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フレンチと西海岸が交差する新たなオールデイレストラン

2026年6月26日、「麻布台ヒルズ」のレジデンスB棟1階に「Lauderdale(ローダーデール)」がグランドオープンした。同店を手がけるのは株式会社CITABRIA。「ミシュランガイド」で三つ星を獲得した「L'Effervescence(レフェルヴェソンス)」をはじめ、「LA BONNE TABLE(ラ ボンヌ ターブル)」「bricolage bread & co.(ブリコラージュ ブレッド&カンパニー)」など、東京のレストランシーンを牽引(けんいん)するブランドを傘下に擁する。
Lauderdaleという店名に聞き覚えがある人も多いはず。かつて「六本木ヒルズ」で住民やワーカーに「ライフライン」とまで呼ばれて愛され、惜しまれつつ閉店したビストロダイナーの名を継ぐ新店だ。
とはいえ、CITABRIA最高責任者(CEO)・石田聡は、「復刻」ではないと強調する。
「まったく新しい店をオープンしたつもりです。言ってみれば、『シン』ローダーデールですね。この場所、この箱に合うテイストを入れたら、こういった形になりました。ただ、かつての『ローダーデール』の空気は感じていただけると思います」
実際、何度も吟味を重ね、今後さらに深化させていくというメニューは、旧店を知る人ほど新鮮に映るはずだ。
シェフを務めるのは、フランスで修行を積んだ仕名野吉宗(しなの・よしむね)。開店前には、石田とともにサンフランシスコや高知を視察した。フレンチを土台にしつつ、「フレンチになり過ぎないように」と仕名野が言うように、スパイスや西海岸の自由さを取り入れた料理が楽しい。
栄養豊富なボーンブロスに野菜を仕込んだ「ローダーデールスープ」(1,200円、以下全て税込み)、焦がしニンニクのスープにポーチドエッグを浮かべた「スープ・オアハカ」(1,600円)やブラックスパイシーソースで食す「茄子のロースト」(1,600円)など、スパイスの軽やかな辛みが食欲を刺激する。「ローストグリーンブーケ」(1,600円)、「根セロリのフリット」(1,400円)など野菜料理の充実ぶりもうれしい。
筆者の推しの前菜は「彩りビーツと柑橘のマリネ ブッラータチーズのせ」(2,200円)。サンフランシスコ視察で得たインスピレーションを反映した、カルパッチョのような一皿だ。ビーツのジュースを絞ってソースに仕立て、ビーツの液体でマリネした柑橘(取材日はブラッドオレンジ)とブッラータチーズを組み合わせた。「ビーツのおいしさを知ってもらえたら」という仕名野の思いが、酸味と甘み、ねっとりとクリーミーな質感の中に溶けている。
肉料理は、「四万十ポークロティ 香味韮(にら)バター 黒にんにくソース」(3,800円)。高知への視察で仕名野が最も感銘を受けた食材を、フレンチの技で仕上げている。下敷きはフレンチの古典「カフェ・ド・パリ・バター」。本来ハーブを練り込むところをニラに置き換えた合わせバターを乗せてあぶり焼きにし、黒にんにくのソースが香ばしさとコクを重ねる。付け合わせのヤングコーンもみずみずしい。
個性的、かつ計算され尽くした料理に寄り添うのは、CITABRIAグループが誇るワインリスト。フランス料理メインなのでフランスワインを軸に、ナチュラルワインにこだわらず各国の良質なワインをセレクト。グラスシャンパンが1,800円から並ぶなど、価格も思いのほか手が届きやすい。
旧店からメニューは一新したというが、旧店の看板メニューだった「スフレ」は、新店でも健在だ。オープン時には、「ジンジャーチョコレート」(1,400円)と「アップルシナモン」(1,300円)の2種類が並んでいた。
また石田は、サービススタッフの接客の技量を大切にしているという。
「サービススタッフは、料理との対話を支える存在。ゲストが自由にメニューを組み立てられるアラカルトだからこそ、接客係の技量が必要なんです。今では少なくなってしまった、サービススタッフの話を聞きながら、料理を決めていく楽しさを体験していただきたいです」
仲間とテーブルを囲んでわいわい、あるいは一人でバーカウンターに座ってしっぽりと――。さまざまな用途に応える懐の深さがある。料理やドリンクの充実ぶりを見ると、1軒目で使うのが王道だが、バーカウンターで一人二次会をしゃれこむのもよさそうだ。テラス席は愛犬も同伴できる。
現在は、ディナータイムのみの営業だが、準備ができ次第、モーニングとランチも順次展開していく。新店が目指すのは、「オールデイダイニング」ではなく「オールデイレストラン」だ。けやき坂で築き上げたホスピタリティーが、麻布台で新章を開く。新しい東京の生活風景を描く一軒としての期待も高い。
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