teamLab Vegan Ramen Uzu
Photo: teamLabteamLab Vegan Ramen Uzu

2021年、東京にオープンした話題のヴェニュー

レストランやバー、ギャラリーなど2021年を明るくしたスポットを厳選して紹介

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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2021年は決して簡単な一年ではなかったはずだ。特に、地元企業や飲食店にとっては、苦境を耐えしのぐ厳しい年となった。2021年は、緊急事態宣言や時間短縮営業の要請などにより、東京のいくつかのランドマークが閉店。来年にはナイトクラブのアゲハ 、チームラボボーダレスの閉鎖も予定されている。

しかし、悪いニュースばかりではない。東京は驚くべきアイデアを生み出し続けているのだ。馴染みの店がなくなるのは悲しいことだが、ワインをベースにしたカクテルバーや、コーヒーの飲み比べができるカフェなど、2021年はさまざまな新店が誕生した。

ここでは、新年を迎える前に2021年にオープンした注目の店や施設を厳選して紹介する。

バー

  • バー
  • 渋谷

2020年にオープンしたバー、ベルウッド(The Bellwood)。この特集は2021年のオープンを紹介するものじゃなかったの?と思う人もいるかもしれないが、今年、同バー内に寿司とカクテルが楽しめるべる寿司がオープンしたため、このリストに入れさせてもらった。

寿司とカクテルのペアリングが楽しめるべる寿司では、伝統的なレシピと味をますます意欲的に再構築したメニューを提供している。また、当初は期間限定の予定だったが、人気のため引き続き営業している。

さまざまな国の料理にインスパイアされた寿司とジンジャーカクテルといった独創的な組み合わせが楽しめる。この店がいつまでも続くことを願うばかりだ。

  • バー
  • カクテルバー
  • 恵比寿

※2021年9月3日オープン

隠れ家スタイルのレコードバー、A10(エーテン)。1920年代のアメリカの禁酒法から誕生した、ニューヨークのスピークイージーをモチーフにしている。

アルコールは、創作カクテルのパイオニアである南雲主于三(なぐも・しゅうぞう)が手がけたオリジナルカクテル8種をラインアップ。店内では、都内でも有名なミュージックセレクターが選曲するジャズやR&B、ロック、シティーポップが流れる。洗練された空間で、上質な音楽と酒に身を委ねてみては。

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  • バー
  • 渋谷

※2021年10月オープン

バーテンダーの後閑信吾がいるSGグループの国内4店舗目となるバー、スワァル(swrl.)が神南にオープン。Swirl」とは、カクテルをかき混ぜる時の動作を意味している。

提供するドリンクは、後閑信吾が作ったカクテルにワインソムリエの大越基裕が厳選したワインを合わせて一杯を完成させるという、新しいコンセプトのワインカクテル。ザ バーン(The Burn)料理⻑の米澤文雄が監修した中南米料理にも注目したい。 

カフェ・レストラン

  • レストラン
  • カフェ・喫茶店
  • 日本橋

※2021年6月21日オープン

難病や重度の障害で外出困難な人が分身ロボットを操作して接客を行う、分身ロボットカフェ ドーン バージョンベータ(DAWN ver.β)。

手がけるのは「人類の孤独を解消する」をミッションに掲げ、分身ロボット『オリヒメ(OriHime)』の開発、提供をしているオリィ研究所だ。同店はテイラード カフェ(TAILORED CAFE)を運営するカンカクとの共同運営で、遠隔で働くオリヒメ パイロットと話をしながらオリジナルのホットサンドやスイーツ、スペシャルティコーヒーなどが楽しめる。

オリヒメが席に来てオーダーやドリンクサーブを行うオリヒメ ダイナー(OriHime Diner)や、気軽に普段使いできるWi-Fiと電源を完備したカフェラウンジなどのサービスも。

  • レストラン
  • 寿司
  • 表参道

※2021年10月8日オープン

気軽に本格的な寿司が味わえる、廻転鮨 銀座おのでら本店。総本店の料理長、坂上暁史による監修のもと、伝統的な江戸前寿司を手頃な価格で提供する。

銀座にある総本店のこだわりを受け継ぎ、豊洲仲卸「やま幸」の一級品を使用。新鮮なネタで握る寿司に感動すること間違いなしだ。ぜひ、同時オープンした立喰鮨 銀座おのでら本店、鮨 銀座おのでら 弟本店の2店舗にも訪れてみてほしい。

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  • レストラン
  • 丸の内

※2021年7月1日オープン

フォーシーズンズホテル丸の内 東京の7階に誕生したレストラン。「皿の上に乗っているものには、全てに意味がある」というシェフの信念に基づき、国産の食材を使ったオリジナリティーあふれるフランス料理を提供する。

落ち着いた雰囲気の店内には、美しい彫刻を施した大理石のカウンターや日本庭園に広がる砂紋をイメージして作られたカーペットなど、上質なインテリアが並ぶ。世界でも名高い建築家のアンドレ・フーが手がけた空間で、絶品のフレンチとシャンパンを心ゆくまで堪能しながら、贅沢なひとときを過ごしてみては。

※2021年1月オープン

表参道の人気店、コーヒー マメヤが、そのカルト的な評判にふさわしいスタイリッシュな店舗コーヒー マメヤ カケルをオープンさせた。コーヒーの街、清澄白河にあり、ゴージャスなカウンターと、バリスタの手さばきを見ることができる席があるのが特徴的な、これ以上ないほどすてきな空間だ。

ドリンクのテイクアウトもできるが、せっかくならゆっくりと時間をかけてコーヒーを味わいたい。コーヒーのテイスティングコースやデザート、カクテルまで選ぶことができる。都内の有名バーテンダーやパティシエを招いてのコラボレーションイベントなども実施しているので、公式Instagramからチェックしてみよう。

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  • レストラン
  • 豊洲

※2021年10月8日オープン

豊洲のチームラボ プラネッツ トウキョウにオープンした、京都発のビーガンラーメン専門店。チームラボが手がけた新たな作品空間『虚像反転無分別』『空と火のためのロングテーブル』『ひとつなぎのベンチ』の中で、こだわりのラーメンを食べることができる。

まるでアート作品の一部のような美しいデザインのラーメンは、羅臼コンブと国産シイタケにタマネギ、セロリ、ショウガ、ニンニクなどを加え、じっくりと引き出されたスープのうま味が特徴。

定番のしょうゆ味、みそ味のほか、エディブルフラワーを贅沢にあしらった『ヴィーガンラーメン花(冷)』、日本茶をスープに加えた『ビーガンラーメン茶』など、バラエティー豊かなラインアップにきっと驚くだろう。

アート・カルチャー

  • Things to do
  • 早稲田

2021年10月1日オープン

隈研吾が設計を担当した、早稲田大学早稲田キャンパス内にある施設。卒業生である村上春樹が寄託、寄贈した小説作品の直筆原稿や執筆関係資料、作品の書評、約1万冊に及ぶ資料が所蔵される。

地下1階は村上の書斎をイメージした「村上さんの書斎」やカフェ、ラウンジを完備。1階は「ギャラリーラウンジ」スペースで、村上が1979年にデビューしてから2021年までの作品が一挙に展示してある。ここに並ぶほとんどが村上から寄贈された本で、その数は約1400冊を越す。

館内には資料室やセミナースペースのほか、寄贈したレコードが並ぶ「オーディオルーム」では村上作品を読みながら、村上秘蔵のレコードコレクションに耳を傾けることができる。

  • アート
  • ギャラリー
  • 原宿

※2021年5月31日オープン

オルタナティブな視点でまだ日本では無名のアーティストや次代を担うアーティストなどを積極的に招聘(しょうへい)し、アートシーンに一石を投じ続けてきたコンテンポラリーアートギャラリー、ナンヅカ。

これだけ尖った作品たちを入場無料で鑑賞できる機会はなかなかないだろう。気軽に足を運び、時代の最先端を目撃しよう。

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  • ホテル
  • 日本橋

※2021年2月オープン

「泊まれるアート」をテーマに、旅行者と日本のアーティストが交流することのできるビーエヌエー ホテル(BnA HOTEL)の4拠点目が、日本橋にオープン。BIEN、コリュ、SIDE CORE、YOSHIROTTEN、magmaなど気鋭の若手アーティスト、アートディレクター23組と共に宿泊型アート作品26部屋を提供する。

施設の象徴となる大壁は、ストリートアートを発信し塗り替え続けられる壁画を制作。1階には渋谷の音楽カルチャーを発信する花魁(おいらん)によるバーが入居する

アトラクション

  • Things to do
  • 下北沢

※2021年6月16日オープン

小田急線東北沢駅から世田谷代田駅の地下化に伴う全長1.7キロの線路跡地に新しい商業施設やコミュニティースペースが次々と生まれている。

下北沢と東北沢間にオープンしたリロード(reload)には、2階建て分棟の一軒一軒をつなげる屋外スペースには、テーブルやベンチが配置されている。チェーン店はなく「あの人のお店だから行ってみたい」というような、個性的な直営店が集まっているのが特徴だ。

  • スポーツ
  • 信濃町

国立競技場は、著名な建築家である隈研吾氏が率いる長い改修プロジェクトを経て2019年に正式にオープンしたが、この建造物が本当に完成したと感じられたのは、昨夏の『東京2020オリンピック』がキックオフした時だ。

3年の歳月をかけて完成した競技場は、総工費1,570億円、広さはおよそ19万2049平方メートル。6万人を収容できるスタジアムでありながら、高さはわずか47メートルで、周囲の建物の視界を遮ることはない。

外周を歩くと、隈の特徴である木の格子が目に入る。これは、日本の47都道府県から木材を調達し、生きた木のようなイメージを作り出したもの。建築ファンのために、スタジアムの次の大きなスポーツイベントを待たず自分の目で見ることができるツアーが毎月開催されている。

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  • Things to do
  • 代田

下北路線街に温泉旅館が開業。下北沢の駅近くにありながら、歴史ある日本家屋や緑を生かし、山里の温泉地に来たような安らぎを感じられる施設となっている。

客室は7タイプ全35室。大浴場の露天風呂は、箱根にある小田急山のホテルの自家源泉『芦ノ湖温泉 つつじの湯』を使用している。女湯にはオリジナルアロマのミストサウナ、男湯にはドライサウナと水風呂があり、宿泊のほか日帰り入浴も可能だ。日本各地の旬の味を提供する割烹(かっぽう)や茶寮も併設している。

  • アトラクション
  • 公園&庭園
  • 渋谷

※2021年4月1日リニューアル

クリエーティブで、感度の高い人が集まる渋谷に、地域創出と活性化を目的とした公園。公園内には、カリフォルニア発のコーヒーショップ、ブルーボトルコーヒーが出店し、公園でくつろぎながらコーヒーを味わうことができる。

屋根付きの広場では、クリエーターや地域企業、スタートアップワーカーなど、あらゆる人のノウハウやコンテンツを生かしたイベントや展示会を開催。地域の祭りである北谷稲荷秋季例大祭と連携した取り組みなど、訪れる人が交流できる催し物を予定している。

2021年を振り返るなら......

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  • Things to do
  • シティライフ

2021年は混乱とフラストレーション、そしてそのはざまに置かれたような状況だった。しかし、評価に値する部分はしっかりと称賛すべきだろう。この一年、東京は多くのことを経験したが、それでも私たちの愛するこの都市は、暗い時代の中でも輝いていたのは確かなことだ。

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