400年近い歴史を持つ龍谷大学が、2011年4月、「西本願寺」の前に開館した付属博物館。「街に開かれた仏教総合博物館として仏教文化の普及に努める」ことを理念としている。
地下1階、地上3階建ての建物は、大きな町家にまるですだれを掛けたようなスタイリッシュなデザインが目を引く。仏教というと古めかしい寺院のイメージがあるが、京都建築賞を受賞したモダンな建物に良い意味で期待を裏切られる。
展示にも工夫を凝らし、展示品を通して仏教東漸(とうぜん)の歴史や文化についてわかりやすく解説しているので、仏教をあまり知らない人でも楽しめる。中でも中国・西域シルクロードのベゼクリク石窟寺院第15号窟の大回廊の壁画を、原寸大でデジタル復元した展示は圧巻。現地では壁画は散逸しているので、ここでしか見られない。色鮮やかなく仏教アートの世界を体感し、古びることのない仏教の「こころ」に触れてみては。
また、ほかでは見ることのできない仏教にまつわる企画展を開催しているので、訪ねる際はぜひチェックしてほしい。現在は2025年6月22日まで、春季企画展「大谷探検隊 吉川小一郎」を開催中だ。