1. Koganeyu
    Photo: Yurika Kono黄金湯
  2. PARADISE
    Photo: Akane Suzukiパラダイス
  3. Komaeyu
    Photo: Ju Yeon Lee, courtesy Schemata Architects狛江湯

東京で最も美しいデザイナーズ銭湯5選

生まれ変わる東京の銭湯、伝統が現代的な感性と融合した新たな境地へ

Emma Steen
テキスト:
Emma Steen
翻訳:
Minami Imai
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昭和中期ごろまでは街のインフラの一つとして欠かすことのできないものだった銭湯。だが家に風呂があることが一般的である今日では、その存在感は希薄になり、需要の減少に伴い閉業する施設が後を絶たない。

そんな中、時代の流れに応じて刷新する方向へかじを切った銭湯もある。東京の豊かな文化的土壌を生かし、シーンをけん引するアーティストや建築家とコラボレーションすることで生まれたのが「デザイナーズ銭湯」だ。そこでは、伝統的な銭湯文化に新しい風が吹き込まれている。これらの銭湯がビジュアル面で優れているのはもちろんだが、銭湯が担う文化的な役割の大きさについても気付かせてくれる。

ここでは、デザインや建築の観点で特に優れた東京の銭湯5軒を紹介しよう。伝統が時を超えて受け継がれ、生まれ変わっていく現場を訪れてみてほしい。

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  • 錦糸町

1932年創業の「黄金湯」が大改装を行ったのは2020年のこと。年季が入ってはいるが活気に満ちた憩いの場だった公衆浴場が、モダンな銭湯とビアバーが融合した施設に生まれ変わった。総合プロデュースを担当したのはアーティストの高橋理子、設計はスキーマ建築計画の長坂常。歴史ある銭湯の魅力を引き継ぎつつ、現代的なデザイン性を導入した。

入り口の引き戸を開けるとすぐに目に入るのが、クラフトビールのタップを備えたフロントだ。ここは入浴料を支払ったりタオルをレンタルする番台でもあり、湯上がりにうれしい冷えたビールを提供するバーでもある。さらにDJブースも兼ねており、コンクリート打ちっぱなしの室内に心地よい音楽を響かせている。

男湯と女湯は壁で仕切られているが、浴室の奥に描かれた富士山の絵は、どちら側からも眺めることができる。この作品は漫画家のほしよりこによるもので、ここが親交を育む場になるようにとの願いが込められている。脱衣所にはアーティストの田中偉一郎によるのれんが掛けられ、そこに書かれた「お〜い」という文字が心を和ませる。

湯船は複数あり、それぞれ温度が異なる。サウナで芯から温まった後は、開放的な外気浴スペースでクールダウンしよう(通常は男湯のみ、水曜日のみ男女入れ替え)。

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  • 田町

三田で90年愛されてきた「万才湯」が、昔ながらの銭湯の魅力とコンテンポラリーな感覚を織り交ぜて生まれ変わった「パラダイス(PARADISE)」。一歩足を踏み入れれば、ヒノキの香り漂う異空間が広がっている。脱衣所に流れるBGMは、どこか懐かしさを感じる浪花節だ。さらに浴室へと進むと、そこは静けさに包まれたオアシスで、日本家屋のディティールが取り入れられた空間に、生き生きとした植物が生い茂っている。

湯船は青いタイル。水風呂の温度は、一般的な16度と10度未満の超低温の2種類だ。広々としたサウナには国産ヒノキがふんだんに使われており、ほうじ茶のアロマ水によるロウリュともあいまって、心を穏やかにしてくれる。自分だけのスペースでくつろぎたい人にとっては、個室サウナが5つ用意されているのもうれしいポイントである。

浴室内の階段を登ると、極上の「ととのいスペース」が広がっている。畳敷きの床の上にはチェアがゆったりと配置され、若手アーティストによる映像作品が壁を彩っている。

通常は男性専用施設だが、毎月10・20・30日の10〜24時はレディースデーで、女性専用となる。

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墨田区の「黄金湯」を手がけたスキーマ建築計画によるリノベーション銭湯。1954年の創業以来、地域に愛されて急速な都市化を生き抜いてきた、狛江市内では最も古い銭湯である。

2023年にリニューアルし、クラフトビールやつまみを提供するカフェバーが設けられた。コインランドリーも併設しており、バックパッカーにとってもありがたい。

「あつ湯」の設定温度は42度で、慣れていない人にとってはややハードルが高いかもしれない。だが、いったんこの温度に馴染んでしまえば、極楽だ。

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  • 練馬

「久松湯」の大きな特徴は、プロジェクションマッピングで演出された浴室だ。映像はアートコレクティブのアトリエオモヤによるもの。2003年に結成された同コレクティブは、身近な素材を昇華させた作品を制作しており、パリのシャルル・ド・ゴール国際空港にも作品が常設展示されている。

月に一度の、特別な湯を提供するイベントも魅力だ。「こどもの日」にはしょうぶ湯、夏にはハッカの湯、秋にはラベンダー湯、冬至にはゆず湯など、季節ごとの香りが楽しめる。

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「御谷湯」は、1947年に創業、2014年にリニューアルオープンしたビル型の銭湯だ。木の柔らかな香りが漂う入り口で靴を預け、浴室へ。低温(約25度)から高温(約43〜46度)までさまざまな温度の湯船が用意されているのが珍しい。

薬湯もあり、生薬、米ぬか&オリーブ、牛乳などの湯が日替わりで提供される。男湯と女湯のフロアは週替わりで、5階の浴室には東京スカイツリーが見える半露天風呂も備わっている。

銭湯カルチャーをもっと堪能するなら……

  • レストラン
  • カフェ・喫茶店

タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、銭湯カフェ5選

古くから人々の憩いの場として愛されてきた、銭湯。都内ではそんな銭湯と喫茶店をかけ合わせた、ユニークな飲食店が増えている。レトロな趣に心癒やされたり、コラボが生み出す面白さに心つかまれたりするなど、個性豊かで魅力に溢れる店も多い。今後注目されること間違いなしの「銭湯カフェ」を紹介する。

コロナ禍の影響で、営業時間は変更している可能性がある。訪れる際には公式ウェブサイトなどを確認してほしい。

  • Things to do

タイムアウト東京 > Things To Do > 東京、スーパー銭湯16選

温浴施設があまたある東京。昔ながらの銭湯も風情があっていいが、ジェットバスや電気風呂、さらには岩盤浴やマッサージ施設を併設したスーパー銭湯も、レジャー感覚で利用できて楽しい。

サウナブームの影響からこだわりのサウナを備える施設も増加した。ここでは、健康ランドのように1日中滞在できる大型施設から、風呂好きが気軽に立ち寄れる、入場料1,000円台のリーズナブルな温浴施設まで紹介する。

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タイムアウト東京 > Things to do > 東京、デザインが美しいサウナ5選

近年ますます盛り上がりを見せ、大きなムーブメントとなっているサウナ。大幅リニューアルを経てビアバーやDJブースも兼ね備えた老舗銭湯のサウナや、緑あふれる野外スペースにかまくら型のサウナを設置したスポットなど、東京近隣エリアでデザインが魅力的なサウナを厳選して紹介する。美しい空間で「ととのう」、極上のひとときを過ごしてみては。

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