1. ローシュガーロースト
    Photo: Kisa Toyoshima
  2. ハットコーヒー
    Photo: Kisa Toyoshima
  3. ペチカ スケマサコーヒー
    Photo: Kisa Toyoshima
  4. ライトアップコーヒー
    Photo: Kisa Toyoshima
  5. イグニス
    Photo: Kisa Toyoshima

東京、注目の若手バリスタの店5選

スペシャルティコーヒー、ラテアート、経営者……それぞれの場所で輝くバリスタたち

編集:
Genya Aoki
寄稿:
Kumiko Nakakuki
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タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、注目の若手バリスタの店5選

ラテアートブームやスペシャルティコーヒーの台頭をきっかけにコーヒー業界に足を踏み入れた多くの若いバリスタたちが、今日本中のコーヒーシーンで活躍している。中でも今回紹介する若手実力者5人は、それぞれの感性や経験によってこれまでにはなかった新しい道を開拓してきた精鋭ばかりだ。

彼らの活躍の様子を見れば、きっと今のコーヒー業界がどのように広がりを見せているのかを読み解くこともできるだろう。コーヒーで暮らしをより充実させたいなら、ぜひ彼らの店を訪れてみてほしい。

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コーヒー好きから高い注目を集めるトップオブトップコーヒー専門店「イグニス(ignis)」を営むのは、オーナーバリスタ兼ロースターの土橋永司だ。同店ではスペシャルティコーヒーの中でも最高品質のものだけを常時10種類以上用意しており、価格は1杯1,000〜3,800円(以下全て税込み)ほどで提供している。

土橋自身がエチオピアのオークションにおいて過去最高額で落札した豆で淹れるコーヒーは1杯1万円で、コーヒーマニアたちが希少な体験を楽しんでいる。

同店は「コーヒー業界におけるニュースタンダード」を目指しており、本来コーヒーショップの売上の主軸となるカフェラテなどのミルクを使用したコーヒーは、一部のアレンジドリンクを除き提供していない。

トップオブトップの豆で淹れるコーヒーは香りが華やかな上に個性も豊かで、飲み比べを楽しむ客も少なくないそうだ。オリジナル商品の開発にも積極的で、チョコレートを一切使用しないフェイクカフェモカ「ノワール(Noir)」や、カクテルグラスで提供する「コーヒーゼリー」はメディアからも注目を浴びている。

土橋がコーヒー業界に足を踏み入れるきっかけとなったのは、大学生の頃に席巻していたラテアートブームだった。ラテアート日本チャンピオンが所属するコーヒーショップに身を置きラテアートの鍛錬に勤しんでいたが、「見た目よりも味が重要なのではないか」と考え、コーヒーショップを巡り始めた。

そんな中で出合ったのが、「堀口珈琲」で飲んだエチオピアのコーヒーだ。その衝撃的なほどに思えたフルーティーな味わいは、土橋に味を極めていくことを決意させる。神田「グリッチコーヒー&ロースターズ(GLITCH COFFEE & ROASTERS)」では立ち上げからジョインし、生産国へ足を運ぶなどしながらバリスタとして研さんを積んだ。

イグニスは千駄木の本店に次ぎ、2023年1月に鎌倉に2号店をオープンさせており、今後も積極的に店舗を増やしていく予定だ。新しいコーヒー体験を楽しみたいなら外せない一軒である。

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多くの若者たちにとってバリスタは憧れの職業だが、その一方で30代になるとキャリアの先が見えず業界を去ってしまう人も少なくない。そんな中、新しいキャリアを開拓したのが小坂田祐哉だ。

小坂田は、浅煎(い)りコーヒーの先駆けである「グリッチコーヒー&ロースターズ」で立ち上げから携わり、マネジャーやトレーナーを務めた。2020年、30歳の頃、オーストラリアやイギリスで焙煎(ばいせん)やクオリティーコントロールを経験した小田政志とタッグを組み、まだ日本では珍しいコーヒーコンサルティングチームを結成した。

代々木上原「ナンバー(No.)」や学芸大学「ダブリューアール(WR.)」のプロデュースおよびディレクションのほか、人気店のコンサルティング、数多くの企業への焙煎豆の提供などを行っている。

2022年4月には経堂に「ローシュガーロースト(Raw Sugar Roast)」をオープン。実店舗を開くことで、さらに新規の卸先も増えたという。

現在、小坂田は「ローシュガーロースト」内に設置したオランダ製の焙煎機で、毎月数トンにもおよぶコーヒー豆を焙煎している。小坂田が豆の仕入れから焙煎、抽出レシピまで手がけるコーヒーを味わってみたいなら、ぜひ同店に足を運んでみてほしい。

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  • 吉祥寺

日本のコーヒービジネスをダイナミックに変革させているのは、「ライトアップコーヒー(LIGHT UP COFFEE)」のオーナーバリスタである川野優馬だ。川野が多くのバリスタと一線を画しているのは、コーヒーへの情熱と高いビジネス力の両方を兼ね備えている点だろう。

ジャズミュージシャンの両親のもとで育った川野は、慶應大学在学中に「オニバス コーヒー(ONIBUS COFFEE)」と「フグレン コーヒー ロースターズ(FUGLEN COFFEE ROASTERS)」で飲んだ浅煎りコーヒーの果実味あふれる味わいに衝撃を受ける。

当時すでにラテアートの日本チャンピオンでもあった川野だが、小さな焙煎機を購入して独学で研究を進めながら、同じカフェで働いていた仲間2人とともに、ヨーロッパの有名コーヒーショップを巡る旅に出る。

訪れる予定の店には事前にアポイントメントを取り、自分が焙煎した豆を持参すると、行く先々でスペシャルティコーヒーの考え方や作り方を親身に教えてくれたという。

その経験が糧となり、帰国の翌年にオープンしたのが「ライトアップコーヒー」である。同店では、実店舗よりもオンラインの売上が実は圧倒的に高い。川野自身が熱量高く更新し続けるYouTubeやnote、TwitterなどのSNSから新規顧客も増え、コーヒー豆の定期販売は焙煎量の限界を超えるまでに。エスプレッソを急速冷凍した「エスプレッソキューブ」や「コーヒーゼリー」はメディアにも取り上げられ、オンラインで人気だ。

同店ではアジア地域のコーヒー生産を盛り上げるため、インドネシアのバリ島とベトナムのダラットで農園運営に携わっている。農園ツアーは初回から応募が殺到するほどで、2023年はすでに7回開催。コーヒーの主要生産国であるアフリカや中南米よりもアクセスが良く、参加者からも好評のようだ。

現在店舗は吉祥寺と下北沢にあり、2023年9月には三鷹に大きなロースタリーカフェがオープンする。今後も「ライトアップコーヒー」の躍進から目が離せない。

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経営者として手腕をふるうのは、浅草で2店舗のカフェを経営する木村佐理だ。2018年、浅草で着物姿のバリスタがエスプレッソマシンを操る「スケマサ コーヒー(Sukemasa Coffee)」を、2022年には同じく浅草に季節のケーキが楽しめる「ペチカ スケマサコーヒー(Petika sukemasacoffee)」をオープンさせた。

コロナ禍において浅草は都内でも特に人の出が減っていたエリアだったが、「スケマサ コーヒー」には連日多くの客が来店し、行列ができる日もあったという。

経営者になるまでの木村の人生は、挫折と挑戦の連続だった。幼い頃からパティシエを目指していた彼女は、調理師学校の製菓コースを経て、地元の人気洋菓子店に入社。しかし、冷蔵庫の中でケーキを作る過酷な環境や長時間労働などがたたり、体調を崩して退職してしまう。

しばらく会社員をしていた木村だが、2011年の東日本大震災をきっかけに一度諦めた飲食業界へ戻ることを決意。コーヒー界のレジェンド「カフェバッハ(cafe Bach)」の田口護が淹れるコーヒーの味わいに感動し、バリスタの道へ進む。その数年後にはラテアートの世界選手権に出場するなど、目覚ましい結果を残した。

2016年からは、女性バリスタの技術の底上げと社会的地位の向上を目指すラテアート大会「Lady Barista Latte Art Competition」を主催してきた。

現在、ラテアート大会の主催は後進に引き継ぎ、実店舗の経営を中心に行っている。将来は「スケマサ コーヒー」の2号店を京都でオープンするのが目標だ。

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松野浩平は、悶絶級の3Dラテアートを客の目の前で作り上げる日本屈指のラテアーティストだ。2019年に開いた自身のコンセプトカフェ「ハットコーヒー(HATCOFFEE)」は、連日予約で席が埋まるほどの人気で、海外から同店を目指して訪れる客も多い。

3Dラテアートが生み出された背景は、ある偶然の出来事だった。松野は調理師学校を卒業後、シェフを目指して働いていたイタリアンレストランで食後のコーヒーを担当。そこでラテアートを描いたコーヒーを客に提供したところ多くの客に喜ばれたことが、コーヒーの道を極めるきっかけとなる。

ある日自宅でラテアートの練習をしていたら、スチームに失敗し、ミルクの泡が固くなり過ぎてしまった。しかしその泡で立体的なラテアートを作ってみると、友人から絶賛。その後はインターネット上で作品を発表したり、フリーマーケットなどでライブパフォーマンスをしたりして国内でも徐々に認知度が上がっていく中、ロイター通信制作の動画コンテンツに出演し「3Dラテアートの第一人者」として世界60カ国以上で知られるに至った。

現在では蔵前と浅草において2店舗のカフェを経営するとともに、企業・ブランドとのコラボや監修、広告やドラマへの協力、バラエティー番組の出演、イギリスでラテアートの教則本を出版するなど、活動の幅を広げている。

もっと東京でカフェカルチャーを楽しみたいなら…

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地方を出て東京で暮らす人の中には、街で自分の地元発祥の店を見つけたり、偶然同郷の店員と出会ったりして、思わずうれしくなった経験がある人もいるだろう。

地方で生まれた店はそれ自体をウリにはしていなくても、どこかその土地らしい雰囲気を醸し出している。今回は中でも独特の魅力を持ったカフェを紹介しよう。

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ここ数年都内では、純喫茶らしい空間でありながら海外コーヒーショップのような最先端のコーヒーが味わえたり、純喫茶の定番商品を現代風にアレンジしたメニューが楽しめたりする喫茶店が増えている。

そういった店を「ネオ喫茶」と呼んでいるが、それぞれの店主が純喫茶を自由に表現しているため、個性の光る店が多いのが魅力だ。今回はぜひ足を運んでみてほしい、よりすぐりのネオ喫茶を6店紹介する。

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歴史ある日本文化の魅力を現代に伝える有形文化財。都内には国が指定する重要文化財や市区町村が指定する登録有形文化財の中で、喫茶が楽しめる場所がいくつかある。

それらは文化財という共通点を持ちながらも、江戸文化を伝承する建物もあれば、世界的な建築家が設計したもの、フランス発祥の建築様式など、それぞれに個性豊かだ。名建築の中に佇むカフェでぜひ特別な時間を過ごしてほしい。

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ここ数年、海外で人気を博したカフェやコーヒーショップの日本初出店が増えている。海外旅行はまだ気軽にできなくとも、都内で外国のカルチャーに触れたり、異国情緒に浸ったりするのはどうだろう。今回は、中でも海外の雰囲気が満喫できる店を厳選して紹介する。

 

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東京には、コーヒーショップやティールームが十分と言っていいほどある。Wi-Fiが利用できるカフェや昔ながらの喫茶店など、選択肢は尽きない。それらの選択肢の中には、ドリンクやフードのためだけでなく、店自体に訪れる価値のあるクールなデザインのカフェもある。

ここでは、ハンドドリップで楽しむ日本茶専門店やモダンでシンプルな店など、東京で最もスタイリッシュなカフェを紹介する。

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