RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO
画像提供:AMBIENT KYOTO 実行委員会 | 坂本龍一 + 高谷史郎 | async - immersion 2023|Photo:Satoshi Nagare
画像提供:AMBIENT KYOTO 実行委員会

東京、8月に行くべきアート展5選

坂本龍一、マリー・アントワネット、多田美波など

Chikaru Yoshioka
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2026年8月の東京は、音楽、建築、ファッション史まで、多彩な表現に触れられる展覧会が揃う。「麻布台ヒルズ ギャラリー」では坂本龍一と高谷史郎による音と映像のインスタレーションが展開され、「東京都現代美術館」では戦後日本を代表する抽象彫刻家・多田美波の大規模個展を開催。さらに「横浜美術館」では、世界巡回展「マリー・アントワネット・スタイル」が日本唯一の会場として上陸する。

本記事では、この夏に足を運びたい注目のアート展を厳選して紹介したい。

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ロンドンの「ヴィクトリア&アルバート博物館」が企画した世界巡回展「マリー・アントワネット・スタイル」が、日本では唯一の会場となる「横浜美術館」で開催。国際的にも注目を集める展覧会で、日本初公開作品を含む歴史的・文学的に貴重な資料が一堂に会する。

歴史上最もファッショナブルな王妃、マリー・アントワネット(Marie Antoinette)。時代のファッション・アイコンとなった王妃の装いやインテリアは、18世紀から現代まで、ファッション・デザイン・映画などに広く影響を与えてきた。

本展では、ロンドンで開催された内容をアジア巡回に合わせて再構成し、日本国内に所蔵される約20点の作品も加えて展示。アントワネットが愛用したドレスやジュエリー、家具調度品などを通して、新たなスタイルを生み出した王妃の革新性と、その人物像に迫る。

会場には、絵画や版画、写真などを含む約200点が並ぶ。18世紀後半の宮廷文化から2025年のオートクチュールまで、約250年にわたる「マリー・アントワネット・スタイル」の系譜をたどっていく。

さらに、「首飾り事件」のネックレスの一部と伝わるダイヤモンドをはじめ、アントワネット旧蔵品やゆかりの品、小説や演劇、映画などで描かれてきた18世紀の関連資料も紹介。王妃の処刑に使用されたとされるギロチンも展示し、フランス革命という歴史の転換点についても小コーナーで取り上げる。

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「麻布台ヒルズ ギャラリー」で、「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO」が開催。「アンビエント」をテーマに、音・アート・空間が融合する展覧会「AMBIENT KYOTO」が東京で初開催する特別展で、2023年に京都で発表された坂本龍一+高谷史郎(ダムタイプ)によるインスタレーション作品『async - immersion』を展示する。「AMBIENT KYOTO 2023」と同等のスケールで本作を体験できるのは、今回が初めてだ。

async - immersion』は、坂本の2017年のアルバム『async』をベースに、高谷による映像と、坂本の晩年の作品でも知られる音響ディレクター・ZAKによる立体音響で構成された作品。坂本が追求した「設置音楽」のコンセプトの下、音楽・映像・音響・空間、そして鑑賞者が一体となる没入体験を生み出す。

会場では、『async - immersion』をギャラリーの空間に合わせて再構築。横幅26.4メートルの巨大スクリーンを用いた映像演出を展開する。「async(非同期)」のタイトルの通り、映像は音に呼応しながらも完全には同期せず、絶えず変化する音と映像の関係が、観る人を作品世界の深層へと引き込んでいく。

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「東京都現代美術館」で、戦後日本において抽象彫刻家・造形作家として活躍した女性作家・多田美波(19242014年)による大規模個展が開催。近年、国内外で再評価が高まる多田の70年にわたる創作活動の軌跡をたどる。

戦後いち早く新しい素材に取り組み、技術や素材の研究を重ねながら表現を更新してきた多田は、同時代の前衛美術グループに属することなく、彫刻、建築、デザインの領域を横断して活動。ステンレスの彫刻や、自然の景観に溶け込むガラスやアクリルの作品、色とりどりの光を内包する「光壁」など、素材やスケールの枠を超えた多彩な表現を展開してきた。

会場では、初期の絵画をはじめ、光の反射や透過を取り入れた彫刻、作家自身が「光造形」と呼んだシャンデリアを含む照明作品など約70点が並ぶ。さらに、建築造形のパーツや写真、スケッチなどのアーカイブ資料も展示する。

また、一部を再制作・再構成した、現存しない作品や建築と不可分な照明作品にも注目したい。洗面台などで用いられるボールチェーンを素材としたシャンデリア『チェーンデリア』(1963年)は、多田が皇居・新宮殿の光造形を委託される契機となった記念碑的作品で、原寸大で復元展示される。

なお、1010日(土)~12日(月・祝)は、中学生・高校生・専門学校生・大学生が無料で入場できる。

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「21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン トゥーワン デザインサイト)」で、13世紀初頭に鴨長明が著した随筆『方丈記』に登場する、一丈四方(約9平方メートル)という小さな住まい「方丈庵」を起点にした企画展が開催。建築家やデザイナー、美術家、企業など多彩な参加者が、素材や構造、道具を用いて現代における生き方を問い直す。

『方丈記』は、移ろい続ける世の無常の中で生きる人間の姿を描いた作品。長明が暮らした庵(あん)は現存しないものの、その思想は時代を超えて受け継がれ、多くの実践を生み出してきた。文学作品でありながら、住まいの本質を問いかける「真の建築書」とも評されている。

本展では、展覧会ディレクターに建築家・塚本由晴を迎える。見どころは、江頭慎、大室佑介川長組、小渕祐介中村純、2m26、山口晃がそれぞれ構想した「方丈庵」。実際に内部へ入り体験できるものもあり、表現の形はさまざまだ。また、田部井美奈、正田智樹竹中工務店veigによる庵や、須田悦弘による作品は会場内の思いがけない場所にひっそりとたたずむ。

加えて、正田智樹と大山亮、増井柚香子(6lines studio)によるリサーチを元にした展示を展開。長明の庵を検証的に再現する空間に加えて、『方丈記』が写本や解説・翻訳本などを通じて今日まで読み継がれてきた軌跡をたどる。

『方丈記』を読み解くだけではなく、その思想と現代の暮らしを重ね合わせ、自身の生き方や住まいについて改めて考える機会となるだろう。

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「OSAMU GOODS(オサムグッズ)」は、イラストレーターの原田治(19462016年)が1976年に生み出したキャラクターグッズブランド。イギリスの伝承童話「マザーグース」に着想を得て誕生し、1960年代のアメリカの雑誌「Seventeen」やハリウッド映画に登場する女優、身の回りの生活雑貨などをヒントとした。

原田が掲げた「かわいい」の定義は、「明るく、くったくがなく、健康的な表情であること。そこにわずかな淋しさや切なさを隠し味にすること」。その独自の世界観は、1970年代後半から1990年代にかけて女子中高生や20代女性を中心に絶大な人気を博した。

「そごう美術館」で開催される「The 50th Anniversary OSAMU GOODS展」では、2026年に誕生50周年を迎えるOSAMU GOODSを特集。当時のグッズや資料を通して、その魅力やデザイン哲学を紹介するとともに、世代を超えて愛され続ける理由に迫る。

また原田は、カルビー「ポテトチップス」の「ポテト坊や」や、ミスタードーナツのプレミアムグッズ用イラスト、崎陽軒の「ひょうちゃん」(醤油入れ)など、数々の親しまれるデザインを手がけ、日本を代表するイラストレーターとして知られる。

懐かしさと新たな発見の両方を楽しめる展覧会となるだろう。

夏の予定を立てるなら……

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