四ツ谷で過ごす24時間

ミサ、角打ち、ジャズ喫茶に荒木町……多彩な世代や文化をディープに案内

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テキスト:間庭典子

甲州街道の関所、大木戸もあった四ツ谷界隈(かいわい)は江戸の時代から多くの人が行き交う場所だった。皇居や迎賓館赤坂離宮にも近く、今も各国の要人が訪れる。都心にもかかわらず、昔ながらの個人商店が変わらず愛されているのも特徴だ。上智大学をはじめ教育機関も多く、国際色も豊か。四ツ谷は、さまざまな世代や文化が交じり合うダイバーシティの街なのだ。

街中でもさまざまなカルチャーに接するチャンスがある。ブラジル音楽のライブが連日行われているサッシ・ペレレや、ジャズ喫茶いーぐる、カントリーパブのパインフィールドなど、その世界の神髄に触れられる名店も多数。

江戸時代から続く老舗酒屋の角打ち、スタンディングルーム鈴傳には通な常連客が通う。花街らしい華やぎが残る食通の街、荒木町は世代交代が進み、若手が参入し活気づいている。一見ハードルが高く見えるこの界隈だが、臆せずその懐に飛び込んでほしい。それが文化交流の第一歩なのだから。

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四ツ谷の朝は清々しい。上智大学や雙葉学園などのミッションスクールや施設が多く、聖イグナチオ教会では毎朝の7時からミサが始まる。英語やスペイン語などさまざまな言語でのミサも行われ、国際色豊かだ。

早朝はまだ人通りも少なく、迎賓館赤坂離宮前での記念写真も独り占め気分に。日本で唯一のネオ・バロック様式の宮殿前は荘厳だ。10時以降は予約なしで本館や庭園を見学できる日もあり、そのまま赤坂離宮詣でを楽しんでもいい。

朝の散歩の後は駅構内・アトレ四谷内のラ・プレシューズ 四谷店へ。色とりどりのスイーツで評判のカフェだが、平日の8時半から10時はワッフルサンドなどのモーニングを500円で提供している。カウンター席では携帯の充電もできるので、休憩スポットとして覚えておくといい。

オフィスも多く、学生街だけにコスパに優れたランチも評判。トラットリア ドン ジョヴァンニのワンプレートランチ、マミーブレッドのシチューのつぼ焼きなど、地域に愛される名店に駆け込み、人気のランチを試してみよう。

子どもと訪れたいのが、四ツ谷3丁目駅に直結した消防博物館。消防ヘリコプターに乗り込んで撮影することが可能だったり、消化活動体験ができるゲームなど、参加型の展示が多く、盛り上がる。江戸の町を再現したジオラマは、歴史好きもうなるはず。

珍しいお土産を求めるのなら、世界各地の修道院の製品をセレクトしたサンパオリーノへ。クッキーやハチミツ、ワインなどの食材のほかにも、シスターたちによるハンドメイドのスリッパやサンダルなどの日用品もそろうのだ。

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夕方

夕暮れになると一転、四ツ谷はのんべえ天国に。16時からオープンしているかいのみは、なんと日本各地の地酒を50種近くそろえ、セルフで飲み放題が可能な貝料理の専門店だ。

また、ペリー来航の3年前に創業した酒屋の
スタンディングルーム鈴は、17時になると角打ちスタンドとなり、常連が集う。いろいろと飲み比べて、自分好みの銘酒を見つけ出すのも楽しい。

通し営業をしている支那そば屋こうやは、知っておくと頼りになる店。ラーメンのほかにも豊富なメニューが並び、ランチを食べ損ねたとき、居酒屋感覚で昼飲みをしたいときなどさまざまなシーンに対応し、1人でも大勢でも訪れたくなる。肉がたっぷり詰まった雲吞(ワンタン)麺は四ツ谷名物。ぜひ試してほしい。

夜は美食の街、荒木町で伝統の鍋料理を。ネギと湯葉だけで食べる三櫂屋の豚しゃぶしゃぶは、シンプルだからこそ素材の豊さを感じられる。豚肉のうま味と脂の甘さをしゃきしゃきのネギが際立たせるのだ。

30年前まで検番があり、芸者衆で華やいだ花街だっただけに、風情のある割烹や居酒屋が連なり、噺家(はなしか)や作家など、粋を極めた文化人も足繁く通うエリアだ。

異国情緒を味わうならば、ブラジル料理のサッシ・ペレレへ。ボサノヴァが流れる空間で味わうシェラスコは本場の味。ライブ演奏とブラジル料理のコースと飲み放題がついて、新しい文化に触れられるディナーになるだろう。

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夜が更けたら……

四谷は良質の音楽に出合える街でもある。カントリーやジャズなど各ジャンルの聖地と呼ばれそうな歴史のある名店も点在。パインフィールドはカントリーミュージック業界の重鎮、サンシャイン松野の店。運がいいとカウンター内で自ら演奏してくれることもある。

また、1967年創業のいーぐるは自分と向き合う時間を過ごせる喫茶店。夜はバーとなり、音の波に揺られながら、ジャズ談議に花が咲く。

もう一軒寄りたいな、思ったらビーボ デイリー スタンド 四ツ谷店へ。終電を待つのもよし、深夜2時まで飲むのもよし、四ツ谷で長い夜を過ごせるとっておきのスポット。約10種以上のグラスワインが各400円から、フレンチ系のつまみも一律400円と、一人飲みにも最適な店。1日を振り返りながら、四谷見附の交差点を見下ろせる。

街をディープに味わう……

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30年前まで検番(芸者と料理屋・芸者屋・待合との連絡事務所)があり、芸者衆で華やいでいた荒木町。徳川家康が鷹狩りの際に立ち寄った、津の守弁財天の池など江戸情緒が残る名所も多く、今も噺家(はなしか)や作家など、粋を極めた文化人が足繁く通う一帯だ。さまざまな文化や時代が交錯する路地を進み、風情のある割烹で酔いしれるもよし。はたまた、アフリカの酒をあおり、マジックバーで遊び、カントリーソングに包まれてるもよし。個性的な店が軒を連ねる荒木町の夜を探検し、未知なる世界への扉を開いてみよう。関連記事『四ツ谷で過ごす24時間』

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「虹の都光の港 キネマの天地」の歌い出しで始まる蒲田行進曲。JR蒲田駅ホームでは、このテーマ曲を電車の発車メロディーに使用し、かつては松竹撮影所があった映画の町の歴史を物語っている。戦後は中小の町工場が数多く並ぶ町として知られ、近年では朝ドラ『梅ちゃん先生』の舞台や、映画『シン・ゴジラ』の上陸地として名前を見聞きした人も多いのではないだろうか。 現在は名物の黒湯温泉のほか、餃子やラーメンの激戦区、のんべえにはたまらないセンベロ酒場が並ぶバーボンロードなど、安くて満足のいくグルメスポットとしても人気だ。東京駅から蒲田駅までは快速で20分、羽田空港から京急蒲田駅は15分程度と、交通の便が意外に良いことにも利点がある。 この記事では、朝から深夜まで楽しめるさまざまなヴェニューを紹介する。訪れる際は、蒲田ならではのレトロでドープな文化を存分に楽しんでほしい。

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夜の門前仲町は面白い。江戸時代からの情緒が残るこの下町は、富岡八幡宮や深川不動尊など寺社があることから、昼間は家族連れや観光客で賑わっている。一方、夜になれば、小道に並ぶ無数の居酒屋やバー、小料理屋に明かりが灯り、昼とは違う顔を見せる。良心的な価格で旨い酒や料理が味わえる店が多いことが特徴的で、酒やグルメ好きが集っている。特集では、夕方からのはしごに最適なスポットを紹介する。関連記事:『夜の浅草ガイド』『立石飲み歩き14選』

さまざまな人が行き交う都心の歓楽街、新宿。1960年代から70年代にかけては、ヒッピーや、フォーク・ジャズミュージシャン、演劇人らアングラな文化を愛する若者たちが集い、酒を飲み交わすカウンターカルチャーの聖地でもあった。近年では、思い出横丁やゴールデン街に外国人客が押し寄せ、また違った表情を見せている。ここでは、そんな時代を感じられるチャージフリーのジャズ居酒屋や、三島由紀夫ら文化人も通った老舗、なぜか外国人客でにぎわう店など、予算1,000円から飲める名居酒屋を紹介する。もれなく終電を逃したら、はしごしてディープな新宿の夜を謳歌(おうか)してほしい。  関連記事:『新宿でしかできない101のこと』 『東京、ベストレストラン100』

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