • メキシコ料理
  • 広尾

1987年から営業を続ける広尾の老舗メキシコ料理店「LA JOLLA(ラ ホイヤ)」。伝統的なスープ「ポソレ」やチョコレートを用いる「モレポブラーノ」、食用サボテンの「ノパレス」といった正統派のメキシコ料理を提供している。かわいらしい動物クリップのコートハンガーや麦わら帽子型のランプシェードも目を引くが、同店の目玉は好みを自由に組み合わせられるコンビネーションメニューである。

迷ったらまず選びたいのが、「エンチラーダ」「タコス」「ブリトー」の豪快なトリオで、ボリューム満点だ。

良いメキシコ料理店の試金石は、プレートの上の全ての要素、すなわち、ライス、うずら豆をマッシュして煮込んだ「リフライドビーンズ」とチーズなどが互いにマッチするかどうかだが、LA JOLLAは見事にそれをクリアするだろう。

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  • メキシコ料理
  • 浅草橋

蔵前の神社裏の細い路地に面した小さな公園を望む場所にたたずむ、2025年にオープンしたタパスとタコスを提供するスタイリッシュなワインバー「cloudy」。店の正面はほぼ一面ガラス張りで、店内にはゆったりとしたカウタースペースを備えたL字型のバーがある。

メニューには「ラムシャンクのスパイス煮込み」「ポークカルニタス」「チキンティンガ」「季節の魚介タコス」「季節野菜のベジタコス」と5種類のタコスが揃う。中でも群を抜いているのが、「ブルーコーントルティーヤ」にピクルスの赤タマネギ、自家製ヨーグルトサルサ、コリアンダー、ライムを乗せた「ラムシャンクのタコス」。ジューシーな逸品だ。

晴れた午後、ドリンクを片手にもう一枚タコスを食べようかと思案しながらのんびりと幸せな時間が過ごせる、そんな店である。

  • メキシコ料理
  • 渋谷

一等地にある飲食店はどうしても、観光客向けのものだったり、立地ありきであったりしないかと、厳しい目を向けてしまうことがある。しかし、渋谷の「Casa De Sarasa(カサ デ サラサ)」は話が別だ。

おすすめは、「焼きとうもろこしのエローテ」「和風牛すじの甘辛仕立て」。また、「オリジナルチキンウィングス」の骨なしの「ウィング」は、中はジューシー、外はカリカリ、そして独特の甘辛いソースがたっぷり絡んでいる。ジャンクで背徳的な一品が好みなら、試す価値があるだろう。

メニューは大皿シェアスタイルと大盛りのタコスが中心なので、大人数で訪れるのをおすすめする。

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  • メキシコ料理
  • 中目黒
  • 価格 1/4

「BAJA STYLE TACOS(バハ スタイル タコス)」は、メキシコの港町・エンセナダの海岸から小さなビーチ小屋をそのまま持ち上げて目黒川のほとりに持ってきたような店。コートハンガー代わりのスケートボードのパーツ、壁一面に貼り巡らされたステッカー、逆さまに設置されたテキーラのディスペンサーなど、さっと一口食べたい時にも、長い夜を過ごしたい時にも似合う。

同店の魚のタコスとスパイシークリームソースは必食。またブリトーは、タコベルの傑作「ビーフィー 5 レイヤー ブリトー」を数ランク引き上げたものを思わせる。「ワカモレチップ」もおすすめで、ケチらずに提供されるワカモレは、本格的な味わいが楽しめる

  • メキシコ料理
  • 恵比寿

ニューヨークでブリトーに恋をした日本人ヘアスタイリストが作り上げた店「440Broadway Taco-Shop」。帰国後はスーパーマーケットの「NATIONAL AZABU」でテックス・メックスのフードトラックを立ち上げることに情熱を注ぎ、その後恵比寿に実店舗をオープンさせた。

デリバリーフードの人気スポットになっているのも納得で、タコスはサイズも具材も言うことはない。特におすすめなのは、タコスの「FISH」とブリトーの「BEEF」だ。各種ホットソースが揃っているのもうれしい。中でも、キレのあるハーブが香るシグネチャーサルサの「ベルデ」を試してほしい。

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  • メキシコ料理
  • 下北沢
  • 価格 1/4

下北沢に位置する「テピート」は2階建ての民家をレストランに改装した店で、まるで友人の家に夕食に招かれたような気分にさせてくれる。予約が必須で、1階はテーブルが2脚だけの小さな部屋、2階にキッチンとメインの席がある。空いていれば、ぜひ2階を選ぼう。

おすすめは、食用サボテンとスモークサーモンが入った「タコス・デ・ノパレス」、エンチラーダスの「ミックス」、チョコレートを使用したほろ苦い「モレ」だ。

メニューは本格的なメキシコ料理が揃い、店の雰囲気も申し分ない。テキーラのセレクションも充実しており、飲み比べもあるので、興味のある人は試してみては。

  • メキシコ料理
  • 祐天寺
  • 価格 1/4

祐天寺と中目黒の間に位置する老舗の「JUNKADELIC(ジャンカデリック)」。店内は、メキシコで有名な祝祭「死者の日」のフィギュアや壁絵、使い込まれたジャンクショップ風の家具が独特の世界観を演出されている。

キッチンからは、テックス・メックスのカンティーナ(大衆食堂)料理に日本らしさをかけ合わせた独特の料理が生み出され、どれも外れがないだろう。

そして、夜が更けるとDJバーへと姿を変える。これこそ「東京スタイルのメキシコ料理」の真骨頂といえる。同店はそのスタイルへの揺るぎないこだわりだけでも、当リストに載る資格がある。

東京のエスニックをもっと探すなら……

東京には数え切れないほどのエスニックレストランがある。シェフの出身地や経験が料理に反映され、その奥深い世界は知れば知るほど魅力的だ。

本記事では、異国フードを偏愛し、noteで愛のポエムを添えた食レポを綴るフードライターのじょいっこと、全国各地を取材する中で数々のおいしい料理に出合ってきた旅行ライターの間庭が選りすぐった、2024年以降にオープンしたおすすめのエスニックレストランを紹介する。

  • 韓国料理

近年韓国ドラマやK-POPの世界的な流行が食文化にも波及し、韓国料理は今や日本人にとって一過性のトレンドではなく、欠かせない食の一部になっている。

本記事では、日本最大級のコリアンタウンの元地元民で「新久保オタク」として、韓国料理店を駆け巡り、SNSを通じて発信するすの妻 (@suno_tsuma_1030)と、年間を通して東京の食のトレンドを追い続けるフードライターの中村が注目店を厳選。2025年にオープンした、都内の韓国料理店を紹介する。日本にいながら海外旅行気分を満喫しよう。

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  • 台湾料理

「新大久保の食」といえばまず上げられるのは韓国グルメだが、この街の食の得意分野はそれだけではない。大久保駅方面に足を向ければガチ中華、ネパール、タイ、ベトナムなど、街に漂う香りからして異国感漂う、現地人御用達のエスニック料理店も各種揃っていて、複雑な美食地帯を形成している。

その中に今年、新大久保駅の真上という好立地に新たなガチな台湾料理が集結したゾーンが誕生した。新大久保駅の駅ビル内の3、4階にある「キムチドリアンカルダモン(K, D, C,,,)」だ。

2021年のオープン以来、店が入れ替わっていたが昨年以降、成り行きで台湾グルメの店が増えていき、2025年になってついに完全に台湾フードコートと化してしまった。フードコートとしては小ぶりだが、牛肉麵ほか小吃(軽食)各種、豆花、台灣茶いずれも本格派が、手軽に味わうことできる。味も高レベルで、下手な有名店よりガチ度は上だ。

新大久保駅の真上のこんな穴場が潜んでいることがまだあまり知られていないのは奇跡に近い。各店の主人が商売を超え、台湾の食文化の素晴らしさを伝えようと、真摯に志している点もすばらしい。新大久保の台湾美食、ぜひ試してみてほしい。

ミャンマー人オーナーによる本格的なミャンマー料理店が数多く立ち並び「リトルヤンゴン」とも呼ばれる高田馬場。近年、中国人をはじめアジアにルーツを持つ人々が相次いで故郷の料理を提供するレストランを出店しており、池袋、新大久保と並び「本場のアジア飯が食べられるエリア」として注目を集めている。

ここでは、中国から、内モンゴル、台湾、ミャンマー、ベトナム、スリランカ、ウズベキスタンまで本格アジアンフードと現地さながらの雰囲気が楽しめる店を紹介する。 東京の「ガチ中華人気」をけん引する中国グルメブロガーの1人、阿生(アション)がセレクトした「ガチアジア飯」はいずれも必見。ぜひ、まち歩きの参考にしてほしい。

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  • 中華料理

池袋、上野、西川口......。都内や近郊の「ガチ中華」が集まるエリアに必ず出店しているのが「麻辣湯(マーラータン)」の店だ。「麻」は花椒(ホアジャオ)などの痺れる辛さ、「辣」は唐辛子などのピリピリした辛さ、「湯」はスープという意味だ。この麻辣スープに自分好みの具材と麺を入れて食べる料理で、中国では牛丼のようなファーストフードとしての地位を築いている。

ここでは「ガチ中華ブーム」の立役者であるフードブロガーの阿生が、都内近郊のガチ中華エリアから、本場中国の麻辣湯を食べた気分を味わえる店など6店舗を紹介する。店によってスープの辛さや味も異なるので、ラーメン店を食べ歩くように、お気に入りの麻辣湯を見つけてみては。

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