佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)
Photo: Kisa Toyoshima | 「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」展示風景
Photo: Kisa Toyoshima

東京、7月から8月に行くべきアート展

個性豊かな注目の展覧会を紹介

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タイムアウト東京 > カルチャー > 東京、7月から8月に行くべきアート展

東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介。ガチャガチャにフォーカスした展示から、大奥の歴史と文化に迫るものムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソン展まで、今月も注目の展示が盛りだくさんだ。

厳選したアート展を紹介する「東京、7月に行くべきアート展5選」「東京、7月に行くべき無料のアート展8選」という記事も公開しているので、併せてチェックしてほしい。

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  • Things to do
  • 丸の内

1965年にアメリカから日本へ輸入され、日本独自の発展を遂げて、今年で日本上陸60周年を迎えるガチャガチャ。現在は「第4次ブーム」と呼ばれ、大人の女性を中心に老若男女に楽しまれている。「丸ビル」7階の丸ビルホールでは、そんなガチャガチャにフォーカスした展示が開催される。

カプセルに入った玩具が出てくる仕組みは変わらないが、ガチャガチャの商品のクオリティーは高く、品揃えは豊富になっている。また、ビジネスの観点から見ても急成長を遂げた。

本展では、ガチャガチャの文化的な発展に貢献する各企業の珠玉の品を展示し、その面白さを解剖。創造を形にする飽くなき探求心と、質の高い精巧なミニチュア商品や、ネタ要素満載の商品を体系的に紹介していく。

  • アート
  • 六本木

ムーミンの生みの親で、多方面に才能を発揮したフィンランドのアーティスト、トーベ・ヤンソン(Tove Jansson、1914〜2001年)の個展が開催。初期の油彩画や第二次世界大戦前後の風刺画、ムーミン小説・コミックスの原画やスケッチ、愛用品など約300点を通して、トーベの創作の世界を振り返る。

画家を目指していたトーベは、若い時から雑誌の挿絵で活躍。第二次世界大戦後の復興期には、市庁舎や病院、保育園など、公共施設の壁画も数多く手がけた。

戦争中のつらい日々からの救いの場として書き始め、1945年から1970年までに刊行された「ムーミン」小説は全9冊。ストーリーも挿絵もトーベによるムーミンは、新聞連載漫画や絵本にもなり、世界的な人気を博した。

本展の見どころは、ムーミンたちも登場する保育園のために描かれた壁画「フェアリーテイル・パノラマ」。日本ではあまり知られていない本作を、2面合わせて幅約7メートルの原寸大映像で紹介する。さらに、「ムーミン」小説の印象的な挿絵の映像演出も予定している。

ムーミンシリーズの魅力と、それを支えるトーベの豊かな創造力を再発見してほしい。

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  • アート
  • みなとみらい

「横浜美術館」で、佐藤雅彦の40年にわたる創作活動の軌跡をたどる世界初の大規模個展が開催。よく知られたテレビ番組やCM、キャラクターから、ビジュアルデザインやコピーライティング、漫画、ゲーム、楽曲、映画、教科書、膨大な著書まで、佐藤が表現者・教育者として世に送り出してきたコンテンツを一堂に紹介する。

「ピタゴラスイッチ」「バザールでござーる」「だんご3兄弟」「モルツ」「ポリンキー」など、時代を超えて話題作、ヒット作を送り出し続けた佐藤。創作の根幹には、「作り方」「分かり方」についての独自の理論やアイデアが蓄積されている。

本展では、多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的なコミュニケーションデザインの考え方や理論をひもとく。あらゆる物事にじっくりと対峙(たいじ)すること、自分なりの考え方を整理整頓すること、そこから表現を生み出すことの大切さ・面白さを広く伝えていく。

どの世代の人でもなじみ深いもの、記憶に残っているものが必ずある佐藤の手がけた作品。 「これ懐かしい」から始まり、「これも同じ人が作ったものだったのか」、さらに「え、こんなものも作っているの?」と、会場で発見と驚きを繰り返すだろう。

  • アート
  • 立川

立川の「プレイ!ミュージアム(PLAY! MUSEUM)」で、「どろぼう」をテーマにした没入体験型のエンターテインメント展覧会「大どろぼうの家」が開催。最後の盗みに出て留守中の、かの有名な「大どろぼう」の家に忍び込むという設定で構成した、来場者が主役のアート展だ。

本展では、新井風愉、伊野孝行、嶽まいこ、幅允孝、張替那麻、名久井直子、ヨシタケシンスケといった絵本作家・イラストレーター・建築家・アートディレクター・映像作家ら各ジャンルからクリエーターが参加。どろぼうをテーマにした、新作の絵画やインスタレーション、体験型の展示が揃う。

また、回廊、応接室、隠し部屋など8つの部屋に分けられた展示室には、どろぼうの肖像画や変装道具のほか、星や靴下などの謎が謎を呼ぶコレクションが並ぶ。来場者は無事に大どろぼうの家から抜け出て、この家に住む大どろぼうの正体を突き止めることができるのか。

どろぼうや人間の不思議さ、面白さを、新しい没入体験とともに楽しんでほしい。 

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  • アート
  • 恵比寿

「東京都写真美術館」の総合開館30周年を記念する「TOPコレクション展」 を開催。学芸員4人の共同企画によるオムニバス形式で、多角的な視点からえりすぐりの写真と映像の魅力を紹介する。

タイトル「トランスフィジカル」の「フィジカル」には、「物質的」「身体的」という意味がある。本展では、モノとして存在する写真の「物質性」や、被写体や作家自身の「身体的表現」に着目していく。

さらに、「トランス」という接頭辞は、対象がそのもの自体から、別の形態や位置へ移動していくプロセスや行為も指す。これまでのコレクション作品の新たな読み解き方を紹介し、イメージが作られていくその豊かな過程へと目を向ける。

デジタル化が進む現在の写真・映像の在り方に、同館の名作が鮮やかな一石を投じるだろう。

  • アート
  • 上野

「国立西洋美術館」で、「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで」が開催。ヨーロッパ美術史における巨匠の作品をはじめ、芸術家の技量と構想力の全てが注ぎ込まれている素描の魅力を存分に堪能できる。

「スウェーデン国立美術館」は、同国王家が収集した美術品を基盤にする、世界で最も古い美術館のうちの一つ。中でも素描コレクションは、世界規模で見ても質、量ともに充実したコレクションとして知られている。

本展では、その素描コレクションから、ルネサンスからバロックまでの名品をえりすぐって紹介。素描は環境の変化や光、振動の影響を受けやすいため、通常、海外所蔵の素描作品を日本で公開することは難しく、世界最高峰の素描コレクションがまとまって来日するのはこれが初めてだ。

作者の手の跡がより直接的に感じられ、制作の試行錯誤の過程を垣間見ることができ、まるで作家の創造の場に立ち会っているような臨場感を味わえる素描。その魅力を存分に楽しんでほしい。

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  • アート
  • 上野

「東京国立博物館」の「平成館」で、大奥の歴史と文化に迫る展覧会「江戸 大奥」が開催される。

見どころは、大奥で演じられた豪華絢爛(けんらん)な歌舞伎衣装の一挙公開や、本来の武家女性たちの装いの紹介。美しい和刺しゅうで草花や風景を表わした搔取(かいどり)や小袖の数々を、四季折々のしきたりとともに鑑賞できる。

また、最高の刺しゅう技術を用いて制作された、重要文化財である奈良・興福院の『刺繡掛袱紗(ふくさ)』は、全31枚が登場。さらに、庶民が憧れた江戸城の大奥の女性たちの生活を楊洲周延(ようしゅう・ちかのぶ)が描いた錦絵 『千代田の大奥』の40場面も展示する。大奥の様子が、実物で全場面観られる貴重な機会だ。

江戸幕府の隠された歴史ともいえる謎多き大奥の世界。真の姿を垣間見ては。

  • アート
  • 六本木

トゥーワン トゥーワン デザインサイト(21_21 DESIGN SIGHT)」で、自然災害に焦点を当てた企画展「そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–」が開催。そもそも災害とは何かという視点から、人々が直面してきた自然災害を広く見つめ直す。

会場では、これまでの地震や水害のデータビジュアライゼーションをはじめとしたリアルな状況把握や、防災に関するプロダクト、災害をきっかけに生まれたプロジェクトなどを紹介。また、各地に残る災害に関する言い伝えや今後の可能性に目を向けた研究など、過去から未来に至るまでの災害への向き合い方も解き明かす。

あまり考えたくはない災害の存在から目を背けず、その捉え方を見つめ直すことで、今やるべきことや、考えるべきことが見えてくるだろう。

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  • アート
  • 用賀

「世田谷美術館」で、写真家・野町和嘉の集大成となる展覧会が開催。「サハラ」「ナイル」「エチオピア」「グレート・リフト・ヴァレー」「チベット」「メッカとメディナ」「アンデス」の7つのテーマで代表作品を紹介し、野町の50年にわたる活動の足跡をたどる。

1972年、野町は25歳の時にサハラ砂漠を訪れ、大きな転機を迎えた。辺境に関する情報が乏しい時代、出会った旅人と地図を分け合うような行程の中で、野町は青天の下に開けた地平線と、古来より脈々と続く人々の営みに魅せられる。

サハラでの写真が認められ、『LIFE』をはじめとする各国のグラフ誌に掲載されるようになり、野町はさらに旅を続ける。深い信仰が人々の暮らしを形作っている、しかし外部の者が容易には近づくことのできない土地を目指した。野町の写真には、過酷な風土の中で暮らす人々の息遣いと生き抜く意志が宿っている。

デジタルデバイスと携帯電話の普及により、生活様式が、その土地独自の風習が、そして身に着けるものが急速に変化してしまった現在。野町の写真の光景は、貴重な地球のドキュメントといえるだろう。

  • アート
  • 恵比寿

「東京都写真美術館」で、近年国際的に注目されるイタリアを代表する写真家、ルイジ・ギッリ(Luigi Ghirri、1943〜1992年)のアジア初の美術館個展が開催。初期の代表作から晩年の作品まで約130点を幅広く紹介し、20年ほどにわたるギッリの写真に対する多角的な思索をたどる。

ギッリは測量技師としてのキャリアを積んだ後、1970年代から写真家として本格的に活動を始めた。色彩、空間、光に対する類まれな美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、主にカラー写真による実験的な写真表現を探求してきた。

本展では、ギッリが撮影したイタリアや旅先の風景、画家のジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi)や建築家のアルド・ロッシ(Aldo Rossi)といったアーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様な視覚的断片によって構成された風景表現を紹介する。

併せて、ギッリの活動を語る上で欠かせない存在であり、自身もグラフィックデザイナーとして活動した妻、パオラ・ボルゴンゾーニ(Paola Borgonzoni、1954〜2011年)の作品や資料も並ぶ。また会期中には、2022年に公開されたギッリの貴重なドキュメンタリー映画『Infinito』を、日本初上映する。

ギッリが探求し続けた、終わりのない風景に対する解釈と世界観に触れてほしい。

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  • アート
  • 渋谷

「渋谷ヒカリエ」の9階「ヒカリエホール」で、絵本界の巨匠、レオ・レオーニ(Leo Lionni、1910〜1999年)による「レオ・レオーニの絵本づくり展」が開催。作品に込められたメッセージ、そして、今なお世界中の幅広い世代に愛され続ける魅力に迫る。

絵本『スイミー』や『あおくんときいろちゃん』など、多数の名作を世に送り出したレオーニ。その生涯において携わった仕事は、グラフィックデザインやアートディレクションから絵本制作まで、多岐にわたる。

本展では、その中でも49歳になってから始めた絵本づくりに焦点を当てる。アートディレクターとして培った豊富な経験やセンスに基づく、コラージュをはじめとしたレオーニならではのさまざまなテクニックをひも解く。

また、絵本原画だけでなく、レオーニの絵本ワールドを体感できるインタラクティブな映像コンテンツも展開。細部にまでこだわり抜いた絵本づくりの技法、そして、レオーニが手仕事に込めた思いを感じてほしい。

  • アート
  • 渋谷

「渋谷ストリーム ホール」で、「鳥羽市立 海の博物館」「牧野富太郎記念館」「島根県芸術文化センター グラントワ」などの代表作で知られる建築家・内藤廣の個展「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」が開催。内藤の約半世紀にわたる建築思考を多角的に紹介する。

本展は、2023年に島根県益田市で開催され、建築ファンをはじめ多くの来場者を魅了した。今回は渋谷の都市を舞台に企画され、3フロアで構成。渋谷駅周辺と益田市街地との対比を直感的に体感できる新作模型をはじめとして、模型・図面・写真・映像など多彩な手法を用いた展示が並ぶ。

各作品には内藤の頭の中に宿る「赤鬼」と「青鬼」、そして時には「亡霊(物故者)」による、独特の語り口でユーモアも交えた解説が添えられている。また、ドローン撮影やスローモーション、タイムラプスを織り交ぜた映像が上映され、都市の「見えない風景」を映像作品として提示する。

さらに、2025年7月25日(金)には島根県石見地方の伝統芸能「石見神楽」を公演するほか、 7月28日(月)には内藤本人による特別講演も実施。内藤のユーモアたっぷりの語りとともに体験できる、唯一無二の建築展に足を運んでほしい。

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  • アート
  • 京橋

「アーティゾン美術館」で、オーストラリア各地で躍動する複数の女性アボリジナル作家に焦点を当てた、日本初の展覧会が開催。オーストラリア現代美術の現在地を、世代と地域を超えた7人と1組の作家から読み解く。

近年の国際的な現代美術の動向とも呼応し、オーストラリア先住民によるアボリジナルアートは、改めて世界的に注目を集めている。オーストラリア現代美術では多数の女性作家が高い評価を得ており、その多くがアボリジナルを出自の背景とする。

現代アボリジナルアートの特徴の一つに、制作手法やテーマ、そして素材の多様性が挙げられる。バティック、ジュエリー、編み物、土地神話物語を含まない事象的な主題など、それまで芸術作品として受け容れられていなかった創作を、女性作家たちは芸術表現に昇華させた。

また、社会問題、環境問題、過去の歴史、失われた文化の復興などの幅広いテーマを扱い、イギリスの脱植民地化の言説が進むオーストラリアで、アートを通して積極的にその実践を試みている。



オーストラリア現代美術の方向性を握る、複層的で多面的な現代のアボリジナルアートの「いま」に迫る本展。その多様な創作活動を垣間見てほしい。

  • アート
  • 箱根

イギリスのサフォークを拠点に活動し、国内でも高い人気を誇るライアン・ガンダー(Ryan Gander)の個展が、箱根の「ポーラ美術館」で開催。日本初公開の最新作を含め、館内のさまざまなスペースで、全18点におよぶ作品の数々を紹介する。

日常の中に潜む物語や多層的な意味を、知的な遊び心と鋭いユーモアを交えながら表現するガンダー。人間の言葉を話すカエル、読めない時計や仮想の国旗、ある兄弟の偽りの歴史など、作品は極めて具体的でありながら、捉えどころのない神秘に満ちている。

「アートの目的はコミュニケーションではなく、触媒として曖昧さを提供すること」と作家が語るように、作品の意味は固定されていなく、解釈と連想のプロセスによって、新たな物語が創造される。

見どころは、家族とともに生み出された作品の数々。ガンダーの子どもたちの声が作品に使用されていたり、ガンダーの父親による手書き文字が描かれていたりする。

また、ガンダーが生み出した新たな動物たちにも注目だ。館内のさまざまな場所にすみついた、不思議な動物たちを探しに行ってほしい。

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  • アート
  • 渋谷

「東京都渋谷公園通りギャラリー」で、11の作家が映し出すイギリス、アール・ブリュット(Art Brut)の現在地を紹介する「未知なる世界と出会うー英国アール・ブリュット作家の現在(いま)」が開催。世界的に評価の高いレジェンドから、新進気鋭の作家まで、幅広い世代の多様な作品群が集合する。

ゲストキュレーターは、イギリスを拠点にアール・ブリュットと、アウトサイダーアート分野のキュレーターやギャラリストとして活躍する、ジェニファー・ギルバート(Jennifer Gilbert)。マッジ・ギル(Madge Gill)やスコッティ・ウィルソン(Scottie Wilson)といった作家が参加し、緻密で繊細、かつエネルギッシュさを放つ表現が一堂に会する。

出展作品は、白黒とカラフルな作品に分けて公開。白黒の作品が並ぶクラシカルな雰囲気の部屋では、女性モチーフのほか、優美で有機的な形や線が印象的な作品が展示される。

カラフルでポップな印象を受ける部屋では、不思議な生き物や、どこか懐かしいカメラなど、多彩なモチーフが並ぶ。印象の異なるそれぞれの展示室で、想像力をかきたてる作品群を楽しんでほしい。 

  • アート
  • 天王洲

スタジオジブリ作品の魅力に迫る展覧会「ジブリの立体造型物展」が、天王洲の「寺田倉庫 B&C HALL/E HALL」で開催。2003年に始まった本格的なスタジオジブリ展の原点である「立体造型物展」が、進化を遂げて22年ぶりに東京に帰ってくる。

今、世界中で観られているスタジオジブリ作品。その背景には、長い時間をかけて届けようとした人々がそれぞれの国や地域にいた。

本展では、「海を渡った熱風」をテーマに、海外のパートナーたちがどのように作品を届けていったのかをたどる。併せて、『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』など、数々の映画からの名場面が立体造型物となって展示される。

注目は、『紅の豚』に登場する飛行艇「サボイアS.21」。「もしも本当にあったら」という想定で作られる迫力満点の飛行艇は、今にも飛び立ちそうに見えるだろう。

また、 宮﨑駿がかつて「三鷹の森ジブリ美術館」の企画展示用に制作した短編アニメーション『空想の空とぶ機械達』が特別上映。大空に憧れた人々がかつて空想した「空とぶ機械たち」を描く。さらに、会場隣接の水上施設「T-LOTUS M」では、『崖の上のポニョ』に出てくる「あのハム入りラーメン」が味わえる。

ジブリの世界に飛び込める本展。帰り道は、きっとジブリ作品が観たくなっているだろう。

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  • アート
  • 銀座

「ポーラ ミュージアム アネックス」で、ニューヨークを拠点に国際的に活躍するアーティスト、ホセ・パルラ(José Parlá)の個展が開催。備前焼の作品や、日本のアーティストやファッションデザイナーとのコラボレーション作品などを展示し、パルラの包括的な活動とルーツをたどるとともに、東京をテーマとした新作1点を含む合計18点の作品を紹介する。

マイアミ生まれのパルラは、アメリカ、プエルトリコ、キューバといった多様な移民文化に囲まれて育った。そうした環境は、都市生活や芸術に対する理解に深く影響を与え、彼の作品に大きなインスピレーションをもたらしている。

特に世界中を移動する中で出合った都市や多様な表現との対話は、異なる抽象表現を交差させたパルラの独自の視覚言語の探求を促してきた。作品は、言語やアイデンティティーといった概念、さらには場所や空間の定義そのものに対して、詩的な問いを投げかけている。

本展では、「Home Away from Home」と題し、一つに限定される「ホーム」ではなく、記憶、移動、人とのつながりによって形成され、常に変化し続ける風景という視点から展開する。

  • アート
  • 神泉

渋谷駅前のモニュメント『忠犬ハチ公像』の初代作者、安藤照(1892〜1945年)の個展が、「渋谷区立松濤美術館」で開催。没後80年を記念した本展は、彼の彫刻家としての活動を網羅的に紹介する初の展覧会だ。

数々の彫刻家がしのぎを削った昭和時代の彫刻界で、活躍を期待された存在であった安藤。1921年の彫刻家としてのデビューから、数々の賞を受賞し、早くから頭角を現した。

1934年には『忠犬ハチ公像』、1937年には『西郷隆盛像』と、現在も語り継がれるモニュメントを制作し、彫刻家としての地位を築く。しかし、その道半ばの1945年5月、渋谷区代々木の自宅兼アトリエが空襲にさらされ、安藤もその犠牲となった。

本展では、誰もが知る『忠犬ハチ公像』の影に隠れ、これまで語られる機会の少なかった安藤の生涯について迫るもの。戦火を逃れた現存作品約30点や関連する作家の作品が集合する。

激動の彫刻界、そして戦争に向かう不安定な時代の中でも「ただ黙々と仕事をして居ります」 と語った安藤の作品は、時世の雰囲気に逆らうかのごとく、素朴で静寂だ。激しくうつろう社会を生きる現代の我々にとって、時代と黙然と戦った安藤の彫刻は新鮮に映ることだろう。

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  • アート
  • 六本木

「スカイ ピラミデ(SCAI PIRAMIDE)」で、ドイツ・デュッセルドルフを拠点に活動する現代芸術家・竹岡雄二の個展が開催。1984年以来の代表的な「台座彫刻」に加え、空間に合わせた新作を含む彫刻10点とドローイングを一挙に公開する。

作品を乗せる台座そのものを彫刻にするというラディカルな方法論によって、竹岡は、美術史や美術館が体現してきた西洋近代美術の枠組みそのものに目を向けてきた。厳格なミニマリズムの彫刻言語に基づき選び抜かれた素材・形態・配置は、展示空間に緊張感をもたらすと同時に、我々の知覚を既成概念から解き放つ余白を宿している。

テラコッタの円盤の上に白い化粧板の台座が置かれた、初期作品の『無題』は、作品と台座の主従関係をユーモラスに覆している。

本展のタイトル「everything for freedom」は、竹岡がこれまでの芸術実践を通じて導き出した答えだ。同時に、世界の構造が変動し、確立された価値観が試される現在、彫刻を超えて人としての根源的な自由を問い続ける、竹岡の新たな宣言ともいえるだろう。

  • アート
  • 白金台

「東京都庭園美術館」で、旧朝香宮邸の建築空間を生かした、年に一度の建物公開展が開催。素材や技法、室内意匠など、建築そのものに注目しながら、同館の建築としての魅力を紹介する。

現在に至るまで同館は、朝香宮家が過ごした邸宅として、元首相・吉田茂の政務の場として、国の迎賓館として、民間の催事施設として、そして美術館として、時代の潮流とともに歴史を紡いできた。

本展では「機能の変遷」をテーマに、各時代を彩るゆかりの作品や写真・映像資料を通して、建物の記憶をひもとく。また、家具や調度品を用いた再現展示、ウインターガーデンの特別公開、さらに窓のカーテンを開け放ち、夏の新緑を望めるように設える。

アール・デコ様式の邸宅建築の魅力の源泉に迫る本展。唯一無二の空間を堪能してほしい。

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  • アート
  • 本郷

「トーキョーアーツアンドスペースレジデンス」の成果発表展、「リンガ・フランカ」が開催。東京や世界の街を舞台に滞在制作を行った7人のアーティストが参加する。

1期の2025517日~622日(日)と、第2期の75日(土)~810日(日)に分かれている本展。第1期では、「分断を越えて」というテーマの下、ボリャナ・ヴェンチスラヴォヴァ(Borjana Ventzislavova)、カルメン・パパリア(Carmen Papalia)、久松知子らが作品を展示し、第2期では、AKONITO、綾野文麿、金サジ、小宮知久、チェン・ズ(陳哲)らが参加する。

レジデンス滞在中に、異なる文化的背景を持つ人々と交流を深めながらリサーチを進め、その経験を凝縮させてきた彼らの視線や、現実への挑み方を垣間見てほしい。

  • アート
  • 神奈川

「平塚市美術館」で、平塚市出身のアーティスト・原良介の個展「原良介 サギ子とフナ子 光のそばで」が開催。一貫して追求している光の表現を中心に、近年多彩な広がりを見せている画家の現在地までを紹介する。

原の作品は、油絵具による一層のみの筆致で対象を的確に捉えた、明るい色の光あふれる風景が特徴。少ない手数で描く対象の形、奥行きや前後関係も見事に捉え、大画面の迫力ある筆遣いが魅力だ。

風景は、自然と人間の接点あるいはその境界を表し、多くはフィールドワークを元に制作。平塚出身の画家が子どものころから慣れ親しんだ土地や、何度も取材した場所は、鑑賞者にとってどこかで出合った景色を想起させるだろう。

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  • アート
  • 銀座

横尾忠則の個展「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」が「グッチ銀座 ギャラリー」で開催。「旅」を想起させるテーマを描いた作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作6点を含めた約30点の作品が展示される。

本展のテーマである「未完」とは、「芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿る」という、横尾が一貫して掲げてきた美学に基づくもの。1960年代から約60年にわたり、千変万化するスタイルと森羅万象に及ぶテーマを駆使しながら作品を生み出してきた横尾は、常に新しい表現の可能性に挑戦してきた。

特別に解放された屋上スペースでは、1970年の「日本万国博覧会(大阪万博)」で大きな話題を呼んだ、「未完」のイメージをシンボリックに提示した「せんい館」の赤い足場を再現した作品を展開。ダイナミックで創造的な空間を感じてほしい。

  • アート
  • 府中

「府中市美術館」で、明治末から大正期にかけて活動した文学書の装丁作家・橋口五葉(1881〜1921年)の個展「橋口五葉のデザイン世界」が開催。日本の書斎空間を美しく彩った五葉の装丁の世界を中心に、豊かなデザイン世界を紹介する。

女性の美しさを柔らかく表現した版画で世界的に知られている五葉は、書籍の装丁やポスター、洋画や日本画とジャンルを超えて多彩に活躍した。 


五葉の仕事の出発点には、日本の近代装丁史に大きな足跡を残す夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』の装丁があり、その後も日本近代文学を代表する作家の装丁を次々と手がけた。


装丁に見られる職人との協業や素材へのこだわり、画面を花々や小動物のモチーフで埋め尽くす華やかな装飾性は、その後の絵画や版画の仕事にも息づく。同時代のアール・ヌーヴォーと、琳派や浮世絵などの日本の伝統が、五葉の美意識の下に融合し、唯一無二の作品世界を生み出している。

本を立体として捉え、手のひらに収まる小さな世界に美しさが凝縮された五葉の装丁。今でも美しい輝きを放つ五葉が手がけた世界に入り込もう。

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  • アート
  • 渋谷

「ディーゼル アート ギャラリー(DIESEL ART GALLERY)」で、大河原健太郎による個展「MUSE TAKING A SHIT」が開催。現在ソウルを拠点に活動する大河原が、新たに取り組んでいるオイルペインティングを中心に、約50点の新作を発表する。

ペインティングやスカルプチャーを中心に国際的に展覧会を開催するほか、プロダクトデザインやさまざまなコラボレーションに取り組む大河原。特に女性のポートレートの割合が大きい本展では、生活の大部分を占めるパートナーとの深い関わりが影響しており、その関係性が本展の構想につながった。

この複雑な世界を理解する方法として、大河原は家族や友人と向き合い、自身の感情をペインティングという形で表す。そして、作品を通して鑑賞者と対話することで、今、本当に必要としているものを見つめる。

人間、生き物、そして擬人化されたオブジェクトのカクテルが、親密かつ奇妙な方法で互いに作用し、誰もが愛着を持てる世界を作り出している。

会場では、新作の展示・販売をはじめ、限定グッズや、ディーゼルとコラボレーションによるTシャツも販売。また、ワークショップの開催も予定している。

  • アート
  • 青山

デンマークの映画監督であるニコラス・ウィンディング・レフン(Nicolas Winding Refn)とゲームクリエーターの小島秀夫が考案した展覧会「Satellites」が、「プラダ 青山店」で開催されている。

映画業界とゲーム業界のプロセスが互いに接近し、重なり合う傾向にあると考えているウィンディング・レフンと小島。そして、将来的には共通のテクノロジーの活用などを通じて一つのデジタル次元へと融合し、個人や集団の体験に新たな可能性をもたらす可能性があるという信念の下、活動している。

今回のコラボレーションでは、両者の選択的な一体感を浮き彫りにし、個の枠、言語の壁を超えることを可能にした。

会場は、ミッドセンチュリー風のインスタレーション空間として生まれ変わり、鑑賞者を別の次元へと誘う。レトロフューチャーな宇宙船を模した6台のテレビで構成され、映像として浮かび上がったウィンディング・レフンと小島が深く思索的な対話を交わす。

彼らの対話は、友情、クリエーティブなコラボレーション、新しいテクノロジーと創造性、アイデンティティーとコミュニケーション、死とその先に残るものなど、多岐にわたるテーマを探っている。

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  • アート
  • 谷中

「スカイ ザ バスハウス」で、名和晃平の個展「Sentient」が開催。テクノロジーと生態の変化が加速する現代を背景に、ミクストメディアの実践を通じて、知覚と情報を相互にもたらすオブジェの作用を探求してきた名和が、オブジェの存在論に新たな問いを投じる。

展示空間には、ブラウン管テレビ、節句を祝う飾り馬、ギリシャ彫刻の石こう像といった静物から、燃焼し続けるロウソクや展示中に週替わりで替える生け花まで、複層的な対話を織り成す約20点の彫刻作品が、それぞれ台座に置かれている。

作品の表面には、コケや菌糸のような絨毛(じゅうもう)を付着させた「Velvet」や、3Dスキャンなどで得たデジタルデータを元に彫刻化する「Trans」など、名和のこれまでの彫刻シリーズを特徴づける技法が用いられている。

彫刻の概念を拡張し続ける名和の作品世界へ、足を踏み入れてほしい。

  • アート
  • 丸の内

「三菱一号館美術館」で、ピエール=オーギュスト・ルノワールPierre-Auguste Renoir、1841〜1919年)とポール・セザンヌPaul Cézanne、1839〜1906年)の2人展が開催。パリの「オランジュリー美術館」が、ルノワールとセザンヌという印象派・ポスト印象派の2人の画家に初めて同時にフォーカスし、企画・監修をした世界巡回展だ。 


ルノワールの『ピアノを弾く少女たち』やセザンヌの『画家の息子の肖像』などの代表作をはじめ、肖像画、静物画、風景画、そして、2人から影響を受けたパブロ・ピカソ(Pablo Ruiz Picasso)を加えた52点の作品を展示。モダンアートの原点を探り、自在で多様な表現が生み出される2人の巨匠の、卓越した芸術表現を楽しめる。

ミラノ、スイス、香港を経て日本へ。国内唯一の会場となる本展を見逃さないように。

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  • アート
  • 箱根

「ポーラ美術館」で、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh、1853〜1890年)をテーマとした展覧会が開催。今日に至るまで、芸術家たちがゴッホからの影響を糧としながら、それぞれの時代にふさわしい新たな情熱をどのように生成してきたのかを振り返る。  

わずか37年の生涯の中で、数多くの絵画を制作したゴッホ。その名声を築き上げているのは、うねるような筆触と鮮やかな色彩による独自の様式、そして、劇的な生涯に対する評価であるといえる。

ゴッホの作品や芸術に一生をささげたその生き方は、美術に関わる者たちの心を揺さぶるだけではなく、文化、そして社会といった広範な領域にインパクトを与えた。

会場では、異なる地域で描かれたゴッホによる油彩画や、ゴッホに影響を受けた作品として、戦前の画家から岸田劉生、前田寛治、中村彝などを展示する。

また、歴史上の人物や芸術作品に扮装(ふんそう)したセルフポートレートで知られる森村泰昌から、福田美蘭、桑久保徹、オランダ在住の映像作家であるフィオナ・タン(Fiona Tan)まで、多様性にあふれた現代におけるゴッホの変奏曲を紹介する。

見る者の心を揺さぶるゴッホ作品の魅力に迫る本展。ぜひ足を運んでほしい。

  • アート
  • 六本木

「泉屋博古館東京」で、「死と再生の物語(ナラティヴ)―中国古代の神話とデザイン―」が開催。高度な文明が発達した中国古代での、優れた技術によって作られた文物と、それらに施されたデザインの数々を紹介する。

本展では、世界屈指と称される「住友コレクション」の青銅器・青銅鏡から名品を中心に公開。また、中国古代の洗練されたデザイン感覚、その背景となった物語・神話や世界観も丁寧に解説する。

そして、「動物/植物」「天文」「七夕」「神仙への憧れ」という4つの観点からデザインの背景を読み解き、さらには日本美術に与えた影響についても触れる。 


会期中は、プラネタリウムとのコラボレーションなど、新しい形で中国美術に親しむイベントも実施。ほかでは手に入らない、新たな青銅器グッズも登場するのでチェックしてほしい。

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  • アート
  • 虎ノ門

虎ノ門ヒルズの「トウキョウ ノード(TOKYO NODE)」で、デザインを体感する展覧会「デザインあ展neo」が開催。デザインについてさまざまな思考・発見を楽しんでもらう展示を行う。

「デザインあ展neo」は、NHKの「Eテレ」で放送中の番組「デザインあneo」のコンセプトを、体験の場へと広げた展覧会だ。「みる(観察)」「かんがえる(考察)」「つくる・あそぶ(体験)」のステップでデザインを体感していく作品や、360度のスクリーンに囲まれて映像と音楽を身体で感じる作品などが展開する。

また、約35点の新作が公開され、番組でおなじみのコーナーも登場。さらに、会場の特徴的なギャラリー空間を生かした展示も構成される。

  • アート
  • 清澄

「東京都現代美術館」で、日本を代表する造形作家・岡﨑乾二郎の集大成となる展覧会が開かれる。近年国際的な評価も高まる岡﨑の新作を中心とし、過去の代表作を網羅しつつ、その仕事の全貌を展望する。

絵画、彫刻のみならず、建築や環境文化圏計画、絵本、ロボット開発などの幅広い表現領域でも革新的な仕事を手がけた岡﨑。さらには文化全般にわたる批評家としても活躍してきた。

2021年以降は、社会的な情勢と個人的経験の2つの変化の中で、思考を位置づける時空の枠組みについて、大きな転回を迎えたという。会場では、それ以降の旺盛な活動期に入った新作・近作約100点を発表する。

それぞれの分野での革新性ゆえに、その全貌の把握が困難であった岡﨑の仕事を、その根底に一貫する造形という主題から総覧する本展だ。

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  • アート
  • 上野

「東京国立博物館」で、「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」が開催。同館が所蔵する国宝などの貴重な文化財から、今世界で人気の名作アニメまで、高さ7メートルのモニターで日本の至宝への没入体験ができる。

スケールが圧巻の「イマーシブシアター」では、超高精細映像により、土器や土偶、はにわ、絵巻、浮世絵などを、普段決して見ることができない角度やサイズで堪能できる。

また、手治虫や高畑勲、細田守などの、日本を代表する名作アニメも登場。日本の風土の中で受け継がれてきた独自の美意識が、日本のアニメにも共通していることを感じるだろう。

壮大な映像制作を手がけたのは、建築・都市・観光・文化など多様な分野の専門知識と経験を持ったメンバーで構成するクリエーティブ集団「Panoramatiks」と、「いいものを、つくる」というシンプルな思想の元に集う 「CEKAI」だ。

また、音楽は、さまざまなメディアでの音楽制作を手がける蓮沼執太が担当した。日本文化のタイムトラベルを大迫力の映像で楽しんでほしい。

  • アート
  • 早稲田

「草間彌生美術館」で、草間彌生の芸術の根源ともいえる「病」に着目する「宇宙からの音響」が開催。初期から現在に至るまでの多様な作品群と関連資料を展示する。

幼い頃から幻覚や幻聴に悩まされてきた草間。精神疾患は、創作活動に多大な影響を及ぼした。1950年代、草間は自らの妄想に駆り立てられるように、膨大な数のドローイングを描き、作家として躍進する。

渡米後は、水玉や網目などの無限に反復するパターンで全ての存在を覆い尽くし、自らもその世界へと埋没していく「自己消滅」の儀式ともいうべき作品群に取り組む。

1970年代後半から80年代にかけては、精神科病院の病室で小作品を数多く制作。その後、複数の画面にわたる絵画や巨大なバルーンなど、作品は拡大していった。

草間の言う「自己消滅」とは、もはやアーティスト個人の内面の問題ではなく、荘厳な「宇宙からの音響」のさなかに身を置くような感覚へと鑑賞者を誘うだろう。宇宙の果てまでも増幅していく、豊かな創造力の所産を体感してほしい。

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  • アート
  • 文京区

「印刷博物館」で、活版印刷術と活字書体に焦点を当てる「黒の芸術 グーテンベルクとドイツ出版印刷文化」展が開催。活版印刷術が、国の文化形成に大きく影響を与えてきた様子を、ドイツの出版物を中心とした約70点の展示品とともに紹介する。

西洋中世末期の15世紀半ば、ヨハネス・グーテンベルク(Johannes Gutenberg、1398年ごろ〜1468年)が活版印刷術を完成させた。この印刷術は、テキストの複製手段が主に手写だったヨーロッパで瞬く間に広がり、以後約500年にわたり、文字印刷の主流であり続ける。

発祥の地・ドイツでは、活版印刷術に魔術や魔法と同義の「die schwarze Kunst(ディ・シュヴァルツェ・クンスト)」という名称が与えられ、独自の出版印刷文化が形成された。

1000年以上の歴史を有する印刷史の中で、大事件であったグーテンベルクの発明。その功績を垣間見てほしい。

  • アート
  • 豊洲

豊洲の「クレヴィアベース東京(CREVIA BASE Tokyo)」で、「ラムセス大王展 ファラオたちの黄金」が開催。エジプト史上「最も偉大な王」と称されるラムセス大王と、その時代にまつわるエジプトの至宝180点を公開する。

本展は、過去最⼤級の古代エジプト展であり、エジプト政府公認の展覧会。3000年以上前の古代エジプトの遺物や芸術品を、最⾼の状態で管理と保存しているエジプト考古最⾼評議会の特別⽀援の下、展⽰する。

また、バーチャルリアリティー(VR)で、ラムセス2世が建てた最も壮大な遺跡「アブ・シンベル神殿」とネフェルタリ王妃の墓にスポットを当て、スリル満点の没入体験が楽しめる。なお、VR体験は、入場料とは別に料金2,500円(税込み)が必要だ。

エジプト新王国時代の芸術品が放つオーラを体感しよう。

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  • アート
  • 埼玉

「ハイパーミュージアム飯能」のオープニング企画展として、現代美術作家で世界的アーティストであるヤノベケンジによる「宇宙猫の秘密の島」が開催。立体作品・原画・特別映像に加え、施設の立地を生かした森と湖での巨大な作品など、約80点の作品群が集合する。

時代の物語を包括し、強烈なインパクトを持つキャラクターの巨大彫刻を作り続けるヤノベ。見どころは、敷地内の宮沢湖に出現する眠り猫の形をした巨大な人工島だ。また、『BIG CAT BANG』のバックストーリーや、猫の仲間たちの立体作品、絵本『トらやんの大冒険』と『ラッキードラゴンのおはなし』の全ての原画が集合する。

自然豊かな湖畔のロケーションに誘発され生まれた作品群は、鑑賞者の心の中にもイマジネーションの爆発を拡散させるだろう。

  • アート
  • 渋谷

「東急プラザ渋谷」の3階で、葛飾北斎の浮世絵を全身で感じる新感覚イマーシブエンターテイメント「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」が開催。北斎が生きた江戸の浮世にタイムスリップしたような、「映像×サウンド×触覚」の圧倒的な没入体験が待っている。

本展は、誰もが一度は見たことがある北斎の作品を、超高精細イメージデータを使用し、臨場感のある高精細な映像をリアルに再現。さらに、床が水たまりや砂浜に変わったかのように感じさせる触覚提示技術などの演出により、北斎が見た景色や歩いた感覚を味わえる。

会期中は、日本のクラフトマンシップを持つブランドとのコラボレーショングッズも発売する。北斎の世界へ全身でダイブしよう。

もっとアート散歩をするなら……

  • アート
  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。

そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

  • トラベル

東京には魅力的なアート展示や、パブリックアートなどがある。しかし建物が密集しているため、大規模なアート施設を新たに造ることは困難だろう。希少な絵画やサイトスペシフィックなインスタレーションを観たいのであれば、千葉、神奈川、埼玉といった近隣の県へ日帰りで出かけるのもいいかもしれない。

自然の中でリラックスしてアートに触れることができる休日に訪れたいアートスポットを紹介する。

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ここではタイムアウトワールドワイドによる、ピカソやミロ、村上隆などの作品を楽しめる世界の「アートレストラン」を紹介。美術館に行く代わりに、レストランを予約してみるというのもいいかもしれない。

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