Czech National Pavilion
画像提供:Czech National Pavilion
画像提供:Czech National Pavilion

大阪・関西万博で見逃せない海外グルメ9選

ハンガリー、クェート、ルーマニア、イタリアなど

広告

タイムアウト大阪 > Things to Do >大阪・関西万博で見逃せないパビリオングルメ9選

「万国博覧会」は、各国の最新技術だけでなく、食を通じて豊かな未来や異文化への理解を深めるきっかけにもなる重要なイベントだ。

いまや日本で当たり前に親しまれている缶コーヒーや冷凍食品、「ブルガリアヨーグルト」「ケンタッキーフライドチキン」などは、実は1970年に開催された「日本万国博覧会(大阪万博)」で初めて紹介され、現在の食文化に大きな影響を与えたものである。

現在開催中の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」でも、日本ではあまり知られていない料理や、今後定番になるかもしれないメニューが数多く登場している。会場で提供される料理が、未来の日本の食文化に新たな変革もたらすかもしれない。

本記事では、タイムアウト東京のライターが厳選した、海外パビリオンで味わえるおすすめグルメを紹介する。ぜひ、食を通して世界の文化に触れ、新たな発見を楽しんでほしい。

関連記事
2025年大阪・関西万博で行くべき海外パビリオン5選

1. イタリアパビリオン:18州全ての郷土料理を味わう。

イタリア館の飲食は、東京駅や原宿駅前などにも出展する人気イタリア食材店&レストランのイータリーが運営。トマトソースのパスタ(2,290円、以下全て税込み)やマルゲリータピザ(2,390円)などの定番メニューが今ではすっかりおなじみのイタリア料理ではあるが、万博では各州の郷土料理が週替わりで提供される。

トスカーナ州やピエモンテ州、シチリア州などの聞き覚えのある州以外に、ラツィオ州、マルケ州、アブルッツォ州など、18州全てが網羅され、わくわくする。

例えば、イタリアのブーツのつま先部分に当たるカラブリア州の料理は素朴で力強く、唐辛子を使った辛さが特徴。同州では保存食文化も発達しており、スパイシーなペースト状のサラミなども有名だそう。そんな、その州ならではの食材や調理によるパスタやピッツァが提供され、食文化が学べるのだ。

屋上に位置し、美しいイタリア式庭園を眺めながら食事できる。誰でも利用でき、予約制ではないので、ランチタイムなどの混雑予想時を避け、たずねてみよう。

2. ハンガリーパビリオン:郷土料理から国柄を知る。

「ハンガリーパビリオン」は、カルパチア盆地の森をイメージした空間デザインだ。緑豊かなエントランス、中心にはハンガリー民謡のライブパフォーマンスが毎日開催される干し草の山のような「ドーム」など、自然が感じられ、心が和む。

2階の「ミシュカ キッチン&バー」も、そんなほっとするレストラン。本場のハンガリー料理がビストロスタイルで楽しめ、ハンガリーの上質なワインが堪能できる。

パプリカを使った濃厚なスープの「グヤーシュ」や、パプリカとクリームを使った鶏肉の煮込み料理「チキンパプリカーシュ」などのハンガリーの定番郷土料理は、肉と野菜がしっかりと煮込まれ、滋養がある。

実力派シェフのヴィダク・ゾルターン(Vidák Zoltán)が手がける、伝統とモダンを融合させた特別なメニューを、ぜひ味わってほしい。

ハンガリーが誇る世界的に有名なデザートワイン「トカイワイン」も意外と料理に合う。ワインをソーダで割った爽やかなカクテル「フルッチ」はぜひ試してみてほしい。

広告

3. クウェートパビリオン:スパイス香るハラルを食す。

翼を広げたような美しいパビリオンは、中東のクウェート館。館内のレストラン「シドラ(SIDRA)」は、クウェートの伝統文化や食文化を体感できる空間となっている。

中東の料理は、スパイスやハーブを効果的に取り入れた香り高さが特徴。チキンやラム肉をスパイスで炊き込んだ米料理「マクブース」や小麦と肉を煮込んだ「ハリース」など、本場の味には美食家もうなるだろう。

デザートには、デーツとサフランを使用した小さなドーナツボールやアラビックコーヒーを。あまり馴染みがない料理でも、メニューには食材や調理法などが明記され、詳細な説明があるので想像しやすい。

また、イスラム国らしく、メニューは豚肉やアルコールを排除し、イスラム法にのっとって処理がされた食肉を使用したハラル認証取得したもの。中東料理にはひよこ豆のペーストフムスやレンティルスープなど、野菜や豆中心のヘルシーメニューが多いので、ベジタリアンも安心して食べられる。爽やかなクウェート風レモネードも、リフレッシュできておすすめだ。

4. 北欧館:北欧家庭料理と和食の融合を楽しむ。

デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの5カ国が共同で出店している北欧館「ノルディックサークル」。再生可能な日本産木材を使用した木造建築で、中に入ると木の香りに包まれる。

ルーフトップレストラン「ザ ノルディック フード バー」も木の温もりを感じる空間で、ノルウェー産サーモンやスウェーデンスタイルのミートボールなど、家庭的な北欧料理が味わえるメニュー構成だ。「スカーゲン」と呼ばれる北欧風オープンサンドの柚子胡椒風味や北欧風サーモンマリネの味噌風味など、北欧料理に和の味付けをしたオリジナルレシピはぜひ試してほしい。

スウェーデンの春らしいお菓子「セムラ」や、ブラウンチーズと一緒に食べるノルウェーの「ワッフル」など、カフェメニューも充実。北欧ではコーヒーを片手にリラックスする「フィーカ」という文化があるが、それを体験できる。夕暮れ時に屋上で風を感じながら味わうワインも最高だ。

広告

5. スイスパビリオン:幻のスイスワインは万博で嗜む。

球体を組み合わせたデザインがアイコニックなスイス館の最上階にあるのは「ハイジカフェ」。揚げた「難波葱」を添えた「仔牛の串焼きチューリヒ風」や「じゃがポックル」を使った「アルプス風クリーミーマカロニ&チーズ」などのプレートは、各1,950円(以下全て税込み)で提供している。

中には、のりやわさびマヨネーズで味付けした「大阪スイスホットドック」といったユニークなメニューも。七味唐辛子をアクセントにした「ラクレットチーズ」や、日本の漬物とのコンビネーションを楽しむ「シャルキュトリーとチーズの盛り合わせ」などのシェアプレート(各2,800円)もあるので、皆でつまむのもいいだろう。

スイスは1人当たりのワイン消費量が世界4位で、国内消費が多いため、海外にはあまり輸出されないスイス産ワインとのマリアージュを楽しめるのもうれしい。レストランは、パビリオンとは別にレストランにはアクセスでき、予約は不要だ。

朝9時から営業しているので、早い時間が穴場。大きな窓から万博会場を見渡せる絶景は一見の価値がある。

6. チェコパビリオン:ビール消費量世界一の飲み方を知る。

ボヘミアンガラスが輝くアーティスティックなデザインでひときわ目立つパビリオンは、チェコ館。らせん状に続く空間のスタート地点にある1階にはチェコの伝統家庭料理が味わえるダイニングレストラン、ゴール地点のルーフトップには「大屋根リング」や大阪湾のパノラマビューを望む開放的なバーがある。

パビリオンは予約不要で、レストランも1階は70席、屋上にも席があるので入りやすい。そしてチェコと言えば、クリーミーな泡立ちでほのかな苦みがクセになるピルスナービールだろう。

注ぎ方により泡の量も違い、一般的な泡の比率の「ハラディンカ」、半分ぐらいの泡の「シュニット」、そしてほぼ泡のみの「ミルコ」から選べる。カモ肉のゆでパン「ダンプリング(クネドリーキ)」やチェコ風のオープンサンド「フレビーチェク」など、チェコ料理はビールとの相性抜群だ。

また、バタークリームが濃厚なハニーケーキもたまらないおいしさ。こちらも見逃さないように。

広告

7. ルーマニアパビリオン:日本ではまだ希少なルーマニア料理を一足先に味わう。

「ドラキュラ城」があり、中世東欧の「魔女大国」としても知られるミステリアスな国、ルーマニア。関西・大阪万博のパビリオンは「魔法の箱」をイメージしており、館内のさまざまな場所にホログラムのペリカン「ハル」が現れ、ルーマニアへの旅を案内してくれる。

その疑似体験で、ルーマニアの風土や文化を体感できるのが魅力だ。グルメも同様、パビリオンの一部として、農業大国らしく素材そのものを生かしたルーマニア料理を味わい、その食文化が学べる。

18世紀にはオスマントルコ領、そしてハプスブルク家のハンガリー王国領となった歴史的背景もあり、さまざまな食文化に影響されていることを実感する。主食は小麦とトウモロコシで、トウモロコシを粗く引いて粉にしたものを煮て、牛乳とバターを混ぜ込んだ「ママリガ」などもよく食べられている。

日本国内では、ルーマニア料理専門店はまだ希少だ。この機会に、「食は薬」をコンセプトとした本場ルーマニアの味に出合おう。

8. トルコパビリオン:ケバブだけではないトルコ料理に魅了される。

※2025年5月20日(火)まで臨時休業中

「世界三大料理」として知られるトルコ料理を提供するのが、トルコ館の2階にあるカフェテリア。店内で焼き上げたパンにケバブを挟んだ「ドネルサンド」や、牛肉のスライスにブルグルという引き割り小麦、自家製のヨーグルトとトマトソースをかけた「イスケンデルケバブ」などが代表的なメニューだ。

トルコの伝統食であるヨーグルトやトマトなど、酸味をきかせ、スパイスで仕上げた味付けも多く、夏には好まれるだろう。トルコ名産のピスタチオやクルミをパイで包んだ「バクラバ」など、蜂蜜の甘さがクセになるスイーツも登場する。

パビリオンにもカフェテリアにも予約なしで入れ、席数も多いので、気軽に立ち寄れるのがうれしい。また、タイルをはじめとした陶器や、スカーフなど雑貨を扱うショップも充実の品揃えだ。

食事やショッピング目的の来場者も多いというが、もちろん展示も必見だ。入り口に配された赤い月や星のオブジェは幻想的で「映える」と評判。伝統舞踊のショーなども不定期に開催され、異国情緒が味わえるだろう。

広告

9. テラスニチレイ:日本の食の技術革新を学ぶ。

ここで番外編。寿司やラーメンなど、多くの日本食も万博会場では提供されるが、日本の食の技術革新を学べるレストランもある。

それは、冷凍食品のニチレイフーズによる「テラスニチレイ」。実は、冷凍食品は50年前の大阪万博でも紹介され、それきっかけに広まり、技術が飛躍的に進化したのだ。

冷凍食品の歴史を学べる展示も店内にあり、最新の技術を駆使したメニューが味わえる。例えば卵の量や味付け、具材を選び、自分好みにカスタムメードできる冷凍チャーハンは、最新炒め調理ロボット「I-Robo2」を採用し、職人の不規則な手の動きを再現している。

凍っても柔らかく、アイス感覚で味わえる今川焼は、凍りにくい小豆あんを開発し、生地の水分量を抑えるなどの調整により実現させた。

ビタミンCが豊富だが、収穫後2、3日しか鮮度が保てず、品質管理が非常に難しかったアセロラも、冷凍技術で高品質のままの輸入が可能になっている。果肉・皮・種まで果実丸ごと味わう「アセロラMixスムージー」でビタミンチャージをしよう。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告