Moon Art Night Shimokitazawa
Photo: Amanda Parer 'Intrude, 2014' ©AXAS NewsMoon Art Night Shimokitazawa

9月に行くべき、東京で開催される3つの芸術祭

六本木で村上隆のドラえもん、お台場でレアンドロ・エルリッヒの迷路、下北沢でルーク・ジェラムの巨大な月を眺めよう

Mari Hiratsuka
Emma Steen
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Mari Hiratsuka
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Emma Steen
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新型コロナウイルスの影響で延期されていた「六本木アートナイト」がついに復活する。しかし、2022年9月に注目すべきは、村上隆率いる同イベントだけではない。お台場と下北沢では、それぞれ国内外の著名なアーティストの協力のもと、素晴らしい展覧会が開催されるのだ。

特にインスタレーションは、公共スペースに設置されるため、誰でも自由に鑑賞できるのもうれしいところ。ここでは、9月に東京で開催されるアートフェスティバルの概要と見どころを紹介する。

Hiroto Yoshizoe
Photo: Hiroto Yoshizoe 'City Echo'Artbay Tokyo

Artbay Tokyo

9月25日(日)まで

体験型の現代アートフェスティバルが、臨海副都心エリアに10日間限定で開催中だ。レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)をはじめ、後藤映則、吉添裕人、ウルトラスタジオ(ULTRA STUDIO)といった国内外のアーティストが参加し、台場駅と有明駅の間に点在する屋内外の展示スペースで各々のインスタレーションを披露する。

エルリッヒの「THE PRINT – 痕跡」は、「シンボルプロムナード公園」の「花の広場」に設置される屋外迷路だ。指紋をモチーフに、人類の痕跡やアイデンティティー、周囲の世界との関わり方について熟考するように促していく。

同園内の「石と光の広場」に置かれる後藤映則の作品「Heading」は、回転する彫刻のシリーズ。パンデミックで大きな影響を受けた「移動」という行為を、身体的および造形的な動きのパターンから表現している。

フェスティバル期間中には、参加型イベントやワークショップなどを実施。ロボットの「OriHime」が案内する「アート鑑賞ツアー」(予約制)は、それだけで興味が湧くプログラムである。「東京ビッグサイト」と乃村工藝社の本社で行われるプロジェクションマッピングでは、光が織り成すショーを堪能しよう。

ムーンアートナイト下北沢
Photo: Moon Art Night Shimokitazawa, courtesy of OdakyuLuke Jerram 'Museum of the Moon' ©Leeds Living

ムーンアートナイト下北沢

9月25日(日)まで

下北線路街周辺で、今年の十五夜に「月」をテーマにしたアートフェスティバルを開催。エリア内では、アーティストやクリエーターによる自主企画や作品の展示を行う。

イギリスで活動するアーティストのルーク・ジェラム(Luke Jerram)によるNASAの月面写真をベースとしたインスタレーション作品と、オーストラリアを拠点とするアーティストのアマンダ・パーラー(Amanda Parer)のウサギをモチーフにしたバルーンアートが、同企画のシンボルとして設置される。

そのほか、参加店舗でのオリジナルメニューやコラボレーション商品の販売。ブロックチェーン技術を利用した、デジタル資産を証明するための最新技術「NFT」(非代替性トークン)を体感できる試みも実施。NFT付きデジタルアートの配布や、スタンプラリーなどさまざまな企画を用意する。

Takashi Murakami posing with Doraemon for Roppongi Art Night 2022
Photo: Roppongi Art Night

六本木アートナイト

9月17日(土)〜9月19日(月・祝日)

六本木の街を舞台にした人気アートイベント「六本木アートナイト」が、3年ぶりに復活。

「マジカル大冒険 この街で、アートの不思議を探せ!」をテーマに、世界を舞台に活躍する現代アーティスト、村上隆がメインプログラムを担当。村上による「ドラえもん」の過去最大級のバルーン作品が制作、展示される。そのほかにもプロデューサーとして、自身がキュレーションした13人のアーティストとともに「ドラえもん」をモチーフにした新作に挑む。

参加アーティストは、MADSAKI(マサキ)、タカノ綾、青島千穂、くらやえみ、Kasing Lungら。日本だけでなく、世界的に有名なアーティストが名を連ねる。

作品は「六本木ヒルズアリーナ」「東京ミッドタウン」「国立新美術館」など、美術館や大型複合施設、六本木の街全域を会場に展示。 ほとんどの展示は無料で、一部のインスタレーションはフェスティバル開幕の数日前から鑑賞することができる。

なお、従来のオールナイト開催は実施せず、観客集中の緩和と分散のため3日間の開催となる。

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