1. 西洋美術館65年の歴史で初めての現代アート展が開催
    Photo: Keisuke Tanigawa「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか」
  2. 歴史の「光」と「闇」を知る、話題の「大吉原展」が開幕 
    Photo: Keisuke Tanigawa大吉原展
  3. 第8回横浜トリエンナーレ
    Photo: Keisuke Tanigawa(旧第一銀行横浜支店展示風景)第8回横浜トリエンナーレ
  4. アピチャッポン・ウィーラセタクン 「Solarium」
    画像提供:SCAI THE BATHHOUSEInstallation view of “Solarium" (2024) by Apichatpong Weerasethakul at SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo. Photo by Nobutada Omote. Courtesy the artist and SCAI THE BATHHOUSE.

東京、4月から5月に行くべきアート展

アートにあふれる街、東京で見逃せない展示を紹介

Naomi
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Naomi
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東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介。4月から5月にかけては、3年1度の都市型芸術祭「横浜トリエンナーレ」、国立西洋美術館初の現代美術展、話題を集めた「大吉原展」など注目の展示が目白押し。ぜひチェックしてほしい。

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  • アート
  • 上野

江戸時代、吉原の約250年にわたる文化と芸術に迫る展示が「東京藝術大学大学美術館」で開催。今や失われた「吉原遊廓」における江戸の文化と芸術について、「ワズワース・アテネウム美術館」や「大英博物館」からの里帰り作品を含む、約250件に及ぶ国内外の名品の数々を歴史的に検証する。

葛飾北斎や歌川国貞、歌川広重などの風俗画や美人画を展示するほか、展示室に吉原の街並みを再現した疑似体験ブースや、辻村寿三郎の「江戸風俗人形」が並ぶ吉原の妓楼(ぎろう)「三浦屋」の3メートル四方の立体模型など、あらゆる角度から江戸吉原の非日常的な美が味わえる内容となっている。

この貴重な機会にぜひ足を運んでみてほしい。

  • アート
  • 谷中

谷中のコンテンポラリーアートギャラリー「スカイ ザ バスハウス」で、タイ・バンコク生まれのアピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul)が、7年ぶり5回目の個展を開催する。

本展のタイトルでもある「Solarium(ソラリウム)」は、自身が幼少期に夢中になったホラー映画に着想を得た新たな映像作品だ。併せて、写真を用いてさまざまな時間を表現した「Boxes of Time」シリーズや、ドローイングの作品群も、初めて一般に向けて公開される。

自身初のVR映像作品「太陽との対話(VR)」を「シアターコモンズ'24」で上映し、話題になったことも記憶に新しい。国内外からの注目がますます高まる彼の活動と、メディアを問わない最新展示を見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 両国

浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849年)が、生涯のほとんどを過ごした「すみだ」に2016年にオープンしたのが「すみだ北斎美術館」だ。

多数の北斎作品を保存・収集し、そのコレクションを生かしたユニークな企画展を展開してきた同館。今回は、「歌舞音曲鑑(かぶおんぎょくかがみ)」と題して、江戸の芸能をモチーフにした作品群を、初展示も含め前後期合わせて約125点紹介する。

北斎は19歳で浮世絵師・勝川春章に入門し、その翌年から、芝居の役者絵を発表し、浮世絵師として踏み出した。絵師としてデビューしたばかりの頃の作品が、紹介される貴重な機会といえるだろう。

また北斎は、さまざまな芸能のお披露目会の招待状を手がけたり、「雀踊り」や「悪玉おどり」といったユニークな踊りを描いたりもしている。本展を通して、のちの北斎の画業につながる、新たな顔を知れるだろう。

  • アート
  • 新宿

インテリアやプロダクトなどのさまざまなデザインや、トーベ・ヤンソン(Tove Marika Jansson)の物語「ムーミン」など、日本人にとって馴染み深い北欧の国々。「北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」は、「ノルウェー国立美術館」「スウェーデン国立美術館」「フィンランド国立アテネウム美術館」の3館からえりすぐりの絵画コレクションが来日する、国内初の北欧絵画展だ。

ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクや、フィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラ(Akseli Gallen-Kallela)など、19世紀から20世紀初頭の国民的な画家たちの作品約70点を紹介。豊かな自然を描いた風景画や、憂いある色彩が特徴的な肖像画、神話をモチーフにしたドラマチックな作品など異なるテーマを通して、北欧の国々の作品に通底する空気感や色彩を伝える。

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  • アート
  • 茅ヶ崎

緑豊かな緑地公園内にある「茅ヶ崎市美術館」で、鎌倉とロサンゼルスを拠点に活動するフランシス真悟の個展「Exploring Color and Space―色と空間を冒険する」が開催。作品と対峙(たいじ)してこそ分かる、何層にも及ぶ色の重なりや、色と色の微細な組み合わせと質感が味わえる。

フランシスは、1969年にカリフォルニア州サンタモニカで生まれた。3歳から12歳までを日本で過ごし、現在は鎌倉とロサンゼルスを拠点に、絵画によってできることは何かを追究し続けている作家だ。抽象表現や禅の円相をも想起させる作品群は、国内外で高い評価を得ている。

本展では、顔料に含まれる無数の粒子に光が干渉することによって、観る角度や光の反射によりさまざまに表情を変えて移ろう色彩が記憶に残る「Interference」シリーズをはじめ、コロナ禍の閉塞(へいそく)的な状況の中、鮮やかな色彩と筆の動きで描かれた「Daily Drawing」シリーズなど、初期から最新作までが一堂に会する。

  • アート
  • 京橋

20世紀彫刻の新たな表現を開拓した存在といわれ、マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)やイサム・ノグチ(Isamu Noguchi)らにも影響を与えた彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brâncuşi)。石こうの「接吻」(1907〜1910年)や「ポガニー嬢Ⅱ」(1925年)をコレクションする京橋の「アーティゾン美術館」で、待望の企画展が開催される。

パリでロダンに見いだされるも、早々に独立したブランクーシ。自身の故郷であるルーマニアの文化や、同時代に発見されたアフリカ彫刻などに触れ、洗練された独自のフォルムと、素材への探求を続けた。

「ブランクーシ 本質を象る」には、パリのブランクーシ・エステートが協力。国内外で所蔵されている彫刻作品、フレスコやテンペラなどの絵画やドローイング、写真作品など約90点を展示する。事物の本質を見つめ続けたその足跡をたどろう。

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  • アート
  • 清澄

シンガポール出身のホー・ツーニェン(Ho Tzu Nyen)は、映像やインスタレーション、演劇的パフォーマンスなどの作品を、アジアを中心に世界各地で発表してきた。日本でも2021年に「豊田市美術館」で開催した個展「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」が記憶に新しい作家だ。

清澄白河の「東京都現代美術館」で開催される「ホー・ツーニェン エージェントのA」は、2003年のデビュー作「ウタマ—歴史に現れたる名はすべて我なり」から、3Dアニメーションを用いた2017年の「一頭あるいは数頭のトラ」、2021年に「山口情報芸術センター(YCAM)」とコラボレーションした「ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声」など、7点の映像インスタレーションを展示し、これまでの歴史的探求の軌跡を辿る。

また、新たな展開であり、国内初公開となる最新作「時間(タイム)のT」(2023年)も非常に興味深い作品だ。現代アート好きなら見逃せない貴重な企画展となるだろう。

  • アート
  • 青山

南青山の「根津美術館」が、毎年この時期にだけ展示する「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」。江戸中期に活躍した尾形光琳(1658〜1716)の筆による国宝で、リズミカルに描かれたカキツバタと余白のバランスが美しい。

本展は、「燕子花図屏風」に見る装飾性、日本古来の美術工芸品における意匠と絵画の関係性、そして和歌や物語などの文学世界を象徴的に表現した点などに着目し、デザインの観点から日本美術を読み解く。

会期中は、敷地内の庭園に咲くカキツバタの群生を鑑賞できる季節でもある。都心とは思えないほど広大で緑豊かな庭園には、歴史的建造物の茶室や池を散策できる遊歩道が整備されている。景色を楽しみながらくつろげる「ネヅカフェ(NEZUCAFÉ)」の利用もおすすめだ。日常の喧騒(けんそう)を離れ、五感で存分に展覧会を味わってほしい。

なお、チケットはオンライン日時指定予約制となるため、事前に公式サイトで確認しよう。

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  • アート
  • 清澄

清澄白河の「東京都現代美術館」で開催される「翻訳できない わたしの言葉」は、鑑賞者一人一人が、自分とは異なる誰かの「わたしの言葉」、そして自分自身の「わたしの言葉」を大切に思う機会を提示したい、という意図から企画された。

国内外で活動する5人の作家が参加。第一言語ではない言葉の発音がうまくできない様子を表現したユニ・ホン・シャープ(Yuni Hong Charpe)や、音声言語と視覚言語を用いた複数言語の「ゆらぎ」をテーマに作品を生み出すダンサー・パフォーマーの南雲麻衣、現代におけるアイヌの存在を個人の観点から探求するマユンキキらが、それぞれ映像インスタレーションを展示する。

  • アート
  • 六本木

「生活の中の美」を基本理念に、1961年の開館当初から絵画・陶磁・漆工・染織など日本の古美術や東西のガラスなど、約3000件のコレクションを収蔵してきた「サントリー美術館」。「サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品」は、これまであまり展示機会のなかった作品を紹介するコレクション展だ。

ユニークなタイトルの裏には、「名品」か「迷品」かといった、美術品の価値づけを巡る問いが投げかけられている。これまでほとんど注目されてこなかった知られざる「迷品」も、ユニークな逸話や意外な一面を知ることで「名品」に思えるかもしれないし、その逆もしかり。通常の作品解説に加え、学芸員によるマニアックな情報も紹介する。

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  • アート
  • 神谷町

「走泥社(そうでいしゃ)」は、1948年に京都で結成され、50年にわたって活動した前衛陶芸家集団だ。伝統的な陶芸にとらわれず、実用性を伴わない「オブジェ焼」と呼ばれる作風で、戦後日本の陶芸界で中心的な役割を果たした。

1998年に解散してから本格的に走泥社を検証する本展は、日本の陶芸界に特に大きな影響を与えた1973年までの前半25年間にフォーカス。当時の陶芸界に影響を与えたパブロ・ピカソやイサム・ノグチの作品画像や、同時期に同じ京都で前衛運動を展開した「四耕会(しこうかい)」などの動向も交え、前衛陶芸が生まれた時代全体を振り返る。

昨年、京都からスタートした巡回展も、岐阜・岡山を経て、今回の虎ノ門「菊池寛実記念 智美術館」が最後になる。現代陶芸を専門とする私設館ならではの趣ある空間での展示は、これまでに各地で展示を観た方にも、改めて足を運んでほしい機会だ。

  • アート
  • 原宿

カモフラージュという言葉を「自身の存在を隠し、周囲に溶け込み、生きながらえるための生存本能」と定義すると、アートとは、完璧なカモフラージュのことかもしれない。そんなテーマから着想したコレクション展が、外苑前の「ワタリウム美術館」で行われている。

「日常にカモフラージュする」「自然にカモフラージュする」「記憶にカモフラージュする」「空間にカモフラージュする」の4章にわたり、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)、ナムジュン・パイク(Nam June Paik)、マン・レイ(Man Ray)、クリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltansky)ら11人の作品に加えて、さわひらき、野口里佳、杉戸洋をゲストアーティストとして交え、約80点の作品を展示している。

また展示室内では、明治から昭和にかけて活動した哲学者の西田幾多郎と鈴木大拙、教育者の山本良吉による鼎談(ていだん)の音声「物になるということ」も聴ける。実は誰もが、意識せずともカモフラージュして生活しているのかもしれない――そんな思考を巡らせる鑑賞体験となるだろう。

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  • アート
  • 銀座

「銀座メゾンエルメス フォーラム」で開催されている、アートにおけるエコロジーの実践を問う「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ」展。「新たな生」と題されたチェ・ジェウン(崔在銀)の個展に続き、1970~80年代生まれの現代作家4人によるグループ展「つかの間の停泊者」が行われている。

パリを拠点に水面下の景観や生態系の撮影を続ける写真家のニコラ・フロック(Nicolas Flocʼh)、テキサスと栃木県益子町での作陶を通して彫刻表現を探求するケイト・ニュービー(Kate Newby)、フランスと日本で表現活動に取り組む保良雄(やすら・たけし)をはじめ、それぞれが異なるアプローチから、自然と人間のエネルギーの循環とダイアローグを考察した作品を展示する。

本展は六本木の「森美術館」で開催中の企画展「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」の関連企画。加えて、飯田橋の「日仏会館」でも、本展に参加しているラファエル・ザルカ(Raphaël Zarka)の個展が開催中だ。

  • アート
  • 千葉

「千葉市美術館」に常設された「つくりかけラボ」で、手すきの和紙と墨を用いて水墨表現に取り組む、荒井恵子の創作活動と作品世界が体感できる。

和室が減り、障子やふすまといった和紙のある暮らしも和紙そのものも、当たり前の存在ではなくなってきた現代で、作家の創作活動を通して素材を知れる貴重な機会だ。会期中は週3日程度のペースで、荒井本人が美術館内に滞在し、作品の公開制作に取り組む予定。また週末を中心に、再生和紙を作る体験や、墨玉から墨を作る体験、作家とのトークなど、多彩なワークショップが予定されている。

同館はつくりかけラボの活動を通して、いつでも誰でも空間が変化し続けるクリエーティブな「つくりかけ」を楽しみながらアートに関わっていくことを目指している。公開制作の見学やワークショップへの参加は、予約不要・無料なので、気軽に立ち寄ってみてほしい。

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  • アート
  • 乃木坂

資本と情報が世界規模で移動する現代の状況を踏まえて造語された「遠距離現在 Universal / Remote」をタイトルに掲げた本展は、3年に及んだコロナ禍のパンデミックをきっかけに、社会の在り方や暮らし、仕事などさまざまな事象を8人と1組の作家が手がけた現代美術作品を通して考察する企画展だ。

「Pan- の規模で拡大し続ける社会」と「リモート化する個人」という2つのテーマから展示は展開される。前者では、人流を抑制するために国家権力が強化され、監視システムも容認されたにもかかわらず、加速度をつけて移動する経済資本や情報への問題意識を表現した作品群を紹介。井田大介の映像作品や、トレヴァー・パグレン(Trevor Paglen)の写真などを展示する。

後者では、オンラインで個人と個人が結びつき、家から出ずに国境を超えることが当たり前となった今、非接触を前提に遠隔化される個人の働き方や住まいについて表現した作品を展示。都市に存在する孤独を写真で表現したティナ・エングホフ(Tina Enghoff)や、ネットインフラを支える人々を写したチャ・ジェミン(차재민)、エヴァン・ロス(Evan Roth)のインスタレーションなどから考えていく。

2つのテーマを横断して展開する、地主麻衣子の映像作品にも注目だ。

  • アート
  • 恵比寿

日本とベトナム、フィンランドのアーティスト7組による新作や日本未公開の作品など、70点以上を紹介する企画展示が恵比寿の「東京都写真美術館」で開催される。

展示の起点となっているのは、篠山紀信による写真と中平卓馬の批評が「対決」した雑誌「アサヒカメラ」での連載「決闘写真論」(1976年)。その中のポートレート写真「誕生日」を、展示室内で再現展示する。また、1970年代に4年間続けられた連載「家」と、2011年の東日本大震災を取材した「ATOKATA」との対比から、篠山の視点を探る。

さらに画家の村山悟郎による1000枚のドローイングを学習したAI(人工知能)を用いた作品や、画面に写ることのない不在の存在を想起させる作品を制作する米田知子の新作、小田原のどかの論考など、現代ならではの写真や映像表現の作品が紹介される。

事実の記録だけではない写真や映像の役割に着目し、鑑賞する者それぞれの記憶と、誰かの記憶や時代のイメージとが結びつくような感覚を味わえる機会だろう。

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  • アート
  • 恵比寿

1920年代、小型カメラによるスナップショットで、被写体の一瞬の表情を捉える独自のスタイルを確立し、「ライカの名手」と呼ばれた木村伊兵衛(1901〜1974年)。没後50年を経てもなお、多くの人を魅了する作品群が、恵比寿の「東京都写真美術館」で一挙公開される。

広告宣伝写真や歌舞伎などの舞台写真、カラーフィルムによる滞欧作品、太平洋戦争前の沖縄の日常や、秋田の農村をテーマにしたシリーズなど、多種多様な被写体を捉えた木村は、自らを「報道写真家」と位置づけていた。新聞や雑誌などを通して市井の人々の暮らしぶりを伝えるという、写真の社会的な機能を意識してのことだ。

本展では、木村が生前最後に展示したプリントが半世紀ぶりに特別公開される。誰もが手軽かつ日常的に写真や映像を撮影する今だからこそ、1カット1カットをフィルムで丹念に撮影していた時代の木村の写真を、オリジナルプリントでじっくりと観てほしい。

  • アート
  • 六本木

明治から昭和にかけて京都を拠点に活躍した日本画家、木島櫻谷(このしま・おうこく)。生前の櫻谷とゆかりの深かった住友家のコレクションを所蔵する「泉屋博古館東京」で、今年も櫻谷の企画展が開催される。

櫻谷の作品や資料の調査研究を継続して行い、見ごたえのある展示を定期的に開催している同館だが、今回は名品「四季連作屏風」が全点公開される。大正時代中期に大阪天王寺の茶臼山に建築された住友家本邸を飾るため、櫻谷に依頼されたもので、春の訪れにふさわしい華やかで美しい大作だ。

また、櫻谷といえば、叙情的な表情で、今にも動き出しそうな写実表現で描かれる動物の姿が魅力だ。その「生写し」表現の光る作品を、江戸時代中期京都で生まれた円山四条派の代表的な画家たちによる花鳥画表現と併せて紹介する。

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  • 茅ヶ崎

緑豊かな緑地公園内にある「茅ヶ崎市美術館」で、鎌倉とロサンゼルスを拠点に活動するフランシス真悟の個展「Exploring Color and Space―色と空間を冒険する」が開催。作品と対峙(たいじ)してこそ分かる、何層にも及ぶ色の重なりや、色と色の微細な組み合わせと質感が味わえる。

フランシスは、1969年にカリフォルニア州サンタモニカで生まれた。3歳から12歳までを日本で過ごし、現在は鎌倉とロサンゼルスを拠点に、絵画によってできることは何かを追究し続けている作家だ。抽象表現や禅の円相をも想起させる作品群は、国内外で高い評価を得ている。

本展では、顔料に含まれる無数の粒子に光が干渉することによって、観る角度や光の反射によりさまざまに表情を変えて移ろう色彩が記憶に残る「Interference」シリーズをはじめ、コロナ禍の閉塞(へいそく)的な状況の中、鮮やかな色彩と筆の動きで描かれた「Daily Drawing」シリーズなど、初期から最新作までが一堂に会する。

  • アート
  • 初台

日本を代表するイラストレーター・宇野亞喜良の過去最大規模となる展覧会が「東京オペラシティ アートギャラリー」で開催。宇野の初期から最新作までの全仕事を網羅する。

本展では、1950年代の企業広告や1960年代のアングラ演劇ポスター、絵本・児童書のイラスト、近年の俳句と少女をテーマにした絵画など、多くの作品の原画や資料等を展示。デビュー以来、華麗かつ耽美な作風で多岐にわたる仕事を行なってきた宇野のキャリアを体感してほしい。

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  • アート
  • 丸の内

近代写真の金字塔とも言える写真家、安井仲治(やすい・なかじ、1903〜1942年)の回顧展が「東京ステーションギャラリー」で開催。安井は大正期から太平洋戦争勃発に至る激動の時代に関西を中心として活動し、土門拳や森山大道らにも影響を与えた写真家だ。

病により38歳で早逝した安井は、わずか20年ほどの活動期間ながら、ドキュメンタリー、スナップショット、新即物主義、シュルレアリスムと、多くの表現動向を吸収しながら、旺盛な創作意欲のもと、あらゆる写真の技法と可能性、スタイルを追究した。

本展では、太平洋戦争の被害を免れた貴重なビンテージプリント約140点と、研究を重ねて一点一点作成されたモダンプリント約60点を中心に、短くも濃い安井の表現活動を紹介する。

  • アート
  • 銀座

人びとの感性と多様な価値観を刺激し、新たな美の可能性を押し広げる新進アーティストに資生堂が展示の機会を提供する公募プログラム「shiseido art egg」。第17回の入選アーティスト3人の個展が、銀座の「資生堂ギャラリー」で開催中だ。

2024年1月30日〜3月3日(日)の第1期展では、1984年大阪府生まれの林田真季(はやしだ・まき)の作品を展示する。現実社会をテーマに新たなアートとして写真の可能性を探求し続け、ロンドン留学を経ての入選となった。本展では、イギリス沿岸部の過去のごみ埋立地の姿と、日本各地の大規模不法投棄事案をリサーチした、独自のインスタレーションを構成する。

3月12日(火)〜4月14日(日)に開催する第2期展では、1979年兵庫県生まれの野村在(のむら・ざい)による作品を展示。現在は神戸とニューヨークを拠点に、写真や彫刻を素地とした様々なメディウムを通して変容し続ける情報媒体を独自の視点で捉えた作品を生み出し、人間の本質や存在の在り方を問い続けている。

第3期展は4月23日(火)〜5月26日(日)、1981年茨城県生まれのアーティスト岩崎宏俊(いわさき・ひろとし)の作品を紹介。実写映像をトレースしてアニメーションを制作する「ロトスコープ」という手法に着目。准教授として名古屋造形大学で研究を続けながら、本展では追憶をテーマに芸術表現としての可能性を探る。

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  • アート
  • 乃木坂

20世紀最大の巨匠の一人、アンリ・マティス(Henri Matisse)が晩年に手がけた切り紙絵に焦点を当てた企画展が、六本木・乃木坂の「国立新美術館」で開催。マティスが後半生を過ごしたフランスのニースにある「マティス美術館」が所蔵する資料、約150点を紹介する。

本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される、4×8メートルもの大作「花と果実」をはじめ、絵画、彫刻、版画、テキスタイルなどの作品を展示する。 大病を患い車椅子の生活となったマティスが、試行錯誤の末にたどり着いたのが、筆とカンバスの代わりに「はさみでデッサンする」切り紙絵の手法だった。自由自在に色と形を生み出し、キャリアの絶頂期を迎えたマティスの傑作を存分に楽しみたい。

  • アート
  • 千葉

1960年代後半のアメリカで興ったミニマル・アートを代表する彫刻家のカール・アンドレ(Carl Andre)。日本の美術館における初個展が、作家夫妻と所属ギャラリーの全面協力により、千葉県佐倉市の「DIC川村記念美術館」で実現する。

天井高7メートル、広さ約400平方メートルの企画展示室を壁を立てずに使用。同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置いて規則的に配した彫刻作品群や、日本では紹介されることの珍しい小さな彫刻も展示する。特にスケールの大きな作品として、人の背丈を越えるL字の金属板が並び、横幅15メートルにもおよぶ作品「上昇」(2011年)が展示される点も注目だ。

また、知る人ぞ知るアンドレの詩も紹介。タイプライターで打ち込まれた断片的な単語で構成されており、読んでも眺めても楽しめる。彫刻に通ずる空間的、構造的な認識や、文学、美術、歴史、政治など作家自身の幅広い思考が反映された作品といえるだろう。 彫刻と詩という離れた表現で展開する、簡潔ながらも単純ではないアンドレの作品を楽しんでほしい。

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  • 浦和

さいたま市内の緑豊かな北浦和公園に、1982年に開館した「埼玉県立近代美術館」。開館当初から多数のデザイン椅子の名品を館内に設置し、自由に座って体験できる「椅子の美術館」としても知られる。

「アブソリュート・チェアーズ」は椅子が示す意味や象徴性を、現代アートを通して新たな視点から考察する展覧会だ。

主に戦後から現代まで、国内外の平面、立体、映像の作品における椅子の表現に着目。フランシス・ベーコン(Francis Bacon、ダラ・バーンバウム(Dara Birnbaum)、マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp )、草間彌生、岡本太郎、オノ・ヨーコ、副産物産店など、総勢28組の作家と約70点の作品を紹介。アートの中における椅子の機能や、そこに込められた意味を読み解いていく。

会期中は、本展出品作家の石田尚志によるパフォーマンスとトークや、担当学芸員によるギャラリートークなども予定されている。

身近な家具の別の顔を鑑賞しに出かけてみては。

  • アート
  • みなとみらい

3年に一度開催されるアートの祭典「第8回横浜トリエンナーレ」が横浜で開幕。国際的に活躍するアーティスティックディレクター(以下AD)を招き、世界のアーティストたちが何を考え、どのような作品を制作しているかを紹介する。

第8回目となる今回のテーマは「野草:いま、ここで⽣きてる」。先行きの見えない現代を、野草のように無防備ながらたくましく生きようとするアーテイスト一人一人の姿に目を向ける。ADには北京からリウ・ディン(劉⿍)とキャロル・インホワ・ルー(盧迎華)を迎え、日本初出展者を含む多様な国と地域を持つ67組のアーテイストが参加する。

作品を鑑賞できるのは、3年にわたる工事休館を終えてリニューアルオープンを迎える「横浜美術館」「旧第一銀行横浜支店」「BankART KAIKO」の3会場(「野草:いま、ここで⽣きてる」鑑賞券の購入で同3会場に入場可能)。ほかに、「クイーンズスクエア横浜」「元町・中華街駅連絡通路」など町の中にも作品が展示される。

街がアートと一体化するこの機会に、ぜひ足を運んで体験してみよう。

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  • アート
  • 清澄

海外での展開も含め、さらなる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アーティストを対象とした、トーキョーアーツアンドスペースと東京都が主催する現代美術賞「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」。第4回の受賞者であるサエボーグと津田道子による個展が、「東京都現代美術館」で開催される。

両者は「身体」を一つの起点として、作品制作と身体表現の実践を行き来することで、その独自の表現を発展させてきた。隣り合う2つの展覧会は、制作に対する関心もアプローチも大きく異なり、それぞれが独立したものでありながら、展示室内での鑑賞者のふるまいが作品の一部となるという共通点を持つ。

鑑賞を通じて自身に向き合うことで、動物を含む他者との関係性や、社会的に期待された役割などに目を向けることにもなるだろう。

初日の2024年3月30日(土)には、作家らと選考委員が参加するアーティストトーク(要事前申込・先着順・無料)が行われるほか、会期中には展示空間と鑑賞者の身体を架橋する体験につながるようなパフォーマンスなども開催予定だ。

  • アート
  • 六本木

六本木の「21_21 DESIGN SIGHT」で、デザインエンジニアの山中俊治がディレクターを務める企画展が開催。最先端の研究や科学と、デザインの出合いによって芽生えつつある「未来のかけら」を探る。

山中は、2008年から慶應義塾大学で、2013年からは東京大学で教壇に立ってきた。本展では、これまで大学の研究室でさまざまな人と協働して生み出してきたプロトタイプやロボットと、それらの原点である山中のスケッチを紹介する。

また、専門領域の異なる7組のデザイナー、クリエーター、科学者や技術者らとコラボレーションした作品も展示する。荒牧悠 +舘知宏、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE+Nature Architects、東京大学 DLX Design Lab+東京大学池内与志穂研究室など、多彩なメンバーが揃う。

キリンの解剖で知られる農学博士の郡司芽久と、「第25回文化庁メディア芸術祭」アート部門優秀賞受賞経験もあるエンジニア集団「nomena」の協働にも注目したい。 なお、会期中はオンライン上の架空のギャラリー「ELEMENT GALLERY」でも、同展の関連展示が開催される。

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  • アート
  • 六本木

ドイツ初のアーバンアートと現代アートに特化した美術館「Museum of Urban and Contemporary Art(MUCA)」のコレクション展が、大分と京都での巡回展を経て、ついに六本木の「森アーツセンターギャラリー」で開催される。

アーバンアートとは、壁や建物、道路や橋など公共の場所に描かれるグラフィティやポスター、ステンシルアートやモザイクアートなどのことを指す。本展では、バンクシー(Banksy)、カウズ(KAWS)、バリー・マッギー(Barry McGee)ら10人の作家にフォーカス。日本初公開の作品を含む約70点が展示される。

ポップアートからニューリアリズムまで、1200点もの作品をコレクションしてきたクリスチャン(Christian Utz)とステファニー・ウッツ(Stephanie Utz)夫妻が2016年に設立したMUCA。多様な作品を通して、都市環境の中の芸術、抽象絵画、社会・政治問題など、さまざまなテーマに思いを巡らせてみてほしい。

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  • 上野

1959年に松方コレクションを母体として開館した上野の「国立西洋美術館」が、開館65年目にして初めて現代美術を大々的に展示した企画展を開催する。

参加作家は、飯山由貴、梅津庸一、小沢剛、小田原のどか、内藤礼、長島有里枝、パープルームなど実験的な制作活動を行うさまざまな世代のアーティストたち21組。さまざまな問いから9つの章立てで展示を構成する。

本展開催の背景には、「日本のアーティストたちに本物の西洋美術作品を見せ、彼らが作品から触発されることを期待した」という同館設立の経緯を今一度検証し自問する狙いがある。

それと同時に、国立西洋美術館とはどんな場所なのか、参加作家らに問いかけ、これからの美術館の在り方を考える機会につなげることも期待されている。間違いなく歴史に残る、必見の現代美術展になりそうだ。

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  • 所沢

20世紀を代表する芸術家、サルバドール・ダリの世界に没入できる展覧会が「角川武蔵野ミュージアム」で開催。展示では、ピンク・フロイドの楽曲が鳴り響く中、床や壁面360度に映し出される空間に身を委ねながら、その奇妙な世界観を体感できる。

第1会場の「体感型デジタルアート劇場」では、「記憶の固執」(1931年)、「聖アントワーヌの誘惑」(1946年)などの名作をはじめ、写真やインスタレーション、映画作品などで構成した映像を32台のプロジェクターを使って360度に映写する。12幕(約35分間)で構成された映像は、歩きながらでも座りながらでも自由に鑑賞できるのがポイントだ。

このほか、ダリの名言を集めた「言葉の回廊」や、生涯をたどることができる年表、無料のフォトスポットを設置。マルチな表現を極めたアーティストの世界に浸りたい。

もっとアート散歩をするなら

  • アート
  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。

そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

  • トラベル

東京には魅力的なアート展示や、パブリックアートなどがある。しかし建物が密集しているため、大規模なアート施設を新たに造ることは困難だろう。希少な絵画やサイトスペシフィックなインスタレーションを観たいのであれば、千葉、神奈川、埼玉といった近隣の県へ日帰りで出かけるのもいいかもしれない。

自然の中でリラックスしてアートに触れることができる休日に訪れたいアートスポットを紹介する。

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  • レストラン

ここではタイムアウトワールドワイドによる、ピカソやミロ、村上隆などの作品を楽しめる世界の「アートレストラン」を紹介。美術館に行く代わりに、レストランを予約してみるというのもいいかもしれない。

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