コーヒー好きから高い注目を集めるトップオブトップコーヒー専門店「イグニス(ignis)」を営むのは、オーナーバリスタ兼ロースターの土橋永司だ。同店ではスペシャルティコーヒーの中でも最高品質のものだけを常時10種類以上用意しており、価格は1杯1,000〜3,800円(以下全て税込み)ほどで提供している。
土橋自身がエチオピアのオークションにおいて過去最高額で落札した豆で淹れるコーヒーは1杯1万円で、コーヒーマニアたちが希少な体験を楽しんでいる。
同店は「コーヒー業界におけるニュースタンダード」を目指しており、本来コーヒーショップの売上の主軸となるカフェラテなどのミルクを使用したコーヒーは、一部のアレンジドリンクを除き提供していない。
トップオブトップの豆で淹れるコーヒーは香りが華やかな上に個性も豊かで、飲み比べを楽しむ客も少なくないそうだ。オリジナル商品の開発にも積極的で、チョコレートを一切使用しないフェイクカフェモカ「ノワール(Noir)」や、カクテルグラスで提供する「コーヒーゼリー」はメディアからも注目を浴びている。
土橋がコーヒー業界に足を踏み入れるきっかけとなったのは、大学生の頃に席巻していたラテアートブームだった。ラテアート日本チャンピオンが所属するコーヒーショップに身を置きラテアートの鍛錬に勤しんでいたが、「見た目よりも味が重要なのではないか」と考え、コーヒーショップを巡り始めた。
そんな中で出合ったのが、「堀口珈琲」で飲んだエチオピアのコーヒーだ。その衝撃的なほどに思えたフルーティーな味わいは、土橋に味を極めていくことを決意させる。神田「グリッチコーヒー&ロースターズ(GLITCH COFFEE & ROASTERS)」では立ち上げからジョインし、生産国へ足を運ぶなどしながらバリスタとして研さんを積んだ。
イグニスは千駄木の本店に次ぎ、2023年1月に鎌倉に2号店をオープンさせており、今後も積極的に店舗を増やしていく予定だ。新しいコーヒー体験を楽しみたいなら外せない一軒である。