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神楽坂のオルタナティブスペース「Space√K」で、荒居誠による初個展「SUPER PRIVATE ― 事実無言 ―」が開催。キュレーターに高橋洋介を迎え、荒居自身の記憶や感覚を起点とした、ネオンと絵画による空間インスタレーションを展開する。
クリエーティブレーベル「PERIMETRON」に所属する荒居は、King GnuやMILLENNIUM PARADEなどのアートワークや空間デザインを幅広く手がけてきた。本展では、自身の心身が大きく揺らいだ時期の体験と、そこに刻まれた記憶や感覚を手がかりに、作家としての自律的な表現に向き合う。
荒居のビジュアル表現には、生と死、祝祭と破滅、美しさと恐ろしさ、秩序と崩壊といった相反する要素が共存する独自の感覚が通底してきた。その視覚言語は、自身の内面と結びつくことで、より個人的でありながら、現代を生きる人々の揺らぎにも通じる空間へと展開される。
会場では、記憶や感覚の断片をもとに、映画のワンシーンのように構成。来場者は、暗がりの中で光に照らされた作品やテキストをたどりながら、現実と非現実、不安と高揚、沈黙と語りの間を行き来するような体験を味わう。それは、容易には言葉にできない体験を時間をかけて見つめ直し、作品として外へ開いていくための試みだ。
作家として新たな一歩を踏み出す荒居の現在地を、ぜひ会場で確かめてほしい。
※13〜19時/入場は無料
光と音に彩られた幻想的な世界で、優雅に泳ぐ金魚たちと日本の伝統美に浸る夏の特別企画が開幕。都会にいながら江戸の涼が堪能できる、今夏必見のコンテンツが満載だ。
今年は「金魚が描く江戸景色」をテーマに、日本古来の屏風絵や歌川国芳の浮世絵をコラージュした大迫力の映像を投影する新エリア「金魚屏風の間」が初登場。舞台上に、高さ約2メートル、横幅約7メートルにもおよぶ過去最大級の屏風水槽がそびえ立つ姿は圧巻だ。
さらに、同館史上最大級のスケールを誇る巨大金魚鉢作品「超花魁 -結-」や、伝統のカットガラスが美しい「江戸切子品評」が銀座で初披露される。職人が手作りで絵付けした数百の風鈴が飾られる「金魚の回廊」など、涼しげな江戸の世界観を楽しもう。
※10~19時(入場は閉館の1時間前まで)/料金はウェブ2,500円、当日2,700円
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「ギャラリー小柳」で、「杉本博司 海景 江之浦|前写真、時間記録装置」展が開催。「小田原文化財団 江之浦測候所」から撮影された「海景」シリーズの第1作から2026年の最新作までを一堂に展示するほか、杉本博司自身が収集した化石を撮影し、プラチナプリントで制作した「P.P.T.R.D.」シリーズも並ぶ。本展は、「東京国立近代美術館」で開催中の回顧展「杉本博司 絶滅写真」に合わせて企画された。
写真・建築・造園・彫刻・舞台芸術・書など、多様な領域で活動を展開する杉本。その創作の原点には、半世紀にわたって探求を続けてきた銀塩写真があり、「海景」はその代表作の一つとして知られる。水平線を中心に、海と空のみで構成されたミニマルな画面は、銀塩写真ならではの無限の階調によって生み出され、人間の視覚を超えるような静けさに満ちた世界を映し出す。
「古代人が見ていた風景を、現代人も見ることは可能なのだろうか」という問いから生まれた本シリーズは、太古から変わることのない空と海を通して、人類の意識の原点をたどる試みでもある。自身の「原風景」と語る相模湾を望む江之浦測候所からの撮影は2022年に始まり、漁船やボートが出ない元旦にのみ行われる。この制作は、新たな年を迎える杉本の習慣となりつつある。
また、長年にわたり化石を収集してきた杉本は、人類誕生以前の過去を正確に記録していた化石を「写真以前の時間記録装置」と捉え、それらを再び写真として定着させた「P.P.T.R.D.(Pre-Photography Time-Recording Device)」シリーズを制作。会場では、プラチナプリントが醸し出す質感と豊かな階調のプリントを鑑賞できる。
杉本のまなざしを通して、人類の歴史を超えた生命の時間に思いを巡らせてみては。
※12~19時/休廊日は日・月曜、祝日、8月9~17日/入場は無料
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1966年の放送開始から60周年を迎えるウルトラマンシリーズを記念して、企画展「SHUWATCH with U」が開催される。
円谷プロダクションによって制作された『ウルトラマン』は、放送当時42.8%の最高視聴率を記録し、社会現象にもなった特撮テレビ番組。ウルトラマンは単なるヒーロー作品という枠を飛び出し、映画やデザイン、現代アートなど、多様な分野のクリエーターたちに世代や国境を超え影響を与え続けてきた。
同展ではその圧倒的なビジュアルイメージと精神性を起点に、国内外で活躍する12人のアーティストたちがそれぞれの視点で「ウルトラマン」を再解釈。絵画、立体など多彩な表現を通して、没入感のある空間を展開する。
ヒーローと怪獣、光と闇、想像力と未来。日本発の巨大なイマジネーションは、いま再び東京・渋谷から世界へ拡張していく。現代アートというフィルターを通して再び降臨したウルトラマンを前に、幼少時の記憶と感動を呼び覚ましてみては。
※※11~21時(8月3日は18時まで)/入場は閉館の30分前まで/料金は500円、小学生以下無料
近年、日本の写真表現は国際的に高い評価を受けているものの、その代表として語られる作家は長く男性に偏ってきた。「渋谷ヒカリエ」の「ヒカリエホール」 で開催される展覧会「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」では、女性写真家に光を当て、日本の写真史を新たな視点から捉え直す。2024年夏に「アルル国際写真フェスティバル」で大きな話題を呼んだ世界巡回展が、規模を拡大して日本に上陸する。
出展作家は石内都、石川真生、岡上淑子、片山真理、川内倫子、志賀理江子、長島有里枝、蜷川実花、野口里佳といった、日本の写真史のみならず美術史においても重要な役割を果たしてきた約30人の女性写真家。狭義の「写真」という枠組みを超え、インスタレーション・コラージュ・映像プロジェクション・観客参加型作品といった、創造性豊かな作品を紹介する。
さらに内容を深く掘り下げ、記憶・身体・日常・ジェンダーなど多岐にわたるテーマの作品約200点が登場。幅広い層の観客が写真表現の多様さを発見することで、さまざまな対話へと導かれるだろう。
日本の女性写真家による、写真史上前例のない大規模展を見逃さないように。
※10〜19時(入場は18時30分まで)/料金は前売り2,000円、30歳以下1,000円、高校・中学・小学生500円/当日2,200円、30歳以下1,500円、高校・中学・小学生1,000円、未就学児無料
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20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リー(Lucie Rie、1902~1995年)。ウィーンに生まれ、作家としての地位を築いた後、1938年の戦争を機にロンドンへ亡命し、作陶の拠点を移した。ろくろから生み出される優美なフォルム、象嵌(ぞうがん)やかき落としによる文様、釉薬(ゆうやく)がもたらす豊かな色彩は、今もなお多くの人々を魅了し続けている。
「東京都庭園美術館」で開催される本展では、国内に所蔵されるリーの作品を一堂に紹介する。また、ウィーン時代に交流のあったヨーゼフ・ホフマン(Josef Hoffmann)や、イギリスで親交を深めたバーナード・リーチ(Bernard Leach)、ハンス・コパー(Hans Coper)、濱田庄司らの作品も併せて展示。東洋の陶磁との関係性にも光を当てながら、初期から円熟期までの歩みをたどり、その造形の源泉に迫っていく。
会場となるアール・デコ建築の邸宅空間において、リーの繊細で凛(りん)とした造形世界と建築が響き合い、うつわ本来の魅力を引き立てるだろう。
※10〜18時(8月7・14・21・28日は21時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(7月20日は開館)、7月21日/料金は1,400円、学生1,120円、65歳以上・高校生700円、中学生以下無料
「NANZUKA UNDERGROUND」で、アーティストの村松佳樹による新作個展「NO SEQUENCE」が開催。絵画12点、ドローイングコラージュ3点、映像作品1点からなる新作群を発表する。
写真・手描き・コマ撮り・実写・クレイ・コラージュなど多様な手法を横断しながら、映像作品を中心に制作を行う村松。音楽グループのビジュアルワークや国際的なアートフェアへの参加など、芸術と商業の領域を往還しながら活動している。
その関心は、エドワード・マイブリッジ(Eadweard Muybridge)の連続写真やドイツ表現主義映画といった古典的映像表現から、ノーマン・マクラレン(Norman McLaren)の抽象フィルム、カルト映画やB級ホラー、実験映像、GIFアニメーションにまで及ぶ。さらに、人間の形状や温度を記憶し、映像的な余韻を残す家具やソファといった日常的な事物に宿る「時間の痕跡」にも向けられている。
また作品は、ジャポニズム、象徴主義、シュルレアリスムといった美術史的文脈から、現代のゲームカルチャーや漫画、映画表現までを多層的に取り込みながら構築。こうして、異なる時代や文脈に属するイメージの断片が、独自の映像的文法へと再編されていく。
ソーシャルメディア時代にあふれる断片的な視覚情報や時間感覚を再編集し、連続性そのものを問い直す試みとして、村松の作品は現代のイメージ環境を映し出している。
※11〜19時(休廊日は日・月曜)/入場は無料
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「東京都写真美術館」で、「食べること」や「共に生きること」を見つめ直す展覧会「TOPコレクション 明日の食卓」が開催。「食」をテーマに、14人の作家による写真・映像作品を紹介する。
会場は、「あのとき、あの食卓で」「食と地域のあいだに」「環境のなかで」「明日の食卓」の4章で構成。島尾伸三、野口里佳、潮田登久子、原美樹子、川内倫子、奈良原一高、山田實、竹谷出、宮本隆司、宮崎学、土田ヒロミ、楢橋朝子、岩井優、折元立身が参加する。
「食」を手がかりに作品をたどることで、家族や自身の食卓にまつわる記憶が呼び起こされるとともに、高齢化や孤食、環境問題など、現代社会が抱える課題についても思いを巡らせる機会となりそうだ。
見どころの一つは、島尾の「生活 1980–85」シリーズ。同じく写真家である妻・潮田と娘とともに過ごした日常を収めた作品群は、一家族の記録でありながら、普遍的な親密さや懐かしさを感じさせ、鑑賞者それぞれの記憶に静かに寄り添う。
また、人間社会の影響を受けながら生きる動物たちの姿を捉えた宮崎の「イマドキの野生生物」シリーズや、食事を通じて他者と時間や空間を共有する行為を表現した折元のパフォーマンス作品「おばあさんのランチ」シリーズにも注目したい。
会期中には、料理研究家の土井善晴を招いたトークイベントも開催され、多角的な視点から「食」を考える機会が設けられる。
※10~18時(木・金曜は20時まで、8月6~28日の木・金曜は21時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(祝日の場合は翌平日)/料金は700円、学生560円、65歳以上・高校生350円(第3水曜は65歳以上無料、8月6~28日の木・金曜17〜21時は学生・高校生無料)、中学生以下無料
「POLA」のグローバルフラッグシップ店「ポーラ ギンザ」で、美術作家の内藤愛による展覧会「午時葵の子守唄 A Lullaby for Cistus」が開催されている。
同展は、POLAの最高峰エイジングケアブランド「B.A」の最上位ライン「B.A グランラグゼ」から誕生したシートマスク「B.A グランラグゼⅣ マスク」の発売を記念して企画されたもの。「静とは、止まっている時間ではなく、見えない変化が内側で進行している運動である」という内藤の思想と、生命の静かな時間に着目したプロダクトのコンセプトが響き合う。
会場では、粒子を内包した繭のようなソフトスカルプチャーを展示。内部で水や空気を循環させるキネティックな構造によって、生命が絶えず変化し続ける運動を可視化する。
鑑賞者は自然の循環や身体感覚に意識を向けることになるだろう。
※10〜19時/入場は無料
「GYRE GALLERY」で、展覧会「SPECTRUM 2076 AD ── 来たる世界の意識体」が開催される。本展は、気候変動やテクノロジーの特異点を経た「50年後の未来(2076年)」という視点から現在を遡及的に問い直す、思想的な実験の場。出品作家には、池田謙、森万里子、山田晋也、名和晃平、牧田愛、草野絵美、熊谷亜莉沙が名を連ねる。
会場では、池田は音響によってベルクソン的な「持続」を空間に立ち上げ、鑑賞者の意識の輪郭を剥ぎ取っていく。森の垂直に立つクリスタルは、宇宙的な全一性へと開かれた上昇を提示し、山田は可視と不可視が交錯する絵画の層に、亡霊の気配を定着させる。
名和は物質を波動へと転じ、実在の皮膜を連続体として解体。牧田はポストヒューマンのトポロジーを描き出し、草野はAIという潜在空間から「存在し得なかった過去」を生成して現実と虚構の境界を揺るがす。熊谷は、沈みゆく文明の記憶を照らし返し、現代という一瞬に形而上学的な鎮魂を与える。
鑑賞者は、身体感覚を揺さぶる音響や重層的な視覚体験を通して、自身が「未来から現在へと送り込まれた亡霊(スペクター)」であるかのような感覚に導かれるだろう。壮大な思想的ドキュメントを体感してほしい。
※11~20時/入場は無料
建築家アントニ・ガウディ(Antoni Gaudí、1852~1926年)の没後100年となる2026年、「ガウディの窓」に焦点を当てた創造的かつ革新的な展覧会が、「21_21 DESIGN SIGHT」ギャラリー3とバルセロナで開催される。バルセロナの世界遺産「パラウ グエル」での展示とコンセプトを共有するサテライト展として、ギャラリーの空間特性を生かした独自の構成で展開する。
本プロジェクト「ガウディ:未来をひらく窓」は、「窓を考える会社」YKK APがこれまでに蓄積してきたガウディの窓に関する知見や研究成果、模型、共同研究の一部などを、展覧会をはじめドキュメンタリー映像や書籍、関連イベントを通じて紹介するもの。来場者とともにガウディの豊かな窓の世界を多角的に捉え、未来の窓の在り方を考える産学官連携プロジェクトだ。
独自の建築思想と探究心、独創的な形態感覚や構造開発に加え、芸術と技術に関する幅広い知見を背景に創作活動を行ったガウディ。多様な職人や協働者との連携、パトロンや施主の支援を受けながら、既存の建築様式や工法にとらわれることなく、多彩な窓を設計し、建築における「総合」と「調和」の実現を目指した。
世界遺産を含むガウディ建築群とのコラボレーションの下、研究者や専門家とともに横断的に探求された「ガウディの窓」の魅力に触れてほしい。
※10〜19時/休館日は5月26日・6月23日/入場は無料
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「TOTOギャラリー 間」で、建築家・山田紗子の初個展が開催。ギャラリー空間を「環境」と捉え、自然、生物、ランドスケープなどが複雑な旋律を奏でながら共鳴する独自の世界を表現する。
自由な造形や大胆な構成、鮮やかな色彩、生命感あふれるインスタレーションなどを通じて、建築に新たな息吹を吹き込む山田。「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)では休憩所の設計を手がけ、樹木群と人工物が溶け合う環境を実現させた。近年は、観光牧場のリニューアルや公共図書館のプロポーザル最優秀者にも選ばれている。
山田は、野生動物を記録する映像ディレクターを母に持ち、大自然の中で命を営む生き物たちの情景を観ながら育った。彼女のルーツには、絶え間なく風景が移り変わる悠久の時間の中で多様な生命が奏でる、無数の歌声が響く大地がある。
「いくつもの歌が同時に響くような建築」を掲げる山田は、要素同士がぶつかり合いながら新たな調和を生むポリフォニー(多声音楽)の在り方を空間として立ち上げる。日々複雑さを増す世界を多声的と捉えて肯定しつつ、躍動感のある豊かな環境の創出を目指す。
なお、2026年5月29日(金)には山田による講演会も実施されるので、チェックしてほしい。
※11〜18時/休廊日は月曜・祝日、5月4・5・6日/入場は無料
「エスパス ルイ ヴィトン東京」で、南アジア系ディアスポラのアーティスト、リナ・バネルジー(Rina Banerjee)による展覧会「You made me leave home…」が開催。インスタレーションや彫刻、絵画など、厳選した19点の作品を紹介する。
本企画は、「エスパス ルイ ヴィトン」の20周年および「フォンダシオン ルイ ヴィトン」による「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラム10周年を記念したもの。バネルジーは、約30年にわたる創作活動を通じて、現代社会における重要なテーマを探求してきた。本展では、地球規模の移動や植民地主義の遺産といったテーマの作品群を届ける。
※12〜20時/休館日に準ずる/入場は無料
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