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東京、8月に行くべきジャズイベント5選

青山・恵比寿・吉祥寺でクールかつアツいジャズを聴く

Kosuke Hori
テキスト: Naoya Koike
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エアコンの効いた部屋で過ごしたり、浴衣で夏祭りも悪くない。

でもジャズで涼んだり、熱狂する夜を選ぶのはどうだろうか。ジャズの名のもとに開催される多種多様な公演が、酷暑の東京で特別な時間をあなたに提供してくれるはずだ。

本記事では、今月足を運ぶべき5つのライブを案内する。

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  • 音楽

ブラジルのリオデジャネイロ出身、ロサンゼルスを拠点に活動するギタリストで作曲家、プロデューサーのファビアーノ・ド・ナシメント(Fabiano do Nascimento)。日本でも人気を集めるサックス奏者のサム・ゲンデル(Sam Gendel)らとも親交があり、個性的な世界観を持つ才人だ。

大の親日家であり、我が国の雅楽にも興味を持っている彼の2年ぶりとなる「ブルーノート プレイス(BLUE NOTE PLACE)」での公演は、ソロパフォーマンス。自身のDNAに刻まれたブラジル音楽とジャズの技術が混ざった、卓越した技術を堪能できるだろう。

複雑で難易度が高い、ギターの倍音を鳴らすハーモニクス奏法を涼し気に聴かせるプレイは、夏の熱い日にぴったり。この日は東京の酷暑を忘れて、冷涼なサウンドに身を委ねてほしい。

※前半 19時〜、後半 20時〜/料金は3,300円(別途1オーダー)

  • 音楽
  • 新宿二丁目

ベテランの鍵盤奏者・坪口昌恭。盟友である菊地成孔のバンド・DC/PRGなど数々のアーティストと共演するほか、自身の活動では若手プレイヤーと積極的に関わるなど柔軟な姿勢を持つ。演奏スタイルは伝統的なものから抽象的なジャズ、さらには型破りな前衛、ポップスまでジャンルを問わない。

彼の魅力の一つは並べたキーボードの音色のこだわりなのだが、本公演のプロジェクト「Textures」ではそれを封印し、ピアノのみで表現する。さらに若手ベーシストの小西佑果、中堅ドラマーの横山和明、ベテランのパーカッショニスト・大儀見元という世代が入り混じる人選も面白い。

「音楽は感情表現である以前に数学であり美術」と語る通り、坪口の音楽にはリズムや構成において入り組んだ美学がある。しかしながら、その難解さを忘れるほどのバイブスをきっと味わえるはずだ。

※19時30分〜/料金は3,850円(1ドリンク込み)

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  • 音楽
  • 青山

誕生から100年以上を数え、定義が非常に難しくなっているジャズだが、一つの大きなパブリックイメージとして「派手なビッグバンド」がある。それを味わうなら、本公演がおすすめだ。

GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BANDは、グラミーやエミー賞を受賞したバンドマスターのゴードン・グッドウィン(Gordon Goodwin)を中心に、極上のエンターテインメントを届けるロサンゼルスの老舗ビッグバンド。今回は、結成25周年を迎えたステージを届ける。

残念ながらグッドウィンが体調不良のため、出演をキャンセル。それに伴い、当初からメンバーに入っていたウェイン・バージェロン(Wayne Bergeron)がバンドリーダーを務め、ピアニストはグッドウィンの希望で、宮本貴奈が登場する。グッドウィン自身によるメッセージも公開されているので、一読してほしい。

アレンジはトラディショナルなものから、ロックやファンクなど変幻自在で、あの手この手で観客を頼ませてくれるはずだ。各楽器メンバーも名手揃い。何の予備知識がなくても、「ブルーノート東京」でジャズを楽しみたいなら、迷わず行ってほしい。

※15・18日 1st 18時〜、2nd 20時30分〜、16・17日 1st 16時30分〜、2nd 19時30分〜/料金は1万1,000円〜

  • 音楽
  • 吉祥寺

吉祥寺のジャズスポットといえば「サムタイム(SOMETIME)」だろう。この場所が1975年にオープンして今年で50年、地下に下りると創業当時と変わらない内装が我々を出迎えてくれる。最初は「カジュアルに食事とジャズを楽しめる店」としてスタートしたそうだが、途中から今のように音楽をしっかり聴く場所へとシフトチェンジしていった。

この日の公演は、若かりし頃から出演していたサックスの山口真文、ボーカルの清水秀子、ピアノの関根俊行、ベースの斉藤誠が出演。円熟した彼らの演奏だけでなく、当時の思い出を語るMCも花が咲くことだろう。もしかしたら、今だから話せる破天荒なエピソードが飛び出すかもしれない。

半世紀という歴史に思いを馳せる貴重な機会を見逃さないように。

※1stセット 19〜20時、2ndセット 20時30分〜21時30分/料金は3,000円(別途1オーダー)

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  • 音楽
  • 青山

ジャズとタップダンスは意外と縁が深い。その歴史をよく知り、日本とニューヨークを股にかけるタップダンサー・熊谷和徳の公演が、南青山「バルーム(BAROOM)」で開催される。

1日目の演奏陣は、ラッパーのHUNGER、今年の「FUJI ROCK FESTIVAL」にも出演したベーシストの岩見継吾、独自の世界観を持つトランぺッターの類家心平と個性豊かなメンバーが勢揃い。世界で戦う熊谷のダンスと、ジャズメンの熱い化学反応は必見だ。

また浦上雄次や谷口翔有子といった実力派、そして若手のタップダンスカンパニー「THE FREEDOM JAZZ DANCE」も参加する。さらにジャムセッションも行われる予定だ。

そして、2日目は女優・中嶋朋子や音楽家・曽我大穂を交え、語りとタップダンスのユニークなコラボレーションが予定されている。
両日ともに目が離せない。

※料金は22日 前売り6,000円(30歳以下は3,000円)、当日6,500円(30歳以下は3,500円)/23日 前売り7,000円(30歳以下は3,000円)、当日7,500円(30歳以下は3,500円)/別途1ドリンク1,000円

暑い夏、音楽でもっとアツくなるなら……

  • 音楽

夏は、音楽好きにとって「FUJI ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」など、音楽フェスティバルが数多く開催される季節。そんな2025年のフェスティバルシーズン真っただ中でも、足を運ぶべき来日公演を紹介する。

「SUMMER SONIC」ヘッドライナーの単独公演や、「P-FUNK」創始者の帰還、ブラジル音楽の巨匠の80歳記念公演など、気になるイベントは早めにチケットを押さえておこう。

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  • シティライフ

日本の夏の風物詩の一つ「盆踊り」。平安時代中期に僧侶の空也上人が始めた「踊り念仏」が起源とされており、全国に500以上の踊りが存在するという、まさに日本が誇る一大フェスティバルであるが、近年は昔ながらの定番曲だけでなく、アニメソングやシティポップ、洋楽ロックナンバーなど、さまざまなジャンルを吸収してその勢力をさらに拡大させており、幅広い世代から注目を集めている。

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」とは阿波踊りのパンチラインだが、踊るとは単なる娯楽ではなく、心の奥底にある叫びを解放する営為であり、生きる力そのものである。ここでは、音楽好きにおすすめしたい、オルタナティヴな盆踊りを行うイベントを紹介しよう。

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  • 音楽

2010年代後半以降、「東京オリンピック」に向けたインバウンド需要を求め、渋谷を中心に音の良いDJバーがいくつも登場した。平日、週末関係なく深夜営業するクラブやDJバーの間を「ハシゴ」して楽しむことも珍しくはなくなった。

その一方で、コロナ禍中に「Contact」や「VISION」といったグローバルハーツ系列、「LOUNGE NEO」をはじめとする「clubasia」系列の中〜大型のクラブが相次いで閉店。出演者の多い大規模のパーティーに朝まで滞在する……というよりも、小〜中規模のイベントを移動するスタイルで朝を迎えるパーティフリークが一層増えたように思う。

そしてコロナ禍が収束し始めた現在、「ダンスミュージックが盛んなエリア」は渋谷だけではなく東京各所に点在している。ここ数年でオープンした店舗同士が、グループの域を越えて連携しながらサーキット(回遊)イベントを計画するなどのムーブメントも局所的に起きている。クラブやDJバー間の「ハシゴ」は、コロナ以前よりもっとスタンダードな遊び方になっていくのかもしれない。

では、あまり大きなタクシー移動をせず、スマートに回遊するにはどういったルートを組めば良いのだろうか。この記事では地域ごとに区切りながら、おすすめの回遊コースを紹介する。

  • 音楽
  • 音楽会場

空の下で音楽を浴びる。そんな贅沢を叶えてくれるルーフトップや半屋外のパーティーヴェニューが、東京やその近郊にある。

日没や夜景といった演出がフロアに新たな没入感を与えてくれるだけでなく、踊る以外の時間も受け止めてくれる屋外スペースは、現代のクラブ体験に欠かせない要素だ。

ここでは食事やドリンクとともにリラックスできるラウンジから、大人数を動員する本格的なライブスペースまで、オープンエアで音楽を楽しめるヴェニューを紹介する。

屋外ならではの思いがけない自由や、心地よさを体験してみてほしい。

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  • トラベル

バンコクには優れたレコードショップが多くあるが、真の音楽愛好家はそれらの店が、単にレコードを売っているのではなく、音楽文化そのものを生かし続けているということをよく知っている。

多くの人々がスマートフォンで音楽をストリーミングしながら絶え間なく画面を眺めるこの時代にあっても、アナログな音を好み、ほこりをかぶったレコードに心躍らせ、音楽を実体験として味わいたい者たちのための居場所が、バンコクにはまだ残されているのだ。

長年の「ディガー」であるか、先週初めてターンテーブルを手に入れたばかりの初心者であるかは関係ない。

この街には、ただレコードを売るだけでなく、コミュニティーを育み、情熱を燃やし続け、フィジカルな音楽がなぜ今なお重要であるのかを思い出させてくれる、控えめながら輝く店が点在している。

現金と時間、そして何より好奇心を持って訪れたい、バンコクのレコードショップを紹介しよう。

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