1. マルジナリア書店
    Photo: Kisa Toyoshima
  2. ロンリネス ブックス
    Photo: Kisa Toyoshima
  3. 本屋 B&B ビーアンドビー
    Photo: Keisuke Tanigawa
  4. 本と雑貨ぐるり
    Photo: Kisa Toyoshima

東京、フェミニズムを知る書店5選

児童書から専門書まで、新たな価値観や視点に触れる

Hisato Hayashi
Honoka Yamasaki
編集:
Hisato Hayashi
寄稿:
Honoka Yamasaki
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タイムアウト東京 >Things to do> 東京、フェミニズムを知る書店5選

ふらっと足を運んだ本屋さんで、なんとなく気になった本を手に取る――。書店は、本との偶然の出合いを実現してくれる。そして、新たな価値観や視点を得るきっかけになることもあるだろう。

フェミニズムと聞くと「女性」「社会」「政治」「学問」「差別」など、人によって思い浮かべるキーワードは異なる。フェミニズムは堅苦しいものという印象を持つ人もいるかもしれないが、そうではない。女性だけでなく、全ての人に当てはまるものだ。

本当は身近な存在であるフェミニズムを知ることで、これまで抱いていた言葉にできない「モヤモヤ」が少し形を成すかもしれない。本を手に、触れてみよう。

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  • 代田

「Books & Beer」こと「B&B」は、ビール片手に読書を楽しめる先進的な本屋だ。下北沢駅と世田谷代田駅のちょうど真ん中にある、BONUS TRUCKのエリア内にあり、都心にある本屋からは想像できないほどの緑に囲まれた景観。中に入ると、壁一面に本が並んでいる。

B&Bから徒歩15分圏内にあるフェミニズム専門書店「エトセトラブックス」の店長、寺島さやかが、もともとB&Bのスタッフとしてフェミニズム棚を担当していたこともあり、現在もフェミニズムを扱う書籍を積極的に取り入れている。

ジェンダー平等を求める動きやフェミニズム運動が盛んに行われている「韓国文学」、精神疾患、DV、ヤングケアラーなど、家庭内に焦点を置いた「家庭の医学」など、フェミニズムと密接に結びつくテーマを中心とした棚が多いの特徴だ。

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  • 府中

出版社のよはく舎が経営する書店。店名の「マルジナリア」は「本の余白の書き込み」を意味し、社名の「よはく」からきているという。

都内には大型書店が軒を並べる中、2021年1月に府中市の分倍河原駅にオープンした。 町の本屋ならではの温かな雰囲気と、厳選されたエッジのきいた本が交差している。

店主の小林えみによると、フェミニズムに関連した本を多く扱うものの、本のジャンルはあえて絞らず、漫画や絵本、小説など、幅広く揃えているとのこと。興味関心から本を手に取る環境づくりに励むことで、ふらっと本屋に足を運んだ人とフェミニズムとの偶発的な出合いを大切にしているようだ。

店内には、多摩地域にある飲食店のフードやドリンクが楽しめるカフェスペースも併設。さらに、同じ府中市内にある紙とデザインの店「kamitowa」の商品も販売している。本だけでなく、雑貨や食事も楽しめるのが特徴だ。

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  • 丸の内

新宿・大久保の、とあるマンションの一室に住所非公開で開かれている、書店兼ライブラリーの「ロンリネス ブックス(loneliness books)」。そこにはオーナーの潟見陽がセレクトした、日本、韓国、台湾、香港など、アジアを中心とした2000冊以上もの雑誌やZINE、書籍が置かれている。

言語が分からなくてもデザインで社会問題を知れるような、アート性、メッセージ性に富んだ作品が多い。そのほか、アジアのクィアの歴史が記録された古本や雑誌を所蔵し、アーカイブにも務めている。

店舗は事前予約制。書店としてだけでなく、本を読んだり映画を鑑賞したり、ライブラリーとしての使い方もできる。さまざまなルーツを持つ人たちが交わる大久保の街を歩き、ロンリネス ブックスでセクシュアリティー、ジェンダー、人種、階級など、さまざまな属性が交差したアイデンティティーに目を向けよう。

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  • 千駄木

「猫の街」として知られる台東区谷中にある「本と雑貨ぐるり(gururi)」を訪れる際は、真っ白な建物に猫のイラストが描かれた窓を目印にするといいだろう。「周囲」という意味を持つぐるりは、「近所、ローカルを大切に」という思いが込められているだけあり、5坪ほどの小さな店内に温かい雰囲気を感じられる。

店主の渡辺愛知は、ある一人の架空の女性を思い浮かべながら店を2021年にオープンした。それは日々悩んで傷ついて、繊細な性格でありながらも、一生懸命生きている女性だという。棚には、一人一人の失敗や成功体験なども含めて、身近に感じられるフェミニズムの書籍がたくさん置いてある。

また、女性同士の連帯を表す「シスターフッド」を掲げていることもあり、特に女性客が多く見られる。店内には店主の好きな猫をモチーフとした本や雑貨もあり、思わず笑顔になれる本屋だ。

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  • 代田

新代田駅前にある、フェミニストのための書店。国内外の女性作家の本、フェミニズム、ジェンダー関連書を、新刊と古書あわせて約3000冊を揃える。

漫画や絵本など、はじめてでも手にとりやすい本も多数。フェミニスト出版社としても活動しており、年に2回発行され、過去には山内マリコ、柚木麻子や長田杏奈、石川優実らが責任編集を務めたフェミマガジン「エトセトラ」をはじめ、自社本も販売している。

駅から徒歩1分ほどの場所にあり、女性一人でも安心してアクセスしやすい立地だ。店舗ではトークイベントや、読書会なども行っている。

ショッピングの際にも……

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  • 原宿

フェミニストが運営する日本初のラブグッズショップ、ラブピースクラブ(LOVE PIECE CLUB)のラフォーレ原宿店。フェムテック、プレジャートイ、月経カップやランジェリーなど、女性のライフスタイルを応援する商品が並ぶ。

店内に大きく設けられた書籍コーナーには、フェミニズム専門出版社のエトセトラブックスとラブピースクラブが選書した、フェミニズムとジェンダーにまつわるさまざまな本がそろっている。

ラフォーレ原宿の地下1階にあり、買い物のついでや休憩にも立ち寄りやすい立地だ。

もっと知りたいなら……

  • Things to do

苦境の中で立ち上がった先人たちに敬意を表し、そしてプライド月間を祝し、クィアを入り口に「学び」を得られる場所をクィアスポットとして、いくつか紹介する。人種差別をはじめ、あらゆる差別と暴力の歴史について、ともに学ぶ機会となることを願って。

  • レストラン
  • コーヒーショップ・喫茶店

温かいコーヒーを片手に、お気に入りのと向き合う時間ほど、心安らぐものはない。慌ただしく時間が過ぎていく東京だからこそ、ときには静かに本の世界に没頭できる、ブックカフェに出かけてみよう。

どの店も、本のセレクトから、メニューの質、空間のあり方まで、それぞれに工夫が凝らされている。客の居心地を考えた店づくりがなされ、帰りたくなくなるほどの居心地の良さだ。タイムアウト編集部がセレクトした25軒から、お気に入りを見つけてほしい。

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  • 書店

ブックカルチャーの概念を押し広げた名店から、簡単にはたどり着けない隠れ家、100年後も残る本に出合える場所、フェミニズムへの理解を深める出版社による書店、客が選書した棚が並ぶ場所など比べるほどに違いが浮き出る独創的なショップを厳選した。人の個性の数だけ書店がある。そんな時代が目の前に来ているのだ。さあ、新しい世界への扉を開いてみよう。

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  • 書店

近年、インデペンデント書店が急激な盛り上がりを見せている。少人数や1人など小規模で運営する、いわゆる「独立系書店」と呼ばれるこれらのショップはなぜ今、興隆し、一体どんな魅力を持っているのだろうか。3つの切り口から紹介する。この記事を読めば背景、それぞれの店が持つ魅力をキャッチできるだろう。

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東京、ZINEショップ4選
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ZINE(ジン)は、個人または少人数のグループによって自主的に制作される少部数の出版物のこと。諸説あるが、1950年代にアメリカの詩人たちがオリジナルの詩集を制作したのがはじまりと言われ、1990年代には、西海岸のサーファーやスケートボーダーを中心に流行した。現在では、アート出版に特化した日本初のブックフェア「TOKYO ART BOOK FAIR」の開催などにより、日本でも多くの人が作品づくりをするようになった。

この自由なプラットフォームは、アーティストに限らず、個人の日頃の何気ない思いをつづった作品から名刺がわりにまで、表現方法が広がっている。特集では、東京のZINEショップを紹介する。

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