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京都 東寺エリアでしかできない10のこと

ご当地を知るOMOレンジャーのおすすめスポットを紹介

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タイムアウト東京 > Things to Do> 京都 東寺エリアでしかできない10のこと

東京から京都へ向かう新幹線で、到着前、五重塔が見えたら、それはまもなく京都駅に到着するというサインだ。東寺は平安京の正面玄関「羅城門」の東に建設され、都を守護する役目を担ってきた。平安時代の旅人もまた、近づいてくる五重塔の姿に、上洛の気分を味わっただろう。

東寺周辺は京都駅周辺といってもよく、「OMO3京都東寺」をはじめホテルも多数存在する。このエリアは、宿泊拠点としてのみ利用されがちだが、じつは通り過ぎてしまうにはもったいないスポットが多い。

タイムアウト東京と、テンション上がる「街ナカ」ホテル、「OMO by 星野リゾート」がコラボレーションする「新ご近所ガイドシリーズ」。今回は、「OMO3京都東寺」のナビゲーター「OMOレンジャー」おすすめのローカルスポットを紹介する。

京都駅から市中へ、また市中から駅へ向かう際に、少し時間を取って訪れてみると、京都発着時の新たなルーティンが発見できるかもしれない。

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キツネ日和

豆腐料理が自慢の居酒屋。柔らかい京都の水や気象条件は豆腐作りに適しているといわれ、豆腐は京都の風土と結びついた名産品である。湯豆腐を提供する格式の高い老舗も点在するが、「キツネ日和」ではカジュアルに豆腐料理の数々を楽しめる。

名物の「おあげ」(油揚げ)は専用の大豆を使用し、職人が丁寧に仕込んだもの。低温で時間をかけながらじっくりと揚げ、仕上げに高温で揚げることで香ばしさが増すという。コの字形のカウンターに座ると、目の前はキッチン。おあげが揚げられ、ぷっくり丸々と太っていく調理の様子が見られる。

出来立てアツアツの特製おあげは、じゅわーっと優しい味わいが口の中いっぱいに広がり、記憶に残る逸品となるだろう。豆腐のうまさ、京豆腐の奥の深さを舌で確かめながら、豆腐がメイン料理になることを思い知らされる。ビーガン料理店としてもおすすめだ。

  • ラーメン

とことんとりコトコト

東寺の近くにあるラーメン店。2021年のオープン以来、あれよあれよという間に行列ができるようになった人気店「とことんとりコトコト」は、濃厚な鶏白湯スープがクセになると評判である。

着丼すると、「底の方からよく混ぜてください」と声がかかる。言われた通り、箸の重みを感じながら麺をかき混ぜ持ち上げると、トリを「とことん」「コトコト」と煮込んで仕上げたドロ系スープが、平打ち麺にがっつりまとわりついてくる。ひと口すすれば、凝縮したトリのうま味が押し寄せ、それでいてしつこくないので、箸が進む。大量の野菜から染み出た野菜のエキスが加わって、意外やあっさりしているのだ。

メニューは「鶏」のほかに「赤」や「魚」がある。赤は辛くない唐辛子パウダーが、魚は魚粉が、丼の半分を埋め尽くす。両方を乗せた「ハーフ」もおすすめだ。名物の「肉玉丼」とラーメンをセットにしても1,300円(以下全て税込み)。満足感は半端ない。

食後にはアイスティーがかわいらしいカップで提供され、ドロスープを味わい尽くした口をさっぱり洗い流してくれる。

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  • スペイン料理

アブラモス

京都駅八条口から徒歩5分のスペイン料理店「アブラモス(Hablamos)」。烏丸五条にあるスペインバル「サントレス(Santres)」の姉妹店として2019年にオープンした。前を通ると、ファサードの窓に映る客たちの楽し気な姿に、きっといい店なんだろうと引きつけられ、思わず足を止めてしまうに違いない。

店名は「私たちは話す」を意味するスペイン語で、うまい料理と酒で話に花を咲かせてほしいという願いが込められている。店内の黒板に示された食材には京野菜や舞鶴産の魚などが並び、地元の旬の味覚に期待が高まる。

まずは「タパスの盛り合わせ」から始めたい。Sサイズでもスパニッシュオムレツやアンチョビのポテトサラダなど、一皿に10種類近くが乗ってボリュームたっぷり。キュッと冷えた白ワインやカヴァ、シェリー酒と合わせれば上々の滑り出しができるだろう。酒に迷えば、ソムリエの資格を持ったスタッフがとっておきの一杯を薦めてくれる。

締めはパエリアで、といきたい人は、出来上がりまで時間がかかるので、早めに注文しておくのがいいだろう。また平日でも席が埋まることがあるので、予約をお忘れなく。

  • カフェ・喫茶店

コヨーテ ジ オーディナリー ショップ

京都駅中央口から徒歩5分のカフェ「コヨーテ ジ オーディナリー ショップ(COYOTE the ordinary shop)」。中米エルサルバドルの豆に特化したコーヒーを提供する。2021年に同店をオープン後、五条や出町柳にも出店し、人気のほどがうかがえる。

エルサルバドルは中米の中でけっしてコーヒー豆の生産量が多いわけではないが、スペシャルティコーヒーの産地として注目を集めている。中でもパカラマ種は、軽やかな口当たり、芳醇な香り、甘さも感じられる豊かな風味が楽しめる。

エルサルバドルとの関係は、オーナーの門川雄輔が、JICA海外協力隊に応募して同国のコーヒー農園に派遣されたことがきっかけだ。顔の見える現地農園から適正価格で豆を直輸入し、焙煎、販売まで手がける、出色のカフェといえる。

コーヒー類のほか、「たまごトースト」も人気。ビーガン対応で鶏卵は使っていないが、味も食感も、まるで卵を食べているよう。朝8時30分からオープンしているので、モーニングにもぴったりだろう。全面ガラス張りで開放感あふれる店内で陽光を浴びながら味わうエルサルバドルのコーヒーは、京都滞在の良いアクセントになるのでは。

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アルカー

京都駅の八条口にほど近い、ナチュラルワインが揃うバー「アルカー(ALKAA)」。大通りからは一歩入った隠れ家のような、カウンター中心の小ぢんまりとした店だが、客が絶えない。

扉を開けると、ゆっくりと流れる時間と甘い香りが迎えてくれる。ワインのメニューは、グラスワイン1,400円〜2,800円、ボトル8,800円〜の表示があるのみで、リストはない。オーナー夫妻に好みを伝えると、3000本のストックの中から軽食に合う1杯を厳選してくれる。

フードはチーズ香るシュー生地「クジェール」や「自家製パテ・ド・カンパーニュ」など。塩味のつまみもいいが、同店は「ワインとおやつ」がコンセプト。甘い香りの正体は、カヌレをはじめとする絶品の焼き菓子だ。

店が開くのは15時。カヌレや塩サブレ、バスクチーズケーキとともに、アフタヌーンティーならぬアフタヌーンワインのグラスを傾けるのは、甘美な時間そのものといえる。八条口までは歩いてわずか2分。京都の旅を同店から始めても、同店で締めても、間違いのないひとときが楽しめるだろう。

  • ヘルス&ビューティー

日の出湯

東寺から延びる東寺道から細い路地を入った先にある銭湯。木造3階建てにも見える商家のような姿で、青や黒のレンガタイルが目を引く。のれんをくぐって中に入ると、1928年建造の脱衣所が現れる。

寺院などで見られる角材を碁盤の目に組んだ「格(ごう)天井」、凹凸のあるダイヤガラスを用いた木造のロッカー、京都の銭湯以外ではお目にかかる機会の少なくなった柳行李(やなぎごうり)の脱衣かごなど、歴史ある空間に昔ながらの調度品が大事に使われている。映画『マザーウォーター』(2010年)のロケ地に選ばれたのも納得。天井が高く実に開放的なのも気分を上げてくれる。

浴室は改装されて清潔感があり、電気風呂を備えている。男湯ではライオンの口から水が流れ出る、京都名物・地下水かけ流しの水風呂も楽しめる。

有料の貸しタオルや石けん、シャンプー、リンスもあり、思い立てば手ぶらで立ち寄れる。京都の銭湯の料金は、550円。旅先で昭和気分に浸りながら湯浴みを満喫できるなら、破格の安さではないだろうか。入浴記念に、1枚ずつ手染めされたオリジナルの手ぬぐいを買い求めてみては。

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  • ショッピング

郷土玩具 平田

古来、日本各地で作られてきた郷土玩具を扱う店。現在よりもっと地域の特色が強かった江戸時代や明治時代には、それぞれの風土に根付いた材料や文化、信仰に基づいて、個性あふれる郷土玩具が製作されていた。

店内に置かれた県別の玩具を見ると、取り上げる動物も異なれば、衣装の色も、デザインも異なり、地域色の豊かさを感じられるだろう。しかし、それを初めて手にした時の子どもたちのほころぶ顔は、全国どこでも共通のものだ。歳を重ねた大人たちも、手のひらサイズのかわいらしい玩具には、思わず目を細めてしまうだろう。

伏見稲荷の土産として売られていた日本の土人形の祖といわれる「伏見人形」や「福助」、「招き猫」、お守りにもなった「土鈴」など、子どもたちの健やかな成長や商売繁盛、家内安全を願う縁起物も多い。インテリアとして家にあれば、癒しグッズにもなる。所狭しと並ぶ人形に、あれもこれもと手を伸ばしたくなるので、蒐集癖のある人には注意を促しておく。

  • ショッピング
  • 書店

鴨葱書店

「本の街」といわれる京都でも書店が減っていく中、2024年5月、新たにオープンしたのが、「鴨葱(かもねぎ)書店」。京都駅の南東部、東九条エリアに位置する。近くには2023年に移転してきた「京都市立芸術大学」が建ち、2025年秋のオープンを目指して常設アートミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」の建設が進むなど開発中の注目エリアだ。

築99年の物件を改装した新旧の味わいある店舗で、店長は東京・三鷹に書店「ユニテ(UNITÉ)」を開いた大森皓太(こうた)が務める。YouTubeで情報を発信し、おっと思わせる登壇者のペアリングでのイベントを多数開催するなど、若年層を中心に本と人との橋渡しに果敢に取り組んでいる。また流通や返品など書店が抱える問題解消にも奮闘中だ。書店を刷新しようとする取り組みに、ぴったりの立地、店構えといえるだろう。

独立系書店らしく、選書には店の個性が光る。大きな店でもなく、冊数もけっして多くはない分、じっくりと書棚に向き合える。きっと語りかけてくる一冊が見つかるはずだ。遊び心あふれるおみくじもあるので、試してみては。

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  • アトラクション
  • 宗教的な建物&場所

東寺

京都を象徴するランドマークの一つ、「東寺」。もとは平安京遷都に際し、都の南側の玄関「羅城門」の東に建造された「官寺」であり、唯一現存する、平安京の遺構だ。対を成すように西側には「西寺」があったが、衰退した。東寺は嵯峨天皇の時代に空海に下賜(かし)され、密教の根本道場となった。密教はここから広まっていったのだ。以来、真言宗の総本山であり、正式名を「教王護国寺」という。

この寺のシンボルは、京都の絵はがきなどに必ず登場する「五重塔」。高さ55メートルを誇る、日本一高い木造建築だ。何度も焼失したがそのたびに再建され、現在のものは江戸時代に徳川家光の寄進によって蘇った。

JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンで紹介されているように、春には桜、秋には紅葉に見事に彩られる名所である。弘法大師・空海の月命日である21日には毎月、骨董、古道具から食品、食材など1000店以上が出店する「弘法市」が開催され、大勢の人で賑わう。

五重塔をはじめとした建築、仏像、曼荼羅と国宝や重要文化財が多数あり、1200年の歩みの中でエピソードにも事欠かない。京都駅に近いからと新幹線乗車前に訪ねると、見どころが多過ぎて乗り遅れそうになるかもしれない。余裕を持って訪ねてほしい。

  • ミュージアム

龍谷ミュージアム

400年近い歴史を持つ龍谷大学が、2011年4月、「西本願寺」の前に開館した付属博物館。「街に開かれた仏教総合博物館として仏教文化の普及に努める」ことを理念としている。

地下1階、地上3階建ての建物は、大きな町家にまるですだれを掛けたようなスタイリッシュなデザインが目を引く。仏教というと古めかしい寺院のイメージがあるが、京都建築賞を受賞したモダンな建物に良い意味で期待を裏切られる。

展示にも工夫を凝らし、展示品を通して仏教東漸(とうぜん)の歴史や文化についてわかりやすく解説しているので、仏教をあまり知らない人でも楽しめる。中でも中国・西域シルクロードのベゼクリク石窟寺院第15号窟の大回廊の壁画を、原寸大でデジタル復元した展示は圧巻。現地では壁画は散逸しているので、ここでしか見られない。色鮮やかなく仏教アートの世界を体感し、古びることのない仏教の「こころ」に触れてみては。

また、ほかでは見ることのできない仏教にまつわる企画展を開催しているので、訪ねる際はぜひチェックしてほしい。現在は2025年6月22日まで、春季企画展「大谷探検隊 吉川小一郎」を開催中だ。

世界遺産・東寺にほど近い、静かな街が広がるエリアに位置する。「心の時空トリップ」をコンセプトに、心をちょっと休めたい、寺院で仏像を見て癒されたいという人に向けて、初めてでも寺に親しみが持てるような滞在を提供する。

館内には、枯山水を作ったり、写経ができたりする「砂のテーブル」など、楽しみな仕掛けが施されている。また、東寺にある立体曼荼羅の21尊が描かれたオリジナルアートや仏様の表情が変化する「ほほえみウォール」も必見だ。

OMO3京都東寺で楽しむべきアクティビティ

国宝の朝参り~空海にあえる朝~
早朝、東寺に出向き特別参観し、帰り道には銘菓を買って心もおなかも満たされるツアー

東寺まんだらさんぽ
立体曼荼羅を中心に東寺をOMOレンジャーがわかりやすく案内する

東寺銭湯びより
「銭湯おふろ入浴券&グッズ」を買って、すぐ近くの日の出湯でほっこりしてみては

京都と大阪・関西万博を楽しむなら……

  • Things to do

祇園と聞くと芸妓(げいこ)や舞妓(まいこ)が彩る花街が思い浮かぶかもしれないが、花街としての歴史は決して古いものではない。祇園の名は八坂神社の旧称に由来し、江戸時代、祇園町南側の花見小路界隈は八坂神社の境内だった。大正時代以降、そこに統一した建築様式の茶屋街が形成され、今も厳しい基準を設けて当時の街並みが保たれている。

茶屋形式の町家が主流の街並みは落ち着いて洗練された印象だが、一歩、建物の中に入れば、それぞれの自由な発想で創作された世界が広がっている。おばんざい屋からレバノン料理店、古書店、プライベートサウナまで、各店舗の「保守的で進歩的」な、相矛盾する絶妙な京都テイストを味わってほしい。

今回は「OMO5京都祇園」のナビゲーターおすすめのローカルスポットを紹介していく。

  • Things to do

京都の三条通は、市の中心部を走る東西の道。東は山科(やましな)区四宮から、西は渡月橋のある嵐山の「天龍寺」まで続く。東海道・中山道を辿った江戸時代の旅人は、終点の三条大橋を渡り、市中に入っていった。三条通は、京の都のメインストリートだった。

明治に入ってもそれは変わらず、辰野金吾が設計した旧日本銀行京都支店(現・「京都文化博物館分館」)や武田五一による旧毎日新聞京都支局(現・「1928ビル」)など、今も残るモダン建築の存在がそれを物語っている。

今回は、多くの旅人を迎え入れてきたこの地にある「OMO5京都三条」のナビゲーターおすすめのローカルスポットを紹介する。 飲食店が軒を連ねる木屋町や先斗町(ぽんとちょう)も近く、比較的新しい店から老舗までラインアップ。食に銭湯に「飲める本屋」まで、それぞれのもてなしを存分に楽しんでほしい。

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  • Things to do

2025年は大阪の年になりそうだ。待望の万博が55年ぶりに大阪に帰ってくる。革新的な最新技術、世界中の斬新なアイデア、そして希望あふれる未来に向けた持続可能なソリューションがぎっしりと詰まった博覧会が始まるのだ。

大阪湾の沖合に浮かぶ人工島「夢洲(ゆめしま)」で開催される2025年日本国際博覧会」(以下、大阪・関西万博)では、次世代航空モビリティから、内省的な思考を促す静けさの森まで、さまざまな出合いが待っている。会場内の至る所に数十の国や企業のパビリオンがあり、来場者を歓迎する。大阪・関西万博への旅は、一日がかりのものになることを覚悟しよう。

  • Things to do

心地のよい季節は足早に過ぎ、気がつけば夏日もちらほらと現れ始めた。これから「2025年日本国際博覧会」(以下、大阪・関西万博)を訪れるなら、夕暮れから夜の過ごしやすい時間帯がおすすめだ。

夜間に行われているショーや、夜ならではのメニュー、ライトアップされたパビリオンなど、夜にしか見せない万博の姿を楽しむのも一興。夜風に吹かれながら会場内をゆっくりと散歩してみては。

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  • Things to do

「万国博覧会」は、各国の最新技術だけでなく、食を通じて豊かな未来や異文化への理解を深めるきっかけにもなる重要なイベントだ。

いまや日本で当たり前に親しまれている缶コーヒーや冷凍食品、「ブルガリアヨーグルト」「ケンタッキーフライドチキン」などは、実は1970年に開催された「日本万国博覧会(大阪万博)」で初めて紹介され、現在の食文化に大きな影響を与えたものである。

現在開催中の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」でも、日本ではあまり知られていない料理や、今後定番になるかもしれないメニューが数多く登場している。会場で提供される料理が、未来の日本の食文化に新たな変革もたらすかもしれない。

本記事では、タイムアウト東京のライターが厳選した、海外パビリオンで味わえるおすすめグルメを紹介する。ぜひ、食を通して世界の文化に触れ、新たな発見を楽しんでほしい。

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