東京都庭園美術館
Photo:Kisa Toyoshima | 東京都庭園美術館 本館 外観
Photo:Kisa Toyoshima

白金でしかできない11のこと

庭園美術館やファンタジーなスイーツ、和食の名店など

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高級住宅地として名高い白金。その白金の象徴ともいえる「プラチナ通り」には、洗練された店が軒を連ねる。住人たちに愛される老舗から、近年オープンした、スタイリッシュな店まで、散策するたびに新たな発見がある白金は、緑も多く、目的がなく歩くのも楽しい。

東京メトロ南北線と都営三田線の分岐駅でもある「白金高輪駅」は、2030年代半ばの完成を目指し、品川方面への延伸計画も進行中だ。1万坪の広大な庭園を誇り、大小さまざまな宴会場を擁する「八芳園」は、現在、本館の全面リニューアル中で、10月には再オープンを迎える。

これからも進化を続ける白金。この地だからこそ体験できる魅力を厳選して紹介する。

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  • 広尾

ジェルメイ

白金北里通りから一本入った場所にある、アシェットデセールの専門店「ジェルメイ(Germei)」。完全予約制で、極上の旬のフルーツを使ったスイーツのコース(1万8,700円、以下全て税込み)を提供している。

オープンは2024年9月。カウンター6席のみの客室は2階にあり、人間よりも大きなクマのぬいぐるみがゲストを出迎える。コースの内容は季節ごとに変わり、9品で構成。これに、数種類の茶のティーペアリングが付く。

シェフパティシエを務めるのは、1997年生まれの横石芽映。調理は厨房(ちゅうぼう)で、仕上げはゲストの目の前で行う。味わいの緩急がしっかりついたコースはおいしさはもちろん、プレゼンテーションにもこだわり、どれもこれも写真に収めたくなる美しさだ。「コースの最後までおいしく召し上がっていただけるように糖分や脂質、水分量は特に注意しています」と、バランスも大切にしている。

コース序盤に提供される季節のフルーツを使ったショートケーキは、同店のシグネチャーの一つ。ゲストの来店に合わせて焼き上げる温かいスポンジ生地に、目の前で軽やかな生クリームや旬のフルーツを盛り付ける。温度や食感など、 その場で食べてもらうからこそできることを積極的に行っている。

後半には、口直しとして「フライドポテト」が登場。愛らしいクマの器にフライドポテトが1つ乗っている様子がかわいい。じっくりゆでたジャガイモを冷凍させてから揚げ、最後にエシャロットパウダーで味付けする。中はホクホク、外はカリッと感があり、おかわりをしたくなるだろう。

フィナーレを飾るのはミニャルディーズ。白味噌のフィナンシェや焼きたてのカヌレなど、数種類の小菓子を用い、その月ごとの世界観を作り上げている。

毎月訪れる男性のひとり客も多いとか。おいしくかわいく美しい世界で繰り広げられるスイーツのコースで楽しむ非日常、癖になりそうだ。

  • 白金

アティ

2023年11月にオープンした、白金高輪駅から徒歩3分の場所にワンオペのイノベーティブ多国籍レストラン「アティ(atti)」。シェフとの会話が楽しめるライブ感のあるカウンター、6席あるハイチェアのオープンキッチンのカウンターのほか、大きなテーブルを中央に据えた半個室がある。

オーナーシェフは、赤羽橋のフレンチ赤羽橋のフレンチ「タワシタ(Tower Shita)」でスーシェフ、代官山のビストロ「アタ(Äta)」でシェフを務め、さらに広尾「オード(Ode)」などで研さんを積んだ、松野敦。「ほかの店で出しているような料理も出しません。ここでしか食べられない料理を提供したいと考えています」と語る。作ることができるものはすべて自家製。以前いた店のレシピや料理は出さない。

メニューは昼夜ともにコースのみで、ワインのペアリングも松野自身がセレクトする。ドイツ、スイス、オーストリアのものを使うことが多いが、「国や銘柄にこだわらず、自分がおいしいと思ったものを選んでいる」。この日は、春のコース料理の一部から2皿を撮影した。

前菜は、北海道産の殻付きホタテを刺し身。コンブ塩と、福耳(東北地方の唐辛子)で作ったアチャール(南アジアのピクルス)に、山梨県産のキウイフルーツを発酵させたソースと合わせている。ホタテの卵巣はカラスミにして提供。一皿にさまざまな国、地方の食文化が凝縮した、同店の真骨頂といえる一皿だ。

メインは、猟師から直接仕入れたエゾシカのモモ肉に、切り干し大根を赤タマネギやパクチーなどで和えたアチャールを添える。このアチャールが、松野も大好きだという。野菜は8割程度は無農薬のものを使っており、自身で持つ畑で作ったものも使用している。

サスティナビリティにもこだわり、店にも自宅にもコンポストを置いて、生産者にも還元する仕組みづくりにも取り組んでいる。端材は野菜のだしを取るのに使用するほか、乾燥させて「野菜パウダー」としてパンに混ぜ込むこともある。

独創性の高いコースが楽しめる同店。ワインとの邂逅(かいこう)を含め、おいしい時間に身を委ねたい。

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  • イタリア料理
  • 白金
  • 価格 2/4

タランテッラ ダ ルイジ

本格的なナポリ郷土料理とピッツァを堪能できるイタリアンレストラン「タランテッラ ダ ルイジ(TARANTELLA da luigi)」。シェフの寺床雄一は、ナポリの有名なピッツァ職人やミシュラン三つ星店で約7年半研さんを積んだ。

看板メニューは、なんといってもイタリアの窯職人が手がけた薪窯(まきがま)で職人が一枚一枚焼き上げるナポリピッツァ。薪の香りをまとい、外はサク、中はもっちり。約60種類を誇るピッツァをはじめ、素材の味を最大限に引き出した前菜や南イタリアの郷土料理を目当てに長年、足を運ぶファンも多い。イタリア全土から選び抜いたワインのセレクションも見逃せない。

「伝統的なイタリアと、新しいイタリア」の両方を感じることができる珠玉のイタリア料理は、テイクアウトでも楽しめる。

食器、タイルなどもイタリアでオーダーしたものや、買い付けたものが多い。足を踏み入れた瞬間、ナポリの陽気な雰囲気に包まれるだろう。白金高輪駅から徒歩5分のナポリに、足を運んでみては。

  • ショッピング
  • 食料品店
  • 白金

ドロゲリア サンクリッカ

日本ではまだ知られていないイタリアの味と食材を紹介する食料雑貨店「ドロゲリア サンクリッカ(Drogheria Sancricca)」。店内はイタリアから買い付けた照明や床のタイル、インテリアで統一され、白金高輪駅から徒歩5分足らずの場所で本場の空気感を味わえる。

パスタやオリーブオイル、バルサミコ酢など、イタリアの生産者から直接仕入れたこだわりの品が並ぶ。星付きレストランでも使用される高品質で無添加の食材も魅力だ。

併設するカフェで外せないのは、ローマ発祥の人気スイーツ「マリトッツォ ドルチェ」(700円、税込み)。同店のマリトッツォは、オーナーのマッテオ・サンクリッカ(Matteo Sancricca)の故郷・マルケ州伝統のボート型だ。最高級オリーブオイルを練り込んだしっとりふんわり食感の生地に、ピエモンテ産のヘーゼルナッツチョコクリームと、ホワイトチョコを忍ばせた特別な生クリームをたっぷりと挟み込んだ。

8時から提供しているモーニングセットも人気。マリトッツォや軽食とともに、芳醇(ほうじゅん)な香りのエスプレッソコーヒーを味わいたい。

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  • ショッピング
  • 白金台

ビオトープ

2010年に、「アダム エ ロぺ(ADAM ET ROPÉ)」の白金本店のリニューアルを機に誕生した「ビオトープ(BIOTOP)」。ファッションにとどまらず、化粧品から植物、食料品まで、全方面からライフスタイルを提案するセレクトショップの先駆けともいえる店だ。中庭にはクスノキのツリーハウスがそびえ、ランドマークにもなっている。

3フロアで構成される店内には、「フミカウチダ(FUMIKA_UCHIDA)」「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」「ルメール(LEMAIRE)」など、世界中から集められたトップメゾンや注目ブランドが店を構える。さらに、ナチュラルコスメや生活雑貨などライフスタイルを豊かにするアイテムが並ぶ。

1階には、都心に暮らす人々のガーデニングをコンセプトに、植物やガーデニング、ボタニカルアイテムを取り揃える「ビオトープ ナーセリーズ(Biotop Nurseries)」が入居。3階には、緑を眺めながらゆったりと過ごせるカフェレストランもある。

  • 白金台

プラネタリウムBAR

プラチナ通りでひときわ目を引く、流線的のビル。浅草の金色のオブジェで知られる「アサヒビール本社フラムドール」を手掛けた、フィリップ・スタルクがデザインした建築物だ。「プラネタリウムBAR」はその5階に位置する。

2004年、世界初のプラネタリウムとバーが融合したバーとしてオープン後、プラネタリウムの性能は、パワーアップの一途。プラネタリウムクリエイターの大平貴之が手がけた「メガスターゼロ」「メガスタークラス」、そして、2022年5月にた8Kレーザープロジェクターを使用したプラネタリウム「8Kレーザーデジタルプラネタリウム」を導入し、ドーム型スクリーンに鮮明なプラネタリウム映像を映し出す。

その満点の星空のもと、誕生星座をイメージした「12星座カクテル」(各1,100円)などドリンクやフードを提供。JAXAのために開発された「宇宙食のカレー」(1,100円)など、同店ならではのラインナップが楽しい。1回につき550円(5分)で希望の日時の星空を再現するサービスもあり、記念日や誕生日といった大切な日の思い出づくりにもおすすめだ。

横並びのソファ席が多く、デートにうってつけだが、女性同士やひとり客の姿も。都会の真ん中で、ロマンチックな夜を過ごしたいなら、最高の選択肢になるはずだ。

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  • ショッピング
  • 白金台

雨晴

プラチナ通りにたたずむ、日本の工芸品を扱うコンセプトショップ「雨晴(AMAHARE)」。店名は、同店のコンセプト「雨の日も晴れの日も心からくつろげるくらし」に由来する。

店内には、北は北海道から南は沖縄まで約30~40人の現代作家の作品がラインアップ。日々の食卓を彩る器を中心に、カトラリー・酒器・花器など約600点ものアイテムが並ぶ。いずれも主人の金子憲一が日本各地の作り手を訪ね、その土地の風土や文化から生まれたものや、作り手の個性が際立つものなどを、独自の目利きと選定基準でセレクトしたものだ。

空間デザインは、デザインユニット「トネリコ」が担当。器が引き立つヒバ材の什器(じゅうき)や、外と中を曖昧につなぐ現代的な縁側は同店ならではのしつらえ。季節や自然を感じさせるディスプレーにもこだわりがある。

店舗前のスペースでは、不定期で企画展やワークショップも開催。器を通じて新たな暮らしのヒントと出合える場を提供している。

  • 台湾料理
  • 白金台

楽衆軒

れんが造りの建物が目を引く台湾料理店「楽衆軒」。台湾出身の2代目の大将が腕を振るう。白金台で創業し、目黒通りの拡張により現在の建物に移転した。もともとは出前中心の中華料理店だったが、移転に伴って台湾料理のメニューが増えていき、現在の形態になった。

1階にはカウンターとテーブル席、2階にはテーブル席があり、一人でも気軽に足を運べる。この辺りには単身者向けのマンションが多く、仕事帰りに立ち寄る客も多い。デザートが付いた週替わりのランチメニューも人気で、カウンターで昼から機嫌よく一杯飲んでいる常連客もいる。

青森県小川原湖産のシジミを使った「蜆正油漬(シジミの醤油漬)」(1,100円、以下全て税込み)や、マコモダケや黄ニラなど台湾の旬の野菜を使った料理も充実。「大根もち」(825円)や「角煮」(3個660円)も手作業で成形する。

「酢豚」(1,760円)はヒレ肉を使用するのがこだわり。野菜たっぷりで、生ニンニクを使わずに作るジューシーな「焼餃子」(6個660円)を目当てに来店する人も少なくない。自家製のラー油も癖になる。

大将と、娘2人を中心とした家族経営。アットホームな雰囲気の中、こだわりの台湾料理で心と胃袋を満たそう。

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  • アート
  • 白金台

東京都庭園美術館

1933年に建てられたこのアールデコ様式の邸宅は、かつては朝香宮殿下と、その后(きさき)であり明治天皇の第八皇女である允子内親王の住居だった。夫妻は、1920年代のパリでアールデコと呼ばれる装飾様式に触れ、帰国後に朝香宮邸を建てた。

大広間や大食堂など、主要な部屋の内装はアンリ・ラパンの手によるもので、玄関のガラスレリーフ扉などはルネ・ラリックのデザイン。建築そのものは宮内省内匠寮の技師である権藤要吉が担当、設計した。館内で行われる展覧会では、作品だけでなく、それらと室内空間の調和を楽しむことができる。

2014年11月に改築された新館には、ホワイトキューブの展示空間が備わり、映像や音楽、パフォーミングアーツなど、より多様で分野横断的な表現の舞台となった。オリジナルグッズを提供するミュージアムショップやカフェも併設されている。

  • 日本料理
  • 白金

福わうち

深夜まで本格的な和食が食べられる店として、2002年のオープン当時その名をとどろかせた「福わうち」。コロナ禍で営業を23時までに変更し、現在に至る。

店主・三宮昌幸が「肉じゃが」(1,300円、以下全て税込み)、「塩むすび」(500円)、「とんかつ」(2,800円)などのさまざまな名物を提供。また、多くの常連客が目当てにしているのは、確かな目利きによる旬の魚介と、遊び心が光る料理たちだ。長年通い続ける常連客の中には、著名人や飲食関係者も多い。

三宮を筆頭に、店員は丸刈り。今時珍しいが、そこはかとなく漂う、温かい中にも凛(りん)とした空気感も悪くない。店員に尋ねたところ、髪形は強制ではないそうだ。

ランチタイムも人気で、営業終了の13時30分まで客足が途絶えることはない。サクサクふわふわの「あじフライ」、鶏肉にだしをたっぷりしみ込ませた「だしかつ」、店主の出身でもある大分名物の「とり天」(各1,760円)と魅惑のラインアップ。「筑前煮」(1,980円)や「和牛肉じゃが」(2,420円)なども気になるところだ。

ご飯の量が、100~300グラムから選べるのもうれしい。全てのメニューに付く茶わん蒸しは、ディナータイムで使っているだしを使っている。これ一品で、同店の質の高さを実感できるだろう。

なお、同店のすぐ目の前には、姉妹店の焼き鳥店「鬼わそと」がある。

もっとお出かけしたいなら……

  • Things to do

せっかくの休みに雨という時もあるだろう。そんな日でも東京には楽しめるインドアスポットがたくさんある。ここでは、「無料」で入場できる大人でも楽しめるスポットを紹介する。

現代アートを鑑賞したり、富士山や夜景を眺めたり、または、体験型施設や天文台で知識を高めたりと、都内でも無料で楽しめることはたくさんある。ふらりと立ち寄ってみては。

  • Things to do

「全国で2番目に小さい市」として知られる狛江市。徒歩で一周できるほどのコンパクトシティだからこそ、お店同士のつながりや地域の人々の交流が深いのが特徴だ。

また、「狛江フェスティバル」や「地べた音楽祭」などの音楽イベントが開催されるなど、音楽を愛する市民性も魅力の一つ。

南西には多摩川が流れ、川沿いでテイクアウトした食事を楽しむのもおすすめ。のどかな狛江の風景に癒されながら、ゆったりとした時間を過ごしてみては。

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  • Things to do

下町情緒たっぷりの亀有。国民的な人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、こち亀)の舞台として知られ、街の数カ所にある両津勘吉(以下、両さん)の銅像と記念撮影したり、漫画内に登場するゆかりの地を巡ったりと、こち亀の世界を体感できる場所が豊富にある。

また、2024年には高架下に最新アートスポット「スクワット 亀有アートセンター(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」(以下、SKAC)が誕生し、カルチャー面も盛り上がりを見せている。多くの人でにぎわう商店街「ゆうろーど」でグルメを楽しんだり、地元客に人気のバーをハシゴしたりするのもいいだろう。

多方面で活気づく亀有でしかできないことを5つ厳選して紹介したい。

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