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都市型アートフェスティバル「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」が10月開催

八重洲から銀座を舞台に国際的アーティストの写真を展示

テキスト
Hanako Suga
Stephen Shore
© Stephen Shore. Courtesy 303 Gallery, New York. | Michael and Sandy Marsh, Amarillo, Texas, September 27, 1974
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日本最大級の都市型アートフェスティバル「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」が、2025年も開催される。会期は10月4日(土)から10月27日(月)。今年は八重洲、日本橋、京橋、銀座まで会場を広げ、都市全体を舞台に展開する。

フェスティバルを主催する「T3」は、フェスティバルとフェア、育成事業の3つを柱とする包括的な写真プロジェクト。屋外展示や地域連携を行いながら、都市型アートフェスティバルとして進化を遂げてきた。

Melissa Schriek
© Melissa Schriek

メインプロジェクトのT3 PHOTO FESTIVAL TOKYOでは、「東京ミッドタウン八重洲」や日本橋駅直結のオフィスビルなど、都内各所で多彩な企画展を展開。2024年にはフェスティバルだけで75万人以上を動員し、東京を代表する芸術プラットフォームへと成長した。

今年のテーマは「庭 / Garden」。都市という人工的な空間に、偶発的な出合いや混ざり合いを生み出す「生きた庭」のような写真表現を持ち込み、新しい都市の風景を創る。

「City as Garden」と題した企画展では、「都市」を固定されたインフラとしてだけでなく、人の行為や視線によって柔らかく耕される「創作の庭」と捉える。参加作家には、スティーブン・ショア(Stephen Shore)やメリッサ・シュリーク(Melissa Schriek)などが名を連ね、都市との関わりを独自の視点で表現する。

「T3 NEW TALENT」では、インディペンデントキュレーターの池田佳穂が同プロジェクトのアワードで選出された5人のアーティストを紹介し、グループ展を開催する。

そのほか、パリの「ヨーロッパ写真美術館(MEP)」と連携し、新進作家の実験的な表現を紹介する企画「STUDIO+拡張する現代写真」や、1950年代以降に活躍した日本の女性写真家の代表作を集め、多様な視点を紹介する「I’m So Happy You Are Here」などの企画展が実施される。 

T3 PHOTO ASIA
画像提供:一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHYT3 PHOTO ASIA

会期中の11日(土)〜13日(月・祝)には、アジア各国からギャラリーやアーティストが一堂に会するアートフォトフェア「T3 PHOTO ASIA」が開催。東アジアを中心に厳選された作品が展示販売され、国際的な写真市場を東京に創出する。

「Masters展」でピックアップされるのは、アジア写真表現の先駆者と称されるラン・ジンシャン(郎静山)。彼のヴィンテージプリントを通じて、台湾に焦点を当てる。中国古典の山水画の美学と写真を融合させた彼の作品は、時代を超えた対話を生む。

T3 PHOTO ASIA
© Doyeon Kwon (KR), Bukhansan

「Discover New Asia vol.2」では、「The Shape of Asian Landscapes: Then and Now」をテーマに気鋭からベテランまで幅広いアーティストを紹介。時間や感情、生態系への意識を交えながら、アジアの風景を新たな視点で提示する。

会場を訪れることで、作家やギャラリストと直接交流できるのも魅力。写真を愛好するコレクターやファンにとっては、新たな才能を発見する場ともなるだろう。

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