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「フロリレージュ(Florilege)」は「ミシュランガイド東京」では2018年から二つ星を獲得し続け、日本はもとより、世界中から注目されているイノベーティブフレンチレストランだ。2009年に青山で開業し、2015年に神宮前に移転、2023年9月からは「麻布台ヒルズ」で営業している。
そのフロリレージュがプロデュースするバー「ソドゥン フロッグ(SODDEN FROG)」が2025年8月5日、フロリレージュの1階上に当たる、麻布台ヒルズ「ガーデンプラザD」3階にグランドオープン。今年初頭から食通たちの間では、「フロリレージュの川手寛康がバーをプロデュースするらしい」と話題になっていた。

店名の「ソドゥンフロッグ」とは「びしょぬれのカエル」の意。「浴びるほどお酒を飲んでほしい」という願いが込められている。また、「井の中の蛙(かわず)」という言葉をいい意味でとらえ、「小さな世界でも自分の好きな世界を突き詰め、それを広げる」という意図も含むのだとか。一体どんなバーなのだろうか。楽しみに出かけたが、確かに既存のバーとはさまざまな面で一線を画していた。
内装は落ち着いたえんじ色が基調。オープンな曲線型のカウンターを中心に、スタンディングエリアも用意する。バックバーはあえて設けない。2面ある大きな窓は遮光せず、麻布台の街の様子を眺めながら美酒に酔いしれることができる。オープンは16時からと、明るい時間から飲めるのもうれしい。

現在、カクテルは10種類(2,000円から、以下全て税込み)、モクテルは4種類(1,800円)を提供。さらに増やしていく予定だ。スコッチやバーボンも用意している。カクテルを担当するのは、フロリレージュでバーテンダーをしていた髙田真之助。カクテルは、ハードリカーに野菜やハーブ、フルーツを漬け込むなど、基本的には自家製の素材をベースにしている。
「最近、野菜を使ったカクテルが面白いと思っていて。積極的にチャレンジしていきたいですね」と髙田。今回提供してくれたのは水ようかんのような味わいのカクテル「Mizu Yokan(ミズヨウカン)」(2,000円)は、米を使ったウオッカに米こうじを漬け込んだものと、桜のリキュール、甘酒で作ったリキュールに小豆を加え、飲む「水ようかん」のような味わいに仕立てた。

モクテルは児島由光が担当。「植物が好き過ぎる」と自称する児島は、クロモジやカエデ、ニオイコブシなど、自ら山に入って採取した植物を使用することもあるという。「味はもちろん、見た目でもインパクトを与えるものを作りたい」と、植物を使用したモクテル「ZEST NEST」(1,800円)にはアイスで作られたカエルを浮かべるなど、存在感のあるモクテルを作り上げる。
カクテルもモクテルもメニュー名を見ただけではどんなものが出てくるのか想像がつかないのだが、これがまた同店の楽しさ。髙田、児島ともに「自由にやらせてもらっている」と口を揃える。児島は短い期間だがフロリレージュでの経験があり、その後、群馬県前橋市の「白井屋ホテル」のメインダイニングでソムリエを務めていた。

料理に寄り添うドリンクではなく、ドリンクとして主役を張れるものを楽しみながら創作しているのが、2人が作るカクテルやモクテルに表れている。他人がオーダーしたドリンクも気になってしまいそうだ。
フードも、期待感を裏切らない魅惑的なラインアップ。フロリレージュのシェフ・川手と、同店のシェフ・阿久津一輝がディスカッションし、品数は多くないが、バーフードを超えた厳選のラインアップを取り揃えた。下の写真は、「牛骨髄フラン」(2,600円)。フロリレージュ初期のスペシャリテだ。だしをひいて仕立てたフランにコンソメを注ぎ、これを牛のタルタルと牛骨髄をローストしたものをトッピングして楽しむ。

そのほか、シュー生地を使った「ドーナツ」(800円)や、にゅうめんを、鶏白湯(パイタン)をベースにカルボナーラ風に仕立てた「煮(ニュウ)カルボ」(1,800円)など、「フロリレージュ」を感じさせる料理と、まったく新しい料理が共存。食前・食後の利用はもちろん、ここ1軒でも十分に満足できる。

17時から19時に入店するゲストに限り、小皿料理9皿の「おつまみコース」(6,500円)が予約できる。これに「季節カクテルコース」(4種8,000円)、「季節ノンアルコールコース」(4杯7,000円)を付けるものも楽しそうだ。
ゆったりと時間を過ごすのはもちろん、気軽に立ち寄るのもおすすめ。既存のバーを覆す空間で過ごす時間は、楽しい、おいしいにとどまらず、エキサイティングなものとなるはずだ。
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