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「アートトイ展示ゾーン」上海、台北、香港、パリで開催された展覧会の様子。 | 「MONSTERS BY MONSTERS: NOW AND THEN」
「アートトイ展示ゾーン」上海、台北、香港、パリで開催された展覧会の様子。

東京、6月に行くべきアート展5選

ピカソとポール・スミス、杉本博司、エットレ・ソットサスなど

Chikaru Yoshioka
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6月の東京では、異なる時間や感覚を行き来するような展覧会が揃う。

「国立新美術館」でピカソとポール・スミスが出会い、色と遊び心が空間ごと再構成される。また、「杉本博司 絶滅写真」展では、1970年代の初期作から最新まで、銀塩写真が静かに時間を積み重ねる。

さらに、LABUBU」で知られるカシン・ロンによるキャラクターシリーズ10周年記念展では、ポップで不思議な世界観が空間を埋め尽くす。

ジャンルも時代も軽やかに横断しながら、視線の奥に新しい感覚を差し込もう。

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「国立新美術館」で、「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」展が開催。「パリ国立ピカソ美術館」が所蔵するパブロ・ピカソ(Pablo Picasso, 18811973年)の作品に着想を得て、伝統的な仕立てと遊び心あふれる色使いで知られるイギリス人デザイナー、ポール・スミス(Paul Smith)が会場構成を手がける。

会場空間は、色彩や壁紙、装飾、パターンに至るまでスミスの感性によって構成され、彼のファッションデザイン同様、遊び心と鮮やかさに満ちている。展示では、ピカソの初期「青の時代」を代表する『男の肖像』から『アルルカンに扮したパウロ』まで、約80点の作品を時系列に沿って紹介する。

本展は、2023年にパリで開催されたピカソ没後50周年記念展「Picasso Celebration: The Collection In a New Light!」を基にした国際巡回展だ。異分野が融合するかつてない試みを目撃してほしい。

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「東京国立近代美術館」で、現代美術作家の杉本博司による「杉本博司 絶滅写真」が開催。杉本の1970年代後半の初期から現在に至る、「銀塩写真」約60点を展観する。

杉本は「小田原文化財団 江之浦測候所」を手がけるなど建築分野でも活躍し、古典芸能をはじめとした舞台演出では国内はもちろん、ヨーロッパ各地やニューヨークにも進出している。さらに、書・陶芸・和歌・料理へと活動領域を広げ、多彩な表現を展開してきた。

そんな杉本の表現の原点は銀塩写真にある。確固たるコンセプトに基づく作品は、デジタル化が進んだ現代では銀塩技術の頂点を極めるものであり、その技法自体が今や「絶滅危惧」といえる。

本展では、全13のシリーズを3章構成で紹介。初期3部作の『ジオラマ』『劇場』『海景』をはじめ、『建築』『スタイアライズド・スカルプチャー』など各シリーズから新作も初公開される予定だ。

デビュー作として知られる『ジオラマ』では、『ポコット族』などの新作を加えた構成によって、1976年のシリーズ誕生時から秘かに構想されてきた人類史を巡る深淵な物語が、約半世紀を経て初めて提示される。また、1970年代半ば以降に記録が始まった、写真作品の制作過程における撮影時や暗室作業の覚書「スギモトノート」と、同館所蔵の杉本作品全点を、所蔵品ギャラリー3階でサテライト展示する。

タイトルでもある「絶滅写真」は、銀塩写真というメディアの終息と自らの作家活動の終幕を見すえて浮上したテーマだが、本展が示す絶滅のビジョンはそれだけにとどまらない。一体何が絶滅しようとしているのか。写真表現を拡張・深化してきた杉本の創作世界を俯瞰(ふかん)する本展で、絶滅という通奏低音に注目してほしい。

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「アーティゾン美術館」で、20世紀のイタリアデザインを代表する巨匠、エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass19172007年)の展覧会「エットレ・ソットサス魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」が開催。日本初となる大規模回顧展として、初期から晩年までの約100点を一挙に紹介するほか、倉俣史朗やミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)ら盟友の作品も併せて展示される。

ソットサスは1950年代以降、オリヴェッティ社やポルトロノーヴァ社で数々の名作を手がけ、1981年には国際的デザイン集団「メンフィス」を結成。ポストモダンと評される革新的なデザインで、一世を風靡(ふうび)する。

彼は過度な合理性の追求に疑問を投げかけ、人々の生活に自由で生き生きとした感性を取り戻すことを目指した。古代から現代までの東西の芸術や文学に親しみ、同時代の社会や政治にも鋭い視線を向けながら、現代人の喜びに満ちた人生に必要なデザインを探求。本展では、その思想と実践に迫る。

会場では、家具、セラミック、機器類、ガラス、写真、ドローイングなど、多彩なジャンルにわたる作品と関連資料が並ぶ。創意に満ちたデザインの数々を堪能したい。

なお、本展の鑑賞料金で、同時開催の展覧会「瀧口修造 書くことと描くこと」も鑑賞できる。

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「麻布台ヒルズ ギャラリー」で、アーティストのカシン・ロン(Kasing Lung)によるキャラクターシリーズ誕生10周年を記念した展覧会「MONSTERS BY MONSTERS: NOW AND THEN」が開催。世界観の体験展示に加え、歴代フィギュアや原画コレクションを公開する。

世界的に人気を集めるキャラクター「LABUBU(ラブブ)」は、ロンが手がけた3部構成の絵本『THE MONSTERS TRILOGYThe Story of Puca』『Pato and the Girl』『Miró’s Requiem』にそのルーツを持つ。幼少期にオランダへ移住したロンは、ヨーロッパ各地の妖精物語や民間伝承に触れながら想像力を育み、そこから生まれたキャラクター群を通して独自の世界観を構築してきた。

本展では、その物語世界における現実と幻想の交差をテーマに空間全体を構成。初公開となる没入型映像シアターでは、第1章のアニメーションを5面のプロジェクションと立体音響によって体験できる。

また、8つのエリアで構成の「魔法の森」では、油彩画や立体作品を通して、ロンとLABUBUたちの10年の歩みをたどっていく。「体験エリア」では、妖精の小屋を模した空間にキャラクターのぬいぐるみが並び、フォトジェニックな演出が展開される。

さらに「ミラールーム」では、鏡面反射によって無限に広がるアートの宇宙が構築され、幻想的な体験が広がる。そのほか、近年、創作の軸を絵画へと移しているロンの原画のコレクションも並び、キャラクターの誕生の過程を体感できるとともに、アーティストの原点に触れられる。

ショップエリアでは、限定グッズも販売(抽選)し、地下1階では期間限定ポップアップもオープンするのでチェックしてほしい。

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「ポーラ美術館」で、印象派を代表する巨匠、クロード・モネ(Claude Monet、18401926年)の没後100年および同館の開館25周年を記念した大規模展覧会が開催。アジアでも随一の質と量を誇る同館の「モネ・コレクション」19点を一挙公開するほか、国内外18組の現代作家による作品を通じて、新たな視点と創造的な対話を提示する。

ポーラ美術館が収蔵するモネの作品群は、セーヌ河の水辺やサン=ラザール駅、行楽地や海辺、ロンドンやベネチアの連作、そして「睡蓮」シリーズに至るまで、初期から晩年にかけての重要な作品を網羅している。

本展では、写実的な筆致の作品から、光と色彩と対象が溶け合う後期の表現まで、モネの画業の変遷を一望できる。また、その革新的な表現や主題と響き合う現代アート作品を、美術史的な比較にとどめず、創造的な対話として構成する。

ルーカス・アルーダ(Lucas Arruda)、ノエミ・グダル(Noémie Goudal)、今坂庸二朗、ダニエル・スティーグマン・マングラネ(Daniel Steegmann Mangrané)など国際的に注目される作家に加え、本展のために制作されたモネをテーマとする新作も紹介。さらに、フェリックス・ゴンザレス=トレス(Felix Gonzalez-Torres)、ロニ・ホーン(Roni Horn)、スーメイ・ツェ(Sumei Tse)らによる、モネの絵画と響き合う新収蔵作品を初公開する。

展示は美術館の展示室だけでなく、ロビーから周囲の森までを大胆に活用。モネと現代作家の視点が交錯する場として、モネ作品の新たな鑑賞体験をじっくりと堪能してほしい。

東京のアート展なら……

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