[category]
[title]
『花様年華 25周年特別版』『麻雀放浪記』 『トワイライト・ウォーリアーズ』などが上映

早いもので5月である。世間は大型連休で喧しいが、そんなものは関係ないという人もいるだろう。頑張るためには十分な栄養と適度な運動が不可欠であるが、精神的充足もまた必要だ。
精神的充足を得るために筆者が勧めたいのはそう、名作映画のリバイバル上映である。名作とよばれるものは、単なる好みや面白い面白くないを超えた、何か強烈なパワーが宿っている。
5月はウォン・カーウァイの金字塔的傑作『花様年華』や、ジャパニーズ・アヴァンギャルド怪作『ドグラ・マグラ』など、傑作怪作目白押し。ぜひ本稿を参考にして映画館に繰り出してほしい。
『麻雀放浪記』
「角川シネマ有楽町」では「角川映画祭」が開催。角川の名作が目白押しだが、ジャズミュージシャンの菊地成孔が「和田誠のもっとも素晴らしい仕事のひとつ」と太鼓判を押す、ギャンブルノワール映画の超傑作を『麻雀放浪記』は見逃せない。
敗戦直後の東京の片隅で、賭け麻雀にシノギを削る勝負師たちのワイルドな生き様と、ヒリつく大勝負を実にクールに描き出している。撮影監督は名匠・安藤庄平がつとめており、全カットをまるではずさぬ画作りは今見るだにシビれ上がる。古典映画のリスペクトも存分に散りばめた、とても映画らしい映画。
いまや世界的ビッグネームとなった真田広之が主人公の坊や哲を演じているが、フレッシュな色気と存在感がすばらしい。
「角川シネマ有楽町」で、5月2日(土)、5月8日(金)上映、映画祭は5月21日(木)まで。
『花様年華 25周年特別版』
カンヌ映画祭にてトニー・レオンが主演男優賞をゲットした、ウォン・カーウァイの代表作が、公開25周年を記念して特別上映される。1960年代の香港を舞台に、互いのパートナーが不倫関係にあることを知った隣人が惹かれあっていくという、既婚者の切ない恋愛模様を描いたロマンスムービー。じっとりと汗ばむような湿度と、どこか夢うつつな不安定感を、ヴィヴィッドな色彩で表現した独特の映像感覚はいまをもって唯一無二。
25周年特別版となる今回は、2001年のカンヌ国際映画祭のマスタークラスにて上映されたのみの伝説的短編『花様年華2001』も同時上映されるので、100回観たよ! というマニア筋にも激奨なリバイバルである。
一部上映劇場にて来場者先着プレゼントとして、ステッカーの配布も決定。
「シネマート新宿」「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」ほかにて、5月1日(金)から上映。
『トワイライト・ウォーリアーズ』
香港の人は、日本人の「トワウォ」好きっぷりにもはやドン引きしているという噂すらある、空前絶後のロングランヒットを記録したカンフー・ムービーが、またしてもスクリーンに返り咲く!
かつて実在した伝説のスラム・九龍城砦を舞台に繰り広げられる怒涛のバトルアクション映画と見せかけて、実は不器用な男たちによるブロマンスドラマだ。不良漫画の構成を採用したお約束&激アツ展開はむせび泣き必至だし、関係性を愛でる萌え、推しの感覚もバッチリ抑えている。日本でウケるわけだ。
ルイス・クー演じる龍兄貴は間違いなく2020年代映画を代表する名キャラクターの一人だろう。
「新文芸坐」で4月29日(水)~5月4日(月)上映。
『ドグラマグラ』
「新文芸坐」にて、特集上映「日本映画再発見伝 松本俊夫 革新的表現の世界」として、日本が世界に誇るアヴァンギャルド映像作家・松本俊夫の『修羅』そして最後の長編映画となった『ドグラマグラ』を上映。
本作は、「読むと精神に異常をきたす」と噂された日本三大奇書のひとつを実写化したもので、幻覚と妄想と現実が渾然一体となって観客を混乱させ続ける、精神的迷子映画の金字塔だ。
この11年後にみずから命を絶った落語家・桂枝雀が主演を張っているが、作品の怪奇性をさらに深めるすばらしい名演を披露している。まさしく撮れてしまった系のカルト傑作。
「新文芸坐」で、5月5日(火)、7日(木)、8日(金)、11日(月)、12日(火)上映。
『カモン・カモン』
マイク・ミルズの最高傑作とも噂されるハートウォーミング極まりないロードムービーが、スクリーンにカムバック。
ラジオ・ジャーナリストの中年男性と9歳の甥っ子がデトロイトからニューオーリンズまで旅しながら交流を深め、互いに成長していくという「パーフェクト・ワールド」系のヒューマンドラマを、非常にモダンかつ上質に仕上げているし、モノクロの映像美もこれまたエモーショナル。
『ジョーカー』以降の、なんかもう無敵としか言いようがないホアキン・フェニックスが暖かみに満ちた演技を爆裂させており、本当に心温まるとしか言いようがない。
「キネカ大森」にて、5月1日(金)~5月7日(木)上映。
関連記事
『青山に「RED BAR」系列のミュージックバー「黒蜥蜴」がオープン』
『渋谷・並木橋に「VENT」チームが手がけるミュージックバー「PASS」がオープン』
『タワレコ渋谷店・アナログレコードフロアに「TOWER RECORDS BEER」がオープン』
『「Face Records SHIBUYA」が開店30周年をきっかけに営業再開』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら
Discover Time Out original video