2021年に閉店した東京のランドマーク

新型コロナの影響や、定期借地権の問題などでアイコニックな施設がクローズ

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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2021年は多くの企業にとって厳しい1年となった。緊急事態宣言や時間短縮営業の要請、飲食店における酒類提供の禁止などによって、この1年で廃業してしまった店も多い新たな商業施設が誕生する一方で、池袋丸井や三越恵比寿店などの閉店もあり、百貨店業界の売り上げ低迷が浮き彫りになった。

また、2020年に引き続き新宿や秋葉原のゲームセンターの閉店ラッシュも起こった。新型コロナウイルスの影響もあるが、若者のゲームセンター離れも要因とされている。そのほか、東京都との定期借地権の延長が認められず、大江戸温泉が閉館するなどコロナ禍に関係なくクローズした施設も少なくない。

ここでは2021年に東京から姿を消した店や施設で、特に印象的だったものを振り返りながら紹介する。

カフェ、レストラン

1. カワイイモンスターカフェ ハラジュク ※2021年1月31日閉店

Kawaii Monster Cafe | Time Out Tokyo
Kawaii Monster Cafe

「KAWAIIカルチャー」を世界に発信し続け、6% DOKIDOKIなどの店でも知られる増田セバスチャンがプロデュースを手がけるカフェ。「モンスターの胃の中」をコンセプトに作り上げられた店内は極彩色に彩られ、フォトジェニックな空間やポップでキッチュなフードが話題を集めていたが、今年頭に惜しまれながら閉店した。

しかし、残念に思うのは早い。現在はアソビシステムがブランドとして運営し、2021年11月にカワイイモンスターキッチンを大阪にオープンしている。

2. イヌア  ※2021年3月31日閉店

INUA
INUA

新型コロナの影響で2020年4月から臨時休業していたイヌア。その後も営業再開することなく3月に閉店した。同店は、出版大手のKADOKAWAのレストラン事業として2018年6月にオープン。『世界のベストレストラン50』で世界第1位に4度選ばれた伝説的なレストラン、ノーマ(noma)で活躍したトーマス・フレベルがヘッドシェフを務めていた。 

3. ロボットレストラン ※無期限休業中

ロボットレストラン
ロボットレストラン

ロボットレストランは2012年の夏、歌舞伎町に突如登場したアミューズメントスポット。新宿の「観光名所」として外国人客からも人気を集めていた。新型コロナの影響を受けて無期限休業となっていたが、4月には看板が外され解体を開始。しかし、公式ウェブサイトには臨時休業の案内が掲示されたままになっており、閉店のアナウンスはされていない。

今後、場所を移して復活してくれることに期待したい。 

百貨店、複合商業施設 

4. 東急ハンズ池袋店 ※2021年10月31日閉店

 

1984年のオープン以来地元の人から愛用されてきた池袋の東急ハンズ。緊急事態宣言発令で売り上げの減少や、建物の老朽化が原因で閉店した。営業終了はコロナ禍よりも前から計画されており、建物の老朽化などを理由としている。なお、8階にあった猫と触れ合えるねこぶくろは、ナンジャタウンに移転。

また、同エリアにある1952年開業の池袋丸井も8月に44年の歴史に幕を下ろした。

5. 恵比寿三越 ※2021年2月28日閉館

恵比寿ガーデンプレイス内の三越恵比寿店は、2月で営業終了となった。新型コロナウイルスで客足が遠のいたことや、近隣の商業施設との競争により販売業績が伸び悩んでいたことが原因だという。 

アパレルショップ

6. ウォール 原宿店 ※2021年7月27日閉店

ラフォーレ原宿1階に入居していたセレクトショップ、ウォール原宿店は、7月に閉店。アッシュ・ペー・フランスが手がける同店は、2008年にオープンし「東京」をコンセプトに、国内外の若手のデザイナーによるエッジーなアイテムを展開していた。閉店理由は非公開で、大阪店は営業を続ける。

7. バーニーズニューヨーク新宿 ※2021年2月28日閉館

バーニーズ ニューヨーク新宿店
バーニーズ ニューヨーク新宿店

1923年にマンハッタンに最初の店舗を開業し、97年間営業していたバーニーズニューヨーク。アメリカでは全店舗が2020年2月にクローズ。日本1号店として1990年にオープンした新宿店も、多くの人に惜しまれながら2月に閉店している。新型コロナウイルスの影響などを受け、売上が減少していたことが理由のようだ。銀座と横浜、御殿場、神戸は引き続き営業を続ける。

ゲームセンター

8. タイトーステーション新宿西口店 ※2021年3月21日閉店

Taito Station Shinjuku Nishiguchi
Photo: twitter.com/taito_shinjuk_w

新宿を代表するゲームセンターの一つとして知られるタイトーステーション新宿西口店は3月に閉店ゲームセンターの数は近年減少傾向にあり、新型コロナの打撃もあるが若者の「ゲームセンター離れ」も事業難航の理由のようだ。なお、アニメ『デュラララ!!』にも登場した池袋のランドマーク、シルクハット池袋店も1月に閉店している。

映画館、リラクゼーション施設

9. アップリンク渋谷 ※2021年5月20日閉館

アップリンク渋谷

音楽やアートにゆかりのある作品を多く上映してきたミニシアターは、昨年から続く新型コロナウイルスの影響で限界を超える状態に追い込まれ5月に閉館。アップリンクは1995年に「アップリンク・ファクトリー」という名で、イベントスペースとしてオープン。アレハンドロ・ホドロフスキーの『エンドレス・ポエトリー』や、グザヴィエ・ドランの『トム・アット・ザ・ファーム』などの配給も手がけてきた。アップリンク吉祥寺とアップリンク京都は引き続き運営する。 

10. 東京お台場 大江戸温泉物語 ※2021年9月5日閉館

Oedo Onsen Monogatari
Photo: Oedo Onsen Monogatari

江戸情緒の中でゆったりと温泉を楽しめる名所も9月で営業を終了している。閉館理由は、東京都との借地契約延長が認められなかったためだ。2003年3月の開業以来、年間約100万人の来館者が利用する国内有数のリラクゼーション施設だった。 

今後閉店するショップや施設

TeamLab Forest of Resonating Lamps

残念なことに、2022年にも東京のアイコニックな施設やショップの閉店が予定されている。新木場のスタジオコーストと大型ナイトクラブのアゲハは、借地契約満了に伴い2022年1月をもって営業を終了。

また、お台場パレットタウンの事業終了を受けて、2022年1月1日(土)にゼップ東京、3月27日(日)にヴィーナスフォートがそれぞれ閉館する。お台場のランドマークだったパレットタウン大観覧車も8月31日(水)に営業終了の予定だ。チームラボボーダレスは現行の施設での営業を8月31日(水)に終了するが、2023年には東京都心部に新たなミュージアムを開館する。 

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