1. 大浪漫商店
    Photo: Keisuke Tanigawa大浪漫商店
  2. 家豆花
    Photo: Keisuke Tanigawa家豆花

東京で楽しむリアル台北旅行24時間(夏編)

なかなか行けない台北旅行気分でまったり夏を乗り切る

編集:
Genya Aoki
寄稿:
Michikusa Okutani
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タイムアウト東京 > Things to Do > 東京で楽しむリアル台北旅行24時間(夏編)

日本における台湾人気が止まらない。往来をコロナ禍にふさがれ、現地を気楽に訪れることができない飢えが拍車をかけるのか、台湾関連のフェスティバルは都内各所で次々に開催され、軽食やスイーツを供する店が着実に増えている。

台北から現地直送の本格店が上陸する一方、イメージ優先の「台湾風カフェめし」を出す店がもてはやされ、今や玉石混交の状態だ。「哈台族(ハータイーズー=台湾マニア)」のはしくれとして、台湾人も通う現地そのままの味や雰囲気が味わえる場所を都内から厳選し、台湾(具体的に台北)旅行気分で散策できるルートを組んでみた。台湾と変わらぬ夏の暑さが続く近頃の東京。台湾気分で楽しく乗り切ろう。

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【早餐】モーニング
台湾早餐天国(Photo: Kisa Toyoshima)

【早餐】モーニング

台湾旅行は街の路面店に潜り込み、地元民に混ざって朝食を味わうのも楽しみの一つ。日本でだけ大人気の「鹹豆漿(シェンドウジャン)」もいいが、ここは定番の卵焼きの「蛋餅(ダンピン)」をセレクトしたい。「台湾早餐天国」では、それを現地ならではの「素食(スーシイ=ベジタリアン仕様)」で味わえる。

台湾は、素食が日常に溶け込んでいる世界屈指のベジタリアンの地だ。素食仕様の台湾産ベジハムを加えた「火腿蛋餅(ハムダンピン)」(580円、以下全て税込み)は食後感もさっぱり爽快で、豆漿(ドウジャン、各210円から)を添えて、ほんのり甘くするのもおすすめ。素食はさっぱりとした食後感も魅力の一つ。夏バテした胃袋にもうってつけだ。

あるいは「一餅堂」の焼餅(シャオピン)もいい。専用釜で作る胡椒餅の素晴らしさで名高いが、同じ釜で作る生地サクサクな「焼餅夾蛋(シャオピンジャーダン=焼餅の卵焼き挟み)」(330円)も名作。どちらも台北・古亭辺りの学生街に潜んでいそうなこじゃれた造りで、朝の一時をゆったり過ごせる。

【慢慢觀光】ゆっくり観光
新宿御苑(Photo: Michikusa Okutani)

【慢慢觀光】ゆっくり観光

胃袋が落ち着いたら台北市内観光へ。「新宿御苑」は明治期に完成した皇室庭園がルーツの由緒ある都心のオアシス。その庭園で、池のほとりに慎ましく建つ「旧御凉亭」を散策したい。

1927(昭和2)年、当時日本の統治化にあった台湾の在住邦人有志が昭和天皇成婚を記念して建てられた、涼をとる休憩所だ。台湾スギや台湾ヒノキを使い、台湾ゆかりの閩南様式による中国風建築物である。公園内でも格段に涼しい場所としても知られている。

国立国父紀念館(中山公園)翠湖(Photo: William Hsing)

旧御凉亭はまたの名を「台湾閣」といい、建物内から見渡す周囲の風景はそれだけで異国の趣き。さらに建物を池越しに望めば、後ろにそびえる「NTTドコモ代々木ビル」はまるで「台北101タワー」。

新宿御苑同様、台北の街の中心部にある「国立国父紀念館(中山公園)」・翠湖の風景にも見えてくる。在日台湾人の中では「よく似ている」と話題になることもあるとか。それぞれの心の中にある台北と東京の景色がリンクする、おすすめスポットだ。

近隣の大久保駅にある「東京媽祖廟」も台湾から建築素材を取り寄せた本格派。開門時間内なら参拝自由なので一緒に訪れておこう。

【午餐】ランチ
合作社(Photo: Keisuke Tanigawa)

【午餐】ランチ

新宿駅前に昨年登場し、さまざまな絶品「台湾小吃(シャオチー=屋台風の軽食)」が味わえると、台湾人の間であっという間に人気店に登り詰めた「合作社」では、夏向けの新商品を発売している。

定番人気の「割包(グァバオ=豚角煮バーガー)」(550円)もイケるが、さっぱりした「古早味沙茶拌麵(台湾の調味料沙茶醤のあえソバ)」(550円)と、「タロイモスムージー」「マンゴースムージー」(各660円)を楽しみたい。西門辺りにある若者向けの盛り場の外れにありそうな雰囲気もいい。

一方「三商巧福」は、日本の吉野家に相当する台湾の有名チェーン店。赤坂にある日本唯一の支店は、店構えも現地そのままで台湾庶民の味を手軽に楽しめる。週末には故郷恋しさに台湾人客が店を埋め尽くすのが本場の証だ。

看板商品は牛丼ならぬ「牛肉麵」。牛肉だしと醤油ベースの汁そばで、三商巧福は品質にこだわる一方、財布に優しい価格なのもうれしい。麺をすすれば、たちまち台北の街角気分だ。

【買東西】買い物
大浪漫商店(Photo: Keisuke Tanigawa)

【買東西】買い物

台湾と日本をつなぐ音楽レーベルが手がける「大浪漫商店」は、魯肉飯(ルーローファン)の専門スタンド。加えて台湾の衣・食・酒などのインディーズカルチャーを紹介するコアなスペースでもある。レコードやCD、Tシャツ、雑貨類を通して、驚くほど進化する台湾ポップスの息吹が体感できる。夏向けにTシャツを新調したいなら、同店ならではの「TAIWANデザイン」Tシャツで決まりだ。

台北では、高感度のショップが集まる赤峰街で関連ショップ「台北月見ル君想フ」を営業している。

Photo: Keisuke Tanigawa

最新のお勧めは台湾人作家・PETER MANNのキュートな短編コミック集「ぶらぶらソング(芭樂歌)」(1,700円)。話が終わるごとに示される「QRコード」を読み込めば、「夏目知幸× 曾稔文Ami Tseng」によるスプリットEP「BLA BLA SONG」(1,980円)の一曲が挿入歌として聞ける仕組みも面白い。

誠品生活日本橋」をはじめ、各所で開店2周年記念のポップアップも開催中なので、併せてチェックしてほしい。

【喝茶】茶でひと息
Photo: Keisuke Tanigawa

【喝茶】茶でひと息

浅草橋の「家豆花」は、2020年オープンと歴史は浅い。しかし、街にしっかり馴染んでいるのは、この地で祖父の代から暮らす台湾人ファミリーが営んでいるからだ。

生活感あふれる店内で、自分たちが長年作り、食べてきた、台湾南部にある屏東(ピンドン)のほっこりした家庭の味を提供する。看板商品は店名にもなっている「豆花」(500円から)だが、実は「台湾茶」(450円)もおすすめ。品評会に出す特級品で、親しい友人の茶園から分けてもらったものだという。のんびりした雰囲気の中で極上の一杯を肩肘張らずに味わえる。

そのほか、「台湾カステラ」も人気。故郷の田舎家のたたずまいをイメージしたという店で、台北郊外の宜蘭にでも足を延ばしたつもりでまったりしたい。

【晚餐】ディナー
画像提供:ボリングポイント

【晚餐】ディナー

台湾人は鍋ものが大好きで、真夏でも暑さしのぎに鍋をつつく。「小火鍋=一人鍋」も定着していて、専門店があちこちにある。「ボイリングポイント(BOILING POINT)」は、渡米した台湾人がカリフォルニアでブレイクさせた台湾式一人鍋の日本1号店だ。

オリジナル調味料は台湾の専用工場で製造。クセのある香ばしい匂いで知られる食材や臭豆腐が入った「ハウススペシャル鍋」を筆頭に、計9種類の鍋が味わえる。台湾人気分で真夏の鍋を食べて一汗かけば、気分爽快である。

スタイリッシュで女性でも入りやすい店内は今どきの台湾風で、台北なら日系資本でないホテルの多い南京復興辺りの雰囲気か。また同店の近くにある「台湾小皿料理 故宮 渋谷道玄坂本店」も台湾好きには知られた老舗。オーソドックスな台湾小吃を、現地のあちこちにある「熱炒=居酒屋」のノリで堪能できる。活気のある雰囲気も魅力の一つだ。

【喝酒】酒
Photo: Kisa Toyoshima

【喝酒】酒

一日の締めは2通り用意してみた。まずは台湾ビールで喉を潤し、疲れを癒やすコースだ。

台湾のおいしい飲み物は茶だけでない。2002年にクラフトビールの製造が解禁されて以来、さまざまなビールがしのぎを削っている。

タイフー トーキョウ(Taihu Tokyo 臺虎精釀)」はその代表格で、直営店が神楽坂にある。現地産キンカンをたっぷり使った定番「タイフー金柑S」(900円から)のほか、南方らしくフルーツを使った品が多いのが特徴だ。今だとカクテルビールの「9.99」シリーズの一つ、「カラマンシータイタンS」(800円)をおすすめしたい。

台湾料理のつまみも日に日に拡充されている。ビールに合うように味を調えた「酢菜炒大腸(酸っぱいモツ炒め)」(800円)が人気だ。1階は台湾の店同様にスタリッシュ。2階は露店風といった雰囲気の切り替えも面白い。台北店(名称は「啜飲室」)のある大安の裏筋辺りで飲んでいるつもりで楽しんでほしい。ついつい杯が進むだろう。

【腳底按摩】台湾式足裏マッサージ
Photo: Keisuke Tanigawa

【腳底按摩】台湾式足裏マッサージ

1日巡って疲れたなら、台湾旅行で馴染みの「腳底按摩=台湾式足裏マッサージコース」で締めてみては。

台湾式を取り入れたマッサージ店は都内にも多々あるが、「純度」という点ではイマイチである。雑居ビルの上階に隠れていたりしてハードルも高い。そんな中でおすすめしたいのが「滋和堂 東京神田店」。神田駅前のこざっぱりした路面店で、2022年で20年目を迎える老舗だ。

オーナーの修業先で、提携関係にある台北の同名店由来の施術は「超級(チャオジー)台湾式」を名乗るだけに、本場そのもの。「イタ心地よい」足裏マッサージにもん絶できる。

台湾の有名店で評価の高い「脚底専門乳液(Jiaodi-Pro)」を用いた丁寧な施術を受けていると、日本人宿泊客の多い台湾・中山駅辺りにいるような気になってくる。

腕が良くて料金はリーズナブル。しっかり疲れを取りたいなら50分以上の各種コース(4,750円から、予約推奨)がおすすめ。今夜は爆睡だ。

もっと台湾を堪能する……

  • Things to do
  • イベント

今年はさまざまなフェスティバルが解禁されている。この夏は、音楽はもちろん「食」に関する大規模イベントも続々と開催される。中でも注目されているのが「台湾」に関するものだろう。2022年7月〜8月にかけては3つも開催される。ここではそんなイベントを紹介しよう。

台湾漫画喫茶

日本でも高い評価を受けている台湾漫画を、台湾グルメと一緒に楽しめる「台湾漫画喫茶」が、コレド室町テラス内の「誠品生活日本橋」通路コーナーと「HAPPY LEMON」で開催。「HAPPY LEMON」は、世界で1000店舗以上を展開する台湾茶ドリンク専門店で、今回は誠品生活日本橋店と共に、一部の装飾やデザインをアレンジした期間限定店舗として「台湾漫画喫茶」を展開する。

店内では、厳選された台湾漫画35作品を展示するほか、限定フードメニューも楽しめる。8月13日(土) 19時~20時30分には、「緑の歌」作者の高妍、「用九商店」日本語版編集者の佐藤杏奈を迎えて、トークイベントも予定している(参加無料)。

なお展示作品は、多言語で台湾漫画を紹介するサイト「Taiwan Comic City」で、各作品の第1話が無料で試し読みできる。
7月28日(木)〜8月28日(日)、コレド室町テラスにて開催

台湾祭 in 横浜赤レンガ

台湾のグルメ、雑貨、ゲームなどさまざまな文化を体感できるイベント。

注目グルメは、マンゴーやタピオカ、ゆでピーナッツなどをトッピングできるかき氷や、ミルクパイナップルを使用した「丸ごとパイナップルケーキ」、焼き立ての台湾カステラといったスイーツのほか、のどごし最高の冷たい麺を使った牛肉麺「台湾涼麺(タイワンリャンミェン)」だろう。

さらに「台湾鉄道弁当」で知られる「排骨飯(パイクーハン)」をテイクアウトできるなど、日本では珍しいディープな料理が楽しめる。もちろん、例年人気の牛肉麺、大鶏排(ダージーパイ)、魯肉飯(ルーローファン)といった定番メニューも充実。

このほか、特別企画として台湾足つぼマッサージを10円で体験できるほか、生ビール1杯も10円で販売する(それぞれ平日10人限定)。台湾の奥深い魅力を堪能してみては。

  • レストラン
  • 台湾料理

「2021年は台湾グルメの時代」といわれる今、都内には次々と台湾グルメ専門店がオープンしている。「魯肉飯(ルーローハン)」やチャーシューメロンパンの「菠蘿油(ボーローヨー)」、巨大な唐揚げ「鶏排(ジーパイ)」といった屋台飯だけではなく、台湾人にとってなじみ深いスイーツの流行も止まらない。

ここでは、人気真っただ中の「台湾カステラ」、日本ではめったに出合えないサツマイモでできた「地瓜球」(ディーグゥアーチョウ)、健康食品として現地で日常的に食べられている「仙草ゼリー」など、おすすめの台湾スイーツ店を紹介する。まだ味わったことがないものがあれば、この機会に挑戦してほしい。

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  • Things to do

東新宿は、近くにある歌舞伎町ゆかりの台湾人が多く暮らしてきたエリアである。2022年2月、そこに本場濃度の高い台湾屋台料理の店、台湾小館が登場。すでに東京で暮らす台湾人の間で話題になっている。

明治通り沿いの真新しい3階建ての建物に掲げられた、東洋趣味のノスタルジックな大看板が目印。「民以食為天(人にとって食が何よりも尊い)」「吃飯我最大(メシ時はオレ様がナンバーワン)」といった意味合いの大仰な標語が、ユーモラスに添えられているあたりからムード満点だ。

メニューは、台湾に数度足を運んで屋台料理を満喫し、より現地度の高い美味に箸を伸ばしたくなってきた向きにはたまらぬ品ぞろえ。観光客定番の小籠包からディープな黑白切まで食べられるのだから驚く。さらにこの店では「布袋劇」の定期開催まで始めている。

ここでは、実際にどんな劇が楽しめるのか、その魅力とは一体何なのかを紹介しよう。

  • レストラン
  • レストラン

近年ますます注目を集める台湾グルメ。「レトロ」をテーマにした本場、台湾の軽食を提供する店が2021年6月17日(木)に新宿駅東口にプレオープンする。台中出身の店主、黄璽安(ホァン・ジアン)が祖父と祖母から受け継いだレシピのメニューは、台湾の街角で親しまれていた「あの頃」の味を再現。素材を十二分に生かしたデザートや飲み物は絶品だ。料理は、現地の甘みが強くスパイスのきいたものを中心に取りそろえている。

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  • トラベル

日本から約4時間ほどで行ける台湾は、日本人の海外旅行先ランキングでも常に上位に入ってくる人気の観光地だ。『千と千尋の神隠し』のワンシーンに出てきそうなノスタルジックな景観の九份(きゅうふん)、昔ながらのゲームやB級グルメを楽しめる夜市、足つぼマッサージや台湾シャンプーなど癒しの時間を提供する美容スポットなど見どころも多い。

夏休みなどの長期休暇を利用してじっくりと楽しむのも良いが、週末にふらっと足を運べるのも魅力の1一つ。ここではエリアを台北に限定し、2日間で満足できる旅のプランを提案する。定番スポットから、地元の人が列を作る麺線の店、アングラなクラブまで幅広く紹介するので、旅行を計画している人はぜひ参考にしてほしい。

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