バンコク、レコードショップ8選
Photograph: Vinyl & Toys
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バンコク、ベストレコードショップ8選

掘り出し物が見つかるレコードの宝庫を巡る

Toey Sarunrat
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バンコクには優れたレコードショップが多くあるが、真の音楽愛好家はそれらの店が、単にレコードを売っているのではなく、音楽文化そのものを生かし続けているということをよく知っている。

多くの人々がスマートフォンで音楽をストリーミングしながら絶え間なく画面を眺めるこの時代にあっても、アナログな音を好み、ほこりをかぶったレコードに心躍らせ、音楽を実体験として味わいたい者たちのための居場所が、バンコクにはまだ残されているのだ。

長年の「ディガー」であるか、先週初めてターンテーブルを手に入れたばかりの初心者であるかは関係ない。

この街には、ただレコードを売るだけでなく、コミュニティーを育み、情熱を燃やし続け、フィジカルな音楽がなぜ今なお重要であるのかを思い出させてくれる、控えめながら輝く店が点在している。

現金と時間、そして何より好奇心を持って訪れたい、バンコクのレコードショップを紹介しよう。

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あなたにおじがいれば、小さい頃にきっとこんな店に連れてきてくれたことだろう。一部が店舗、一部がステージである「ノン タプラチャン(Nong Taprachan)」は、開店からほぼ半世紀にわたりその姿をほとんど変えず、地元の才能を支えることに全力を注いでいる。

彼らは単に中古のレコードやCDを売っているわけではなく、アーティストはここでライブができる。ただ、出演に際しては、一つだけルールが課せられる。それは、カバー曲を演奏しないことだ。全てオリジナル曲にこだわっているのは、著作権のルールを軽んじないためである。

新人は、ステージに立つために最低でも5曲のオリジナル曲を持っていなければならない。この店はDIY精神にあふれ、昔ながらのスタイルを守っている。素直に言ってかなりクールな場所である。

さらに、特定のカセットテープやレコード、あるいはCDプレーヤーを探している場合は、海外から取り寄せることになってでも、できる限り手配してくれるというのがうれしい点だ。

14 Taprachan, Wang Lang Pier (Rot Fai Pier Alley), Phra Borom Maha Ratchawang.

「ガレージ レコーズ(Garage Records)」はもともとInstagramショップとして始まったが、現在ではレコードマニアたちが足を運ぶ、正真正銘の聖地。1980〜90年代のレコードに大きく偏るセレクションは、まるで、CDが台頭し始めた時代に対するラブレターのようだ。

メインストリームでの注目を浴びなかったアルバムも数多く見つかり、訪れるたびに宝探しをしているような気分が味わえる。

マドンナのレコードを求めて入店し、知らなかった日本のジャズファンクのレアなLPを手にして店を出ることもある。そんな場所だ。

110 Soi Lat Phrao 8 Yaek 9, Chom Phon, Chatuchak.

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店名が全てを物語っている。「ヴァイナル ダイ ダーズ(Vinyl Die Hards)」は熱狂的なファンに向けた場所であるだけでなく、そのファン自身によって営まれている。

往年の名作が中心で、新品同様の盤から、1960〜80年代の味わい深く時代を感じさせるものまで幅広く揃う。

筋金入りの音楽人生を歩んできた店主は、幼い頃に聴いたかすかな記憶の一枚を、「山」から一緒に探してくれるような人物だ。

音楽を目当てに訪れても、物語に引き込まれてつい長居してしまう。そして何よりも楽しいのは、レコードに関して異常なほど詳しいカウンター越しのその人との会話にある。

162 Srinagarindra Rd, Nong Bon, Prawet.

レコードのことを指す「Fat Black」を名に持つ「ファット ブラック レコード(FAT BLACK RECORD)」は、新品の再発レコードのほか、クロスリーからレガに至るまで本格的なオーディオ機器も扱うコレクター向けの店だ。

価格は驚くほど良心的。主には、自宅のオーディオ環境を整えたい、あるいはグレードアップしたいと考える人々に応えているが、注意深く探せば、ビンテージレコードとも出合える。

店内は雑然とすることなく、丁寧に選び抜かれた商品が並んでいる印象がある。それが何よりも心地よい。

345 Thara Rom Alley, Hua Mak, Bang Kapi.

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「ズドラングマ レコーズ(Zudrangma Records)」はDJのマフト・サイが手がけるレコードショップであり、世界の音楽を愛し、なおかつ確かなセンスを持つ人々にとっての心強い拠点である。

ここではヒットチャートの常連曲は忘れてほしい。主役となるのは、タイ・ファンク、モーラム、ルクトゥンといったジャンル、そして埋もれかけた地方の音楽的至宝たちである。

レコードショップであると同時に、音の記憶を掘り起こすアーカイブの役割も担っており、その中から忘れ去られたタイのサウンドをカルト的名作として再評価することにも情熱を注いでいる。

アフリカン・ソウル、レア・ディスコ、世界各国からの輸入盤も豊富。さんざん音楽を聞いてきたと感じるコレクターすら、思わず手を伸ばすアイテムもある。まだ聴いたことのない音に出合いたいのなら、ここに行くしかない。

7/1 Sukhumvit 51, Wattana.

「ヴァイナル&トイズ(Vinyl & Toys)」は単なるレコードショップではない。懐かしさの渦に巻き込まれる、いわばノスタルジアのわな(もちろん、いい意味)である。

店内は半分がカフェ、もう半分がミニ博物館のような構成であり、ビンテージのコレクターズアイテムやフィギュア、さらには1990年代を思い出さずにはいられないほどのレトロゲームが所狭しと並んでいる。

雰囲気はリラックスしており、料理も申し分なく、音楽のセレクションも充実。おもちゃの間にはレアなレコードを集めた棚もあり、屋内外がつながった空間構成も手伝って、つい時間を忘れてしまう。

まるで、レコードを500枚所有し、セガのゲーム機をいまだに動かしている「イケてる友人」の家に遊びに来たような心地よさだ。

9/19 Pradit Manutham Rd (Ram Indra-Ardnarong), Lad Phrao.

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「CDコスモス(COSMOS)」は、インディーズ好きにとっての定番スポット。レコードショップであると同時に、音楽流通の拠点であり、コミュニティーのたまり場でもある。

新品のレコード、CD、カセットテープ、ポスター、あるいはマニアックなバンドのグッズを求めているなら、この店 に行けばまず間違いない。

店の雰囲気は控えめながら熱量があり、入れ替わりで現れる音楽オタクたちがリコメンドを交換し合っている。一つの目的で立ち寄ったつもりが、気づけばレディオヘッドのB面曲について2時間語り合っている、ということもある。

1582 Phahonyothin 30/1, Chan Kasem, Chatuchak.

チャルーン・クルン通りの2軒のショップハウスにまたがって位置する「レコードーフィー(Recordoffee)」は、カフェであると同時にレコードショップでもある。

落ち着いた雰囲気の中、選び抜かれた音楽が流れ、ほんの少しアンダーグラウンド感も漂う。濃いめのコーヒーとアナログ音楽を好むディガーにとって理想的な憩いの場だ。訪れる客はレコードを物色し、フラットホワイトを味わい、スタッフに好みのレコードをかけてもらいながらくつろげる。

また、テクニクス、ガッドハウス、オーディオテクニカといったオーディオ機器の正規代理店でもあり、ターンテーブルのアップグレードを検討している者にとっては頼もしいショップだ。

さらにこの店を特別なものにしているのは、スタッフの親しみやすさが、流れるプレイリストのスムーズさに劣らないことだろう。

95 14-15 Charoen Krung Rd, Talat Noi, Samphanthawong.

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