1. 学士会館
    画像提供;学士会館
  2. ホテル雅叙園東京
    画像提供:ホテル雅叙園東京百段階段「漁樵の間」
  3. ホテルニューグランド
    画像提供:ホテルニューグランドロビー
  4. 東京ステーションホテル
    画像提供:東京ステーションホテル

東京、文化財ホテル5選

丸の内、神保町、荻窪、目黒、横浜の名建築の宿に泊まる

編集:
Genya Aoki
寄稿:
Nahoko Matsumoto
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後世に伝えるために、法律によって保護されている文化財。国や地方自治体が登録する有形文化財は建造物だけでも2万5000件を超える。じつは、この中には泊まれる文化財もある。

ここでは、東京都の文化財に指定されている宿やホテル、横浜市認定歴史的建造物となったホテルなどを紹介しよう。情緒あふれる名建築の中にゆったりと身を置き、悠久の時を感じてみてほしい。

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  • ホテル
  • 高級ホテル
  • 丸の内

東京の玄関口として1914年に開業した東京駅。翌年、国内外の賓客を迎える宿泊施設として、東京駅丸の内駅舎内に「東京ステーションホテル」が誕生した。設計は日本における西洋建築のパイオニアとして知られる辰野金吾。3階建ての赤レンガ造りの壮麗な建築は当時話題を呼び、開業当初から連日満室という盛況であった。

戦争により駅舎の3階部分やドームが消失。約60年以上2階建てとなっていたが、2003年に国の重要文化財に指定されたことで、2007年より保存・復原工事がスタート。2012年に創建当時の姿が蘇った。

英国のデザイン会社、リッチモンド・インターナショナル社が手がけた館内は、上質なヨーロピアンクラシック調。全150室の客室は、南北の駅舎ドームを望む「ドームサイド」や開放感あふれる駅前広場を眺められる「パレスビュー」など11のタイプだ。

数々の文豪に愛されたホテルとしても知られ、松本清張の「点と線」をはじめ多くの作中の舞台となった。歴史が詰まった空間に浸り、小説の主人公気分を味わうのも悪くないだろう。

  • レストラン
  • 神保町

旧帝国大学出身者による同窓団体「学士会」の交流の場として使われてきた施設。1913年に初代となる木造2階建ての建物が創建されたが、大火によって焼失。その後も再建と焼失を繰り返し、1928年に現在の旧館が建設された。

設計は「日本橋高島屋」や「帝国ホテル」の設計者として知られる建築家の高橋貞太郎だ。関東大震災の教訓が生かされており、当時では珍しい鉄骨鉄筋コンクリート造りを採用。南側玄関の半円大アーチやスクラッチタイルなど、昭和初期を象徴する装飾が会館各所に取り入れられている。

2・26事件の際には、第14師団東京警備隊司令部が設置され、戦中には会館の一部が空襲の被害を受けた。さらに戦後はGHQに接収され、米軍高級将校の宿舎として使用されるなど、激動の時代を歩んできた建物でもある。

2003年には国の有形文化財に登録。かつては「学士会」会員専用の施設であったが、現在では会員以外でもホテルやレストラン、宴会や婚礼などの利用ができる。在りし日のレトロモダンな趣を存分に堪能してほしい。

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  • ホテル
  • 旅館
  • 荻窪

JR荻窪駅から徒歩6分ほど、閑静な住宅街にひっそり佇む旅館。本館は1931年に建てられ、その7年後に青銅のドーム屋根を持つ新館が増築された。かつては高級下宿「西郊ロッヂング」として運営されており、当時では珍しい完全洋間で、部屋ごとにベッドやマントルピースにガスストーブ、室内電話が備えられていた。

今でこそ活気に満ちた荻窪だが、当時は松林や田畑が広がり、別荘地として政治家や軍人から好まれていた。屋号の「西郊」には、東京の西の郊外という意味が込められているという。

1948年に割烹旅館として営業を開始。本館は和室に全面改装され、「旅館西郊本館」としてリニューアルした。素泊まりなら7,000円(税込み)から宿泊できる。大規模な改装は行われておらず、丸窓や波打つガラス窓など昭和の面影が随所に残る。

新館は2000年に客室改装を経て、賃貸アパートメントに生まれ変わった。本館・新館とも2009年に国の登録有形文化財に指定された。レトロな建築好きからも人気を博している。

  • ホテル
  • 目黒

日本初の総合結婚式場として人気の高い「ホテル雅叙園東京」。豪華けんらんな装いから「昭和の竜宮城」とも称されてきた。2017年にホテルとしてリブランディングし、全60の客室をスイートルームにリノベーション。最上階には宿泊客専用で、ウエルカムサービスの抹茶の提供やバータイムが楽しめるエグゼクティブラウンジが新設された。

ルーツは1928年に芝浦で創業した日本料亭「芝浦雅叙園」。より多くの人に料理を楽しんでもらいたいと1931年、目黒へ移転し「目黒雅叙園」が誕生した。

見どころは1935年に作られた、東京都指定有形文化財「百段階段」だ。同ホテルで唯一現存する木造建築で、99段の階段廊下がかつて宴が行われていた7部屋をつなぐ。

純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられた室内を彩色木彫と日本画が囲む「漁樵の間」や、黒漆の螺鈿細工が施された「十畝の間」など、部屋ごとに異なる美意識と趣向が感じられる。

文化財「百段階段」は企画展開催時のみ一般公開される。企画によっては専任スタッフによるガイドツアーやギャラリートークなどが開催。参加すればより意匠を堪能できるだろう。

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  • ホテル
  • 横浜

開国以来、海外との玄関口として栄えた横浜。異文化をいち早く取り入れ、港近くには数々の名建築が誕生したが、そのほとんどは関東大震災でがれきとなってしまった。

復興のシンボルとして横浜市と民間の共同で建設されたのが、日本有数のクラシックホテル「ホテルニューグランド」で、1927年に開業した。設計は、のちに「銀座和光」「東京国立博物館」を手がけた建築家の渡辺仁が担当している。

本館の外観は重厚さとアール・デコ調の曲線が織りなす気品ある佇まい。2階ロビーへ続くのは、マッカーサーやチャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースなど多くの著名人が上がった大階段。横浜の海を思わせる青い絨毯と東洋の装飾の調和が見事だ。

1992年には横浜市の認定歴史的建造物となり、2007年には経済産業省の近代化産業遺産に認定された。洋食の定番であるナポリタンやプリン・ア・ラ・モード、シーフードドリアの発祥としても名を馳せる。受け継がれる伝統に身を委ね、ノスタルジックなひと時を過ごしたい。

もっと美しいホテルが知りたいなら……

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ホテルは自分一人ではなく、これまでに泊まってきた人々の記憶や記録をとどめているものだ。それが著名な人物であれば、ホテル自体が歴史の生き証人としてみなされることもあるだろう。

今回は東京都を中心にして、美食で知られる池波正太郎、新婚旅行で来日したマリリン・モンロー、映画人で没するまでホテル暮らしを続けた淀川長治らが愛したホテルを紹介する。

  • ホテル

ラグジュアリーな外資系から、日本の老舗まで、泊まるホテルには事欠かない東京だが、意外と少ないのが和風の旅館だ。

温かいホスピタリティが受けられる旅館は海外からの観光客にも人気だが、洋式のホテルに慣れた日本人にも、日本の伝統的な宿泊体験は新鮮に感じられるかもしれない。ここでは、民家を利用したアットホームなものから明治から続く老舗まで、タイムアウト東京がおすすめする東京の和風旅館12軒を紹介する。

 

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旅先の宿泊施設は、荷物の一時保管や休息するための場所にすぎない。しかし旅そのものであり、日常のストレスから解放されてリラックスでき、その地域を体験する場所でもある。

ここでは、旅の目的にぴったりな快適な日本のホテルやリゾート地を紹介。山奥のモダンなホテルから天然温泉のある伝統的な旅館までそろっている。これらの施設は、次の旅行計画のハイライトになるだろう。

  • トラベル

 

世界にここだけにしかない場所、世界遺産の風景に溶け込みたい。そんな夢をかなえる特別な宿をリストアップ。寺に泊まれる宿坊での朝のお勤めや写経を入門、大自然に囲まれ動物たちの生態を観察するなど、バーチャルでは体感できない学びや冒険を味わおう。素泊まりで100万円という驚くべき宿坊や、歴史ある寺社に囲まれたスモールラグジュアリーリゾートなど、スペシャルな空間も多く、自分史上の記憶に残る旅となるだろう。

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