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『GO』『誰も知らない』『魔女の宅急便』『フィッツカラルド』など名作怪作目白押し

日差しがめっきり夏めいてきた今日この頃だが、読者のみんなはどう過ごしているだろうか。うん? なるほど……そうか……そんなことが……まぁ、ストレッチをすれば大丈夫だ。
来たる夏、今年こそはマイレボリューションしたいと熱望している方も多かろう。ジムに通うもスワヒリ語を習得するも大いに結構、だが筆者がレボリューションのために勧めたいのはそう、名作映画のリバイバル上映である。名作とよばれる映画にはたんに面白い面白くないを超えた、何か強烈で革命的なパワーが宿っている。だからこそ名作とよばれているのだ。
6月はゼロ年代邦画を代表する金字塔的傑作『GO』から、船がガチで山を越えるマジックリアリズム映画『フィッツカラルド』まで、名作怪作目白押し。ぜひ本稿を参考にして映画館に繰り出し、モチベ爆上げで革命にいそしんでほしい。
『誰も知らない』
現代邦画を代表する映画作家・是枝裕和の業績をふりかえる特集上映が開催。初期のドキュメンタリーやTVドラマを含む全30作品が上映されるが、本稿でレコメンドしたいのは『誰も知らない』。
是枝の出世作にして柳楽優弥の存在を一躍世に知らしめたゼロ年代邦画の最重要作であり、特色ともいえる「静かな壮絶さ」がきわだつ、遅効性かつおそろしく鋭い映画だ。「なんやかんや結局柳楽優弥がヤバい」ということを国民が再再再認識した今こそ観たい。
「国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU」にて、6月3日(水)、14日(日)、20日(土)の限定上映。14日と20日はトークイベントも行われる。
『GO』
行定勲×宮藤官九郎×窪塚洋介! 金城一紀による直木賞受賞作を原作とする青春映画の超傑作が、劇場公開25周年を記念してリバイバル。
在日コリアン二世の高校生が、己のアイデンティティに葛藤しながらもケンカして恋愛して成長してゆくというパワフルな青春譚を見事に演じ切った窪塚洋介の存在感たるやすばらしい。クドカンのユーモアセンスも冴えており、ヘヴィなテーマが軽やかに表現されている。
名言・名シーン多数、分断がはびこる今こそ観るべきレボリューショナリーなエンパワメント映画。あと山崎努がマジカッコいい。
「新宿ピカデリー」「池袋HUMAXシネマズ」ほかで、6月12日(金)から2週間限定上映。
『魔女の宅急便』4KデジタルリマスターIMAX
角野栄子による同名の児童文学を原作としたスタジオジブリの超傑作が、なんと4Kデジタルリマスター&IMAXで上映! 超おもしろい映画×超いい画質×超いい音響=ムリ。この傑作をあらためて映画館で鑑賞し、みんなでムリになろう。
進学や就職などでこの春から親元を離れて一人暮らししている人などに特に勧めたい。「暮らすって物入りね……」というセリフのリアルさが痛切に響くはずである。あと、魔女宅が金ローでやるたびにバズる「ニシンのパイのシーン」は、「おばあちゃんのお菓子のチョイスセンスって微妙だし、孫も結構そういうの冷たく当たるよね実際っていうあるあるネタなんだよね」っていうトリビアはもうそろそろいいんじゃねーか!?
「TOHOシネマズ新宿」「グランドシネマサンシャイン池袋」ほかにて、6月19日(金)から限定上映。
『マンハッタン』
都会の冴えないインテリ中年男がうぜえ持論を連発しながらもなぜか若い女性にモテまくるという、ウディ・アレンお得意のやつがスクリーンにリバイバルする!
登場人物はほぼ全員性格がヒネてる上にのべつまくなし喋りまくるのでクソうるせぇし、滲み出るアレンの癖(へき)にも辟易させられるが、セリフと音楽と映像がめちゃくちゃセンスいいので、ムカつきながらもしっかり愉しんでしまう厄介な傑作だ。
「ラプソディ・イン・ブルー」が流れるオープニングは、ぶっちぎりにクール。大スクリーンで映像のかっこよさに酔いしれろ!!
「グランドシネマサンシャイン池袋」ほかで、6月12日(金)から7月9日(木)まで限定上映。
『殺しの分け前 ポイントブランク』
昨年のリバイバルも大いに話題になった、前衛ハードボイルドの傑作がまたしてもスクリーンで上映される。
仏ヌーベルバーグと西海岸サイケカルチャーが衝突事故を起こしたような映画で、なんか悪党二人組が大金を強奪するも仲間割れして大変みたいな超シンプルな物語を、ヴィヴィッドな色彩感とハチャメチャな編集を施してスーパー難解にしていてすごい。ワケわからんけどとにかくずっとカッコいいことだけは確かな映画だ。
犯罪アクションというジャンルを芸術の域まで高めたサイケアヴァンギャルドの金字塔。リー・マーヴィンも激渋いし。
「新文芸坐」にて、6月26日(金)・27日(土)・29日(月)・30日(火)の限定上映。
『フィッツカラルド』
ヴェルナー・ヘルツォークというどうかしている人が、クラウス・キンスキーというどうかしている人と撮った、完全にどうかしている映画。
南米アマゾンの奥地にオペラハウスを建設するという野望を持った主人公が、原住民といろいろすったもんだした挙句、最終的に山を船で越える。CGとか特撮でなくガチで本当に越える。この超絶迫力と究極のカタルシスこそがすべての作品。実写映画におけるマジックリアリズムの実践という点において、この映画の右にでるものはないだろう。
クレイジーもここまでくるとあっぱれなのである。ヴェルナー・ヘルツォーク監督特集として『アギーレ/神の怒り』と二本立て上映。
「早稲田松竹」にて、6月13日(土)から6月16日(火)まで限定上映。
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