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「原宿クエスト」の地下にカルチャースポット「THE HALL」「THE TUNNEL」が誕生

オープン記念にYOSHIROTTENによる展示を3月29日まで開催

Kosuke Hori
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Kosuke Hori
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THE HALL
Photo: Keisuke Tanigawa | THE HALLの内観。取材時はオープニングとしてアーティスト・YOSHIROTTENによる展示「Quiet Underground: Energy, Sound and Time」が行われていた
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1988年に開業し、2025年に建て替えられた複合商業施設「原宿クエスト」。その地下1階に、ポップアップスペース「THE HALL(ザ ホール)」とレストラン「THE TUNNEL(トンネル)」が誕生した。

この空間を手がけるのは、クリエーティブエージェンシーのen one tokyo。原宿を拠点に「The Mass」をはじめとするアートギャラリーや、うどん専門店の「麺散」、ミュージックバー「不眠遊戯ライオン」などを運営している。

エントランスを抜けると、まずはポップアップスペースのTHE HALLが現れる。同所は、たまり場のような「新たなカルチャー発信所」を目指しているという。展示会やブランド発表会、アートショーなど、利用者の用途に合わせて使用できる。

THE HALL
Photo: Keisuke TanigawaTHE HALL エントランス

そして、隣接するようにレストランのTHE TUNNELがある。換気用ファンを模したスピーカーをはじめ、地下鉄のトンネルを想起させるようなインダストリアルな空間だ。カウンターに加えて、テーブル席や畳の席を設置。ポップアップ期間中以外も営業する同店は防音システムを備えており、音楽イベントにも対応する。

THE TUNNEL
Photo: Keisuke TanigawaTHE TUNNEL
THE TUNNEL
Photo: Keisuke Tanigawaロゴはロサンゼルスを拠点とするタトゥーアーティスト・Dr. Wooが手がけた

料理は、ホットドッグやアメリカ・ロサンゼルスのコリアンタウンから始まった「LAカルビ」などを提供。ドリンクは、茶葉ブランド「EN TEA」がかつて運営していた「GEN GEN AN幻」の「緑茶ソーダ」「緑茶ラテ」「焙じ茶ラテ」をはじめ、ビールやハイボールなどのアルコールも提供する。

THE TUNNEL
Photo: Keisuke TanigawaTHE TUNNEL

また、オープンに際してTHE HALLでは、アーティスト・YOSHIROTTENによる展示「Quiet Underground: Energy, Sound and Time」が2026年3月29日(日)まで開催中。本展では、原宿で生まれた想像の物語、そしてYOSHIROTTENがTHE HALLの地下空間から受けたインスピレーションを、一つの空間として再構成したものだ。

Quiet Underground: Energy, Sound and Time
「Quiet Underground: Energy, Sound and Time」

入り口付近に展示されていたのは、『Tranthrow』というシリーズ。原宿クエスト周辺と故郷・鹿児島でセンサーを使って採集した光、可視光線や赤外線、紫外線のスペクトルデータをイメージに変換しているという。作品は、人工衛星にも使われている「アルミハニカム」という素材にプリントされている。

Tranthrow
Photo: Keisuke Tanigawa『Tranthrow』

会場内でひときわ目立つのが、柱を取り囲むように設置されたモニターのような作品『Menhir(Q.U.E.S.T.edition)』。光の波長を測定する分光器を原宿クエストの屋上に設置し、計測された光に合わせて、モニターに映し出された「色の波」が変化していくというものだ。

Menhir(Q.U.E.S.T.edition)
Photo: Keisuke Tanigawa『Menhir(Q.U.E.S.T.edition)』

刻々と変化する画面を眺めていると、会場で流れているアンビエントがふと耳に入ってくる。その音は、特殊なRGBライトで育てる「LED菜園」の野菜の電気信号をモジュラーシンセサイザーに送ることで生成されているものだった。

LED菜園
Photo: Keisuke Tanigawa「LED菜園」
モジュラーシンセサイザー
Photo: Keisuke Tanigawa野菜の電気信号がモジュラーシンセサイザーに送られ、会場内の音楽が生成されていた

YOSHIROTTENがコロナ禍に始めた、「太陽」をモチーフにさまざまなメディアを横断するプロジェクト「SUN」の新作、『SUNBIENT GAME』も設置。フィールドを歩いたり走ったりする中で、石やカモメなどに触れることで起こる変化が楽しめる、オープンワールドなゲームだ。会場に設置されたソファでくつろぎながら遊んでみてほしい。

SUNBIENT GAME
Photo: Keisuke Tanigawa『SUNBIENT GAME』

また、三宿のリスニングバー「PINKNOIZ(ピンクノイズ)」のALTECのスピーカーとDJブースをインストール。展示期間中の18時からはTHE HALLとTHE TUNNELがつながり、原宿や展示とゆかりのある人たちがお気に入りの音楽をプレイする。展示と併せてチェックしよう。

PINKNOIZ
Photo: Keisuke Tanigawa三宿のリスニングバー「PINKNOIZ」のALTECのスピーカーとDJブース

内覧中に、本展と原宿について、YOSHIROTTEN本人にインタビューすることができた。

―展示のタイトルの頭文字をつなげるとQUEST(クエスト)になりますね。どんな思いを今回の展示に込めたのでしょうか?

展覧会のタイトルは原宿クエストと結び付けたいなと思いまして。コンセプトは「孤独に何かに打ち込む部屋」、そして「友達に会える空間」という原宿の持つ二面性ですね。

作品を作る時間やブランドを立ち上げるための準備をしたり、そこからお店を作ったり、友達と集まってパーティーをしたり。原宿という街を体現するようなインスタレーションにしたかったんです。

―「原宿」という街のイメージが反映された展示だと思うのですが、街のイメージや思い出深いエピソード、よく行くヴェニューなどはありますか?

明治神宮」のような歴史があり、静けさを感じられる場所が駅前にありながら、最先端のモノが集まる繁華街だというのが、原宿の特別なところだと思います。

自分はどちらかというと夜型で、音楽が好きということもあり、街の入り口にある「不眠遊戯ライオン」や「ENTER」、奥のクラブ「バー ボノボ」にしばしば足を運んでいます。

それと、歩いていると友達に会える街なんですよね。そのまま友達の事務所にふらっと立ち寄る、ということも珍しくありません。

原宿って「ストリート」のイメージが強いと思うんですが、どうしても「ストリートファッション」の文脈だけで語られがちで。でも、道を一本入るとデザイン事務所があって、服を作るアトリエがあって、何かを作っている人たちがいる。そういう人たちと、直接、あるいは友達を介して路上で出会えるというのが、今も変わらない「原宿のストリートらしさ」なんじゃないかと思っています。

昔はよく音楽イベントをやっていて、街を歩いていて「かっこいい」と思った人にフライヤーを手渡すなんてこともありました。そうしてクラブに集まってきた人たちと何かをやってみる、みたいなことも多かったんです。

YOSHIROTTEN
Photo: Keisuke TanigawaYOSHIROTTEN

原宿クエストのリニューアルに際して、YOSHIROTTENが代表を務めるデザインスタジオ「YAR」は、設計段階から参加しており、施設のロゴや館内のサインなども担当している。そんな同施設内にオープンした、アートと音楽、食が交差するこの場所が、どんな「たまり場」へと育つのかを見届けたい。

原宿の地下の新たなカルチャースポットへ、まずはYOSHIROTTENの展示を観に行こう。

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