東京、花カフェ5選

谷中霊園すぐそば、明治3年創業の老舗花屋「花重」が営むカフェ。国の登録有形文化財に指定された町屋建築を生かし、木組みの天井や漆喰壁といった趣ある意匠を残しながら、明るくゆとりを感じる空間へとリノベーションした。

4代目が手がける伝統技術「じかもり」など、店内の至る所に花々の装飾が飾られており、訪れる人の心をリラックスさせる。気候のいい日は、緑豊かなテラス席もおすすめである。

名物の「花重フレンチトースト」は、浅草「ペリカン」の食パンを一晩卵液に漬け込んでから焼き上げている。もっちりとした食感で、添えられた北海道ソフトクリームとも好相性だ。

原宿と北参道の間、静かな通りにたたずむ花屋カフェ。天井の高い開放的な空間に数えきれないほどのドライフラワーが飾られ、花やグリーンに囲まれながら心安らぐ時間を過ごすことができる。

訪れたらぜひ楽しみたいのが、エディブルフラワーを使ったスイーツやドリンク。フルーツや野菜をふんだんに使ったスムージーを種類豊富に用意しており、なかでもバラの花びらを浮かべた「ローズブーケ」が人気。ドイツパン専門店が焼き上げるライ麦パンを使うオープンサンドのほか、旬のフルーツをたっぷり使用した週末限定の「フルーツサンド」も見逃せない。

奥に構えるフラワーショップには、四季折々の花や観葉植物などが並ぶ。ブライダルなどで活躍した花を回収し、それらを使用した花束「フラワーバトン」なども販売されている。

モッコウバラに覆われたファサードが目印の花屋カフェ「花ト喫茶 ネコノコバン」。店主・太田和樹の祖父が営んでいた畳店を、自らの手でリノベーションした。店内には季節の切花やスワッグ、ドライリースなどが全体を包み込むように飾られ、まるでジブリの世界に足を踏み入れたかのような空間が広がっている。

ベーカリーでの修行から始まり、バックパッカーとして世界40カ国を巡る旅やオーストラリアでの暮らし、空間装飾の仕事など、これまでの多彩な経験が唯一無二の世界観を生み出した。

人気の「バスクチーズケーキ」は、とろけるような口当たりが魅力。彩り鮮やかな「ラベンダーレモネード」とともに味わいたい。世界各国の郷土料理をテーマにした月替わりのスープも提供している。

席数が限られているため、公式Instagramから予約しておくと安心だ。

二子玉川の閑静な住宅街にある、花と緑をこよなく愛する夫婦が営む花屋カフェ「入山十百花店」。2階建ての建物の1階がフラワーショップとなっており、上品で優美な花々が並んでいる。店内にはフランスのビンテージカウンターや大正時代の鏡などが配されており、まるでここだけ時間がゆったりと流れているようだ。

店内奥に設けられたコーヒーカウンターで、店主がハンドドリップで丁寧にコーヒーを抽出する。使用する豆は、蔵前に本店を持つハンドクラフトコーヒー製造販売所「サンシャインステイトエスプレッソ（SUNSHINE STATE ESPRESSO）」のもの。オリジナルブレンドの「入山十ブレンド」は、しっかりとした苦みの奥に優しい甘みが感じられる。自家製の焼き菓子とも好相性だ。2階の緑あふれるカフェスペースでゆっくりと味わいたい。

花よりも観葉植物が好きなら「フェブズコーヒー＆スコーン ブルッカ（feb's coffee＆scone Blucca）」を訪れてみてほしい。蔵前の落ち着いた路地にたたずむ、自家焙煎（ばいせん）のコーヒーとスコーンが楽しめるカフェだ。元配送倉庫をアンティーク調にリノベーションした空間には、観葉植物専門店「アンヴェールブルッカ（anvers Blucca）」（木～日曜のみ営業）と同店が並んで入居しており、ヨーロッパの街角を思わせる雰囲気が漂っている。

看板商品は、毎日店内で焼き上げるスコーン。一番人気のプレーンのほか、全粒粉やクランベリー、ナッツ、季節限定商品などが店頭に並ぶ。外はサクッと香ばしく、中はしっとりとしている。「カルピスバター」と小倉あんを贅沢に挟んだ「あんバタースコーンサンド」も評判がいい。

苦めのカラメルが特徴の「焦がしカラメル濃厚プリン」は、オーナーの幼少期の記憶から生まれた一皿。いずれもコーヒーとの相性は抜群だ。