1. 東 京都 展 The Echoes of East Kyoto
    Photo: Keisuke Tanigawa(東 京都 展 The Echoes of East Kyoto)展示風景
  2. 待望の日本初個展「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」が森美術館で開幕
    Photo: Keisuke Tanigawa(シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝)「アフロ民藝」の展示風景から、小出芳弘の写真と作品群
  3. 国立新美術館で5年ぶりの自主企画展「遠距離現在  Universal / Remote」
    Photo: Kisa Toyoshima(遠距離現在 Universal / Remote)エヴァン・ロス「あなたが生まれてから」(2023年)
  4. 西洋美術館65年の歴史で初めての現代アート展が開催
    Photo: Keisuke Tanigawa(「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか)
  5. 100点以上が初公開、奇想のガラス作家エミール・ガレの回顧展
    Photo: Naomi(奇想のガラス作家エミール・ガレの回顧展)左から「花器(アネモネ)」「台付花器(オモダカ)」(1980~1900年ごろ、個人蔵)

東京、ゴールデンウィークに行くべきアート展10選

大規模展から話題の若手作家たちのグループ展まで

編集:
Time Out Tokyo Editors
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ゴールデンウィークがやってきた。フードイベント音楽イベント野外シネマもいいが、今年はアートに浸る連休にしてみては。ここでは、都内でゴールデンウィーク期間に開催している注目の美術展を紹介する。

都内に絞っても注目の展示は、国内初の北欧絵画展、世界的評価の高い現代美術家であるシアスター・ゲイツのアジア最大規模にして、日本初となる個展、日本を代表するイラストレーター・宇野亞喜良の過去最大規模の展覧会など、挙げ出せばきりがない。

そのため本記事では、この時期を逃したら観られないもの、直近で始まった展示など10件に絞った。カテゴリーも、インスタレーション、映像、絵画、工芸、民藝、写真、漫画、図屏風と幅広くしている。読めば、きっと発見があることだろう。気になったらぜひ足を運んでみてほしい。

都内で開催中の展示を数多く知りたい人は、「東京、4月から5月に行くべきアート展」という記事も用意している。併せてチェックしてみよう。

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  • アート
  • アート

京都を拠点に国内外で作品を発表する作家50人によるグループ展「東 京都(ひがしきょうと)展 The Echoes of East Kyoto」が、2024年5月7日(火)まで、天王洲の「ワットカフェ(WHAT CAFE)」で行われている。本展の企画は、3人の現代美術家、鬼頭健吾・大庭大介・名和晃平によるキュレーションユニット「鬼大名」が担当した。

3人のほかに参加しているのは、椿昇やヤノベケンジ、神谷徹、ミヤケマイ、池田光弘ら、京都芸術大学で教壇に立ちながら精力的に作品を発表する現代美術家と、彼らの教え子たちを中心とした若手の作家たちである。

およそ100点もの作品が展示・販売されており、平面・立体を問わず、多彩な作家たちの作品を通して、京都のアートシーンの今を余すところなく体感できる。人気のため入手困難な作家も多く参加しているが、全ての展示作品は、先着順で購入が可能だ。作品に添えられた「QRコード」から、作家のプロフィールやプライスリストを確認できる。

世代や立場を超え、緩やかでリアルなつながりやコミュニケーションが続いているからこそ実現した、貴重で魅力的な機会だ。ぜひ会場へ足を運んで楽しんでほしい。

  • アート
  • 渋谷

国際的に活躍する画家・大岩オスカールの個展が「渋谷ヒカリエ8/」ほか、館内外の各所で開催。タコのような架空の水生生物「オイル・オクトパス」を中心に、地球環境への懸念を、大岩らしいユーモアと社会風刺に満ちた独自の世界観で表現する。展示するのは、新作を中心に25点の絵画、映像、立体作品だ。

大岩は1965年ブラジル・サンパウロ生まれ。日本でアーティスト活動を始めて、現在はニューヨークを拠点に活動。これまで「東京都現代美術館」「金沢21世紀美術館」などで大規模な個展を開催したほか「大地の芸術祭」「瀬戸内国際芸術祭」といった日本各地での芸術祭に参加し、サイトスペシフィックな作品も多く発表してきた。

2023年に台湾北部で開催された芸術祭「基隆潮芸術」に出展した漁船を使ったバルーン状の大型作品「近代世界生物(Modern World Wildlife)」を、「8/COURT」に展示。4階の「ヒカリエデッキ」には、幅10メートル・高さ3メートルもの大型壁画が出現、2024年5月3日(金・祝)に大岩本人が最後の仕上げを施した後、9月末日まで公開する予定だ。

4月27日(土)には大岩本人によるアーティストトークイベント、5月4日(土・)には大岩とドローイングを制作するワークショップ(参加費無料・要予約)も予定。今回のために制作されたオイル・オクトパスのTシャツ・トートバッグなどグッズ販売も8/COURTで行われる。カオスな渋谷を漂流する油ダコとアートを楽しもう。

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  • アート
  • 神泉

美しい曲線と鮮やかな色彩に、草花や昆虫などのデザインで、ガラス工芸をアートへと高めたフランスのガラス作家、エミール・ガレ(Emile Galle)。渋谷区立松濤美術館で開催されている本展は、これまで紹介される機会の少なかった国内の個人コレクターが所蔵する貴重な作品を中心に、ガレの創作の足跡をたどる企画展だ。

本展では、最初期から晩年までの作品約120点のうち約60点が初公開。これまで開催されてきたさまざまなガレの展覧会の図録や、専門書にも載ってないような作品ばかりである。

中世やルネサンス、ロココの美術様式から着想を得た初期作や、日本や中国といった東洋の文化から影響を受けた作品、晩年に病と戦いながら数多く制作したランプなど、アールヌーボーの華やかな作品が楽しめる。

幼少期から、歴史や語学、文学、哲学、そして植物学と、非常に幅広く深い教養を持ち合わせていただけでなく、家業だったガラス・陶器製造販売の経営を引き継いだガレ。さらには、植物学者としても精力的に活動している。マルチクリエーターであり、敏腕経営者でもあったガレの人生を知る機会になるだろう。

  • アート
  • 上野

1959年に松方コレクションを母体として開館した上野の「国立西洋美術館」が、開館65年目にして初めて現代美術を大々的に展示した企画展

参加作家は、飯山由貴、梅津庸一、小沢剛、小田原のどか、内藤礼、長島有里枝、パープルームなど実験的な制作活動を行うさまざまな世代のアーティストたち21組。横倒しになったロダン彫刻や失われたモネの「睡蓮」などが展示されており、さまざまな問いから7つの章立てで展示を構成する。

本展開催の背景には、「日本のアーティストたちに本物の西洋美術作品を見せ、彼らが作品から触発されることを期待した」という同館設立の経緯を今一度検証し自問する狙いがある。

それと同時に、国立西洋美術館とはどんな場所なのか、参加作家らに問いかけ、これからの美術館の在り方を考える機会につなげることも期待されている。間違いなく歴史に残る、必見の現代美術展だ。

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  • アート
  • 新宿

インテリアやプロダクトなどのさまざまなデザインや、トーベ・ヤンソン(Tove Marika Jansson)の物語「ムーミン」など、日本人にとって馴染み深い北欧の国々。同展は、北欧の中でも「ノルウェー国立美術館」「スウェーデン国立美術館」「フィンランド国立アテネウム美術館」という3館からえりすぐりの絵画コレクションが来日する、国内初の北欧絵画展だ。

ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクや、フィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラ(Akseli Gallen-Kallela)など、19世紀から20世紀初頭の国民的な画家たちの作品約70点を紹介。豊かな自然を描いた風景画や、憂いある色彩が特徴的な肖像画、神話をモチーフにしたドラマチックな作品など異なるテーマを通して、北欧の国々の作品に通底する空気感や色彩を伝える。

夏の白夜、極寒の夜空に浮かぶオーロラや深い森、フィヨルドなどの美しい自然に囲まれた北欧は、古くから神話やおとぎ話などが伝わり、数多くの芸術の舞台となってきた。北欧の魅力を、絵画によって再認識する機会になるだろう。

  • アート
  • 青山

南青山の「根津美術館」が、毎年この時期にだけ展示する「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」。江戸中期に活躍した尾形光琳(1658〜1716)の筆による国宝で、リズミカルに描かれたカキツバタと余白のバランスが美しい。

本展は、「燕子花図屏風」に見る装飾性、日本古来の美術工芸品における意匠と絵画の関係性、そして和歌や物語などの文学世界を象徴的に表現した点などに着目し、デザインの観点から日本美術を読み解く。

会期中は、敷地内の庭園に咲くカキツバタの群生を鑑賞できる季節でもある。都心とは思えないほど広大で緑豊かな庭園には、歴史的建造物の茶室や池を散策できる遊歩道が整備されている。景色を楽しみながらくつろげる「ネヅカフェ(NEZUCAFÉ)」の利用もおすすめだ。日常の喧騒(けんそう)を離れ、五感で存分に展覧会を味わってほしい。

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  • アート
  • アート

シカゴのサウスサイド地区を拠点に活動する現代美術家であるシアスター・ゲイツ(Theaster Gates)のアジア最大規模にして、日本初となる個展が六本木の「森美術館」で開催中だ。ゲイツは、陶芸作品や彫刻を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、メディアやジャンルを横断する活動で、国際的に高く評価されている人物である。

本展では、常滑の陶工や酒蔵、京都の老舗企業ともコラボレーションした大型インスタレーションや、陶芸家・小出芳弘が遺した2万点以上の作品群などを展示。また、ゲイツが運営するシカゴのアートスペース「Stony Island Arts Bank​」の中のライブラリーから、約2万冊を移送・再現展示したブックラウンジなども見逃せない。毎週日曜日の14~17時にはオルガン奏者が演奏するパフォーマンスも行われる。

世界で注目を集めるブラックアートの魅力を知れると同時に、陶芸や建築、アートスペースの立ち上げ、映像や音楽といった多角的な実践を幅広く紹介。手仕事への称賛、「民藝(みんげい)」への共感や思い、人種や政治への問い、文化の新たな融合をうたう現代アートの意義など、ゲイツの活動の中にある、重層的に存在するさまざまなテーマや考え方に思いを馳せてみては。

  • アート
  • 図画&イラストレーション
  • 芦花公園

日本のホラー漫画界をけん引する伊藤潤二の大規模展示「伊藤潤二展 誘惑」が、「世田谷文学館」で開催。

本展示は序章から4章まで区分けして構成されており、国内外で人気の伊藤作品の数々をはじめ、奇妙だがリアルな世界観を醸し出す原画や、歯科技工士から漫画家に転身した彼の生活にフォーカスした作品など、ボリューミーかつストーリー性のある内容になっている。

デビュー作であり海外でも有名な「富江」はもちろん、シリーズ漫画の「うずまき」や「死びとの恋わずらい」「首吊り気球」「伊藤潤二の猫日記 よん&むー」などの自筆原画のほか、本展描き下ろしの新作も公開する。富江の世界に連れ込まれないよう用心を。

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  • アート
  • 恵比寿

1920年代、小型カメラによるスナップショットで、被写体の一瞬の表情を捉える独自のスタイルを確立し、「ライカの名手」と呼ばれた木村伊兵衛(1901〜1974年)。没後50年を経てもなお、多くの人を魅了する作品群が、恵比寿の「東京都写真美術館」で一挙公開されている。

広告宣伝写真や歌舞伎などの舞台写真、カラーフィルムによる滞欧作品、太平洋戦争前の沖縄の日常や、秋田の農村をテーマにしたシリーズなど、多種多様な被写体を捉えた木村は、自らを「報道写真家」と位置づけていた。新聞や雑誌などを通して市井の人々の暮らしぶりを伝えるという、写真の社会的な機能を意識してのことだ。

本展では、木村が生前最後に展示したプリントが半世紀ぶりに特別公開される。誰もが手軽かつ日常的に写真や映像を撮影する今だからこそ、1カット1カットをフィルムで丹念に撮影していた時代の木村の写真を、オリジナルプリントでじっくりと観てほしい。

  • アート
  • 乃木坂

資本と情報が世界規模で移動する現代の状況を踏まえて造語された「遠距離現在 Universal / Remote」をタイトルに掲げた本展は、3年に及んだコロナ禍のパンデミックをきっかけに、社会の在り方や暮らし、仕事などさまざまな事象を8人と1組の作家が手がけた現代美術作品を通して考察する企画展だ。

「Pan- の規模で拡大し続ける社会」と「リモート化する個人」という2つのテーマから展示は展開される。前者では、人流を抑制するために国家権力が強化され、監視システムも容認されたにもかかわらず、加速度をつけて移動する経済資本や情報への問題意識を表現した作品群を紹介。彫刻家の井田大介による映像作品や、トレヴァー・パグレン(Trevor Paglen)の写真などを展示する。

後者では、オンラインで個人と個人が結びつき、家から出ずに国境を超えることが当たり前となった今、非接触を前提に遠隔化される個人の働き方や住まいについて表現した作品を展示。

都市に存在する孤独を写真で表現したティナ・エングホフ(Tina Enghoff)や、ネットインフラを支える人々を写したチャ・ジェミン(차재민)、エヴァン・ロス(Evan Roth)のインスタレーションなどから考えていく。

ベルリン在住のヒト・シュタイエル(Hito Steyerl)が、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ(Giorgi Gago Gagoshidze)とミロス・トラキロヴィチ(Miloš Trakilović)と共作した映像作品「ミッション完了:ベランシージ」(2019年)も興味深い。ファッションをキーワードに、1989年のベルリンの壁崩壊からの30年間に生まれた「格差」に迫るもので、特にハイブランドのファッションが好きな人やSNSが手放せない人、海外セレブリティの動向に興味がある人には、目が離せないだろう。

30分を超える映像作品も多い。鮮烈に、当時の私たち一人一人ひとりの記憶を思い出し、改めて問い直す最良の機会になることだろう。

もっとゴールデンウィークを満喫したいなら……

  • 音楽

熱く激しい音楽、ジャズ。一見とっつきにくく感じるかもしれないが、難しいことは考えずに、プレーヤー同士の掛け合いや即興演奏など、ただ音に耳を傾ければその魅力のとりこになるだろう。

本記事では、誰もが一度は聞いたことがあるギターレジェンドのラリー・カールトン(Larry Carlton)のフェアウェル公演や、豪華アクトが多数集結する屋外イベント、日本の若き注目ミュージシャンのデュオライブ、ベテランミュージシャンたちの熱き共演が楽しめる老舗のゴールデンウィークイベントを紹介する。

もっとジャズが聞きたくなったら、2024年5月16日(木)、タイムアウト東京が主宰するイベント「Tokyo Beats & Brews」にも足を運んでみてほしい。

また、タイムアウト東京では「ゴールデンウイークでしかできないこと2024」と題して、アート、音楽、グルメ、花絶景、注目のニューオープンなどをまとめている。ぜひ併せてチェックしよう。

  • Things to do
  • シティライフ

2024年のゴールデンウイークは、台湾をテーマにしたイベントが都内4カ所で開催される。

新登場の朝食ブースから、台北にある食専門の夜市「寧夏夜市(ニンシャー・イエスー)」が監修したグルメイベントまで、台湾ラバーでも発見があるだろう。ぜひ出かける際の参考にしてみてほしい。

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  • レストラン

徐々に気温が上がり、外で過ごすのが心地良くなってきた。屋外のフードイベントも増えてきた中、ビアガーデンに行きたい人も多いだろう。ここでは、オープンエアを楽しめる東京のビアガーデンやビールフェスティバル、ハイボールガーデンなどを紹介する。

また、タイムアウト東京では「ゴールデンウイークでしかできないこと2024」と題して、アート、音楽、グルメ、花絶景、注目のニューオープンなどをまとめている。ぜひ併せてチェックしてほしい。

  • Things to do

今年は全国的に桜の開花が早まりそうだ。見頃は2週間ほどで、もう少し長く春の到来を楽しみたいもの。この時期各地で花の開花に合わせて祭典が行われる。今年だけのイベントなどもあり、一期一会の花景色との出合いが待っている。

ここでは、桜はもちろん、チューリップやネモフィラ、フジなど、3月中旬から5月にかけて咲く、東京近郊の花の名所で開催されるフラワーフェスティバルを紹介する。

各会場の開花状況についてはそれぞれの公式ウェブサイトなどで確認してほしい。

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