東京オリンピック1週目、印象に残る5つのベストシーン

前代未聞の勝利、選手村で楽しむアスリートなど

Emma Steen
Mari Hiratsuka
テキスト:
Emma Steen
翻訳:
Mari Hiratsuka
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東京オリンピックは開催以前から困難な状況が続いていた。しかし、1年の延期にもかかわらず、予想以上の成功を収めている。前例のない勝利や、スポーツイベントの意義を再確認するような意義深い瞬間もあった。ここでは、東京オリンピック1週目の名場面を紹介する。

トム・デイリーの優勝スピーチ 

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トム・デイリー(Tom Daley)とマティ・リー(Matty Lee)が、水泳の「男子シンクロナイズドダイビング10メートル高飛び込み」で、金メダルを獲得したことはイギリスチームの勝利だけでなく、世界中のLGBTQ+の人々の勝利でもあった。

2008年の北京オリンピックでは、マシュー・ミッチャム(Matthew Mitcham)が優勝しており、ゲイを公表しているアスリートがオリンピックで金メダルを獲得したのは今回が初めてではないが、今大会ではこれまで以上に多くのアスリートが公表し、それを誇りとしている。

大会直後に行われた記者会見でデイリーは、ゲイの男性で金メダリストだと言えることに大きな誇りと、このことから大きな力をもらっていると話した。彼はまた、LGBTQ+の人々に向けて「今、孤独を感じている若いLGBT+の人たちに、1人ではなく、何だって達成できるということを知ってほしい。世の中にはあなたを支えようとする家族がたくさんいます」と、重要なメッセージも残している。

10代のスケートボードチャンピオン 

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Photo: Patrick Smith/Getty Images(L-R) Rayssa Leal of Team Brazil and Momiji Nishiya and Funa Nakayama of Team Japan pose with their medals during the Skateboarding Women's Street Final medal ceremony

スケートボードは、子どもの遊びだと思っていた人もいるかもしれない。しかし、今年のオリンピックに採用されたことで、若い世代にとっての転機となった。「スケートボード女子ストリート」決勝では、2人の13歳の若者がメダルを獲得し、世界中の観客を驚かせた。

日本の西矢椛(にしや・もみじ)が15.26点、ブラジルのライッサ・レアウ(Rayssa Leal)が14.64点で、それぞれ金メダルと銀メダルを獲得。両選手とも、第2パートでトリックに挑戦して転倒したものの、自らを奮い立たせてトップに立ち、次世代のアスリートたちに勇気を与えた。

ドイツ女子器械体操代表チームの「ユニタード」

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ドイツチームが「ユニタード」姿で競技に臨んだとき、驚いた人もいるかもしれない。2週間前に開催されたビーチハンドボール欧州選手権で、ノルウェー女子ハンドボールチームがビキニボトムではなくショートパンツでプレーし、1,500ユーロの罰金を科せられていたこともあり、このユニフォームを選んだことは特に注目を集めた。

体操競技は、ビーチバレー同様、男女でユニフォームが異なる。男性は伝統的に足の長いユニタードを着用し、女性は露出の多いレオタードを着用する。ドイツチームは、ユニセックスな衣装を選ぶことで、スポーツ界における性差別的な規制や、スポーツとしての体操が性的な視点で見られていることに声明を発表した。

フィリピン初の金メダル

オリンピックでメダルを獲得することは、それだけでも記念すべきことだが、ヒディリン・ディアス(Hidilyn Diaz)が「女子55キロ級重量挙げ」で、金メダルを獲得したとき、フィリピンの人々は大喜びした。

大会前ディアスは、金メダリストになるという夢を実現できるか困難な状況にあった。コロナ禍にトレーニングを続けるための資金を集めるのに苦労し、30歳という年齢はすでに競技能力のピークに達していると思われていた。

しかし、ディアスは本大会で合計224キロを持ち上げ勝利し、オリンピック重量挙げの新記録を樹立。2つ目のオリンピックメダルを獲得した(ディアスは2016年のリオオリンピックで銀メダルを獲得している)。

選手村で楽しむ選手たち 

@jessfoxcanoe

Part 1 - the athletes of the ##olympicvillage 😅 which one are you? People-watching from my balcony = endless entertainment. ##olympicgames ##tokyo2020

♬ Spongebob - Dante9k

選手たちはトレーニングや競技中以外は、選手村の外に出ることはできないが、暗いことばかりではない。大会を生で見ることができない世界中のファンとつながるため、選手村のビデオツアー、トレーニングのビデオログ、TikTokのバイラルビデオなどを通じて、これまで以上に発信することに意欲的だ。

段ボール製のベッドの上でジャンプしたり、24時間営業の食堂の料理を紹介したりと、アスリートたちが楽しんでいる様子や、激しいトーナメント、頻繁に行われるPCR検査の待ち時間を最大限に活用している様子を見ることができる。これからも選手たちのビデオを楽しみにしたい。

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