「本の街」といわれる京都でも書店が減っていく中、2024年5月、新たにオープンしたのが、「鴨葱(かもねぎ)書店」。京都駅の南東部、東九条エリアに位置する。近くには2023年に移転してきた「京都市立芸術大学」が建ち、2025年秋のオープンを目指して常設アートミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」の建設が進むなど開発中の注目エリアだ。
築99年の物件を改装した新旧の味わいある店舗で、店長は東京・三鷹に書店「ユニテ(UNITÉ)」を開いた大森皓太(こうた)が務める。YouTubeで情報を発信し、おっと思わせる登壇者のペアリングでのイベントを多数開催するなど、若年層を中心に本と人との橋渡しに果敢に取り組んでいる。また流通や返品など書店が抱える問題解消にも奮闘中だ。書店を刷新しようとする取り組みに、ぴったりの立地、店構えといえるだろう。
独立系書店らしく、選書には店の個性が光る。大きな店でもなく、冊数もけっして多くはない分、じっくりと書棚に向き合える。きっと語りかけてくる一冊が見つかるはずだ。遊び心あふれるおみくじもあるので、試してみては。