20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展
©Stig Lindberg Photo: Per Myrehed | [スプリンガレ]シリーズ/大きな馬 1958年 リンドベリ家コレクション
©Stig Lindberg Photo: Per Myrehed

東京、この秋開催する北欧イベント6選

多彩な北欧デザインの展覧会からドラァグクイーン、音楽、食も楽しめる一夜限りのイベントまで

Masataka Ito
広告

タイムアウト東京 > アート&カルチャー > 東京、この秋開催する北欧イベント6選

2026年9月から11月にかけて、東京・横浜では「北欧デザイン」の魅力に触れられる展覧会やイベントが相次いで開催される。

北欧デザインが長く愛されてきた理由のひとつに、「暮らしを彩る」という一貫した思想がある。特別な美術品としてではなく、日々の食卓や部屋の風景に溶け込みながら、人々の生活に喜びをもたらしてきた点にこそその真価がある。

装飾を削ぎ落とした簡素なたたずまいや、実用の中にこそ美を見出す姿勢は、「用の美」を尊んできた日本人の感性ともどこか響き合う。北欧デザインが違和感なく受け入れられる素地が、日本には備わっていたのだろう。5つのイベントで北欧デザインとじっくりと対面し、長い冬を心豊かに過ごしてきた北欧の人々の感性をこれからの季節に取り入れてみては。

また、9月18日(火)にはタイムアウト東京がプロデュースする「NORDIC NIGHT 北欧マニアックナイト」が開催。ドラァグクイーンから音楽、食まで、ひと味違う北欧文化に触れ合える一夜を設けているので、ぜひ参加してほしい。

関連記事
東京、9から10月に行くべきナイトマーケット4選

  • アート
  • 横浜駅周辺

20世紀の北欧デザインを牽引(けんいん)したスウェーデンの陶芸家・デザイナー、スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)の大規模な全国巡回展「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」。2026年9月9日(水)から21日(月・祝)までは、「横浜高島屋」を会場に開かれる。

機能性と美しさを追求したリンドベリのデザインは、没後40年以上を経た今も世界中で愛され続けている。同展では、活動初期の1930年代後半から晩年の1980年代初頭までの代表作約300点を展示。人気の高い食器のシリーズをはじめ、錫釉(すずゆう)陶器のファイアンス、フィギュア、テキスタイルや原画スケッチまで、その多彩な創作活動を包括的に紹介する。

展示品は全てリンドベリの遺品と家族が所蔵する貴重なプライベートコレクションで、日本では初公開となる作品も多く含まれる。

さらに、リンドベリに見いだされた陶芸家、リサ・ラーソン(Lisa Larson)の作品も特別展示されるほか、日本を旅した際に育んだ日本文化への愛着からインスピレーションを得た作品群も紹介される。量産デザインの仕事と一点制作の工芸・アート作品の両方を、同じ会場で見比べられるのも魅力だ。

※10~19時(21日は17時まで)/入場は閉場の30分前まで/料金は1,200円、学生1,000円、中学生以下無料

  • アート
  • 銀座

愛らしい動物の作品を中心に、日本でも高い人気を誇ったリサ・ラーソン(Lisa Larson)。 2024年に惜しまれながら92歳で生涯を終えたスウェーデンを代表するこの陶芸家の追悼展が、「松屋銀座」で開催される。

ラーソンはヨーテボリの名門校で学んだ後、スウェーデン最大の陶器メーカーであるグスタフスベリ・ファクトリーにスカウトされ、巨匠スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)の下で頭角を現した。在籍期間中には「ライオン」をはじめとする数々のアイコニックな動物・人物フィギュアを発表し、同社を代表する人気デザイナーの地位を築いた。

独立後はフリーランスとして国内外の企業と協働する一方、陶芸工房「ケラミークストゥディオン」を設立し、独自の芸術表現にも力を注いだ。

同展では、「アーティスト」「デザイナー」「インスピレーションの源」という3つの視点から彼女の創作をたどっていく。会場には、名作から日本初公開となる貴重な作品まで約250点が集結。暮らしを彩るプロダクトデザイナーとしての顔だけでなく、一点もののアート作品を通して、芸術家としてのラーソンにも光を当てる。それぞれの作品がいかに呼応しながら、彼女ならではの表現へと結晶していったのか、会場で確かめてみては。

※11~20時(9月27日、10月4日は19時30分まで、10月12日は17時まで)/入場は閉場の30分前まで/料金は前売り1,800円、高校生1,300円、中学生1,000円、小学生700円/当日2,000円、高校生1,500円、中学生1,200円、小学生900円

広告
  • アート
  • テキスタイル
  • 用賀

「スウェーデン・テキスタイル 暮らしと自然に息づく北欧デザイン」が、「世田谷美術館」で開催。スウェーデン在住の個人コレクター、サラ・アクステイリウス(Sara Axtelius)が所蔵するビンテージテキスタイルのコレクションを中心に、約200点もの貴重な作品と関連資料が揃う。

北欧の厳しい自然環境の中で育まれたスウェーデンの織物文化は、羊毛や麻など身近な素材を生かした手仕事が礎となった。20世紀には伝統的な技術とモダンデザインが融合することで、世界的にも評価されるテキスタイルへと発展していった歩みを持つ。

本展ではスウェーデンの織物文化の知られざる魅力を、モチーフ、デザイナー、暮らしとの関わりという3つの視点からひもといていく。中にはチキ・マットソンの『ニッポン』のような日本をモチーフにした作品や、日本人アーティストの宇都宮琴音によるコラボレーション作品も展示。日本の美意識との「対話」も見応えがあるだろう。

どこか懐かしくも、新鮮な魅力を放つ布たちが織り成す物語を楽しんでみては。

※10~18時(入場は閉館の30分前まで) /休館日は月曜、9月24日、10月13日(9月21日、10月12日は開館)/料金は1,400円、65歳以上1,200円、学生800円、小・中学生500円、未就学児無料

タイムアウト東京がプロデュースする北欧イベント

タイムアウト東京では、東京に暮らすインターナショナルな人と組み、それぞれの国の文化を体験できる一夜かぎりのイベントを毎月開催していく。

第一弾は北欧をフィーチャー。スウェーデン出身のドラァグクイーン・Nattmaraが北欧の悪夢をテーマにしたショーを披露し、北欧ジャズに精通するDJのMai Nakamuraが音楽を担当する。食と酒も北欧仕様で、ベーカリー「バッケン」がカルダモンロールとサンドイッチを提供。振る舞い酒には、フィンランドの伝統菓子「サルミアッキ」を溶かしたウォッカが登場する予定だ。

ショーとDJの合間には、Nattmaraを囲む座談会「fika time」を設ける。フィンランド出身のタイムアウト東京副編集長イリ・サーリネン( Ili Saarinen)も登壇し、北欧から見た日本や北欧のリアルな暮らしについて語り合う。参加者も同じテーブルを囲んで、「北欧」に触れ合える絶好の機会になるだろう。

※9月18日 17~21時/アークヒルズギャラリー/料金は2,000円

  • アート
  • 白金台

フィンランド生まれのブランド「マリメッコ」は、ファッションやインテリアの枠にとどまらず、ライフスタイルそのものを提案し続けるデザインハウス。1951年の創業以来、デザイナーの思想を尊重したものづくりを通して、暮らしに彩りや喜びをもたらしてきた。これまでに生み出されたオリジナルプリントは3500種類以上に上り、再解釈を重ねながら世代を超えて愛されている。

「東京都庭園美術館」で開催される「マリメッコ展 模様のちから」では、初期の貴重な一着から現代のコレクションまで60点以上のドレスが展示。デザインが生まれるヘルシンキのヘルシンキにあるプリント工場の様子をアートユニット「plaplax」が映像インスタレーションで描き出すほか、デザイナーの皆川明がマリメッコと対話を重ねた新作インスタレーションも見どころだ。

1960年代の脇阪克二、1970年代の石本藤雄など、マリメッコで活躍した日本人デザイナーとの深い関わりも紹介される。

会場となる「旧朝香宮邸」は、1930年代フランスのアール・デコ装飾を基調に、日本の意匠も随所に配された歴史的建造物。かつて皇族が暮らしたこの邸宅そのものが模様に満ちた空間であり、そこにマリメッコの生命力あふれるプリントが加わることで、建築の装飾とデザインが響き合う。そんな特別な鑑賞体験を味わいたい。

なお、同展は日時指定予約制なので注意してほしい。

10~18時(11月6・13・20・21・27・28日、12月4・5日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)/料金は1,400円、学生1,120円、高校生・65歳以上700円(65歳以上は第3水曜日無料)、中学生以下無料

  • Things to do
  • 新宿

雑貨からグルメまで北欧文化を丸ごと体験できる恒例イベント「北欧祭」が、「京王百貨店 新宿店」で開催される。

過去にも好評だった、フィンランド出身の人気イラストレーター、マッティ・ピックヤムサ(Matti Pikkujamsa)のアトリエが会場に登場。絵本や新聞に掲載された挿絵の原画やポスター、木製オブジェの新作を展示・販売する。

また、スウェーデンの伝統工芸の一つ「ダーラナホース」は、幸せを運ぶ馬として古くから親しまれてきた木彫りの置物。会場では、白木の状態のダーラナホースにペイントを施す体験、シラカバ樹皮を使ったアクセサリー・かご作りのワークショップ、期間限定で北欧デザインの生地「キッピス」の端切れを量り売りする販売会なども開催される。

物販では、「イッタラ」「アラビア」などのビンテージ食器、ムーミンのグッズまで幅広く展開。北欧5カ国の暮らしを彩るアイテムが揃う。

「北欧フード屋台」も見逃せない。江東区にあるスウェーデンカフェ「Åter Tokyo(オーテル トウキョウ)」によるシナモンロールの実演販売をはじめ、フィンランド発「カッファ ロースタリーカフェ」のコーヒー、「ノルウェーサーモンサンド」など、その場で味わえる北欧グルメも充実している。会場を巡って、北欧の旅気分を満喫してみては。

※10~20時(27日は17時まで)/入場は無料

9月の予定を立てるなら……

  • アート

2026年9月の東京では、時代や国境を越えて多彩なアートに出合える展覧会が揃う。日本とアジアの現代表現、路上の表現、ルーヴル美術館の名品からひもとくルネサンス、暮らしを彩る北欧デザインまで、その切り口もさまざま。秋の気配が漂い始める街へ出て、美術館で新たな表現との出合いを楽しもう。

  • アート

夏の余韻を残しながら、少しずつ秋へと向かう9月。東京には、ジャンルを横断するアートやデザインの注目展が集まる。

「銀座メゾンエルメス ル フォーラム」では、光や色、空間を用いて知覚を揺さぶるアン・ヴェロニカ・ヤンセンの日本初個展。「ポーラ ミュージアム アネックス」では、異なる表現領域で活動する清川あさみと名和晃平が共演し、「21_21 DESIGN SIGHT」では、パルミジャーニ・フルリエの30年の歩みと機械式時計の魅力に迫る展覧会が開かれる。

季節がゆっくりと移ろうこの時期に、心に残る10の展示を紹介する。

広告
  • 音楽

音楽フェスティバルというと夏が本番というイメージがあるが、暑さの和らぎ始める秋に屋外で踊るのもたまらない。本記事では、野外リスニングフェスティバルや「魂の震える音楽体験」をコンセプトとしたフェスティバルをはじめ、東京近郊で開催されるイベントを紹介する。

ジャンルは、アンビエントや実験音楽、ロックからダンスミュージック、EDMまで幅広い。目当てのアーティストはもちろん、新たな音楽と出合いに足を運んでみてほしい。

  • Things to do

秋の気配が漂い始めるこの季節。2026年9月の東京では、まだまだ熱気冷めやらぬ個性豊かな祭りがめじろ押しだ。

本記事では、池袋を熱狂させる「ふくろ祭り」や赤坂の秋祭りなど圧巻のみこし・盆踊りが楽しめる伝統的な祭りはもちろん、こだわりのグルメが堪能できる台湾フェスや夜市、さらにはヒヤッと涼める変わり種の上野のホラー夏祭りなど8つを紹介する。

残暑を吹き飛ばす祭りの熱気に包まれよう。

広告
  • 映画

映画は、スクリーンで観てこそ記憶に残る。2026年9月の東京では、『バッファロー’66』『スワロウテイル』など、かつて多くの人を魅了した映画が再び劇場に帰ってくる。4Kリマスターによって新たな表情を見せる作品や、今回を逃せば日本のスクリーンでは観られなくなる作品もある。

大きな画面に身を委ね、音に包まれ、暗闇の中で物語を追う。何度も観た作品も、初めて出会う作品も、映画館でしか味わえない時間と、作品が持つ空気感をじっくり堪能したい。

 

おすすめ
    最新ニュース
      広告