George's
Photo: Akari Matsumura | 「George's」のジュークボックス
Photo: Akari Matsumura | 「George's」のジュークボックス

東京、ソウルバー5選

六本木・下北沢・五反田など、魂に響く音楽を流す店を紹介

Kosuke Hori
テキスト: Kana Yoshioka
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タイムアウト東京 > 音楽 > 東京、ソウルバー5選

日本にソウルミュージックが入ってきたのは1960年代。第二次世界大戦後の日本にアメリカ文化が流れ込んできた時代であり、さらにベトナム戦争が勃発していたことから、横須賀や沖縄を中心に多くの米兵たちがやってきた時代でもあった。そこで彼らとともに海を超えてやってきたのが、ソウルミュージックと呼ばれる音楽だ。

そしてその魅力に引かれた人々は、ソウルミュージックのレコードが聴ける店に通い詰めるようになったのである。魂を揺さぶる音楽は酒と相性抜群で、やがてソウルバーとして東京の夜の街のヒップな存在として定着した。

今や東京には、数多くのソウルバーが存在する。今回はその中でも、星のように輝く5つの名店を紹介しよう。

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  • 音楽
  • 西麻布

George’s

六本木にまだ防衛庁があった1964年、外苑東通りの角にオープンした「George’s(ジョージス)」。「伝説のママ」と呼ばれた故・岡田信子が店を開いた。2005年に西麻布へ移転し、現在は1990年代から店で働いてきた高橋知恵が2代目のママを務めている。ちなみに店名は人の名前ではなく、男と女の「情事」から名付けられた造語だという。

同店がソウルバーとなったきっかけは、店内に置かれたジュークボックス。当初はレストランバーだったが、当時六本木に駐留していた米兵たちが自分たちの持っているソウルミュージックの7インチレコードを聴くために足を運ぶようになり、変貌を遂げた。

テーブルチャージは1,000円(以下全て税込み)。今でも1972年製のジュークボックスが現役で稼働しており、1曲100円で1960年代から1990年代までのソウルミュージックが楽しめる。ジュークボックスのスピーカーから流れる音は温かみがあり、まるでタイムスリップしたかのように当時の空気を再現してくれる。オープン当初から置かれている「サッポロ生ビール黒ラベル」の小瓶(1,000円)とともに楽しみたい。

2階は名作のソファが置かれた秘密基地のような空間で、通常の営業時は開いていないが、貸し切りもできるそうだ。

これまで、ジェームズ・ブラウン(James Brown)をはじめ、数えきれないほどのミュージシャンたちが立ち寄ってきた同店に、ぜひ訪れてみてほしい。

  • 音楽
  • 恵比寿

SOUL SISTERS

恵比寿駅東口から徒歩3分に位置する「SOUL SISTERS(ソウル シスターズ)」。大きな窓からは店内の様子が見え、西洋のパブを思わせる雰囲気だ。一歩中へ入ると黒い床や壁にブラックライトが映え、低めのテーブルや椅子、そしてDJブースの背後に無造作に並ぶレコード棚が、どこかバブル期のディスコを感じさせる。

それもそのはず、オーナーの岩崎隆史は1980年代のディスコやソウルに影響を受け、これまでにいくつもの店をプロデュースしてきた、いわば「東京の夜のベテラン」。「自分がビールを飲みたいから」との理由で1998年にオープンしたそうだが、彼を慕って訪れる客が後を絶たない。

店内にはカウンター席とテーブル席に加えて、ちょっとしたダンススペースも設置。ふらっと立ち寄りたくなるようなラフな雰囲気が心地よい。また、同店は人気ヒップホップグループのドキュメンタリー映像や写真の撮影場所としても登場。ファンにとっては、まさに聖地のような存在となっている。

音楽は1970年代から1990年代のソウルやディスコを主軸に、DJがプレイする日もあれば、スタッフがセレクトした音楽が流れることもある。週末には「ディスコナイト」が開催され、当時を知るディスコラバーズが続々と集結する。

テーブルチャージは600円。ドリンクは、ハイボールやレモンサワー(各880円)、生ビール(770円)が人気だ。月〜水曜日の11時から15時には、ハンバーガー店「Goody Goodies(グッディーグッディーズ)」がランチ営業している。昼時にも訪れてみてほしい。

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  • 音楽
  • 五反田

Soul Music BAR Ali-Ollie!!!!

恵比寿で12年間営業し、ビルの建て替えを機に2017年に五反田へ移転したソウルバー「Soul Music BAR Ali-Ollie!!!!(ソウルミュージック バー アリオリ)」。店内でかけるのはほぼレコードで、ソウルやファンク、R&Bが流れる。アナログ特有の温かみのある音を求めて、仕事帰りの常連客や近隣住民はもちろん、レコードカルチャーに興味を持つ若者からうわさを聞きつけた海外の音楽ファンまでもが足を運ぶ。

内装は、恵比寿時代の雰囲気をできるだけ再現。赤い椅子の柔らかい座り心地が印象的で、バーカウンターとテーブル席があり、ゆったりと音楽と酒を楽しめる空間だ。そしてバーカウンターの上部には、店名の由来でもあるザ・テンプテーションズのリードボーカル、アリ・オリ・ウッドソン(Ali-Ollie Woodson)が恵比寿の店舗に来店した際に残した直筆のメッセージが飾られている。

常時100種類以上の酒を揃える中で、特に人気なのが「音楽」をイメージしたオリジナルカクテル。鮮やかなブルーが印象的なカクテル「セカンド・ウィンド」(1,200円)は、アル・ジョンソン(Al Johnson)のアルバム『Back for More』から着想を得たという。ピーチとオレンジのフルーティーな香りが際立ち、夕暮れ前の海辺を思わせる爽やかな味わいが魅力だ。

ここ数年はノンアルコールカクテル(1,000円から)にも力を入れており、酒を飲まない人にもうれしい。また、「女性一人でも気軽に立ち寄れる店にしたい」という思いから、女性バーテンダーが毎日カウンターに立っている。音楽を愛する全ての人に、窓口が広く開かれた店なのだ。

  • ナイトライフ
  • 下北沢

Little Soul Cafe

学生時代にクラブやミュージックバーなど、DJがいる店で働いていた経験を生かし、オーナーの宮前伸夫が1999年にオープンしたレコードバー「Little Soul Cafe(リトル ソウル カフェ)」。内装は全て自分で仕上げ、自宅からレコードとターンテーブル、スピーカーを運び込み、店をスタートさせた。

ドアを開けてまず目に飛び込むのは、ヒップホップやクラブミュージックの礎として知られる『Ultimate Breaks & Beats』シリーズ全24枚のレコード。壁にずらりと飾られたジャケットのデザインは美しく、思わず見入ってしまう。

さらに、バーカウンターと客席の後方には、レコードが壁一面に詰まっている。ソウルやファンクを中心に、ジャズやワールドミュージックなど、古いものから新譜まで、約1万5千枚の圧倒的なコレクションだ。これを目当てに、「アナログブーム世代」の20~30代の若者や、海外からの音楽ファンも多く訪れるという。

酒のセレクトもまた、レコード選びのような感覚で集めていると宮前は語る。バーカウンターには、世界各国のインディペンデントなブランドの酒が300種類以上ずらりと並び、眺めているだけで楽しい。

その中でも近年人気なのは、クラフトジンやラム、メスカル、テキーラ。おすすめとしてニセコ蒸留所によるペパーミント香るクラフトジン「ohoro GIN(オホロ ジン)ハッカ」、コスタリカ産の甘口ラム「Ron Centenario」、そしてイングランドのスパイスラム「Rumbullion」を挙げてくれた。

マイペースだが真摯(しんし)さが伝わる同店で、音楽と酒に酔いしれる一夜を過ごしてほしい。

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  • 音楽
  • 世田谷区

Soul Bar Delight

1980年代後半から東京とアメリカを行き来しながら、日本のブラックミュージックシーンを築き上げてきた重要人物であるジェイがオーナーを務める「Soul Bar Delight(ソウルバー ディライト)」。現在の店舗から3軒隣の場所で、1994年にオープンした。ジェイは、日本人として初めてアメリカの伝説的ソウル&ダンス番組『ソウル・トレイン』において、1989年にレギュラーダンサーとして出演していた人物だ。

扉を開けると、1980年代後半から1990年代の夜へタイムスリップしたような空間が広がる。ダーツマシン、いくつものテレビモニター、レトロなパソコン画面に映し出されるミュージックビデオ、そしてブラックライトに照らされたバーカウンター。流れるのは、ヒップホップ、ソウル、R&Bといったブラックミュージックの黄金期を彩ったサウンドである。

時にゲストDJがプレイすることもあるが、カウンターに立つレオナも1990年代から活躍するDJ。空間の雰囲気と当時のムードを見事にシンクロさせた選曲で、時間をゆっくりと巻き戻してくれる。ピニャコラーダとジントニックの大ぶりなグラスの重みが加わると、さらに1990年代の夜が思い出されるだろう。

ちなみに、店があるのは井の頭通りと環七通りが交わる角。井の頭通りといえば、原宿の「ホコ天」時代にBボーイたちがブレイクダンスを踊っていたことから、「ヒップホップ通り」と呼ばれていた場所である。
そんな通りの延長線上に位置するのも、何かの巡り合わせを感じる。

今は「地元の人たちに愛されるソウルバー」として親しまれているが、この店の空間には、東京のブラックミュージックの歴史そのものが刻まれているのだ。

音楽にグラスを傾けるなら……

  • 音楽

ジャマイカで生まれた、独特のリズムと体に響く気持ちいい低音……。レゲエは、日本でも根強い人気を誇る音楽だ。

ひとえにレゲエといっても、その種類はルーツやダンスホールなど幅広い。本記事ではさまざまなレゲエのかかる店をセレクト。レゲエならではの音響設備、いわゆるサウンドシステムが魅力のヴェニューはもちろん、店主自身がレゲエクルーのMCを務める店舗も取り上げる。

世界は混沌としている。だからこそレゲエを聴いていい時間を過ごしてほしい。

  • 音楽

針で引っかいて音を出すというアナログなレコードの手法に、ジャズの音は非常に合う。そして、そこにアルコールが加われば言うまでもない。

本記事では、モダンやニューオリンズジャズを流す老舗はもちろん、フリーやDJカルチャーを通過した新時代のジャズを流すヴェニューも紹介。ジャズという音楽の奥深さにきっと気づかされることだろう。もちろん深いことは考えず、ただ音に身を委ねるのも一興だ。本記事で新たな出合いがあることを願う。

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  • ナイトライフ

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