JEFF KONNS PAINTINGS AND BANALITY – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION
© Jeff Koons / Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris / Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
© Jeff Koons / Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris / Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

大阪、4月から5月に行くべきアート展

街を歩けばインスピレーションが生まれる、関西のアートシーン

Chikaru Yoshioka
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関西の街が創造のエネルギーに包まれる季節。各地で個性豊かな展覧会やアートイベントが開催され、古典から現代まで多彩な表現が交錯する。思いがけない作品との出合いが、新たな視点をもたらしてくれるだろう。

ふらりと立ち寄れば、日常が少し特別な時間に変わるはずだ。

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  • アート

長らくヨーロッパの個人が所蔵していた伊藤若冲の『果蔬図巻』が、2023年にその存在を確認され、日本へと里帰りを果たした。現在は「福田美術館」のコレクションに加わり、大きな注目を集めている。

同館で開催される「若冲にトリハダ! 野菜もウリ!」では、約1年に及ぶ修理を経た『果蔬図巻』と、その翌年に描かれた重要文化財『菜蟲譜』を並べて公開。さらに、最初期の『蕪に双鶏図』や、2025年に新たに収蔵された『老松白鶴図』など、新出作品10点を含む約40点を通して、若冲の画業を初期から晩年までたどる。

併せて、与謝蕪村、円山応挙、長沢芦雪ら、同時代の京都で活躍した画家たちの優品も並ぶ。若冲に親しんできた人はもちろん、美術に馴染みのない人にとっても、その独自の芸術世界と魅力に触れられるだろう。 

  • アート

「京都府立堂本印象美術館」で、唯一無二の動物表現で高い人気を誇る日本画家・竹内浩一の個展が開催。本展では、初期作品から代表作、新作までを含む約50点が一堂に会し、その画業の全貌に迫る。さらに、猫をモチーフとした抽象作品や、禅僧のかさを描いたドローイングなど、本展のために描き下ろした作品も初公開される。

京都の型染友禅を家業とする家庭に生まれた竹内は、当初テキスタイルデザイナーとして活動していた。25歳の頃、京都画壇の重鎮である山口華楊に師事し、日本画家としての道を歩み始める。洗練された色彩と繊細な心象表現で注目を集める一方、次第に内面的な葛藤を深めていった。

そうした中で出合った禅の教えや、高い精神性を持つ中国・宋時代の絵画が新たな表現の扉を開く契機となる。淡くデリケートな色調に、生きとし生けるものへの深いまなざしを重ねることで、独自の表現世界を確立。真摯(しんし)に描かれた動物たちは、悲哀とユーモアを併せ持つ豊かな情感を宿し、それこそが竹内芸術の魅力だ。

本展で、その世界観をより深く味わってほしい。

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  • アート

「中之島香雪美術館」で、企画展「焼絵 茶色の珍事」が開催。本展では、日本をはじめ朝鮮や中国、さらに現代の焼絵(やきえ)作品を紹介し、その美と制作背景に迫る。

焼絵とは、熱した火箸や鏝(こて)を紙や絹に押し当て、絵画や文字を焦がして表現する技法。色調は茶から黒に至るまで幅広く、また線描や点描、濃淡など、水墨画の技法も再現されている。

江戸時代にはこの技法が広まり、藩主や上層階級の間でも親しまれた。限られた材料で制作できることから、質素倹約の時代背景を反映した表現とも考えられている。また、浮世絵や狩野派などほかの絵画様式とも交差しながら発展し、中国や朝鮮との交流の中でも取り入れられた。

これまでほとんど紹介されることのなかった焼絵を探る本展。気軽に足を運んでほしい。 

  • アート

1936年に開館した「大阪市立美術館」は、2026年で開館90周年を迎える。本展「全力!名宝物語 大阪市美とたどる美のエピソード」では、館蔵・寄託の名宝を中心に、美術館を巡って紡がれてきた物語や、美術に託された思い、そして美術の成立から未来への展望までをたどる。

東洋美術の殿堂として世界に知られる同館は、今もなお大阪の地に確かな存在感を示している。歴史は保存されることで未来の礎となり、「物語」として形を変えながら語り継がれていく。

美術もまた、そうした「物語」を映し出し、時代や人々の息遣いを視覚的に伝えてきた。美術館の歩みは、そこに収蔵された美術品そのものによって雄弁に語られている。

各コレクションの代表作を通して、時に力強く、時に繊細に人々とともに歩み続けた美術館の歴史物語を体感してほしい。

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  • アート

「大阪市立東洋陶磁美術館」で、特別展「MOCOコレクション オムニバス初公開・久々の公開― PART2」が開催。同館のコレクションから、初公開または久々の公開となる作品をオムニバス形式で紹介する。

会場に並ぶのは、中国・韓国・日本の焼き物による茶道具を中心に、書画の掛軸や茶杓(ちゃしゃく)、釜なども含む「松惠(しょうけい)コレクション」。江戸時代以前の焼き物の茶道具や、近代陶芸家による茶碗(ちゃわん)などを公開する。

また、輸出用の古伊万里や、民藝運動を主導した陶芸家・濱田庄司の作品を含む「堀尾幹雄コレクション」、明時代に中国・景徳鎮窯で日本向けに制作された古染付(こそめつけ)や、朝鮮時代の文房具の水滴コレクションも紹介される。

各コレクションの特色をじっくりと味わってほしい。

  • アート

Yoshiaki Inoue Gallery」で、画家の平久弥による個展「平 久弥 — 光の境界を描く/Between Lights」が開催される。

平は、ハイパーリアリズムの技法で都市風景を描く作家。本展では、早朝や夕暮れなど自然光と人工光が交差する時間帯に着目した作品を発表。街灯や看板の光、建物のガラスに映り込む空の色など、光の境界に生まれる都市の静かな瞬間を、精緻な描写によって表現している。

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  • コンテンポラリーアート

「エスパス ルイ ヴィトン大阪」で、1980年代以降、現代アートの世界で唯一無二の地位を築いてきたアメリカ人アーティスト、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)の個展「JEFF KOONS PAINTINGS AND BANALITY – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」が開催される。

本展は、パリの美術館「フォンダシオン ルイ ヴィトン(Fondation Louis Vuitton)」の所蔵作品を世界各地の「エスパス ルイ ヴィトン」で公開する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として行われるもの。国や地域を超えて作品を届けるという同プログラムの趣旨の下、国際的な文脈の中でクーンズ作品に触れられる展覧会だ。

会場では、クーンズのキャリアを象徴する代表的なシリーズから厳選した彫刻作品および絵画作品、計7点が登場。入場無料なので、この機会を見逃さないように。

  • アート

「あべのハルカス美術館」で、「ブルックリン博物館」が誇る古代エジプトコレクションからえりすぐりの名品が集結する「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が開催。人間のミイラ2体をはじめ、動物のミイラ、彫刻、ひつぎ、宝飾品、土器、パピルスなど約150点の遺物を通して、高度な文明を築いた人々の営みに迫る。

謎に満ちた歴史を旅する案内人は、気鋭のエジプト考古学者・河江肖剰。人々はどのように暮らし、何を食べ、何を畏れていたのか。どのような言語を話し、何を書き残したのか。ピラミッドはなぜ、どのように築かれたのか。ミイラに託されたメッセージとは何か――。これまで見過ごされがちだった視点から、最新技術によるピラミッド研究の成果まで、映像や音声を交えて紹介する。

会場では古代エジプト語の呪文を音声で再現し、来場者を3000年の時空へと誘う。知への探求心を呼び覚ます空間へ、今こそ飛び込もう。

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  • アート

「国立国際美術館」で、現代日本を代表する画家の中西夏之(1935〜2016年)による初の回顧展「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」が開催。半世紀以上にわたる制作の軌跡をたどり、その特異な絵画理念と実践に迫る試みだ。

中西は、絵画という営みを根底から問い直してきた。絵画はいかにして立ち現れるのか、その存在する場所はどこにあるのか。こうした問いに貫かれた作品は、具象や抽象といった既存の枠組みに収まらない。自明とされてきた前提を括弧に入れ、新たに「絵画」を立ち上げ直すことこそが、彼の狙いだったといえる。

画家を志しながらも、1960年代前半には前衛美術家集団「ハイレッド・センター」で活動し、絵画から離れた中西。その後、舞踏家・土方巽との出会いを契機に本格的に絵画へ回帰する。

こうして生まれた作品は、絵画という営みそのものを考えさせるものとなった。「反芸術」の下で評価されてきた離脱期に対し、1960年代後半以降の絵画実践はまだ十分に理解されていない。本展では、彼がなぜ絵画に向かったのか、そして絵画をどのように捉えていたのかを問い直す。

かつて中西は、絵画を「緩やかに見つめるためにいつまでもたたずむ装置」と語った。オレンジや黄緑、紫を多用し、長い筆で遠くから描かれた彼の絵画もまた、その装置の一つだろう。この言葉を手がかりに、中西の絵画の在り方を改めて考えていく。彼の絵画が開く世界を、静かに感じ取ってほしい。

  • アート

「国立国際美術館」で、「コレクション3」が開催。特集展示「反射する都市」と通年展示「コレクション・ハイライト」の2部構成で展開される。

多くの作家が、街や都市生活を主題に作品を制作してきた。それらを現在の視点から見直すことで、都市景観に映し出された社会や経済の状況、さらには豊かさや快適さへの欲望、未来への期待や不安といった同時代の内面が浮かび上がる。本展では、戦後間もない1950年代の作品から2020年代まで、約110点を通して作品が映し出す時代の姿をたどる。

高田冬彦による映像インスタレーション『Cut Suits』2023年)は、6人の男性が互いのスーツにハサミを入れていく作品。オノ・ヨーコが1964年に行った『Cut Piece』へのオマージュであり、笑顔で優しくスーツを切り合う姿は遊び心と官能性を帯び、スーツに象徴される男性性や都市労働者としての役割からの解放を思わせる。

通年展示では、ポール・セザンヌ(Paul Cézanne)やマックス・エルンスト(Max Ernst)ら19世紀末から20世紀初頭の作品をはじめ、近現代美術の諸相が浮かび上がる。近年収蔵されたヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)や村上隆、モーリーン・ギャレス(Maureen Gallace)、マリア・ファーラ(Maria Farrar)の作品に加え、エリザベス・ペイトン(Elizabeth Peyton)の絵画も並ぶ。

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  • アート

「ISSEY MIYAKE SEMBA | CREATION SPACE」で、イッセイ ミヤケが手がけるメンズブランド「IM MEN」による特別展が開催。2026年春夏コレクションに登場する「UROKOMON」の、複雑かつ緻密な制作プロセスにフォーカスする。

IM MEN2026年春夏コレクション「DANCING TEXTURE」の着想源となったのは、日本の陶芸家・加守田章二(19331983年)の作品。伝統工芸の枠組みや既存の作陶のルールにとらわれることなく、自身が信じる造形美を自由かつ前向きに追求した加守田の作品に出合った瞬間、IM MENのデザインチームは「この陶器を衣服として着てみたい」と直感したという。

既存の構造から解き放たれたフォルム、奥行きのあるテクスチャー、そして手間を惜しまず生み出される緻密なディテール。土と布という異なる素材の間を幾度も往還しながら、作品が放つエネルギーをIM MENならではの衣服表現へと昇華させている。

中でも加守田の「彩陶壺」は、鮮やかな色彩と力強い文様が印象的な作品。このうろこのような文様が生み出すテクスチャーや立体感をテキスタイルへと写し取ったものが、IM MENの「UROKOMON」だ。会場でその魅力を体感してほしい。

  • アート

「兵庫県立美術館」で、195060年代の日本の女性美術家による創作活動を見直す「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が開催。2025年秋に愛知・東京を巡回した話題の展覧会が、安藤忠雄建築の空間を舞台に展開する。独自の抽象表現を切り開いた14人の作品約120点を通して、日本の戦後美術史に新たな視座を提示する展覧会だ。

戦後間もなく前衛美術の領域で注目を集めた女性美術家たちの自由な実践は、十分に評価されてきたとは言い難い。当初は抽象芸術運動「アンフォルメル」がその活動を後押ししたが、やがて「アクション・ペインティング」が台頭し、男性性と結びついた「アクション」が評価の中心となった。本展では、中嶋泉が著した『アンチ・アクション』のジェンダー研究の視点から、こうした枠組みに収まらない多様な制作行為を「アンチ・アクション」として捉え直す。

草間彌生や田中敦子の圧巻の大作に加え、赤穴桂子、多田美波、宮脇愛子らの初期作品や未発表作も紹介。さらに、「具体美術協会」の白髪富士子、山崎つる子、そして明石市出身で「ヴェネツィア・ビエンナーレ」の日本館に女性で初めて選出された江見絹子の作品も並ぶ。

展示は、身体・素材・空間といったキーワードで作品を緩やかに結ぶ構成。絵の具をスタンプのように押したものや、アイロンで焼け跡を重ねた作品、アスファルトや竹、ピンポン玉を用いた立体など、素材と手法の実験が際立つ。半世紀を経てもなお新鮮な、彼女たちの挑戦に注目してほしい。

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「大阪中之島美術館」で、洋画家の髙島野十郎(18901975年)による過去最大規模となる回顧展「没後50 髙島野十郎展」が開催。代表作『蝋燭』『月』をはじめ、初公開作品を含む160点超が一堂に集う。

卓越した技量と緊張感に満ちた独自の写実表現で知られる髙島。本展では、「孤高の画家」と称されてきたそのイメージを手がかりに、彼の芸術がいかに形成されていったのかを丁寧にたどる。 

併せて、作品における仏教的思想や、青年期から滞欧期にかけての初期の画業にも目を向け、これまで十分に紹介されてこなかった側面にも光を当てる。さらに、芸術観の背景や同時代の動向を探ることで、美術史の中にその画業を改めて位置づけていく。

「孤高」という言葉の奥にある、その素朴な人間像に触れる機会となるだろう。

  • アート

「国立民族学博物館」で、企画展「ドルポ――西ネパール高地のチベット世界」が開催。西ネパールのダウラギリ山系北西部に広がる高地「ドルポ」を舞台に、そこに暮らす人々の生活世界と、時代のうねりの中で変わりゆく姿を多角的にひもとく。

ドルポは国境を挟んでチベットとつながるチベット文化圏に属し、チベット仏教やそれ以前のポン教の信仰、ヤクのキャラバン交易など、独自の文化を育んできた地域。乾いた大地には僧院や仏塔が点在し、「天界」を思わせる風景が広がる。標高32004200メートルの村々では、農牧とチベットとの交易を基盤とする暮らしが続いてきたが、近年は中国(チベット)側から道路が延び、急速な変化に直面している。

本展では、ドルポを丹念に歩いてきた写真家・稲葉香の作品をはじめ、川喜田二郎率いる1958年の探検隊、田村善次郎率いる1968年の調査隊が収集した民具や写真、記録資料を紹介。研究者と話すイベント、食文化を体験するワークショップ、映画会など、関連イベントも多数実施されるので、公式ウェブサイトをチェックしてほしい。

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60年に及ぶ画家人生の中で、多様な主題に取り組んだピエール=オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir。その作品全てに共通するのは、温かく愛情に満ちたまなざしだ。「山王美術館」で開催の「生誕185 ルノワール展」では、初公開作品12点を含む、同館のコレクション約50点を一堂に公開する。

ルノワールにとって、生きることは描くことであり、描くことは喜びそのものであったといえる。晩年には、困難の多い人生においてこそ、絵画は「愛すべきもの」「愉しく、美しいもの」でなければならないと語った。本展では、風景やバラ、アネモネといった花々を描いた作品をはじめ、静物、裸婦、装飾画まで幅広く紹介する。

見どころは、生命感あふれる裸婦像『噴水による浴女』(1914年)。「自然の中の裸婦」という伝統的なテーマを探求し続けたルノワールにとって、本作は新たな表現への到達点といえる。以降に展開された、さまざまな赤の色調に満ちた、生命の輝きを思わせる裸婦像も併せて並ぶ。

さらに、印象派時代の女性像から、「印象主義の行き詰まり」を経て古典へと回帰したアングル様式の時代、南仏で「自然の中の裸婦」という主題に取り組み始めた時期、そして晩年に開花する豊潤な色彩の作品群まで、画業の軌跡を全5章でたどっていく。

光と色彩、生きる喜びにあふれたルノワールの世界を堪能してほしい。

  • アート

2016年から毎年、京都の「北野天満宮」を舞台に開催されてきた「KYOTO NIPPON FESTIVAL」が、10周年を迎える。日本の「美」と「文化」を世界に発信し、多彩な文化プログラムを展開してきたフェスティバルだ。

2026年は、アーティストの蜷川実花と科学者・エグゼクティブディレクターの宮田裕章をはじめ、クリエーティブチームのEiMが参加。さらに、ダンスカンパニー・DAZZLEとタッグを組み、北野天満宮では初となるイマーシブ公演に挑む。

同プロジェクトでは、蜷川実花 with EiMによる、2つのインスタレーションが展開される。北野天満宮を象徴する美しい梅苑「花の庭」で披露される屋外インスタレーション『光と花の庭』と、茶室を舞台にした空間インスタレーション『残照』。歴史ある場所に、「わびさび」や「光と影」を映し出し、鑑賞者は目の前に広がる景色が二度と同じ姿を見せない唯一性や、時間の尊さが感じ取れるだろう。

蜷川・EiM・DAZZLEが手がける初のイマーシブ公演『花宵の大茶会』も見逃せない。1587年に豊臣秀吉が開催した伝説的な茶会「北野大茶会」の「幻の2日目」というコンセプトの下、公演が行われ、鑑賞者を新たな体験へと誘う。

歴史的空間がアート空間へと変貌する、特別な体験をしてみては。

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「京都国立近代美術館」で、近代日本美術史における巨匠として知られる竹久夢二の展覧会「モダン都市生活と竹久夢二―川西英コレクション」が開催される。

夢二は、大正・昭和期の少年少女や美術愛好家、そして若き芸術家たちにとって、「巨匠」というよりも、より身近な存在であるイラストレーターやデザイナーでもあった。生前に販売された絵はがきや封筒、千代紙、風呂敷といった多彩なグッズの数々は、その親しみやすさを今に伝えている。

創作版画家の川西英もまた、夢二の絵と詩に魅了された一人。彼が収集した膨大な版画コレクションの3分の1以上を、夢二の版画・書籍・関連グッズが占めている。

本展では、大正期のモダンな大衆文化を象徴するスターとして幅広い人々に親しまれた夢二の作品を展示。さらに、夢二に憧れた川西や恩地孝四郎をはじめとする昭和期の画家・版画家たちによる作品も並び、都市生活やモダンな景観、前衛性と遊び心あふれる表現の世界を堪能できる。

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戦後、伝統と革新のはざまで揺れ動いていた日本画の世界。そのただ中で、近代日本画をリードしてきた文化的中心地・京都では、画家たちによる前衛的な試みが立ち上がっていった。戦後の反省と制度批判の高まりの中で、日本画は「滅ぼすべきもの」とさえ語られたという。しかしだからこそ京都画壇では、日本画の枠組みそのものを見つめ直し、継承と革新を同時に模索する「前衛⽇本画」の運動が活発化した。

「京都市京セラ美術館」で開催される特別展「日本画アヴァンギャルド KYOTO 1948-1970」は、創造美術、パンリアル美術協会、ケラ美術協会という3つの美術団体を軸に、戦後京都で展開した反骨的な日本画の創造運動を総覧するもの。上村松篁、堂本印象、秋野不矩をはじめ、岩田重義、三上誠、下村良之介など、後に現代日本画を代表する存在となる30人超の画家が集結する。

会場では、戦後復興期の京都社会と呼応して生まれた、既成の美意識を覆す自由で挑戦的な表現を通じ、日本画のもう一つの系譜をたどりながら反骨的創造活動を振り返る。余白の美・墨・岩絵具(いわえのぐ)などの伝統美といった、これまでの日本画のイメージを塗り替える作品がめじろ押しだ。想像を超える表現の数々に、「これは日本画なのか」と思わず目を見張る体験となるだろう。

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「大阪浮世絵美術館」で、企画展「浮世絵やまとなでしこ」が開催。伊東深水をはじめ、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重、三代豊国など、名だたる浮世絵師たちが描いた美人画を中心に、江戸から昭和にかけての浮世絵版画を紹介する。そこに表されるのは、日本の女性の優雅さや強さ、そして内面に宿る美しさだ。

鏑木清方に師事し、美人画家として名を馳せた深水の肉筆画『通り雨』は本展初公開となる。にわか雨の中、傘を差す一人の女性を描いた本作は、色香と気品が静かに溶け合う、見応えある一作だ。

また、美人画に限らず、風景画や物語絵に登場する女性を含む全56点が並び、当時の暮らしや文化、社会の空気を多角的に感じ取ることができる。さらに北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』は常設展示。展示室内には柵を設けず、無料貸し出しのルーペを使って、刷りの技法や細部の表現を間近で鑑賞できるのも魅力だ。

浮世絵師たちのまなざしが捉えた「やまとなでしこ」の姿を、ぜひ会場で確かめてほしい。

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毎年、タイムアウトで発表している世界で最もクールな街」ランキング。世界中のライターや編集者により推薦されたエリアは、文化・コミュニティー・住みやすさ・ナイトライフ・飲食・街のにぎわいなどの基準で評価される。2025年度版では、東京・神保町が堂々の第1位に輝き大きな話題となったが、大阪・中津も世界ランキングで8位に躍進し、その魅力が世界に認められた。

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