Photo: TIPSY
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日本最大級の女性限定イベント「TIPSY」が3年ぶりに開催

原田悠宇が苦悩の時期を経て「TIPSY Re:birth」を決意

テキスト:
Honoka Yamasaki
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華やかな衣装に身を包む女性ダンサー、彼女たちにチップを渡し、ミラーボールの下で踊る女性たち……こんなにも豪華絢爛(けんらん)な世界があるのか。レズビアン、バイセクシュアル女性を主軸とした日本最大級の女性限定イベント「TIPSY(ティプシー)」が誕生したのは、今から10年前。女性限定にもかかわらず、一晩の動員数が1500人を超えるほどの成功を収めていた。

そんなTIPSYが活動を休止したことは、セクシュアルマイノリティーの女性たちを驚かせる知らせであった。主催者の原田悠宇は、コロナ禍、誹謗(ひぼう)中傷、療養生活など、さまざまな苦悩の時期を経て、3年ぶりにイベント開催を決意。2022年11月26日(土)、「自らとTIPSYの再生」を意味する「TIPSY Re:birth」が始動、あの伝説のパーティーが戻ってきた。

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ー3年間、TIPSYが休止していた理由について教えてください。

2019年に流行し始めたコロナウイルスが大きな原因となり、その後さまざまな出来事が重なって休止を継続していました。このことは「TIPSY公式YouTubeチャンネル」でも詳しくお話ししています。

休止前最後のイベントは、新木場「ageHa」で総動員数3000人の大規模開催を計画していましたが、大型台風の接近により中止。その後コロナ禍となり、7年ほど継続していたTIPSYを休止せざるを得なくなっていました。

そんな失意の中、イベント主宰者ということで、誹謗中傷のメッセージが送られてくるようになりました。今まで頑張ってきたことが手のひら返しされたように感じ、一日中涙が止まりませんでした。コロナ禍による休止や誹謗中傷など、さまざまなことが引き金となり、私自身の精神状態が悪化し、病院に通うようになりました。この3年間はTIPSYの休止だけでなく、私自身の療養生活の期間でもありました。

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ー苦悩の時期を経て、開催を決断した理由は何でしょうか。

今回は今までとは状況が少し異なり、自分自身の治療として開催することを決めました。今までは活動を休むことで病気を治そうとしていましたが、最近は「困難を乗り越えた新しい自分と出会いたい」という気持ちが強くなっています。今の状況を打破するために、主治医とも相談してイベントの開催を決めました。

ーこのことは、イベント名を「TIPSY Re:birth」とした背景にもなるのでしょうか。

そうですね。一歩先へ進んだ自分になろうという思いが強いです。また「Re:birth」は、TIPSYとしても長期間の休止からの復活、つまり「死からの再生」を意味しています。

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ー「TIPSY Re:birth」ではどのようなコンテンツを提供される予定でしょうか。

ダンスフロアでは国内トップの女性DJやダンサーが出演し、TIPSYならではの盛り上がりを感じられます。それから、クラブは苦手だけど出会いが欲しいという方のために、ゆったりと会話ができる空間も用意する予定です。

参加者には「恋人募集」「友達募集」と2つの目的に合わせた光るブレスレットを付けてもらうので、それぞれのスタイルに合わせて楽しんでもらえたら嬉しく思います。

TIPSY Re:birth

原田悠宇プロデュースによる、レズビアン、バイセクシュアル女性を主軸とした日本最大級の女性限定イベント。2012年から始まったこのイベントは、東京・大阪・名古屋・福岡など、開催地が日本全国に広がり、女性限定にもかかわらず一晩で1500人を動員することもある。

来場者は、「恋人募集」「友達募集」のどちらかのブレスレットを身に着けるため、出会いの確率もぐんと上がるに違いない。また、人気ゴーゴーによるセクシーなダンスが間近で繰り広げられ、さらに彼女たちにチップを渡すことができる。ダンスフロアのほか、ゆったりと会話ができるラウンジフロアも展開され、それぞれの楽しみ方で過ごせるのが特徴だ。

※チケットは予定枚数終了

Contributor

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