Blicher Hemmer Gadd
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東京、11月に行くべきジャズイベント5選

ドラムの神によるグルーヴからZ世代ジャズの新潮流まで

Kosuke Hori
テキスト: Naoya Koike
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秋が深まる11月、東京の夜に円熟と挑戦の音が鳴る。

「ドラムの神」と称されるスティーヴ・ガッド(Steve Gadd)のグルーヴから、「即興」を主題としたフェスティバル、Z世代の若手ミュージシャンたちによるジャズの新潮流まで──。

伝統と革新が交錯する都市・東京で、ジャズの百花繚乱を体感してほしい。

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  • 音楽

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のバンドなどで活躍し、世界中のドラマーから敬愛されるジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette)の83歳での死去が先日ニュースになった。そう考えると、80歳になってもなお精力的に来日し続けるドラマー、スティーヴ・ガッド(Steve Gadd)の演奏を観る機会がますます貴重だと思えてくる。

本公演はガッドと、デンマーク出身のサックス奏者のミカエル・ブリチャー(Michael Blicher)、「ハモンドオルガン」のダン・ヘマー(Dan Hemmer)によるバンド・Blicher Hemmer Gaddのツアーの日本千秋楽。日本で5公演を終えた後ヨーロッパへ向かうということで、きっと我が国に特別な思いを抱いているのかもしれない。

このバンドの音楽性は「ソウルジャズ」ではあるが、暑苦しいものではなくリラックス&スムース。余裕を感じさせるグルーヴは音楽ファンだけでなく、カジュアルなデートにもぴったりだ。

※5・6日 1st stage 17時30分〜、2nd stage 20時30分〜/料金は8,900円〜

  • 音楽
  • 新宿三丁目

新宿でクールなカルチャーと出合いたかったら、「新宿マルイ アネックス」の地下にある「ブルックリンパーラー新宿」へ行くといい。そこで企画されているイベント「Good Music Parlor」では、不定期に生演奏が企画されている。

今回パフォーマンスするのは、ボーカルとキーボードを担当する江見東治、ギターの後藤祐太郎、ベースの井上道富、そしてドラムスの小名坂誠哉による才気あふれる若手バンド・PLAYERSxPRAYERS。全員がブラックミュージックにルーツを持ち、「日本の音楽シーンに『No』を突きつける」という鋭角なコンセプトで活動する彼らの演奏に期待だ。

さらに、なんとチャージはフリー。ヒップホップに影響を受けた現代ジャズの生演奏とDJを気軽に楽しむなら、これ以上の機会はないだろう。

※20日 19〜23時/料金は無料(予約の場合は1ドリンク&1フードの注文が必須)

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  • 音楽
  • 恵比寿

Instagramに投稿した動画が約300万回再生されるなど、世界中で注目を集めるトランペッターでボーカリスト、ソングライターの寺久保伶矢。NAGAN SERVERや雨のパレード、さらさ、S.A.R.といった数々のアーティストたちとコラボレーションしてきた彼の音楽は、伝統に根ざしつつ、「今」を感じさせるダンスミュージックに向いている。

本公演は、同世代の仲間たちと組んだバンド・Reiya The P.A.V.E.としてパフォーマンスする。Z世代のプレイヤーたちならではの感性がきっと楽しめるはずだ。ヒップホップやハウスなどと融合したダンサブルなジャズを楽しみたいなら、恵比寿「ブルーノート プレイス」を訪れてほしい。

※21日 19時〜22時30分(L.O.21時、ドリンク22時)/料金は1階席3,500円、2階席2,500円(別途1オーダー) 

  • 音楽
  • 渋谷

「即興」や「アドリブ」という言葉とともに、「その場限りの演奏こそジャズの醍醐味(だいごみ)」と語られることが多い。それは決して誤りではないが、今日では構築美を追求する演奏も多く、もはやそれだけが「本質」とは言えなくなっている。

その上で「即興」とジャズを語るとき、日本ではしばしば、練習したフレーズや理論的なリズムやハーモニーから逸脱した抽象的な音楽を指す。その「即興」を主題に掲げるフェスが「Dharma Jazz Fes」だ。

即興芸術集団・Dharmaが主催する本企画は、今回で3回目の開催となる。ヨーロッパからサックスプレイヤーでボーカリストのアレクサンドラ・グリマル(Alexandra Grimal)を迎えるなど、内容は実験的かつ充実。「その場限りのジャズ」の神髄をぜひ体験してほしい。

※24日 17時〜/料金は4,999円

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  • 音楽
  • 新宿二丁目

トランペッター・寺久保伶矢の従姉妹である寺久保エレナ。18歳という若さでアルバムデビューした後、単身でニューヨークに活動の拠点を移し、競争の激しいアメリカでサックス奏者として一躍知られる存在となった。ジャズ界隈(かいわい)で最も人気の高いYouTube番組の一つで、先月惜しまれながらも最終回を迎えた「Live From Emmet's Place」に出演した、おそらく唯一の日本人でもある。

ジャズの伝統に根差した音色とフレージングを感じさせる彼女の、2年ぶりとなる国内ツアーの千秋楽が本公演。メンバーはピアニストのデイヴィッド・ブライアント(David Bryant)、ベーシストの渡邊修二、ドラムスの鈴木宏紀と、日本で活躍する精鋭たちだ。

東京から始まり札幌、名古屋、大阪と日本を回ってパワーアップしたアンサンブルに注目したい。世界で戦う日本人サックスプレイヤーの「現在地」を見逃さないように。

※25日 19時30分〜/料金は前売り5,500円、当日6,050円(1ドリンク込み)

ジャズをもっと聴きたいなら……

  • 音楽

針で引っかいて音を出すというアナログなレコードの手法に、ジャズの音は非常に合う。そして、そこにアルコールが加われば言うまでもない。

本記事では、モダンやニューオリンズジャズを流す老舗はもちろん、フリーやDJカルチャーを通過した新時代のジャズを流すヴェニューも紹介。ジャズという音楽の奥深さにきっと気づかされることだろう。もちろん深いことは考えず、ただ音に身を委ねるのも一興だ。本記事で新たな出合いがあることを願う。

  • 音楽

数多くのジャズライブハウスが点在している東京。毎夜都内で行われるジャズライブの数は50以上もあると言われている。それゆえ、初心者は店選びに迷い、敷居の高さに腰が引けてしまうことも多いだろう。ここで紹介するジャズハウスは、間違いなく訪れる価値のある場所なので、参考にしてほしい。

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  • ジャズ

ジャズの鑑賞を主体に、コーヒーが楽しめるジャズ喫茶。その元祖は、1929年に本郷でオープンした「ブラックバード」だといわれている。

同時期でいえば、1933年に創業した横浜の「ちぐさ」は一度の閉店を挟みながらも、2022年まで約90年にわたって営業してきた。同店には、若き日の秋吉敏子や渡辺貞夫、日野皓正らジャズミュージシャンたちが足繁く通い、アメリカ軍のクラブでの演奏のかたわら、当時高価だったレコードを聴いて勉強していたという。もちろん、プレイヤーだけでなく、ジャズファンにとっても最新のジャズを仕入れられる場だったのだろう。

そんなジャズ喫茶は、日本におけるミュージックバーのルーツともいえるし、踊ることを主目的としていない「リスニングイベント」という概念の始祖でもあるかもしれない。2010年代以降のレコードブームや、漫画『BLUE GIANT』のヒット以降は、若い世代も以前より訪れるような印象を受ける。

本記事では、店主の音楽への真摯(しんし)な姿勢やアットホームな雰囲気、素晴らしいオーディオシステムをほこる店など、おすすめをピックアップした。ぜひ足を運んでみてほしい。

  • 音楽

映画『BLUE GIANT』の主人公の演奏を担当した、サックス奏者の馬場智章と、現代ジャズシーンを支えているヴェニューの下北沢「No Room For Squares(ノールームフォースクエアーズ)」(以下:ノールーム)の店主である仲田晃平。プレイヤー、そして店のスタッフとして現場に立つ2人に、ジャズバーの楽しみ方について聞いてみた。

対談は、人生で初めていったジャズバーやいつも頼む決まった一杯などから、ジャズを取り巻く場についてまで話は及んだ。時間とお金をかけて、音楽とじっくり向き合う。そんな場に足を運ぶことこそ、贅沢な時間の使い方なのかもしれない。

週末といわず今夜、グラス片手にジャズを聴くために街へ繰り出そう。

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  • ジャズ

今年も阿佐ケ谷の街がジャズ一色に染まるイベント「阿佐谷ジャズストリートが開催される。今年で30回目の今回はJR中央線の阿佐ヶ谷駅を中心に、駅前の広場、学校の体育館、幼稚園の園庭、教会、会社のロビー、区役所前の広場など多くの会場でジャズのコンサートが行われる。

パブリック会場や街中でスイングするのも良いけれど、せっかくなら歴史が染み込んだジャズバーで即興的なハプニングを目撃しよう。

今回は、タイムアウトに多くの音楽記事を寄稿するライター・小池直也が選んだ3件を紹介。イベントが開催される2025年10月24日(金)・25日(土)には各ヴェニュー独自のジャズイベントが開催されるので、ぜひ立ち寄ってほしい。

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