ジブリの立体造型物展
(C)2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM
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東京、5月に行くべきアート展5選

1970年の大阪万博や東京建築祭、ジブリなど

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暖かく穏やかで、出かけるのが楽しい5月。ここでは、今月の見逃せないアート関連のイベントを厳選して紹介したい。エリアを上野から品川まで大幅に拡大した「東京建築祭」のほか、ジブリの世界に飛び込める「ジブリの立体造型物展」1970年に開かれた大阪万博での岡本太郎の挑戦に焦点を当てたものなど。それぞれの作品世界を堪能してほしい。

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ゴールデンウィークに行くべき注目のアート展&芸術祭

  • アート
  • 丸の内

「建築から、ひとを感じる、まちを知る。」をテーマに、普段は入れない場所、知らなかったエピソードに触れ、 建築や街を楽しむ祭典「東京建築祭」が開催。2024年の初開催の大反響を受け、エリアを上野から品川まで大幅に拡大する。

注目の特別公開やガイドツアーでは、大学キャンパスや博物館、美術館などの文化施設や和風建築が加わる。また、建築の専門家による講演やライブ配信をはじめ、建築をテーマに出会い、語らう交流会も企画予定だ。

クラウドファンディングでは、建築家・伊東豊雄によるオリジナルデザインのトートバッグやキックオフイベントのほか、数々のツアーが用意されている。

特別展示・公開は入場無料で、ガイドツアーや各種イベントは有料だ。多様な建築に触れる貴重な機会を見逃さないでほしい。

  • アート
  • 天王洲

スタジオジブリ作品の魅力に迫る展覧会「ジブリの立体造型物展」が、天王洲の「寺田倉庫 B&C HALL/E HALL」で開催。2003年に始まった本格的なスタジオジブリ展の原点である「立体造型物展」が、進化を遂げて22年ぶりに東京に帰ってくる。

今、世界中で観られているスタジオジブリ作品。その背景には、長い時間をかけて届けようとした人々がそれぞれの国や地域にいた。

本展では、「海を渡った熱風」をテーマに、海外のパートナーたちがどのように作品を届けていったのかをたどる。併せて、『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』など、数々の映画からの名場面が立体造型物となって展示される。

注目は、『紅の豚』に登場する飛行艇「サボイアS.21」。「もしも本当にあったら」という想定で作られる迫力満点の飛行艇は、今にも飛び立ちそうに見えるだろう。

また、 宮﨑駿がかつて「三鷹の森ジブリ美術館」の企画展示用に制作した短編アニメーション『空想の空とぶ機械達』が特別上映。大空に憧れた人々がかつて空想した「空とぶ機械たち」を描く。さらに、会場隣接の水上施設「T-LOTUS M」では、『崖の上のポニョ』に出てくる「あのハム入りラーメン」が味わえる。

ジブリの世界に飛び込める本展。帰り道は、きっとジブリ作品が観たくなっているだろう。

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  • アート
  • 神奈川

「川崎市岡本太郎美術館」で、1970年に大阪で開かれた「日本万国博覧会(以下、大阪万博)」での岡本太郎の挑戦に焦点を当てた「岡本太郎と太陽の塔―万国博に賭けたもの」が開催される。

「人類の進歩と調和」をテーマとする大阪万博で、岡本はテーマ展示プロデューサーに就任。会場中心に据えた「太陽の塔」は、モダニズムと相容れない独特の外観で賛否を巻き起こし、展示構成も「人類の進歩と調和」に異議を唱える岡本の思想が反映されたものであった。

本展では、民族学を源泉とし、国内の取材旅行を通して形成された岡本のフィールドワークで撮影した写真を紹介するほか、「太陽の塔」の制作記録や実際の建設過程などを展示する。

また、世界各国の仮面や神像などの民族資料を通して、岡本がテーマ展示の地下空間で表現しようとした「今日の文明が失ってしまった人間の原点」に迫る。

ただの「お祭り」と、人間の誇りと生きる歓びを爆発させる神聖な「祭り」を区別し、大阪万博は後者であるべきと考えた岡本。太陽の塔を中心に据えることで、「祭り」の実現に賭けた岡本の野心と道程を垣間見てほしい。

  • アート
  • 府中

「府中市美術館」で、明治末から大正期にかけて活動した文学書の装丁作家・橋口五葉(1881〜1921年)の個展「橋口五葉のデザイン世界」が開催。日本の書斎空間を美しく彩った五葉の装丁の世界を中心に、豊かなデザイン世界を紹介する。

女性の美しさを柔らかく表現した版画で世界的に知られている五葉は、書籍の装丁やポスター、洋画や日本画とジャンルを超えて多彩に活躍した。 


五葉の仕事の出発点には、日本の近代装丁史に大きな足跡を残す夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』の装丁があり、その後も日本近代文学を代表する作家の装丁を次々と手がけた。


装丁に見られる職人との協業や素材へのこだわり、画面を花々や小動物のモチーフで埋め尽くす華やかな装飾性は、その後の絵画や版画の仕事にも息づく。同時代のアール・ヌーヴォーと、琳派や浮世絵などの日本の伝統が、五葉の美意識の下に融合し、唯一無二の作品世界を生み出している。

本を立体として捉え、手のひらに収まる小さな世界に美しさが凝縮された五葉の装丁。今でも美しい輝きを放つ五葉が手がけた世界に入り込もう。

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  • アート
  • 天王洲

現代アートと建築のミュージアム「ワットミュージアム(WHAT MUSEUM)」で、「Reborn-いのちを織りなすアーティストたち-」展が開催。日本文化の根底に流れる「自然との共生」と「いのちの行方」をテーマに、現代アーティスト6人による約67点の作品を紹介する。

参加作家は、鈴木初音、玉田多紀、永沢碧衣、帆刈晴日、水田典寿、宮川達也。現代では薄れつつも、日々の暮らしの中で大切に継承されてきた自然との深い関わりに着目し、「いのちの行方」について視覚的に提示する。

流木や古紙ダンボール、狩猟で得た膠(にかわ)など、出合った素材と真摯(しんし)に向き合い、対話を重ねながら作品を生み出している。

こうして生まれた作品は、それぞれ異なる表情を持ちながらも、共通の方向へと鑑賞者を誘うだろう。

5月の予定なら......

  • 音楽

新緑の風が心地いい5月、ジャズの旅に出かけてみるのはどうだろうか。名手から気鋭の若手まで、今月も東京で聴くべきライブが盛りだくさんだ。

本記事では、情熱的なラテンジャズから実験的なサウンドアートまで、初心者から通まで響くであろう5公演を厳選して紹介する。

  • Things to do
  • イベント

ゴールデンウィークとともに、東京ではアジアの熱気あふれるフェスティバルが次々と開催。タイやカンボジア、ラオス、ベトナムのマーケットに迷い込んだような刺激が待っている。

遠くへ行かずとも、異国の風を感じながら旅気分で楽しめるフェスティバルを厳選して紹介する。

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  • Things to do

人気海外旅行先ランキングでは例年上位に君臨するほど、ファンが多い台湾。台湾の魅力はたくさんあるが、やはりグルメは外せない。

サクサクとした食感がやみつきなる台湾からあげ「大鶏排(ダージーパイ)」や、甘くてジューシーなフルーツがたっぷり乗った「台湾かき氷」など、バリエーションは多彩だ。

そんな台湾の魅力をたっぷり詰め込んだイベントが、5〜7月にかけて各所で開催される。中には夜まで開催されるイベントもあり、赤いランタンが醸し出す雰囲気は現地の夜市さながらだ。

  • アート

2025年5〜6月にかけて、人気アニメや有名漫画の展覧会が多数開催される。大ヒットコミック『僕のヒーローアカデミア』の完結記念展や、ゴジラの生誕70周年記念展など、注目のイベントが続く。

緻密で繊細な原画を楽しんだり、制作秘話をのぞいたり、空想の世界を自由に楽しもう。濃密なアニメ展示を体感してみては。

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