いづもや
Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima

東京、うな重&うな丼12選

銀座、日本橋の老舗から大阪の名店、庶民に愛される専門チェーンまで

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2025年も半年を過ぎ、7月19日(土)と7月31日(木)に「土用の丑の日」を迎える。スーパーでもウナギのコーナーが拡充中だ。今年はウナギの稚魚、シラスウナギが豊漁だったといううれしいニュースがあった。秋以降、市価にも反映される可能性がある。

それでも市場に出回るウナギの7割は、輸入に頼っているのが現状だ。EUは7月11日、絶滅の恐れがあるウナギの国際取引を規制する法案をワシントン条約事務局に提案。採択されれば、全て国産で賄うことになり、価格の高騰は必至である。牛丼チェーン店でうな丼を食べられる機会は、失われてしまうかもしれない。

また、訪日観光客の間で、ウナギの蒲焼きの人気は高まる一方である。インバウンド向け飲食店予約・観光サービス「SAVOR JAPAN(セイバー・ジャパン)」によると、ジャンル別ではうなぎが前年(2023年)比3.4倍の予約があったという。中国だけでなく、タイやマレーシアでもウナギは大変好まれている。

今や夏の「ウナギ」は日本のローカルな風物詩を超えて、さまざまな国際情勢にさらされている。そう思うと、ご飯の上で照りを湛えて香気を放つ蒲焼きが、ますます愛おしくなってくる。

ここでは、東京のウナギ専門店の極上の「うな重」からリーズナブルに味わえるチェーン店の「うな丼」まで、おすすめの店を12軒紹介する。

一杯を大切においしく食べて、酷暑の夏を乗り切ろう。

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  • 日本料理
  • 中目黒

大阪・心斎橋に本店を構える人気の「地焼鰻・寝床」が、2024年12月、中目黒に関東初出店を果たした。ウナギは、三重県桑名市のブランド「木曽三川うなぎ」を使用。ミネラルをたっぷり含んだ川の伏流水で自然に近い環境で育てられており、質の良さと大ぶりなのが特徴だ。

ウナギは関西らしく、生きたウナギを腹開きにして蒸さず、同店では炭を低めに配置してじっくり時間をかけて地焼きしていく。こうすることで余分な脂が炭に落ち、煙で皮がいぶされてパリッと仕上がる。肉厚の身はふっくらとした食感で、かむたびにうまみが広がる。

また、たれはさらりとした甘さ控えめの自家製。良質なウナギの脂とたれが染み込んだごはんは、それだけでもおかわりできそうだ。

メニューは「鰻丼半身」(3,850円、以下全て税込み)、「【上】鰻丼」(5,800円)」、「上 ひつまぶし」(5,800円)のほか、「う巻き」(2,530円)、「うざく」(1,980円)といった一品料理や、コースも用意する。大阪ではファンが多い「関西風 鰻の串焼き」も、酒が進むこと間違いなしの逸品だ。

  • 京橋

ウナギ激戦区である名古屋発の炭火焼きウナギ専門店「うな富士」による都内2店舗目の店。1995年に創業した本店は、ミシュランのビブグルマンを獲得している。

愛知県三河産のウナギを中心に、一般的なウナギの3倍以上の大きさがあるという希少な青ウナギや高知県四万十川で捕れた天然ウナギなど、特別なウナギも提供する。

メニューは「うなぎ丼」「うな重」「ひつまぶし」などに加えて、「うなぎ燻製」「うなぎ煮凝り」などの一品料理がラインアップ。ひつまぶしを注文した場合は、丼の残りに熱いだしをかけて茶漬けにして味わうのもいいが、丸々とした肝焼きを追加してウナギを味わい尽くすのもいいだろう。

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  • 目白

全国でもわずか30カ所でしか食すことのできない幻の「共水うなぎ」を取り扱っているウナギ屋。ミシュランのビブグルマンにも選ばれている名店である。

名物は「共水うな重(肝吸付き)」(7,300円、以下全て税込み)。すっきりとして胃にもたれない脂身と、食感を感じないほど柔かなウナギだ。

さらに焼くことで外皮が香ばしく甘い香りが漂い、待ち遠しさを高める。カウンターに座ることができれば職人の調理風景も眺めることができ、体感型の食事に興じることができるだろう。

  • 日本料理
  • 中野

ウナギは珍味とされるが、この豪華な料理が手頃な価格で食べられるのが、この店の魅力だ。ウナギを甘辛いたれで焼き、白いご飯に乗せた「うな丼」はわずか640円で提供されている。

愛知県の特産品である「ひつまぶし」(1,300円)も絶品だ。まず、ウナギとご飯にワサビを付けて食べる。次いで、白飯にだしをかけて茶漬けのようにして、2通りの食べ方を楽しもう。

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  • 日本橋
  • 価格 2/4

背の高いガラス張りのビルがひしめく日本橋で、この地に似つかわしくない2階建ての日本家屋でウナギの専門店を営むいづもやは、まるで現代社会から守られているようだ。

1940年代からの店の看板メニューである「うな重」は豪華な漆塗りの箱に入れられて運ばれる。価格は、ウナギの質と大きさによって異なり3,520~9,020円ほど。人気があり、夏の繁忙期には毎日300~400食も出ることもある。

店の秘伝のたれを塗ってから茶色く照りが出るまで炭火で焼かれ、最後にさっと山椒(さんしょう)を散らしたウナギは、甘辛くて、やみつきになるおいしさ。いづもやでは店が厳選した九州産のうなぎを使っており、「うな重」には肝吸い、新香、季節の果物が付く。

  • 赤坂

2024年7月、赤坂にオープンした「薪焼うなぎ 銀座おのでら本店」では、リーズナブルな価格で本格的なウナギ料理が楽しめる。メニューは、4年連続で『ミシュランガイド東京』1つ星を獲得した「薪焼 銀座おのでら」の料理長・寺田恵一が監修する。

「国産うな重 並」(2,800円、以下全て税込み)や、ランチ限定の「国産うな玉丼」(1,180円)に使用されるウナギは、名の通り全て国産。料理長特製のたれに浸し、薪(まき)の木でいぶすことで上品な香りをまとうウナギ料理は格別である。

「蒲焼」や「白焼」、「鉄板う巻」といった一品料理や、酒にも合う「肝串焼き」なども用意している。国産ウナギのおいしさを薪焼きの香りを存分に楽しみながら、味わってみては。

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  • 大田区
  • 価格 2/4

梅屋敷駅近くのウナギ専門店。新鮮な国産ウナギを朝割きしており、カウンターと数席のテーブルのみの店内では、店主の丁寧な仕事ぶりを眺めながら料理ができあがるのを待つことができる。

名物は「はみ出しうな丼」(ランチ3,200円、ディナー3,600円)。大きくはみ出した肉厚のウナギは、蒸し時間をたっぷりとることで、ふっくらとやわらかく仕上がり、丼からほろりと崩れ落ちてしまいそう。すっきりとした後味の甘めのたれと、魚沼産コシヒカリを使用した米の炊き加減もウナギの味を引き立てている。

  • 入谷
  • 価格 2/4

ウナギ専門店「のだや」は、料理店にウナギ・川魚料理の調理師を紹介斡旋をする紹介所の直営であるということが、職人の腕前を証明している。

その手間から出荷数が少なく、「幻のウナギ」と呼ばれる「共水うなぎ」は、通常半年程度で出荷されるウナギを約2年飼育し、天然ものの味に近づけたブランド鰻だ。

同店ではこのウナギを、関西風の地焼きと江戸前焼きを食べ比べることができる。「特選いりや紅白丼」(数量限定)はなんとも贅沢なメニューだ。一口食べればクリーミーという表現がぴったりな、そのねっとりとした食感にきっと驚かされるだろう。

うな重に肝とう巻を合わせた「かねみつうな太郎」は、あるときだけの裏メニュー。運良く巡り会えれば、食べてみてほしい。

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  • 銀座
  • 価格 2/4

銀座駅からすぐ、晴海通り沿いにある老舗ウナギ料理屋。木挽町に本店もあり、創業150年を超える老舗だ。

定番は、映画監督の小津安二郎が愛したといわれる「うなぎ丼」(3,850円)で、ふっくらと柔らかな江戸前ウナギと100年以上守り続けているこだわりのたれを用いた一杯。甘過ぎないすっきりとした味わいを特徴としている。

ウナギ料理だけでなく「鯛茶漬け」や「鮪茶漬け」も人気を博している。

  • 目白台

「ホテル椿山荘東京」の庭園内にオープンしたウナギ専門店「奈良菊水楼 うな菊 ホテル椿山荘東京店」。同店は、1891年に奈良で創業した料亭「菊水楼」が2016年にオープンしたウナギ専門店「うな菊」の東京支店で、老舗ならではの技法で調理した江戸前ウナギが味わえる。

ホテル椿山荘東京オリジナルメニューとして、夜限定の「うなぎ鉄鍋まぶし」と「うなぎづくしコース」などを提供。かば焼きと白焼きを乗せた人気の「あいのせ重」も外せないだろう。歴史ある庭園と料理を堪能したい。

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  • 上野
  • 価格 2/4
  • 3 5 つ星中
  • お勧め

不忍通り沿い、不忍池の入り口近くにあるウナギ料理店。定番のうな重や天ぷら付きのウナギ弁当、懐石料理などが楽しめる。

江戸時代に創業した同店は、明治期より池の端の名物として知られ、様々な文芸作品にもその名が見えるほど。当時の技法そのままに職人が炭火で焼き上げるウナギは、香ばしい風味を帯び、口に入れれば柔らかくふっくらとした食感が広がる最上級のものだ。

「上野で博物館を観た後に伊豆栄で鰻を食べ、本郷へ抜ける」コースが流行となった往時のように、上野散策のコースに取り入れてみてはいかがだろう。

素早くリーズナブルに味わいたいならウナギ専門店「鰻の成瀬」に行こう。2022年9月に横浜店をオープン後、立川や練馬、北千住など首都圏を中心にまたたく間に店舗を広げ、今では全国に展開しているチェーン店である。

ここでは、物価高の昨今にあってウナギ半身分が乗った「うな重(梅)」を1,600円で食べられる。高級店でも使用されているニホンウナギを使用し、蒲焼は外はパリッと中はふわっと柔らかな食感だ。好みに合わせて「追いタレ」できるのもうれしい。

丑の日は特別営業日とし、11時~20時の通し営業を行う。ただし通常21時まで営業している店舗は21時までの営業となるなど、各店舗で異なる場合があるので、公式ウェブサイトや各店舗のInstagramをチェックして出かけよう。また、テイクアウトのオンライン予約もできる。

東京の丼グルメを堪能する……

  • 日本料理

丼ものの定番、天丼。起源は1830年代と言われており、江戸時代から愛され続ける日本の重要な食文化だ。高カロリーフードの代表のような存在の天丼だが、専門店で多く使用されているごま油は、コレステロールを下げる効果のあるリノール酸やオレイン酸、抗酸化作用のあるセサミンなどを含み、意外と健康的。

ここでは、リーズナブルな価格で人気を博す天丼専門店から、高級店のランチまで、タイムアウト東京が厳選した店を紹介する。衣ひとつとっても、さくさく食感のものから、たれの染みたしっとりタイプまでバラエティ豊かなので、好みの1軒を見つけてほしい。

説明するまでもないが、親子丼とは鶏肉を割下で煮込み、卵でとじたものを米の上にのせた料理だ。もともと鶏鍋の締めとして提供されたのが始まりといわれており、シンプルな料理だからこそ素材の良さが重要になってくる。

そうなるとおいしい親子丼を求めたときに専門店に足が向くのは当然といえば当然。今回も焼鳥屋や水炊き料理店のランチメニューなどが大半を占めた。文章では「とろとろ卵」など一辺倒な表現になってしまうが、どの店も、卵の火入れ、鶏肉の調理など趣向を凝らしているので、百聞は一食にしかず。ぜひ食べ比べてみてほしい。

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カツ丼。とんかつを甘辛い割り下で煮込んで、半熟の卵でとじたもの。天丼、親子丼と並ぶ丼メニューの花形として多くの人に親しまれている。

東京ではカツ煮形式ではない「卵でとじないカツ丼」を筆頭に、工夫をこらした「カツ丼」が続々と登場している。ここではそんな独自の進化を遂げた一杯を紹介したい。ぜひ参考にしてほしい。

  • 日本料理

丼に飯を盛り、上に並べた刺し身と楽しむ海鮮丼。使う食材は寿司と同じだが、職人の繊細な技術を堪能するというより、食べ手がしょう油やワサビで好きなように楽しむ、素朴でダイナミックな料理だ。

シンプルだが、オフィス街のランチタイムでは不動の人気メニューでもある。さらに海鮮丼は、時間が空くとふと強烈に食べたくなる、不思議な魅力がある。以前、大の日本通というオランダ人の記者に「日本で一番好きだった食べ物は?」とたずねたら、ラーメンでも天ぷらでもなく「築地市場で朝食に食べた、海鮮丼が何年経っても忘れられない」と聞いてなるほどと思った。確かに、市場には海外からの観光客が行列を作っている店もあり、海鮮丼は日本人のみならず海外の人にもファンが多い。

近年、都内では好みの刺し身をカスタマイズして楽しんだり、タワーのように豪快に盛り付けてあったり、居酒屋で24時間オーダーできるものなど、さまざまなスタイルが登場している。ここでは話題の海鮮丼が食べられる店5選を紹介する。

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