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この夏、音楽好きは見逃せない盆踊り6選

太鼓からDJまで、音が主役の夏祭りを厳選

Rikimaru Yamatsuka
テキスト
Rikimaru Yamatsuka
作家
大和町八幡神社 大盆踊り会
画像提供:大盆踊り会実行委員会
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日本の夏の風物詩の一つ「盆踊り」。平安時代中期に僧侶の空也上人が始めた「踊り念仏」が起源とされており、全国に500以上の踊りが存在するという、まさに日本が誇る一大フェスティバルであるが、近年は昔ながらの定番曲だけでなく、アニメソングやシティポップ、洋楽ロックナンバーなど、さまざまなジャンルを吸収してその勢力をさらに拡大させており、幅広い世代から注目を集めている。

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」とは阿波踊りのパンチラインだが、踊るとは単なる娯楽ではなく、心の奥底にある叫びを解放する営為であり、生きる力そのものである。ここでは、音楽好きにおすすめしたい、オルタナティヴな盆踊りを行うイベントを紹介しよう。

大滝詠一 ナイアガラ盆踊り

大滝詠一 ナイアガラ盆踊り
画像提供:J-WAVE(81.3FM)大滝詠一 ナイアガラ盆踊り

代々木公園で開催される「ナイアガラ盆踊り」。かの大滝詠一が主宰していたナイアガラレコードの公認イベントで、『Let’s Ondo Again』や『イエロー・サブマリン音頭』などの名曲にのせた音頭スタイルの盆踊りが楽しめる。

当日は会場にやぐらが出現し、花柳糸之(全日本舞踊振付家協会代表理事)によるオリジナル振り付けを、花柳糸之社中のメンバーが披露しイベントを盛り上げる。さらにゲストとして野宮真貴が2日間登場し、『東京は夜の七時~盆踊りVERSION~』や『スウィート・ソウル・レヴュー~盆踊りVERSION~』を披露。2025年7月13日(日)にはクレイジーケンバンドの横山剣も登場する。

オリジナルTシャツや手ぬぐいなど物販も充実しており、夏フェスさながらのファンキーな夜を味わえそうだ。

※7月12〜13日 18時15分〜20時30分時/代々木公園イベント広場・ケヤキ並木で開催/入場無料

中野駅前大盆踊り大会

Nakano Bon Odori Festival
Photo: Nakano Bon Odori Festiva

今年で第13回目を迎える人気イベント「中野駅前盆踊り」。2024年には75,000人もの来場者が集まったというから驚きだ。「中野の唄と踊りを生唄で」をテーマに、地元の『中野音頭』を始め、『東京音頭』や『炭坑節』、『ドダレバチ』、『鹿児島おはら』など、日本全国の民謡盆踊りを中野区民謡連盟の生演奏で踊ることができる。

さらに、往年の洋楽ヒット曲をセレクトした 「盆ロック」 や、DJによる「盆ディスコ」も楽しめる。2018年にボン・ジョヴィの名曲『Livin’ On A Prayer』に合わせて盆踊りを踊る動画がSNSで拡散されたことから「盆ジョヴィ」の通称でも親しまれており、なんと2024年にはボン・ジョヴィ本人からコメントが寄せられた。

DJ KOOやDJやついいちろう、ザ・リーサルウェポンズ、演歌歌手の丘みどり、ちぃたん☆など豪華ゲストによるアクトも見逃せない。

8月2日、3日 10〜21時/入場は無料中野セントラルパーク・パークアベニュー、中野四季の森公園で開催/入場無料

神田明神納涼祭り

神田明神納涼祭り
画像提供:神田明神

1300年近い歴史を持つ神田明神が主催する「神田明神納涼祭り」。昔ながらの屋台や盆踊りが愉しめる夏祭りだが、なんといっても白眉は初日に櫓を組んで催される「アニソン盆踊り」だ。

『クックロビン音頭』や『おそ松くん音頭』などのクラシックから、『邪神ちゃん音頭』や『おジャ魔女カーニバル!!』といったキラーチューンまで幅広くマウントした、秋葉原ならではのアニソンによるポップで賑やかな盆踊りは、老若男女を問わず楽しむことができる。

ガイドダンサーによる振付けのレクチャータイムもあるので、初心者でも気軽に参加可能。特設ステージでのライヴや、アニメとコラボしたイベントや出店も多数企画されている。

8月8日~10日 11〜21時/神田明神で開催/入場無料

すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り

すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り
画像提供:錦糸町河内音頭実行委員会

1982年から行われている歴史あるイベント「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」。河内音頭の盆踊りは全国各地で開催されているものの、この錦糸町河内音頭は少し特別で、「音頭取り」と呼ばれる歌い手の生歌や、和太鼓・三味線などの生演奏に合わせて踊ることができる。

生歌・生演奏で踊れるというライブ性の高さから「東京下町フェス」とも呼ばれており、このパフォーマンスを目当てに遠方から来場する観客も多い。立ち並ぶ屋台とともに、迫力のサウンドをぜひ体感してみてほしい。

出演者は現役最高峰の音頭取りのひとりと称されるレジェンド・山中一平や、「演歌BOSSA」なる独特のスタイルで知られるミュージシャンのカオリーニョ藤原、日本最高齢のレゲエアーティスト・James Bong AKA 若井ぼんなどによる貴重なアクトの数々も見逃せない。

※7月30日、31日 17時30分〜21時時/竪川親水公園特設会場(首都高速7号線高架下)で開催/入場無料

大和町八幡神社 大盆踊り会

大和町八幡神社 大盆踊り会
画像提供:大盆踊り会実行委員会

大和町八幡神社で開催される「大盆踊り会」通称DAIBON。平安時代に創建されたという由緒正しき大和町八幡神社で、古くから続いてきた盆踊りはもちろんのこと、やはた幼稚園の園児たちによるチアリーディング&空手のパフォーマンスや、地元のフラダンスクラブによるフラダンス公演、ラジオ体操、多彩なアーティストたちによるライブアクトなどなど、バラエティー豊かな演目が楽しめる。

昨年はDJ盆踊りの立役者・珍盤亭娯楽師匠による、往年のヒット曲に盆踊りの振り付けを組み込んだ「メガヒッツ盆踊り」が話題になった。また、茶釜の花魁やファー星人、うなぎ坊主など、オリジナル妖怪が多数出現する光景はまさに異空間そのもの。住宅街の真ん中に現れる非日常に心ゆくまで溺れよう。

7月19日に大和町八幡神社で開催

7月19日(雨天翌日) 15時〜20時30分大和町八幡神社で開催/入場無料

シブヤ ミヤシタパーク ボンダンス 2025

SHIBUYA MIYASHITA PARK BON DANCE
画像提供:株式会社シブヤテレビジョンSHIBUYA MIYASHITA PARK BON DANCE

渋谷のカルチャーと日本の伝統的な祭りの融合を目的とした「SHIBUYA MIYASHITA PARK BON DANCE 2025」。自由でかしこまらず、誰でも楽しめる「祭り」をテーマに、さまざまなプログラムが実施される。

盆踊りと多様なダンスミュージックをミックスした「BON DANCE」やライブアクトのほか、ミヤシタパーク周辺の店舗が集結し展開するドリンク&フードも大充実。さらにはミュージック、ファッション、アートを縁日スタイルで体験できるマーケットエリアも登場し、あらゆるベクトルから渋谷カルチャーを味わえるイベントとなっている。

渋谷の真ん中で踊って食べて飲んで買い物して、夏を締めくくるには絶好だ。

9月27、28日 13〜21時/ミヤシタパークで開催/入場無料

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