Menko Ushio
Photo: Kisa ToyoshimaMenko Ushio

東京、人生観が変わるラーメン20選

スタンダードを極めた中華そばからカスタム自在な旨辛麺まで、厳選のラーメン店を一挙紹介

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10万を超えるレストランがひしめく東京だが、その半分ほどに達するのではないかと思わせるほど充実しているのが、ラーメン店だ。提供されるラーメンも、肉のうまみを感じる豚骨ラーメンから、舌が麻痺するほどの激辛ラーメン、ビーガン対応や豚由来の材料を使わないものまで、バリエーションに富んでいる。

ここでは、タイムアウト東京英語チームが選んだ厳選のラーメン店を紹介しよう。昔ながらの味わいを貫く店から、モダンなスタイルの店まで幅広くセレクトしており、たっぷりのスープで味わう一杯が好きな人にも、つけ麺派の人にもハマる店が見つかるに違いない。人生観が変わるような、衝撃の一杯を見つけてもらえれば本望だ。

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  • 六本木

「入鹿TOKYO 六本木」は、「東京ミッドタウン」のすぐ近くという一等地にふさわしい店だ。店構えは高級なかっぽうをほうふつとさせ、一般的なこぢんまりとしたラーメン店とは一線を画している。広々とした店内で存在感を示す木製のカウンターはゆったり8人掛けで、4人掛けの個室も設けられている。

そして何より重要なのは、ここで提供されるラーメンが、インテリアのエレガントさに引けを取らない、洗練されたモダンな料理に昇華されていることだ。ミシュランのビブグルマンにも選ばれている。

同店のラーメンは、特注の有田焼の丼に至るまで、隅々まで考え尽くされている。スープベースは全メニュー共通で、別々に取った4種のだしのブレンドだ。その内容は、4種類のブランド地鶏、鹿児島黒豚、伊勢エビと白ワイン、宮島産ムール貝と宍道湖産大和シジミといったもの。このベースをもとに、それぞれのラーメンスープが作られる。

シグネチャーメニューは「特製 ポルチーニ醤油らぁ麺」と「特製 帆立柚子塩らぁ麺」(各2,000円、以下全て税込み)の2つだ。ポルチーニ醤油らぁ麺のスープには7種類の醤油がブレンドされ、麺はかみごたえのある特注の平打ち麺。丼に添えられたポルチーニ茸と黒トリュフのペーストを混ぜ入れると、重層的なうまみが口の中に広がり、リッチだが決して重たくはない味わいが楽しめる。具も豪華で、鶏チャーシュー、豚チャーシュー、鴨ロースト、鶏団子、エビ団子、味付け卵、九条ネギが乗っている。実に洗練されており、余分なものは一切感じられない。

一方、帆立柚子塩らぁ麺のスープには9種類の塩が用いられている。ユズとミツバの自家製バター和えが添えられており、スープに溶かすことでアクセントを加えることができる。定番の塩ラーメンに現代的解釈を加えたこの一品は、非常に味わい深い。

サイドメニューのご飯ものも豊富で、「九条ネギお肉味噌ご飯」(350円)、「トリュフを添えた濃厚卵かけごはん」、「お肉賄いごはん」、「柚子と鶏節の卵かけごはん」(各400円)の4種類から選べる。

  • ラーメン
  • 銀座

福岡・博多で生まれた豚骨ラーメンは、時間をかけて煮出された白濁したスープが特徴だが、博多の「豚そば 月や」では、このよく知られた豚骨ラーメンに新たな解釈を加えている。ありがたいことに、同店の支店は東京にもあり、2023年には広尾の「イート プレイ ワークス」から、より広々としてラグジュアリーな「ギンザ シックス」に移転した。

月やの「豚そば」では、従来の豚骨ラーメンのクリーミーなスープは姿を消し、クリアなスープとなっている。だが、濃厚な風味への妥協はない。作り方の特徴は、豚骨をグツグツと煮立てるのではなく、じっくりと煮込み、時間をかけてだしを取ることだ。この労を惜しまないプロセスを経て、あっさりとしていながら豚の自然な甘みが凝縮した透明なスープができあがる。

麺は福岡産の小麦粉を使用した細麺で、具は薄切りのチャーシューだ。ネギ、ミョウガ、カボスといった薬味も添えられているが、味変をする前に、まずはスープを一口すするのがいいだろう。カボスは、絞った後、皮を下に向けてスープに落とすのが同店のおすすめだ。絞り汁とともに、皮からしみ出る香り高い油分がスープを一層引き立たせてくれる。

豚そばの単品は1,320円。それ以外の食事メニューとしては「博多たらこ飯」(2,090円)も提供する。飲み物は、クラフトビール、日本酒、ナチュラルワインといったラインアップだ。

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  • ラーメン
  • 東銀座

今や世界を席巻しているラーメンは、気軽で肩肘張らない食べ物として広く知られている。だが、「銀座 八五」はラーメンを、洗練されたエレガントな料理にまで高めている。どのようにしてこのラーメンが生まれたのかが気になるかもしれないが、オーナーシェフの松村康史が30年以上をフランス料理の世界で過ごしてきたという事実を知れば、合点がいくことだろう。

銀座 八五のラーメンのスープは、透明で黄金色に輝き、軽やかだが複雑で風味に富んでいるという点で、コンソメにも似ている。ベースは、鶏、イタヤ貝、ドライトマト、シイタケ、コンブ、さらになんと生ハムを煮出しただしだ。通常、ラーメンの味付けに用いられるたれは使用せず、フランス産の海塩でまろやかにまとめている。

具は、メンマ、九条ネギ、チャーシューで、仕上げにひきたての黒コショウを振りかける。脂ののったチャーシューは完璧に調理されており、甘くまったりとした味わいが口いっぱいに広がる。ミシュランのビブグルマンにも選ばれているこのラーメンが、たったの1,200円で食べられるというのはありがたい。さらに200円を追加すれば、トロトロの半熟煮卵も付けられる。

店は、東銀座にひっそりと静かにたたずんでいる。内装はラーメン同様に洗練され、6席のみのカウンターからは、清潔に磨き上げられた厨房(ちゅうぼう)が見える。

入店方法は2通り。11時〜12時30分までは当日の並び順による入店で、12時30分から14時30分までは、30分刻みのオンライン予約枠となる。当日に並ぶ場合は、混み合うので早めに訪れるのがおすすめだ。

  • ラーメン
  • 渋谷

宇田川町の「麺屋 ぬかじ」の特徴は、鶏、豚、魚介類をじっくり煮出した魚介豚骨スープ。風味がぎゅっと詰まったコクのある薄茶色のスープに、かみごたえのあるストレート麺を合わせている。最もシンプルな「らーめん」は1,100円だが、1,450円であぶりチャーシュー、メンマ、ネギのほか味付け卵も乗った「特製らーめん」にランクアップできる。

テーブルにはユズ一味や黒コショウも置かれているので、好みで味に変化を加えるのも良いだろう。辛いものが好きな人には、「辛らーめん」(1,200円)や「辛つけめん」(1,250円)もおすすめだ。

箕面ビールや志賀高原ビールといったクラフトビールも豊富に用意されているので、ラーメンと一緒に楽しもう。ラーメンを注文した人は卵かけご飯を無料でオーダーできるので、余裕を残しておくことも忘れずに。

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  • ラーメン
  • 渋谷
  • 価格 1/4

「経験がものを言う」とはよく言うが、1952年創業の「中華麺店 喜楽」は、まさにその言葉を体現している。種類が豊富なので、何を選べば良いか迷ってしまうが、同店が初めてなら、選ぶべきは定番の「中華麺」(800円)で間違いない。焦がしタマネギの風味がたっぷりと封じ込められた醤油ベースのスープに、しっかりとした平打ち麺を合わせ、具にはシャキシャキのモヤシに固ゆでの煮卵、昔ながらのチャーシューが乗っている。

渋谷の道玄坂で東京を見守ってきた同店は、単なるラーメン店ではない。この街の食の歴史を彩る1ページなのだ。

  • ラーメン
  • 京橋

多数の飲食店が集まる銀座にある「東京スタイルみそらーめん ど・みそ」は、個性的な味噌ラーメンを提供している。看板メニューは「特みそこってりラーメン」(1,200円)で、豚や鶏ガラを使ったスープに魚介系スープを合わせ、5種類の味噌とショウガ入りの特製香味油を使ったコク深いスープが特徴だ。

具にはたっぷりのモヤシ、コーン、チャーシュー、ノリ、煮卵が乗っており、ボリューム満点だ。具に隠された麺は太打ちのちぢれ麺で、スープによく絡む。

辛いものが好きであれば、「みそオロチョンラーメン」(1,100円)を選ぼう。辛さのレベルは3段階から選択でき、さらに辛さ5段階の「みそオロチョンメガファイヤー」(2,400円)も用意されている。

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  • ラーメン
  • 新宿
  • 価格 1/4

新宿ゴールデン街店本館 今や東京に数店舗を構えるほどになった「ラーメン 凪」が、誕生の地である新宿・ゴールデン街に支店を復活オープンしたのは2008年のことだ。古き良きバーが立ち並ぶこのかいわいの、街並みを形づくる木造長屋の2階にある同店。その扉を開けるやいなや、迎えてくれるのは芳しい香りだ。それもそのはず、同店の看板メニューは煮干しラーメンで、12時間にわたって大量の煮干しを煮込むことで、特徴的で強い香りを持つスープを生み出しているのだ。

おすすめは「すごい煮干しラーメン」(1,300円)。気前よく乗せられたチャーシュー、メンマ、ネギ、ノリのほか、半熟卵もトッピングされており、麺はちぢれ麺と極太の平麺がミックスされている。

付け加えると、同店は24時間営業だ。つまり、凪でラーメンを食べてから街へ繰り出し、締めにもう1杯……なんていうことも不可能ではない。

  • ラーメン
  • 新宿二丁目
  • 価格 1/4

2019年、「ソバハウス(SOBA HOUSE) 金色不如帰」は、「ジャパニーズ ソバ ヌードル 蔦」と「鳴龍」に続き、世界でミシュランの星を獲得した3番目のラーメン店となった。同店の看板メニューは、動物系スープ、和風だし、ハマグリスープの3種を合わせたスープが特徴の「そば(醤油)」(1,300円)だ。自家製のモリーユ茸のソースも加えられている。

だが、おすすめしたいのは「真鯛と蛤の塩そば」(1,300円)だ。モンゴル岩塩と沖縄海塩をブレンドすることで、魚介系だしの甘みを引き出している。仕上げにはイタリア産白トリュフオイル、ポルチーニソース、パンチェッタハム、味わいに深みを加えるインカベリーソース少量が加えられる。器に残る最後の一滴まで、飲み干さずにはいられない。

ほかに「つけそば(塩、醤油)」もあり、味付け卵(150円)、煮豚(450円)など、サイドメニューやトッピングも充実している。席数はカウンター7席と2人掛けのテーブル2台のみと少ないので、待ち時間は覚悟しなければならない。

だが、ミシュラン星つきのクオリティーを千数百円で食べられると考えれば、その価値はある。入店は整理券方式で、整理券の配布時間は、昼の部が9時30分から、夜の部が17時30分からだ。

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  • ラーメン
  • 下北沢

店名からも、ありきたりではない何かを期待できそうな「純手打ち 麺と未来」。同店で提供しているのは、その期待を裏切らず、うどんとラーメンのハイブリッドのような新感覚の麺だ。三重県産の小麦「もち姫」を使って毎朝手打ちする麺は、モチモチの食感で、数多のラーメンファンをとりこにしている。

看板メニューは「塩らーめん」(900円)で、手打ち麺のつるんとした喉越しと、スープの程よい塩加減のおかげで、きれいに平らげてしまえる一品に仕上がっている。スープベースは、鶏の手羽先、アサリ、羅臼コンブ、煮干し、鰹節から取っただしに、ミネラル豊富な塩を加えている。具はメンマ、チャーシュー、白髪ネギ、ミツバだが、エビワンタンや味付け卵も入った「特製塩」(1,100円)も選べる。

  • ラーメン
  • 新宿三丁目

新宿高島屋のすぐ近くにある「つけ麺 五ノ神製作所」は、週末には開店1時間前に長蛇の列ができる人気のつけ麺屋だ。

同店のメインメニューは「海老つけめん」で、「海老味噌つけめん」、「海老トマトつけめん」(各1,000円)といったバリエーションもある。盛りが多めなので、しっかり食べたい人にはありがたいだろう。

トッピングは、味付け卵(150円)やチャーシュー(250円)といった定番から、バジルソース(150円)やモッツアレラチーズ(250円)といった変わり種まで用意されている。

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  • ラーメン
  • 西麻布

「博多麺房 赤のれん」は、博多ラーメンの源流の流れを汲み、創業40年以上を数えるラーメン店だ。最もシンプルな「らぁめん」(850円)は、醤油で深みを加えられた豚骨スープに、平打ちの細麺を合わせたもの。重過ぎないが、奥行きのある風味は損なわれていない。ちなみに、「替え玉」は福岡発祥といわれており、同店でも200円で頼むことができる。

スープの濃さや麺の硬さは好みに応じて変更できる。サイドメニューでは、水餃子(450円)がおすすめだ。朝5時までオープンしており、西麻布交差点からすぐという立地なので、六本木で夜遊びした後に立ち寄るのにもちょうどいい。

  • ラーメン
  • 品川
  • 価格 1/4

開店から長きにわたって高い評価を得てきた「中華そば 多賀野」。多彩なメニューが物語るのは、それぞれのラーメンが人々に支持を得てきたということだろう。どれを選ぶか迷ってしまうという人は、定番の「中華そば」(850円)を選択するのがおすすめ。鶏や豚のコクに煮干しのうまみが合わさった醤油味のスープは、あっさりと風味豊かな仕上がりだ。具には厚みのあるチャーシューやメンマ、ノリが乗せられる。東京ラーメンの傑作だ。

それ以外のメニューも、「粟国の塩つけそば」、「豚と鴨のつけそば」(各900円)など、どれも食欲をそそられるラインアップだ。

店舗は東急池上線の荏原中延駅の近くに位置し、味のあるたたずまい。店内では多賀野を巣立って活躍する弟子たちが紹介されている。東京ラーメンとは何かを知りたければ、訪れるべき名店だ。

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  • ラーメン
  • 淡路町

ラーメンを食べにいくと選択肢があり過ぎていつも困ってしまうという人におすすめな「麺巧 潮 神田淡路町本店」。メニューは「白」と「黒」の2種類だけと潔い。

中でも「白(鶏白湯そば)」(990円)が同店の看板メニューだ。カルボナーラを思わせる味わいで、実際、カリカリに焼いたベーコン巻きのアスパラ、ポーチドエッグ、ブロッコリー、フライドオニオン、ベーコンチップといった、普通は洋食で見かけるような具がトッピングされている。さらに風味を加えたい場合は、店のおすすめの自家製ガーリックバター(100円)を追加し、コショウを一振りすれば、独創的かつ美味な一杯のできあがりだ。

  • ラーメン
  • 南千住

赤いのれんが目印の「ラーメン屋 トイ・ボックス」を見つけるのは難しくないだろう。基本のメニューは醤油、塩、味噌の3種類で、それぞれ1,100円。人気の「醤油ラーメン」は、会津地鶏と高品質の醤油を使用したスープの、シンプルで優しいのに深みのある味わいが特徴だ。平打ちの細麺がスープを一層引き立たせ、具にはメンマとチャーシューが添えられる。

違うものを試したければ、「塩ラーメン」もおすすめだ。やはり会津地鶏のだしに、5種類の海塩とコンブやシイタケ、サンマ節、エビなどの乾物、野菜などでだしを取った塩ダレを加える。塩味と魚介類のうまみが溶け合った奥行きのある味わいとなっている。

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今は閉店した吉祥寺のラーメン店「音麺酒家 楽々」で修行を積んだ店主が、調布で立ち上げた「中華そば しば田」​​。メインの「中華そば」(1,100円)は、地元の人から愛されているばかりでなく、それを目当てに遠方から訪れる人も絶えない。

スープは、数種類の鶏から取っただしに、独自のブレンドによる醤油たれを合わせたもの。具はチャーシュー、メンマ、カイワレ、ネギといたってシンプルで、麺はしっかりとした食感の細麺だ。多摩地域でこれ以上の醤油ラーメンを探すのは至難の技だろう。

  • ラーメン
  • 荻窪

荻窪の「函館塩ラーメン 五稜郭」では、函館出身の店主が提供する本場の塩ラーメンが味わえる。ラーメンの価格は850円で、豚や鶏のほか、北海道産の真コンブやホタテを使用した味わい深いスープを一口すすれば、函館への旅情が掻き立てられることだろう。

トッピングには、北海道ではメジャーなガゴメコンブ(150円)を試してみよう。独特のとろみがスープに加わり、新鮮な食感を楽しめる。麺は函館ラーメンの王道の、適度なかみ応えのあるストレートの細麺だ。

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  • ラーメン
  • 野方
  • 価格 1/4

西武新宿線の野方駅から徒歩約4分のところにある「味噌麺処 花道庵」の看板メニューは、店名の通り味噌ラーメン(980円)。豚、鶏、野菜から取った濃厚なだしにニンニク、ラード、そして白味噌を合わせたスープが特徴だ。濃厚だが食べ疲れず、この味を求めて再訪するリピーターが多いのもうなずける。

そのほかにも「辛味噌ラーメン」(1,030円)、「味噌坦々麺」(1,030円)、「味噌つけ麺」(1,030円)、「まぜそば」(1,000円)など、豊富なメニューが揃っている。

  • ラーメン
  • 葛飾区
  • 価格 1/4

いつも行列の絶えない「つけ麺 道」。だが、これが一過性の流行だと思ったら大間違いで、豚骨と魚介類の味が混ざり合った、濃厚かつ正統派の味わいにこそ、その行列の理由がある。こってりしているのに、マイルドで甘さがあり、洗練された由緒正しささえ感じさせるのが同店のスープの特徴だ。存在感のある太麺は、通常200グラムで提供されるが、最大600グラムまでオーダーできる。

具のない「素つけ麺」は1,000円、チャーシューや味付け卵などのトッピングが付いた「特製つけ麺」は1,600円。卓上にはフルーツ酢も用意されており、好みに応じて味を調節できる。つけ麺ファン必食の逸品だ。

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  • ラーメン
  • 神田
  • 価格 1/4

黒の内装に赤い照明、太鼓の音色、壁に飾られた鬼の面。「鬼に金棒」と書いて「きかんぼう」と読む店名にふさわしい、地獄をイメージさせるインテリアが印象的だ。ここではオーダーの仕方次第で、自分の限界を超えた煉獄の炎のような激辛体験に遭遇することになることだろう。

同店では、「カラ」と「シビ」をそれぞれ、抜き、少なめ、普通、増しの4段階から選ぶことができ、200円追加で「鬼増し」も選択できる。「カラ」、「シビ」はそれぞれ、唐辛子の辛さと、山椒や花椒の痺れを指している。中国の四川地方の料理では「麻辣」と呼ばれる、伝統的な味の組み合わせだ。

「カラシビ味噌らー麺」(980円)を、カラ、シビともに普通でオーダーしたところ、耐えられないほどの刺激ではないと感じられた。

スープは、動物系と魚介系を合わせたベースに、オリジナルの調合味噌を合わせている。具にはチャーシューとたっぷりのモヤシ、軽く炙ったベビーコーンが乗っていて、170円で煮卵を追加できる。

  • ラーメン
  • 武蔵野
  • 価格 1/4

中央線・武蔵境駅から徒歩10分ほどのところにある「珍々亭」。特徴的な黄色と赤のひさしが目印になるので、見失うことはないだろう。実は、一説には油そばの元祖といわれているのが同店だ。

1957年創業の同店は常ににぎわっている。看板メニューの油そば(850円)は、中太の麺に、チャーシュー、メンマ、ナルトが乗った非常にシンプルな一皿。丼の底に、肉のうまみたっぷりのたれが入っているので、麺や具と混ぜながら食べるのが正解だ。

卓上には酢や自家製のラー油が置かれているので、好みに応じて味を調節しよう。追加のトッピングは生卵(80円)、味付け卵(130円)、ネギ盛(150円)など。ラーメン好きなら一度は訪れるべき「聖地」だ。

東京のラーメンをもっと楽しみたいなら……

  • ラーメン

諸説あるが、古くは新潟の燕三条が発祥といわれている「背脂系ラーメン」。東京では「ホープ軒」などを元祖として、「背脂チャッチャ系」の愛称(スープにコクを出すために煮込んだ豚の背脂をスープに入れる際に、網で白い背脂を「チャッチャッ」と振りかける動作から、この名前が付いた)で、1980年代から広く親しまれてきた。

2024年現在、東京には「燕三条系」や「背脂チャッチャ系」の系譜をくんだラーメン店に加えて、それらからインスパイアされた進化系ラーメン店が多数ある。ここでは、背脂の見た目のインパクトとは違って、マイルドで甘さのある背脂の魅力を最大限引き出している、15店舗を紹介する。

  • ラーメン

テキスト:メンチャック

近年、定番の味として定着した「鶏白湯(パイタン)ラーメン」。一口すすれば深いコクと白濁したスープのとりこになるだろう。

あっさりとしながら鶏脂のうまみが感じられる鶏白湯ラーメンは、コラーゲンや野菜などのトッピングをふんだんに盛り付けたヘルシーなメニューを展開する店も多くある。

ここでは、都内の18店を厳選。定番化したジャンルだけに、店ごとに趣向を凝らした独自の味わいが楽しめる。「牛や豚の臭みが苦手」という人でも親しめるメニューが多いので、ぜひ近くの名店に足を運んでもらいたい。

※料金は変動があるため、訪れる際は事前に公式ウェブサイトを確認してほしい。

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ラーメンは、厳格なルールに縛られることなくどこでも食べられる日本のソウルフードだ。街の至る所に店があり、東京はラーメンの激戦区でもある。定番といえば、塩、醤油、味噌、豚骨の4種類だが、実験的な味付けでその常識を覆そうとする料理人も増えてきている。

ここではタイムアウト東京英語編集部が選んだ、正統派ラーメンに引けを取らないモダンなラーメンを中心に紹介。リストを参考に、その進化と新たな可能性を感じる一杯を見つけてほしい。

  • ラーメン

近年ブームになりつつある「手揉み麺」。縮れ麺に分類されるこの麺は、製麺機で作る均整のとれた麺とは異なり、手打ちによるモチモチとした独自の食感が特徴でやみつきになること間違いなしだ。

基本的に多加水麺を使用し、手もみの工程はゆでる直前に行われる。麺をまな板などにこすりつけ、両手で優しくもみ、縮れをつけていく。それゆえに提供までに時間がかかることが多いが、打ち立てのおいしさは待ち時間など忘れてしまう喜びに変わるだろう。

本記事では、手もみ麺を扱う人気のラーメン店を紹介。店ごとに味わいが全く違うため、ぜひお気に入りを見つけてほしい。

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  • ラーメン

監修・テキスト:メンチャック

毎年、さまざまなラーメン店がオープンする東京。人気店の系列や、修行先から独立した店主による珠玉の一杯、はたまた大阪や京都など関西圏から出店したニューカマーまで、2022年後半から2023年までの注目する新店をピックアップした。新たな出合いに感謝するとともに、ラーメンを通して年を振り返ろう。

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