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都心からわずか1時間、海辺の街にある古刹の境内で初夏を彩る花々に出合う

間もなく梅雨入りする東京では、7月中旬ごろまでジメジメとした日が続く覚悟が必要だろう。しかし、雨のシーズンこそが鮮やかなアジサイの開花を促してくれる。この初夏の風物詩を満喫できる最高のスポットの一つが、都心からすぐの海辺の街、鎌倉である。
カラフルなアジサイの絶景を楽しむなら、新宿駅から湘南新宿ラインに飛び乗り、乗り換えなしで約1時間の北鎌倉駅へ向かおう。駅からほど近い「東慶寺」「浄智寺」「明月院」の3つの名刹(めいさつ)では、青や紫、ピンクなど、鮮やかな色彩の美しいアジサイが境内を埋め尽くす。
今年、鎌倉でアジサイを堪能するなら、6月がベストシーズンだ。梅雨ならではの美しい花々を堪能してほしい。
北鎌倉駅から徒歩4分の場所にありながら、静寂に包まれた寺院。神聖な境内には美しく整えられた遊歩道がいくつもあり、仏像や石灯篭(とうろう)といった日本らしさを感じさせる要素が、アジサイをより引き立せる。敷地内にある茶屋では、ショウブを眺めながら抹茶を片手に穏やかな時間が過ごせる。
東慶寺は、この地の歴史の中で非常に重要で、尊い役割を担ってきた歴史がある。1285年に尼僧の覚山志道尼によって創建された同寺は、夫の暴力に悩む女性たちに救いの手を差し伸べる駆け込み寺として機能していた。
当時は女性の側から離婚を求める権利はなかったが、この尼寺で3年間修行を積むことで、寺が正式に離婚を認められた。「女人救済の縁切り寺」とも呼ばれた同寺の伝統は、約600年にわたって受け継がれたという。
拝観料:無料
浄智寺では、境内へ入らなくても十分にアジサイが満喫できるほど、敷地の外側一帯がすでに完璧な絵画のように美しい。山門と、700年の歴史を誇る鐘を収めた鐘楼(しょうろう)を一つに組み合わせた2階建ての木造建築「鐘楼門」が、青々とした周囲の緑と見事に調和している。
1280年代前半、北条時頼の三男である北条宗政の菩薩(ぼさつ)を弔うために創建された同禅寺。かつて境内には11もの建築物が格式高く並んでいたが、1923年9月に起きた関東大震災によって全て倒壊してしまった。
現在見られる建物は、いずれも近代に入ってから再建されたものだ。
拝観料:300円、中学生以下100円、未就学児無料
「あじさい寺」の異名を持つ明月院は、その名に恥じない見事な景観を誇る。アジサイ好きにとっては聖地ともいえる場所であり、このエリア屈指の美しい庭園が見どころだ。丘に向かって続く風情ある遊歩道を散策すると、「明月院ブルー」と呼ばれる2500株以上の青いアジサイの花々が道沿いを埋め尽くし、最高のフォトスポットを提供する。
遊歩道沿いには仏像や小さな祠(ほこら)、さらにはアジサイがあしらわれた絵馬が並ぶ。庭園は混雑するため、滞在時間は長くなりがちだが、時間をかけて散策するだけの価値は十分にある。
1383年に上杉憲方によって開創された明月院。かつては大規模な大寺院の一大塔頭(たっちゅう)であったが、1868年の明治維新の混乱期に本体の寺が廃絶されたことで独立を余儀なくされた歴史を持つ。
「明月(輝く月)」というその名と、月でウサギが餅をつくという日本の昔話にちなみ、境内には愛嬌(あいきょう)たっぷりのウサギの像がいくつも設置されている。ぜひチェックしてほしい。
拝観料:500円、小・中学生300円、未就学児無料
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