東京、タトゥーフレンドリーな銭湯
渋谷、浅草、銀座、戸越銀座、学芸大学など。タトゥーOKの銭湯

極道者の象徴というカビの生えたイメージがいまだ残るためか、タトゥーや刺青(いれずみ)は、日本の温浴施設では風紀を理由に排斥されがちだ。観光庁が公式サイト上で「外国人旅行者が急増する中、入れ墨がある外国人旅行者と入浴施設の相互の摩擦を避けられるよう促していく必要がある」と呼びかけるなど、対応改善に向かう風潮はあるものの、同庁が2015年に行った全国のホテル・旅館約3800施設を対象にした調査では、過半数の施設が「入れ墨がある方に対する入浴について お断りをしている」と回答している。温泉施設やスーパー銭湯などの大きな店では壁はまだまだ厚いものの、銭湯では比較的寛容な店が多い。普段から肩身の狭い思いをしてる人々のために、タトゥー・刺青OKな都内の銭湯を紹介する。なお、公式にOKとしている店でも、大勢での来店は断っているところは多いので、配慮が必要だ。
天然温泉 湯どんぶり栄湯
スーパー銭湯顔負けの設備で知られる、三ノ輪の湯どんぶり栄湯。2017年5月のリニューアルで露天風呂の追加と、サウナの拡張が行われた。真っ白に見える露天風呂の湯の正体は、ナノファインバブルという粒子レベルの泡。毛穴の中に入り込み、汚れを取り除いてくれるという。湯船の中に設置された2つの壺は、注ぎ口かと思いきや壺型の湯船。豪快に湯をあふれさせながら肩まで浸かりたい。ランナー用のロッカーや駐車場、駐輪場も完備されているので、色々な使い方ができそうだ。
ぽかぽかランド 鷹番の湯
鷹番にある温泉銭湯。タイル張りの外壁に取り付けられた青とピンクのレトロなネオンが目印だ。造りの異なる浴室がが1階と2階に設けられ、偶数日は1階が女湯、2階が男湯になる。奇数日はその逆だ。ともに内湯と露天風呂、サウナ(タオル付。別料金)からなり、露天風呂は世界各国のハーブを混入した薬湯となっている。エステバスやソルティサウナが人気だ。
金春湯
高級寿司店の九兵衛の近く、銀座のど真ん中に店を構えるのが金春湯だ。開業は1863年で、現在都内で営業している銭湯の中でも最も歴史のある銭湯のうちの1軒。2014年3月に改修を終え、脱衣所、浴室ともに鮮やかな白が基調となっている。ビルがひしめく一等地にも関わらず、建物は1階造りのまま天井が高く、銭湯らしさを守っている。 絵師の中島盛夫による富士のペンキ絵は、海岸から望む富士と赤富士の2種類が男湯と女湯にそれぞれ描かれている。また、壁面には創業当初に作られた錦鯉、春秋花鳥を描いた九谷焼のタイル絵があり、見事な色彩を放っている。浴槽は2種類で、片方がぬるく、もう一方が熱くなっている。ぬるい浴槽でも42℃ほどあるので、長湯のしすぎには注意してほしい。